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技術資料

HP ProLiant サーバ

目次

概要
  電力と熱負荷
  冷却装置の効果の最適化
  高密度データセンターの冷却構成の最適化
  温度管理技術
  結論

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高密度コンピューティングのためのデータセンターの最適化


冷却装置の効果の最適化

  この項では、今日のデータセンターの一般的な構造であるフリーアクセスフロア構造における冷却装置の効果を最適化する手法について、いくつか提案します。  

フリーアクセスフロア


ほとんどのデータセンターでは、連続的な対流循環で、気流が冷却されたり加熱されたりする、下降気流エアーフローパターンを採用しています。下降気流エアーフローパターンでは、フリーアクセスフロア (図4) の下に給気プレナムを形成する、フリーアクセスフロア構造を必要とします。CRACユニットは、上部から暖気を吸い込み、空気を冷却して、フロア下の給気プレナムに排出します。フリーアクセスフロアは通常、ビルの床から床タイルの上部まで、46cm (18インチ) から91cm (36インチ) あり、グリッド接地構造で支えられています。給気プレナムの静圧は、ラックを冷却するために、穴空き床タイルを通して空気を押し上げます。ほとんどの装置は、冷却給気を吸引し、ラックの後方から暖気を排出します。理想的なのは、排出される暖気が天井にのぼり、また天井に沿ってCRACユニットの上に戻ってくるサイクルの繰り返しです。従来の多くのデータセンターが、図4のように、フロントツーバック レイアウトでラック列を配置しています。このレイアウトでは、低い出力密度は処理できますが、出力密度が増えるに従って、装置の吸気口温度は、上昇し始め (図を参照)、重要なリソースをオーバーヒートさせてしまいます。このような冷気と暖気の継続的な交換は、かなり非効率的で、貴重な冷却装置とエネルギーの無駄遣いです。
   
  図4.高密度ラックを配置した従来のフリーアクセスフロア構造
  図4.高密度ラックを配置した従来のフリーアクセスフロア構造
   
  穴空きタイル
  床タイルは、46cm (18インチ) 角から61cm (24インチ) 角のものがあります。穴空きタイルの割合と配置場所は、静圧を維持するためには重要な要素です。穴空きタイルは、少なくともラック1つおきにラックの前に敷く必要があります。より高密度の環境では、各ラックの前に穴空きタイルが必要です。穴空きタイルは、その穴の空き具合で分類され、25% (最も一般的) から56% (高エアーフロー) まで異なります。25%穴空きタイルは、5%の静水圧の低下でおよそ14.1/分 (500立法フィート/分 (cfm)) を供給しますが、56%穴空きタイルでは、およそ56.6/分 (2000cfm) です。
   
  給気プレナム
  給気プレナムは、効果的な給排気用の加圧を一定にするために、完全に密閉空間でなくてはなりません。下地床周辺 (壁) の保全には、保湿と給気プレナム圧力のメンテナンスが大変重要です。つまり、給気プレナム周辺とフリーアクセスフロアは、密閉もしくは密封する必要があるということです。下地床のプレナムの仕切りは、大きな開口部のある場所、もしくは、下地床の周辺に壁がない場所に構築する必要があります。

給気プレナムは、ラックに電力を供給し、ネットワークを接続するために、パイプや電線管、ケーブルを通す経路としても使用されます。データセンターの中には、給気プレナムの床の上に、ケーブルを単に置いてあるだけなので、ケーブルがひどくもつれ合ってしまっているところもあります (図5)。その結果、ケーブルの堤防によってエアーフローを妨げたり、エアーフローを最小化して、床の上方に発熱個所を発生させる乱気流を引き起こしたりする可能性があります。U字型バスケットケーブルトレイまたはケーブルハンガーを使用すると、ケーブルの通路を整理したり、エアーフローの妨げを回避して、将来的なケーブルの追加にも対応できます。別の選択肢としては、高架上のケーブルトレイを使って、ネットワークケーブルとデータケーブルを配線することです。こうすることで、給気プレナムの床にあるのは、電源ケーブルのみになります。

ラックにある装置から出る電源ケーブルおよびネットワークケーブルは、タイルフロアのカットアウト (切り欠き) から電線路と床下のケーブルトレイを通します。極太または非密封ケーブルのカットアウトは、給気プレナムから退避するように給気されるので、これによって、静圧が低下します。セルフシール型ケーブルのカットアウトは、給気プレナムでの静圧を保持する必要があります (図6)。
   
  図5.フリーアクセスフロア下の未整理のケーブル (左) と整理されたケーブル (右)
 
図5.フリーアクセスフロア下の未整理のケーブル 図5.整理されたケーブル (右)
   
  図6.フリーアクセスフロアのセルフシール型ケーブルのカットアウト
 
図6.フリーアクセスフロアのセルフシール型ケーブルのカットアウト

ラック


ラック (キャビネット) は、総合的な冷却設備の重要な部分です。HPエンタープライズクラスキャビネットは、穴を空けた前面ドアおよび背面ドアアセンブリを使用することで、65%の通気性を実現しています (図7)。最新の高性能ハードウェアを使用するには、HPの旧型ラックおよびサードパーティ製のラックから、ガラス製のドアを取り外す必要があります。
   
  図7.HPエンタープライズクラスキャビネット
 
図7.HPエンタープライズクラスキャビネット
10000シリーズキャビネット
   
  冷却床面積
  各ラックに必要な床面積は、空気の吸引や排出のために、遮るものがない面積を含む必要があります。HPのハードウェアはほぼすべて、前面から背面へ冷却するので、ラックを隣り合わせに並べて設置することができます。冷却床面積 (図8) は、ラックの幅と奥行きに、ラックの前面に冷気の吸引用面積、ラックの背面に暖気の排出用面積を足します。

空気を下や側面から吸引して、側面や上部から排出する装置の場合、冷却床面積は異なります。全ラックの冷却床面積に、通路や傾斜路、通気用のフリースペースを足した面積が、データセンターに必要な物理面積の合計となります。通常は、ラックの前面に、床タイル2枚分の幅が必要です。また、ケーブルの配線をスムーズにするために、ラックの背面に、少なくとも1枚の何にも遮られない床タイルの幅が必要です。
   
  図8.冷却床面積
  図8.冷却床面積
   
  内部エアーフロー
 
図9.ブランクパネルなしのラックのエアーフロー (上)
およびブランクパネルありのラックのエアーフロー (下)
  図9.ブランクパネルなしのラックのエアーフロー (上) および ブランクパネルありのラックのエアーフロー (下)
   
  暖かい通路と冷たい通路
  HPのハードウェアを通る前から後ろへのエアーフローでは、暖かい通路と冷たい通路を交互に作るために、フロントツーフロントまたはバックツーバックの列にラックを設置することができます。装置は、冷却給気を吸引し、ラックの後方から暖かい通路に暖気を排出します (図10)。ラック列間のスペース総量は、次のようにして決めます。
 
  • 冷たい通路の幅は、タイル2枚分の122cm (48インチ) が必要です。また、暖かい通路の幅は、最低タイル1枚分の61cm (24インチ) が必要です。これは、装置の設置や撤去、フロア下を利用するために必要です。

  • 冷たい通路は、中央から中央までの間隔を、最短4.3m (14フィート) またはタイル7枚分、離しておく必要があります。
  図10.暖かい通路と冷たい通路がある、フリーアクセスフロア構造のエアーフローパターン
  図10.暖かい通路と冷たい通路がある、フリーアクセスフロア構造のエアーフローパターン
   
  ラックの区画設定
  暖かい通路と冷たい通路を作るようにデータセンターのレイアウトを設計することは、冷却最適化プロセスにおける1つのステップです。ラックレイアウトの区画設定も重要です。HP研究所の研究では、ラック設置のちょっとしたレイアウト変更で、CRACユニットの非効率な稼動をもたらすデータセンター内の流体力学を変更できることがわかっています。詳細については、静的スマート冷却 (Static Smart Cooling)の項を参照してください。
   
  CRACユニットの処理能力
  装置の熱負荷は、通常、BTU/hrで明記されています。しかし、米国では、CRACユニットの冷却能力は、しばしば「トン」で表されます。1トンの熱吸収量は、12,000 BTU/hrと同等です。「トン」という能力測定値は、約26.7℃ (80°F)で測定します。ただし、CRACユニットの推奨運用条件は、約21.1℃ (70°F) から約22.2℃ (72°F)、相対湿度 (RH) 50%です。摂氏22.2℃のとき、CRACユニットの出力能力は、大幅に低減されます。さらに、トン基準は、総冷却に基づいており、この総冷却というのは、「顕熱冷却」および「潜熱冷却」から成るため、非常に主観的です。

コンピュータ装置は、顕熱しか生成しないため、CRACユニットの顕熱冷却は最も利用価値があります。このため、CRACユニットメーカーは、通常、さまざまな温度と相対湿度での冷却能力を、「総BTU/Hr」や「顕熱BTU/Hr」として提供しています。お客様は、メーカーの仕様書を読み、次に、冷却能力がトンで書いてあれば、特定のCRACユニットで使用可能な能力を計算するために、顕熱冷却能力 (推奨運用温度および湿度で測定) を1トンにつき12,000BTU/Hrで除算します。

冷却能力は、立法フィート/分 (cfm) の体積で表示されることもあります。必要な空気の量は、空気に含まれる湿度および、給気と排気の温度の差に関係します (ΔT)。つまり次のようになります。

立法フィート/分 = BTU/hr ÷ (1.08 × ΔT)

ここで紹介した冷却能力の計算方法は、理論上のものです。そのため、特定のCRACユニットの有効範囲を決めるには、その他の要因も考慮する必要があります。冷却能力の有効範囲は、CRACユニットの能力と、そのエアーフローパターンでの装置の熱負荷によって決まります。通常、最も効果的な冷却範囲は、CRACユニットから2.4m (約8フィート)から始まります。20トン以上の能力があるユニットでも、今日のサーバにおける熱負荷の増加では、冷却範囲はおよそ9.1m (30フィート) が限度です (図11)。
   
  図11.CRACユニットの冷却範囲
  図11.CRACユニットの冷却範囲
   
  CRACユニットの配置
  部屋の区画設定および装置の熱負荷分散によって、CRACユニットの最善の配置が決まります。CRACユニットは、データセンターの壁の内側でも外側でも設置することができます。冷却水漏れによって起こり得る、電子機器の損傷を避けるために、液体冷却ユニットはデータセンターの外側に設置することをおすすめします。

CRACユニットは、給気プレナムへの排気が同じ方向に流れるように、装置が並んでいる列に対して垂直に設置するとともに、暖かい通路に配置する必要があります (図12)。このように構成すると、暖気が最短距離でCRACユニットに戻ります。同方向への排気は、床下で排気が互いにぶつかり合ってしまうデッドゾーンを作りません。長くて狭い部屋では、装置周辺にCRACユニットを配置すると、効果的に冷却できます。広くて四角い部屋では、装置周辺と部屋の中央を通る位置に、CRACユニットを設置する必要があります。
   
  図12.床下の冷気の排気を同方向にするために、暖かい通路に対して垂直にCRACユニットを設置する。
  図12.床下の冷気の排気を同方向にするために、暖かい通路に対して垂直にCRACユニットを設置する。
   
  排気速度
  フリーアクセスフロアから穴空きタイルを通って空気を通すには、給気プレナムの静圧をフリーアクセスフロアより上の静圧より高くする必要があります。通常は、給気プレナムの静圧をフロアより上の静圧より少なくとも5%以上高くします。

CRACユニットからの排気速度が過度に速いと、ユニットに一番近い穴空きタイルを通る静圧を下げ、エアーフローが不十分になります (図13)。高速排気はユニットから遠くへ空気を移動させるために静圧が高くなり、その結果、遠くの穴空きタイルからのエアーフローが増加します。この現象に対処するには、近くの穴空きタイルを通じて空気を逃がすために、フリーアクセスフロア下に風圧版を取り付けます。 *1その他の選択肢としては、特定のラックや発熱個所により多くの空気循環を供給するために、送風補助装置の付いた穴空きタイルを使用します。送風補助装置付きのタイルでは、5.6/分 (200cfm) から42.4/分 (1500cfm) が給気できます。
   
  図13.フロア上の静圧より給気プレナムの静圧を高くする (左) 高速排気は、ユニットの最も近くにある静圧を低減する (右)
  図13.フロア上の静圧より給気プレナムの静圧を高くする (左) 高速排気は、ユニットの最も近くにある静圧を低減する (右)
   
 
*1 『Changing Cooling Requirements Leave Many Data Centers at Risk』 W. Pitt Turner IV(プロフェッショナルエンジニア)、Edward C. Koplin(プロフェッショナルエンジニア)著 ComputerSite Engineering, Inc.より引用。

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