2015年4月24日、日本ヒューレット・パッカードは、CAEをはじめとするハイパフォーマンスコンピューティング分野の最先端情報を紹介する「HPCフォーラム2015 テクニカルコンピューティング最前線 〜HP-CAST Japan〜」を開催した。世界各国の製造業向けITソリューション(設計、解析、シミュレーション)から科学技術計算の分野まで、広範囲なHPCの分野で豊富な実績を持つHPのプラットフォームとスポンサーのソリューションについて、グローバル事例を交えて紹介した。

日本ヒューレット・パッカード
執行役員
HPサーバー事業統括部本部長
大月剛

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ヒューレット・パッカード カンパニー
HPサーバー事業 HPC・Big Data ソリューション担当
バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー
Bill Mannel

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ヒューレット・パッカード カンパニー
HPサーバー事業 HPC・Big Data ソリューション担当
HPCビジネス開発グループマネージャー
Ed Turkel

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テクニカルコンピューティングの明日を洞察

まず、フォーラム冒頭で挨拶に立った日本ヒューレット・パッカードの執行役員 大月剛は、HPC分野への取り組みとHP-CASTについて語った。

「HPでは、モビリティ、クラウド、セキュリティ、ビッグデータの4つをメガトレンドと考えています。こうした絶えず変化する世界に向けて、ITには新たな使命が求められています」とした上で、HPのCompute Portfolioを紹介。「サーバーを再定義し、ワークロードに最適化します。そして、異なるニーズに向けて、常に最適なインフラを提供するため用途に特化した製品を次々と出していきます」と力を込めた。

日本は世界屈指の技術大国であり、世界有数の製造業ITユーザーがいる。HPグローバルでは、日本をHPCの最重要市場と位置付けている。また、日本市場は活気づいており、2020年の東京オリンピックに向けてさらなる成長が期待できるとした。

「HPは、世界6拠点にHPCの検証環境を持ち、世界中で活躍する日本企業のニーズに柔軟にお応えできます。また、日本ヒューレット・パッカード昭島工場では高品質なフルカスタマイズCTOをご提供しています。グローバル企業の利点を活かして、日本ヒューレット・パッカードならではの価値をお客様にお届けしていきます」

大月は、HPCフォーラム2015の副題でもある「HP-CAST(HP Consortium for Advanced Scientific and Technical Computing )」について紹介した。HP-CASTは、2003年のHPとコンパックの合併を機に発足。HPCにフォーカスしたユーザーグループとして、毎年米国を含む3カ所で世界規模のカンファレンスを開催し、日本からも多くのユーザーが参加している。また、米HPが主催するカンファレンスとは別に、リージョン主導による「HP-CAST Regionalカンファレンス」も開催されている。日本でも2011年より実施されており、今後さらに充実させていく考えを示した。


世界のHPC市場とHPの戦略

成長を続けるHPC市場におけるHPのリーダーシップ

基調講演に登壇した米HPのBill Mannelは、「現代は最もエキサイティングなシフトが進行中です。300億ものデバイスが存在し、40兆GBものビッグデータが生成される。ビジネスに成功するには、それらのデータを保存し、分析し、付加価値を付けていかなければなりません。そうした世界が抱える課題に対して、HPは確かなソリューションを提供できます」と述べた。

HPCとビッグデータの市場は成長を続けており、HPCの市場規模は237億ドルに及ぶという。この分野でHPはトップシェアを獲得している。HPC市場にはサーバー、ストレージ、アプリケーション、サービスを含むが、特にサーバーの占める割合は大きく120億ドルに達している。

「HPC市場はサーバー市場全体の10倍のスピードで成長しており、サービスプロバイダーの環境と合わせると、2017年には50%以上を占めるとの予測もあります。HPにとってHPCは戦略的に最も重視している市場のひとつです」 また、Bill MannelはIDC社が4月に米国で開催したユーザーフォーラムでの「2015年の予測」を引用して、今後の市場について語った。

HPCサーバー市場は、2年間の低迷期を抜けて成長軌道に復帰するという予測に対し、「中でも低〜中価格帯が勢いを増していることが注目点であり、HPの重要なマーケットになります」と語り、企業用途のHPCシステムの成長に期待を示した。「そして、もう一つ重要な点は、ソフトウェアスタックの重要性が高まることであり、HPは同分野でより多くの貢献をしていきます」と述べた。


業界最高レベルの包括的なHPCポートフォリオ

続いてHPの戦略的な取り組みを紹介した。その一つが、グローバルな事業部門「HPC/ビッグデータGBU」の新設であり、そのトップをBill Mannelが務めているというものだ。新たな体制に移行した目的は、「HPCとビッグデータ分野に特化し、より価値の高いソリューションを創出するため」と説明した。

遺伝学、医学研究、気象モデリング、金融、製造/エンジニアリングなど、HPC/ビッグデータ分野において、問題解決を求められる要件は急増している。そこで求められるのは「パフォーマンス」だけでなく、サーバー密度およびエネルギーといった「効率性」、より多くのユーザーがHPCを活用できる「アクセスの容易性」である。

「HPにはさまざまな問題解決に貢献するため、業界最高レベルの包括的なHPCポートフォリオがあります。これにより、ワークロードに最適化し、あらゆるニーズに対応することができます」

最後に、Bill Mannelは「HP Apollo 8000」を活用した米国国立再生可能エネルギー研究所 (NREL)の事例を紹介した。同研究所では、持続可能な社会の実現に向けて、車や家電など、さまざまな製品のエネルギー効率を研究しており、研究テーマの一つが「熱の再利用」であった。


HP Apollo 8000によって、世界最大規模の産業用HPCシステムを構築しただけでなく、その廃熱を利用して研究所の暖房や歩道の融氷に活用する仕組みを実現しました。まさに、HPの特定ソリューションに向けた代表的な例と言えます」と語った。

HP Apollo 8000は、2014年に米R&D Magazineより「年間で最も革新的で重要な製品」に選出されている。
http://www.rdmag.com/award-winners/2014/08/water-cooled-perfection(英語) 


テクニカルコンピューティング最前線

HPC用途向けに特化した「HP Apollo System」

続いて基調講演に登壇した米HPのEd Turkelは、「HPテクニカルコンピューティング最前線」と題して講演。HP Apollo Systemとその採用事例を紹介した。


「HP Apollo Systemは、より高い性能を限られたスペースに実装することに注力して開発した、まったく新しい高密度型ハイパースケールサーバーです。そして、より多くの方々にHPCを活用いただけるかにも注力しています。これにより、本当の意味でのHPCの包括的なソリューションが提供可能となり、データ分析やエンジニアリングの高度な要求にお応えできるのです」

HP Apollo Systemは、いずれもHPC用途に最適化された設計となっている。ハイエンドモデルである「HP Apollo 8000」は、液体冷却を実現する世界初の温水冷式スーパーコンピューターであり、超低消費電力と排熱のリサイクルを実現する。

「HP Apollo 6000」は、5Uのシャーシに最大10台のサーバートレイ(1CPU/2CPUまたはGPU)を収容するモジュール式サーバー。最新のインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3ファミリーと大容量メモリを搭載可能で、企業向けHPC環境に最適なモデルとなっている。

「HP ProLiant SL 4500」は、Hadoopやオブジェクトストレージに最適な大容量ディスクを搭載可能なシリーズ。1シャーシに1/2/3サーバーノードを搭載するモデルから選べる。1ノード構成のモデルでは、1シャーシに最大60 SATA HDD/240TBを搭載可能だ。

また、今年3月に発表された「HP Apollo 2000」は、将来的にコンピューティングをスケールアウトさせるためのエンタープライズブリッジとして位置付けられた製品だ。1Uサーバーの2倍の高密度を実現し、最大で4台のサーバーノードを、コンパクトな2Uシャーシに収容できる。

「HPC向けサーバープラットフォームの開発にあたり、私たちが重視したのは最高のアプリケーションパフォーマンスです。アプリケーションとワークロードに最適化された設計とすることで、最大のパフォーマンスを発揮させることができます。また、革新的な水冷式サーバーに代表されるように、電力効率を徹底的に追求しました。さらにHPCクラスターの展開を容易にし、保守も簡単に行えるよう様々な工夫を施しています。より多くのお客様に、HPCの価値を享受いただけるようになったと確信しています」と語ってEd Turkelは基調講演を締めくくった。


HP ProLiant Generation9に幅広く採用されているインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3ファミリーは、俊敏性に富み、効率的なデータセンターを実現する最新の2ソケットサーバー/ストレージ向けインテル® プロセッサーです。エンタープライズ、クラウド、テクニカルコンピューティング、ビッグデーター分析などさまざまな用途にその優れた性能と機能を提供しIT 部門の課題解決を支援します。性能、電力効率、仮想化、セキュリティの面でも大きなメリットを提供することで、総保有コスト(TCO)の軽減と定評ある製品品質の提供を同時に実現できる、あらゆる組織にとって魅力的なソリューションです。


インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3 ファミリーの特徴(前世代との比較):

  • 最大 3 倍のパフォーマンス向上
  • 世界でもっとも電力効率に優れたサーバー
  • インテル® AVX2 により最大 1.9 倍のパフォーマンス向上
  • 仮想マシンの集約密度を最大1.7 倍向上
  • DDR4 によりメモリー帯域幅が最大 1.4 倍向上

インテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3 ファミリーの詳細はこちらを参照下さい。
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/processors/xeon/xeon-processor-e5-family.html