アカデミー賞®受賞歴のある視覚効果スタジオが、
HP Apollo 6000 Systemによりレンダリングに必要な時間を30%短縮

alt_text

「緊密なパートナー関係にあるHPは、私たちの声に真剣に耳を傾け、取り組みを理解しようと尽力してくれています。また、当社のビジネスに最適なソリューションを実現すべく、良好な協力体制を築いてくれています」

−Weta Digital社CIO、Kathy Gruzas氏

 

Weta Digital社はこれまで、数々のヒット映画を制作してきました。「ロード・オブ・ザ・リング」3部作、「アバター」、「アイアンマン3」、「猿の惑星: 新世紀」など、同社の視覚効果によって命を吹き込まれた大作は数え切れません。このような作品の制作には、卓越した計算能力が必要となるわけですが、それを支えているのがHPのテクノロジーなのです。同社は2014年、「ホビット: 決戦のゆくえ」の制作に向け、HP Apollo 6000 Systemをベースとする、次世代コンピューティングソリューションの導入を決定しました。

HPとの「ホビット」映画製作について[3:33]

動画を見る

業界

デジタル視覚効果


目的

  • 制作期限を厳守できるよう、レンダリングのスループットを高速化

ITの効果

  • 従来のサーバーと比較して、パフォーマンスが30%向上
  • 従来のサーバーと比較して、消費電力が25%低減
  • 電力使用効率 (PUE) が1.1まで低下

ビジネスの効果

  • ビジネスクリティカルシステムの配備を6週間で完了し、厳しい制作期限に対応
  • デジタル視覚効果業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立
 

映画制作を支えるHPのコンピューティングテクノロジー

ハリウッドから遠く離れた南半球に拠点を置きながらも、映画業界で圧倒的な存在感を放っているWeta Digital社は、ニュージーランドのウェリントンから、ハリウッドの監督やプロデューサーが思い描くビジョンをドラマチックに実現し続けています。「猿の惑星」シリーズで表現された類人猿の驚くべきリアリズムや感情の豊かさ、そして「ホビット: 決戦のゆくえ」で展開された壮大な戦闘シーンなど、同社のチームは、観客にリアルな体験を届けています。

その実績において業界の注目を集めてきた Weta Digital社は、これまでアカデミー賞®最優秀視覚効果賞を5回受賞しています。5体のオスカー®像は、「ロード・オブ・ザ・リング: 旅の仲間」、「ロード・オブ・ザ・リング: 二つの塔」、「ロード・オブ・ザ・リング: 王の帰還」、「キングコング」、および「アバター」に授与されたものです。

映画で奇跡を起こすため、また映画業界の厳しい納期に対応するため、Weta Digital社は常に、最新かつ最高レベルのコンピューティング性能を求めています。「決戦のゆくえ」の視覚効果制作で契約を獲得した当時も、同社は同様のニーズを持っており、この契約を履行するには、計算能力を増強する必要がありました。そこで同社では、既存のレンダーウォール (レンダリング用システム) を強化するために、HP Apollo 6000 Systemを導入することになりました。

 

HP Apollo 6000 Systemの導入

Weta Digital社では、新たな映画の制作にあたり、必ずレンダーウォール (現在60超のラックに5,000台以上のHPサーバーを収容している、大規模コンピューティングクラスター) のコンピューティング性能を増強する必要があります。監督、プロデューサー、そして非常に目の肥えた観客の期待が高まり続ける中、そうしたニーズに応えるうえでの鍵となるのがレンダーウォールのパフォーマンスです。

Weta Digital社のCIOであるKathy Gruzas氏は、次のように述べています。「私たちは常に、限られたリソースの中でさらなる成果を挙げること、そして創造力と視覚効果の可能性の限界を超えることを求められています。一層リアルな映像を期待している観客は、画面に映し出される物語に入り込みたいのです」。

厳しいスケジュールの中で、これまで以上にリアルな視覚効果を実現するため、Weta Digital社は常にプロセッサーコア、メモリ、ストレージ、およびI/O帯域幅を追加する必要に迫られています。2014年後半に劇場公開され大ヒットとなった「決戦のゆくえ」の視覚効果を担当していた当時も状況は同じで、これを機に同社は、HP Apollo 6000 Systemの導入を決定しました。

これについて、Weta Digital社のプロダクションエンジニアリング責任者であるGraeme Demmocks氏は次のように説明します。「新しい映画の契約を獲得し、大規模プロジェクトを開始するのに合わせて、IT関連の購買も始まります。『決戦のゆくえ』のような大作の場合、3時間前後のコンテンツになるため、それだけの映像を制作できるITインフラストラクチャを購入しなければなりません」。

Weta Digital社は、複雑なレンダリングのスループットを高速化し、アーティストの反復処理を増やして効率化を図るという目標を達成するため、最新かつ最高レベルのテクノロジーである HP Apollo 6000 Systemと最新のインテル® Xeon® プロセッサーを採用しました。なお、HP Apollo 6000 Systemは、その当時新たに発表されたばかりであったため、リリース前製品としてしか提供されていませんでした。 契約上すでに納期が設定されており、新しいハードウェアをスケジュール通りに購入して設置することが非常に重要であったため、HPのパートナー企業である富士通のエンジニアが、主要なHP研究開発部門のエンジニア、HPサポート部門のエンジニア、およびHPプリセールス部門のアーキテクトと連携しながら、システムへのサーバー、エンクロージャー、電源シェルフの設置、およびネットワーク機器の導入、ケーブル配線、ファームウェアアップグレードを行いました。

Weta Digital社のデータ/レンダーラングラーマネージャーであるAndy Wright氏は、次のように述べています。「HPは見事期待に応えてくれました。発注から納品、設置に至るまでがわずか6週間という、非常に厳しい期限を設定したのですが、HPはその要求を超える対応をしてくれたのです。しかも、当時はリリース前であったため、工場から完成したばかりのハードウェアが届けられました。組み立て直後の製品が出荷され、それをただちに設置したことで、HP Apollo 6000 Systemの設置が予定通りに完了し、作品のレンダリング処理を開始することができました」。

「HP Apolloサーバーを導入したことで、従来のレンダリングサーバーと比較してパフォーマンスが30%向上したうえ、約25%の省エネ化に成功しました」

- Weta Digital社CIO、Kathy Gruzas氏

 

ラックレベルソリューション

HP Apollo 6000 Systemの導入にあたり、HPが採用したアプローチは、サーバー以外にも焦点を当てて、最適なコンピューティングを実現し、最適な経済性で最適なワークロードを提供できる、ラックレベルソリューションを構築するというものでした。

HP Apollo 6000 Systemは、最大10台の独立型トレイを収容する、モジュール式の5Uシャーシ構成からスタートできます。Weta Digital社が選択したHP ProLiant XL230a Gen9サーバートレイは、最新のインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3 シリーズを搭載する1台の2Pサーバーを備え、最大512GBのメモリと4TBのストレージまで拡張することが可能です。

Weta Digital社に配備されたHP Apollo 6000 Systemは全体で400台のサーバー、40個のエンクロージャー、および10台の電源シェルフから構成されます。また、HPの製品をベースとする、サーバーおよびネットワーク用のエンドツーエンドのソリューションの一部として、HP Networking A5930スイッチが配備されています。

一方、ソフトウェアについては、社内開発され、現在ソースコードが約百万行あるレンダリングプラットフォームのManukaと、(Pixar社のRenderManをはじめとする) 市販のレンダリング製品が活用されています。また、同社はリモートコンソールアクセスおよびシステム管理にHP Integrated Lights-Out (HP iLO) を、電力使用率の報告にHP Systems Insight Managerを使用しています。

 

制作プロセスの高速化

Weta Digital社のITプロフェッショナルは、HP Apollo 6000 Systemが、同社のレンダーウォールで実行されるワークロードのスループットを高速化するのに必要なすべての要素 (処理性能、メモリ、I/O、ストレージ) を備えたソリューションであると捉えています。作業のピーク時に、レンダーウォールにおいて一晩で50〜100TBのデータを処理できる パフォーマンスを得たことにより、制作チームはこれまで以上に才能を発揮できるようになりました。

これについてDemmocks氏は、次のように述べています。「Weta Digital社の目標は、最高の、そして願わくは他の追随を許さないほど優れた視覚効果の映画を制作することにあります。そのためには、卓越した計算能力が必要となるわけですが、それを支えているのが当社のITインフラストラクチャとHPのテクノロジーなのです。最高のインフラストラクチャがあれば、アーティストは反復処理が可能となり、反復処理が増えれば、それに伴って作品の品質が向上します。Apollo 6000の導入により、アーティストが反復処理できる作業が確実に増えています」。

卓越したコンピューティング性能とメモリ容量のメリットが明白になり、鮮明に感じられるのは、膨大なデータが写真のようにリアルでドラマチックな画像に姿を変えて画面に映し出されるときです。Weta Digital社のレンダーウォールでは、この処理を一晩のうちに完了できます。

これについてDemmocks氏は、次のように話します。「『決戦のゆくえ』には、膨大な数のキャラクターが登場するシーンがあるのですが、以前であれば、4〜5台の旧世代システムに分割して処理を行わなければなりませんでした。しかし、Apollo 6000 Gen9シリーズを導入したことにより、1台のマシンですべてを処理できるようになりました」。

HP Apollo 6000 Systemは、作品のレンダリングに文字通り大きな変化をもたらしています。この新しいシステムにより、Weta Digital社の制作チームは、これまでわずか5万ポリゴンのレンダリングに要していたのと同じ時間で、5,000万ポリゴンをレンダリングできるようになった、とDemmocks氏は述べています。こうしたテクノロジーの進歩によって、制作チームが一層複雑で込み入った画像のレンダリングを行えるようになり、完成した作品の中に写真のようにリアルなシーンが増えます。

Demmocks氏は、次のように述べています。「目的は作業時間の短縮ではなく、さらに複雑でリアルなシーンを制作することにあります。Apollo 6000 Systemによって、さらに手の込んだ映像が実現します」。

また、Weta Digital社でレンダリング/リサーチ責任者を務めるLuca Fascione氏は、次のように付け加えます。「これは素晴らしいシステムで、レンダリング部門とIT部門のどちらにおいても、操作やメンテナンスが非常に簡単に行えます。作業が中断されることが一切ない、最高のシステムです」。


 

低コストでパフォーマンスを向上

自社のレンダーウォールに、HP Apollo 6000 Systemを含む数千台のハイパフォーマンスサーバーを構成しているWeta Digital社は、パフォーマンスだけでなく、サーバーの消費電力や取得コストにも目を向けています。

これについて、同社のCIOであるGruzas氏は次のように述べています。「電力コストと取得コストの2つは、当社にとって最大の関心事となっていますが、HP Apolloアーキテクチャーは、まさに私たちのような業界を考慮して設計されたものだと思います。その点において素晴らしい製品であると同時に、電力効率や パフォーマンスも優れています。さらに、必要なコンポーネントだけが含まれており、余計な機能は一切ありません」。

HP Apollo 6000 Systemにより、Weta Digital社は、パフォーマンスを飛躍的に向上させるとともに、消費電力を大幅に低減することに成功しています。これについてGruzas氏は、「HP Apolloサーバーを導入したことで、従来のレンダリングサーバーと比較してパフォーマンスが30%向上したうえ、約25%の省エネ化に成功しました」と述べています。

HP Apolloサーバーおよびエンクロージャーは空冷式です。HP Apollo 6000 Systemでは、高密度の空冷式サーバーラック設計、外部電源シェルフ、およびHP Advanced Power Managerを活用することにより、1台のラックに搭載できるサーバーの台数が、競合他社のブレードソリューションより多くなっているため、設置スペースの問題が解消され、消費電力も抑えられます。

Weta Digital社では、さらなるコスト抑制を目指して、レンダーウォールのラックに水冷式冷却を採用しています。水冷式の冷却システムは、ウェリントンの涼しい気候を活かしたもので、これにより、熱交換システムを介したレンダーウォールの冷却が可能になります。また、ファンを稼働させるコストと、ポンプを通して冷却水をデータセンター屋上の給水塔に送るコストが削減されます。

HPのパートナー企業であるRittal社のラックはカプセル化されているため、ラックごとに冷却環境を構築できます。

Weta Digital社は、水冷テクノロジーの活用によって、1.1という驚異的に低い電力使用効率 (PUE) を達成しています。データセンターのエネルギー効率の測定に用いられるPUEは、データセンターに供給される電力をデータセンター内のコンピューティング機器の稼働に使用する電力で割って算出した値です。これについてGruzas氏は、「1.1というのは、アジア太平洋地域で最も低いレベルのPUEです」と話します。

 

HPとのパートナーシップ

HPと長年パートナー関係にあるWeta Digital社は、HP ProLiantサーバーファミリを何世代にもわたって使用してきました。

同社では、レンダーウォールにHPのサーバーを導入しているだけでなく、HPのワークステーションやモニター (特に、視覚効果の業界で広く利用されているHP DreamColorプロフェッショナルモニター) を多数使用しています。

Gruzas氏は、次のように述べています。「緊密なパートナー関係にあるHPは、私たちの声に真剣に耳を傾け、取り組みを理解しようと尽力してくれています。また、当社のビジネスに最適なソリューションを実現すべく、良好な協力体制を築いてくれています」。

また、HPが視覚効果業界、ひいては映画業界に対して強い関心を持っていると感じている同氏は、次のようにも語っています。「HPはこれまで、私たちや競合他社とのパートナーシップの構築に多くの時間を費やし、またその開拓に力を注いできました。その証となっているのが、HPの提供する製品です。HPの製品は、まさに私たちが求めているものなのです」。

 

最後に

Gruzas氏は、次のように締めくくります。「私はHPをお勧めします。ビジネスの相手として素晴らしい企業であるうえ、HPにはテクニカルイノベーションを牽引してきた長い歴史があります。HPは、非常に高い倫理観を持ち、特に顧客との関係において、常に正しいことを行おうという決意が感じられます。しかも、一緒に仕事をするのが楽しく、ひらめきを与えてくれます」。

 

Weta Digital社について

Weta Digital社は、ニュージーランドのウェリントンを拠点とする、世界有数の視覚効果スタジオです。シニア視覚効果スーパーバイザーのJoe Letteri氏が率いる同社は、妥協のない創造性と革新的テクノロジーの開発に対する熱心な取り組みで知られています。革新的なパフォーマンスによって誕生した、ゴラム、キングコング、シーザーといった数多くのデジタルキャラクターから、「アバター」や「ホビット3部作」の革命的な仮想制作ワークフローまで、同社は実写映画とCGの垣根を取り払い、映画の可能性を広げ続けています。

 

会社概要

Weta Digital

本件でご紹介のHP製品・サービス

導入ハードウェア

導入ソフトウェア

  • HP Integrated Lights-Out
  • HP Systems Insight Management

本ページの導入事例は、PDFで閲覧頂けます。  PDF (395KB)

本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。