オープンソースソフトウェア(OSS)の進展が目覚ましい。Hadoopがビッグデータを分析/可視化し、OpenStackがクラウドを自在に形成するように、様々な領域にイノベーションをもたらしている。「近年、OSSによるイノベーションが不可能を可能にしている。大きく進化したハードウェアと組み合わせることでイノベーションがさらに加速する」とレッドハットのソリューションアーキテクト & クラウドエバンジェリストである平 初氏は言う。レッドハットでは、2014年12月にいち早く高性能かつ高信頼のインテル® Xeon® プロセッサー E7 v2 ファミリーを搭載したHP Integrity Superdome XのRAS機能の検証を実施した。その先に見据えているのは、OSSによる新世代のミッションクリティカル環境である。


『OSSによるイノベーションが 世界を変えています』

  ――オープンソースソフトウェアの世界で、現在どのような変化が起こっていますか。
     
  大規模分散処理ソフトウェアであるHadoopやクラウド環境を管理するOpenStackなど、オープンソースソフトウェア(OSS)によるイノベーションがまさに世界を変えています。最初のきっかけを作ったのはLinuxですが、ひとつの会社や限られた技術者では到底解決できない課題を、優れたアイディアを持った技術者が協力して完成度を高めていくOSSのアプローチは、すっかり認知され定着しました。ビッグデータ解析のように「できなかったことが、できるようになった」例はいくつもあります。
ここ数年での変化としては、企業がOSSコミュニティに大きな影響力を持つようになったことでしょう。たとえば、Linux の最も優れた点はコミュニティにあると言えます。現在では、Linuxカーネルの開発者の80%以上が企業に所属している技術者が関与するなど、コミュニティはいっそう活性化しています*。ソフトウェア企業だけでなくハードウェア企業も多く参画しており、自社製品がより高速により快適に動作するようソースコードを改良しています。ベンダーがLinuxコミュニティに資金を提供する、というような単純な図式ではなくヒトも技術も継続的に提供し、しかも高度な意思決定のできる人材でなければなりません。この領域では、HPは1994年の XFree86を移植する際の協力と技術調査を起点に、積極的な取り組みを続けています。HPは、Linuxコミュニティに協力を行った最初のハードウェアベンダーとしても知られていますね。

*出典:Linux Foundation調査レポート ”Linux Kernel Development: How Fast it is Going, Who is Doing It, What They are Doing, and Who





平 初 氏(Hajime Taira)
レッドハット株式会社
サービス事業統括本部
ソリューション・アーキテクト部
ソリューションアーキテクト&
クラウドエバンジェリスト

日本ヒューレット・パッカード株式会社においてブレードサーバーおよび仮想化技術の普及拡大に貢献。現在、レッドハット株式会社にてクラウドエバンジェリストとして活躍。主な著書に「KVM徹底入門」(翔泳社)、「100人のプロが選んだソフトウェア開発の名著」(翔泳社)、「Red Hat Enterprise Linux 6.0の全貌」(日経ITpro)、「Red Hat Enterprise Linux 7がやってきた」(日経ITpro)がある。


redhat

『待望のスケールアップLinuxシステムの登場です』

  ――HP Integrity Superdome Xという新しいハイエンドサーバーをどうご覧になりましたか。
     
  ブレードアーキテクチャーを採用したHP Integrity Superdome Xは、「HP BladeSystemを使ったことのある技術者なら即座に違和感なく扱える」と直感しました。“普通免許で乗れるF1マシン”と言えば、想像してもらえるでしょうか。
1システムに12TBものメモリを搭載できること、これが決定的に他のx86サーバーと違います。インメモリ処理による劇的な高速化の恩恵を受けられます(図1)。サーバーシステムの利用方法のひとつにバッチ処理がありますが、数時間を要するバッチ処理がリアルタイムに変われば業務の手順も大きく変えられます。日本中の店舗での販売動向をリアルタイムで把握できたら、マーケティングの手法や経営者の意思決定プロセスも大きく変わるはずです。仮説と検証を繰り返す、その頻度も大幅に高められるでしょう。その先に見えてくるのは意思決定のアルゴリズム処理、すなわちITがヒトに代わって最適な意思決定を瞬時に行うような世界です。


  ――OSSはスケールアウトサーバーとの親和性が高そうにも思えます。
     
  必ずしもそうとは言えません。本来、1台のサーバーが必要なだけのリソースを提供できるならスケールアウトさせる必要はないのです。通信を制御する仕組みは不要ですし、サーバー間のインターコネクトがボトルネックになることもありません。私は、スケールアウトそのものは「制約」であると思っています。
では、いままでなぜ16ソケット以上のスケールアップサーバー製品がなかったのかというと、ハードウェアとOS両方の事情から最大性能を発揮できなかったからです。
高性能かつ高信頼のインテル® Xeon® プロセッサー E7 v2 ファミリーを搭載したHP Integrity Superdome XはNUMAアーキテクチャーによってサーバーノード間を仮想的なネットワークで結んでいますが、「XNC2」チップセット/ノードコントローラーが16ソケット240コア間の通信を高速化し、遅延なくデータをやりとりします。これがハード面におけるブレークスルーです。
一方で、Red Hat® Enterprise Linux®はNUMAアーキテクチャーに完全対応し、OSカーネルのスケジューラーがデータの場所やCPUとの距離を考慮しながら、最適なCPUやメモリに処理を割り振ることができるようになっています (図2)。こうしたハードとソフト両面の進化により、スケールアップ型サーバーならではの巨大なリソースを活かした超高速処理が可能になっているのです。


図2
NUMAアーキテクチャーとRHEL6における性能の相関図




  ――スケールアップ型サーバーの最大性能を引き出せる条件が整ってきたわけですね。
     
  はい。低速なハードディスクから超高速のインメモリ処理へ、ネットワークの遅延が伴うスケールアウトからスケールアップ型のアプローチへ――オーバーヘッドの要因を削ぎ落としていくことによって、スループットはまだまだ改善できる余地があります。
HP Integrity Superdome Xの240コア/12TBメモリというリソースに対して、「そんなに大きなサーバーどうやって使うの?」という声を聞きますが、私はそうは思いません。インメモリ処理では大きなCPUのリソースを必要とします。劇的なスループット向上が、バッチ処理をリアルタイムに、1度の意思決定を100回の仮説検証に変えることができるのです。





図1
ストレージアクセス速度




『新世代ミッションクリティカル環境へ、未踏の領域への大きな一歩です』

  ――HP Integrity Superdome Xはどのような役割を担うとお考えですか。
     
  コンピューターの利用スタイルは大きく2極化していきます。ひとつは、PCやモバイル、IoT(Internet of Things)に代表されるユーザーに近いコンピューティングリソース。もうひとつはデータセンターやクラウドなど、バックエンドの集中化されたコンピューティングリソースです。

HP Integrity Superdome Xは、基幹業務や収益を生み出す基盤のような大規模な処理を集中的に担っていくことになるはずです。しかもリアルタイム、あるいは限りなくリアルタイムに近い形で処理されますから、意思決定やビジネスプロセスを大きく変えていくでしょう。

Linux OSは、HP Integrity Superdome Xからクラウドを構成する汎用サーバー、モバイルやIoTデバイスまであらゆるプラットフォームで稼働します。今後ますますその役割が高まっていくはずです。
もうひとつ重要なことは、汎用的なx86サーバー上で利用してきたLinuxベースのアプリケーションを、何の変更もなくHP Integrity Superdome X上で利用できることです。特別なソフトウェア製品を調達する必要なく、オープンなソフトウェアスタックを使えることが大きな魅力と言えます。


  ――大規模かつミッションクリティカルなシステムには高い信頼性が求められます。
     
  HP Integrity Superdome Xは、RHEL標準カーネルとファームウェアを連携させて、CPUやメモリ、I/Oカードの障害時に処理を継続させるとともに自己修復を行う仕組みを備えています。
レッドハットでは、HP Integrity Superdome Xが日本に初上陸した直後に数週間におよぶRAS機能の検証を行いました。「HP Advanced Error Recovery(MCAリカバリー)」、「HP Advanced Error Containment(I/Oエラーリカバリー)」といった、HP-UXベースのシステムで実績を重ねたRAS機能が、HP Integrity Superdome XとRHELで正しく動作することを確認できました(図3)


図3
HP Advanced Error Recovery(MCAリカバリー)



    また、HP-UXは商用UNIXとしていち早く10年保証を打ち出しましたが、RHEL 6もGAリリース(2010年11月)から最長13年間の長期ライフサイクルで製品サポートを提供します。日本ヒューレット・パッカードが提供する「Advanced Mission Critical Update Support(RHEL AUS)」を利用すれば、特定のマイナーリリースを6年間にわたって安定的に、かつ安心してご利用いただけます(図4)。日本ヒューレット・パッカードは、国内でRHEL AUSを提供する唯一の外資系ベンダーでもあります。
実際のところ、ミッションクリティカルなシステムを安定的に運用するためには「体制づくり」がとても重要になります。日本ヒューレット・パッカードとレッドハットの協力関係は、お客様に大きなメリットをご提供できるはずです。


図4
日本ヒューレット・パッカードが提供する「Advanced Mission Critical Update Support(RHEL AUS)



  ――OSSの進化は、今後どのような価値を生み出していくでしょうか。
     
  1つのベンダーの技術陣がソフトウェア製品の機能を向上させていくモデルには、コストでもスピード面からも限界が見えてきました。OSSの進化のスピードは凄まじく、クラウドからミッションクリティカルな環境まで網羅する領域やテーマも広大です。
実際に、日本ヒューレット・パッカードとの協業の中でも大規模ミッションクリティカルシステムの事案が増えてきました。今後、私たちの暮らしや経済を支える「社会インフラ」としての役割も担っていくようなシステムもあります。真にオープンなミッションクリティカル環境は、オープンなイノベーションから生まれていくのだと考えています。




インテル® Xeon® プロセッサー E7 v2 ファミリー搭載

HP Integrity Superdome X

  • インテル® Xeon® プロセッサーE7-2890 v2(2.8GHz/15コア)
  • 16ソケット(計240コア)
  • 12TBメモリ(DDR3)
  • Redhat Enterprise Linux 6.5
  • Redhat Enterprise Linux 7.0
製品詳細はこちら
    HP Integrity Superdome Xについてはこちら
http://www.hp.com/jp/sdx



インテル® Xeon® プロセッサー E7 v2 ファミリー

99.999%というハードウェアレベルの可用性を実現



*1 すべての(4-wayで96、8-wayで192)DIMMと64GB DDR3 LR-DIMMを取り付けることで可能なメモリ容量です。
*2 絶対的な信頼性、可用性、または保守性を提供できるコンピューターシステムはありません。インテル® Run Sure テクノロジー対応システム(対応するインテル® プロセッサーおよび対応テクノロジーを含む)が必要です。一部のインテル® プロセッサーで利用できる内蔵信頼性機能を使用するには、別途ソフトウェア、ハードウェア、サービスまたはインターネットへの接続、あるいはその両方が必要となる場合があります。結果はシステム構成によって異なります。各システムメーカーにお問い合わせください。

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