コストパフォーマンスの高いメニーコアサーバーとして豊富な稼働実績を誇り、各種のベンチマークテストが証明する高性能なHP ProLiant DL980 G7を活用

今後、スケールアップのITインフラに再び注目が集まる機会は増えていくでしょう。その備えとして、数十規模のコア数、TBクラスのメモリーというリソースを前提に、追加するコア数に応じてパフォーマンスがきちんとスケールする、仮想化環境で高い信頼性を実現するといったテーマをはじめ、スケールアップのメリットを最大化できる革新的な仕組みをシステムソフトウェアの中に作り込んでいく必要があります。この新たな研究で基準として使えるメニーコアサーバーを探していました。

東京農工大学
工学部 情報工学科
准教授
山田浩史氏

 

数十ものコアを一つの筐体内に搭載でき、汎用的なソフトウェアの稼働が可能なメニーコアのコンピューターのコストパフォーマンスが近年、急速に向上している。これにより、スケールアウトに加え、スケールアップによるITインフラの構築が選択の視野に入ってきた。しかし、ここで問題となるのが、OSをはじめとするシステムソフトウェアだ。数コア、100GBほどのメモリーという低価格サーバーを複数台並べることを前提に作られている旧来のシステムソフトウェアでは、メニーコアサーバーの巨大なITリソースをフルに、しかも効率良く利用することが難しい。スケールアップ時代に対応できる新しいシステムソフトウェア。その実現に向けた研究が急がれる。

業界

官公庁・研究機関

目的

  • スケールアップのメリットを最大限に引き出すシステムソフトウェアの研究

アプローチ

  • 研究用ハードウェアとして、高性能なインテル® Xeon® プロセッサーを8基搭載した、メニーコアサーバーHP ProLiant DL980 G7を導入
  • クラウドなど最近の利用形態を想定し、CPU80コア、メモリー1TBという規模でハードウェア環境を用意

ITの効果

  • 数多くの稼働実績の裏付けと、3年の長期保守サポートにより安心の研究環境を構築
  • HP ProLiant DL980 G7に標準搭載のiLOで、電源のオン/オフを自在にリモート操作

ビジネスの効果

  • 次世代インフラの可能性をフルに引き出すシステムソフトウェアの研究が加速
  • 不揮発性メモリーの導入を見据え、今後のシステムソフトウェアの進化をリード
 

スケールアップによるインフラ構築はシステムソフトウェアが鍵を握る

ユーザーとしてコンピューターシステムを利用しているだけだと意識する機会は少ないかもしれないが、直接操作するアプリケーションと物理的なハードウェアの間には、「システムソフトウェア」と呼ばれるソフトウェア群が存在する。アプリケーションの性能を最大限に引き出せるようコンピューターのハードウェアリソースを管理・制御したり、アプリケーションの稼働に必要な共通的な機能を提供したり、といった極めて重要な役割を担っている。オペレーティングシステム(OS)や、仮想化環境の基盤となる仮想マシンモニター(VMM)がその代表例である。

アプリケーションやハードウェアの進化と並行して、システムソフトウェアも常に変化が求められる。特にハードウェアが革新的に進化する時、その進化を取り込んでシステムソフトウェアも従来の発想とは異なるレベルへジャンプアップする必要がある。数十コアを一つの筐体内に搭載でき、汎用的なソフトウェアの稼働が可能なメニーコアのコンピューターのコストパフォーマンスが急速に向上し、データセンターやエンタープライズクラスのシステムに適用できる現実的な水準へ価格が下がってきた今日は、「システムソフトウェアにも質的な大変革が求められるまさにその時」。東京農工大学工学部の情報工学科でシステムソフトウェアの研究に取り組む山田浩史准教授は、こうした認識を強く持っている。

メニーコアというハードウェアリソースの可能性を余すことなく引き出し、アプリケーションのパフォーマンスを最大化できるシステムソフトウェアはいかにあるべきか。先駆的なこの研究テーマに挑むため、山田准教授が確信を持って選んだメニーコアサーバーが、高性能なインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリー8基(80コア)を搭載したHP ProLiant DL980 G7である。


東京農工大学
工学部 情報工学科 准教授
山田浩史 氏

東京農工大学
工学部 情報工学科 准教授
山田 浩史 氏


省電力化やさらなる性能アップにもスケールアップが優位

ここ最近、IT分野では「クラウド」や「ビッグデータ」がホットなテーマとなっている。これらを実現するためのITインフラは、2コア、4コアといった安価なサーバーを大量に並べるスケールアウトの手法で構築されるのが、今のところ主流になっている。

「その最大の理由はサーバーコストにあります。従来、1筐体内にできるだけ多くのプロセッサーを集積してパフォーマンスを高めるスケールアップのアプローチを取ろうとすると、スーパーコンピューターのような特殊なハードウェアが必要となり、数億円、時には数十億円という莫大なコストがかかるものでした。しかし、汎用的なプロセッサーのマルチコア化が急速に進展し、メモリーの低価格化も相まって、一般的なハードウェアでメニーコアサーバーを実現できるようになり、コスト制約は徐々に解消。クラウドなどのITインフラ構築にスケールアップを選択できる可能性が出てきました。システムソフトウェアの国際学会でも、メニーコアサーバーへの注目度はこのところ非常に上がっています」と、山田准教授は状況の変化を解説する。

研究者たちがメニーコアサーバーに注目するもう一つの理由として挙げられるのが、省電力化だ。「日本では東日本大震災以降、データセンターへの供給電力に上限が設けられています。スケールアウトの場合、最低限必要な電力がかさむため、際限なくサーバーを物理的に追加することは難しく、電力がパフォーマンスの面でも制約になっています。これに対し、スケールアップは仮想化技術と組み合わせることで、1台の物理サーバー上に仮想サーバーを自由に追加し、システム全体のパフォーマンスを上げることが可能です。物理サーバー台数が少ない分、消費電力的に有利といえます」(山田准教授)。

さらに、スケールアウトでは必須だったサーバー間の通信を巧妙に調整するといった処理が不要になるため、パフォーマンスそのものの点でもスケールアップは優位性を発揮できるだろう、と山田准教授は見ている。


 

HP ProLiant DL980 G7のリソースは研究にジャストフィットな規模感

様々な可能性を秘めるスケールアップではあるが、いざ適用しようとすると、現状ではシステムソフトウェアがボトルネックとなってしまう。というのも、これまではプロセッサーであれば最大でも8コア程度、メモリーは128GB程度といった規模を想定して、機能の開発やパフォーマンスの最適化が図られてきたからだ。「今後、ITインフラはスケールアップのITインフラに再び注目が集まる機会は増えていくでしょう。その備えとして、数十規模のコア数、TBクラスのメモリーというリソースを前提に、追加するコア数に応じてアプリケーションのパフォーマンスがきちんとスケールする、仮想化環境で高い信頼性を実現するといったテーマをはじめ、スケールアップのメリットを最大化できる革新的な仕組みをシステムソフトウェアの中に作り込んでいく必要があります。この新たな研究で基準として使えるメニーコアサーバーを探していました」(山田准教授)。

HP ProLiant DL980 G7に山田准教授がたどり着く切っ掛けとなったのは、参加した国際学会や研究論文からの情報だった。「CPUを最大80コア、メモリーもTBオーダーを搭載できるサーバーが存在することを知ったのです。リソースの規模感としてはこのくらいがベスト。具体的な機種名を調べようとネット検索をかけたところ、最初に上がってきたのがHP ProLiant DL980 G7でした」と山田准教授は振り返る。


研究用プラットフォームの概要
HP ProLiant DL980 G7 インテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリー
ハードウェア: HP ProLiant DL980 G7
搭載プロセッサー: インテル® Xeon® プロセッサー E7-2830 8基/64コア
搭載メモリー: 1TB
搭載記憶領域: 900GB×8台
OS: Gentoo Linux 12.1

 

優れたコストパフォーマンスと長期間の保守サポートも評価

豊富な稼働実績に加え、その優れたコストパフォーマンスもHP ProLiant DL980 G7の魅力となった。

「スケールアップサーバー上での研究を推進するうえで、高い性能を誇るマシンは必須でした。また、仮想化環境上での実験を考えていたため、仮想化の性能を特に重視しました。結果として購入したHP ProLiant DL980は、現実的な研究予算で購入できる8ソケットサーバーの中で、SPECintやSPECvirt、SPECfpなどの数値のトップを軒並み占めています。特に、仮想化の性能を評価するSPECvirtは、KVMとの構成でダントツの値。Linuxをベースに研究することを想定していたことから、パフォーマンスの良さは大きな魅力です」(山田准教授)。

さらに、HPから提供される保守サポートは3年に及ぶ。長期間にわたってフル活用する研究用ハードウェアをしっかりとサポートしてもらえることは大きな安心感につながった、と山田准教授は付け加える。


 

電源オン/オフをリモート操作できるiLOは研究に必須のツール

「2014年3月に納入されて以降、まだ数ヶ月ですが、HP ProLiant DL980 G7はバリバリ動いてくれています」と、山田准教授は笑う。

現在は、以下のようなプロセスで集中的に研究を進めている。まず、HP ProLiant DL980 G7上に仮想化環境を用意し、そこでアプリケーションを稼働。割り当てるコア数を変えながらアプリケーションのパフォーマンスを計測し、どのような挙動や変化を示すかを繰り返し解析する。
この結果を基に、最も効率的なリソースの割り当て方を探っていく、というものだ。

「最近、試しているアプリケーションは、クラウド環境を模したベンチマークソフトである、オープンソースの『CloudSuite』。この中に含まれる様々なアプリケーションで、コア数をスケールさせていったときの挙動を解析し、VMMによる最適なリソースの割り当て方法を検討しています」と山田准教授。

繰り返し挙動の解析を行っていく際に、非常に重宝しているのはHP ProLiant DL980 G7に搭載されているリモート管理ツールHP Integrated Lights-out(iLO)だという。「コンピューターの電源のオン/オンまでリモートで操作できることに驚きました、VMMの設定をいろいろと変えたりしていると、時にはサーバーがハングアップしてしまうこともあります。このような場合でもリモートで電源を落とせるので、トラブルを恐れずに大胆なトライができる。強力な機能を備え、インターフェースも洗練されているiLOは、システムソフトウェアを研究するうえで必須のツールかもしれないと、最近では思うようになりました」(山田准教授)。


 

そう遠くない将来に待っている不揮発性メモリー時代も見据える

ビッグデータやクラウドの活用が本格化し、データセンターのさらなる拡張が見込まれる中、メニーコアサーバーをベースにしたスケールアップに適したシステムソフトウェアの研究はますます重要度を高めている。単に、スケールアウトからスケールアップの移行に留まらない可能性を持っているからだ。

「スケールアウトへの対応は、これまでに多くの研究成果や実践的ノウハウが積み上がっています。ここにスケールアップでの知見が加わることで、スケールアウトとスケールアップの融合、具体的にはメニーコアサーバーを複数台つなげた構成で、最大限のパフォーマンスを発揮できるITインフラの構築に道を開くことができるかもしれません」と山田准教授は期待する。

また、HP ProLiant DL980 G7という具体的なメニーコアサーバーを日常的に使い込む中で、さらなる将来を見据えた新しい研究テーマも見えてきた、と山田准教授。「コンピューターのメインメモリーを、限界の見えてきた揮発性メモリーから、より大容量化が見込める不揮発性メモリーへ置き換えるという取り組みが、研究レベルで動き出しています。それほど遠くない将来、これも確実に実現されるはず。そのハードウェア環境に則したシステムソフトウェアの在り方を、今から考えておくことは非常に有益です。
システムソフトウェアの世界でリード役は今のところ米国ですが、この変化は日本にとって絶好の機会。ポジションを逆転する意気込みで研究に取り組んでいくつもりです」(山田准教授)。


 

会社概要

国立大学法人 東京農工大学

所在地:〒183-8538 東京都府中市晴見町3-8-1

URL:http://www.tuat.ac.jp/index.html 


東京農工大学
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