コンポーザブル・インフラ製品「HPE Synergy」が
わずか30秒での物理サーバー導入・変更を可能に

“HPE Synergyは物理環境でもリソースプールの感覚で扱えます。仮想化不要でクラウドライクに運用できる、と言い換えることもできるでしょう”

―SBIリクイディティ・マーケット株式会社
代表取締役社長
重光 達雄 氏

 

年間684兆円の取引量を誇るFX取引システムに、コンポーザブル・インフラ製品「HPE Synergy」を採用――SBIリクイディティ・マーケットが、24時間無停止でFX取引を支えるサービス基盤の構築における工数を大幅に削減した。代表取締役社長 重光達雄氏が「わずか30秒で物理サーバーの役割を自由に変えられる理想的なインフラ製品」と評価する、コンポーザブル・インフラストラクチャによる物理サーバー環境構築自動化の世界最先端の事例である。

業界

金融サービス

目的

  • ラックマウント型サーバー約50台で構成されるFX取引クライアント系システムの刷新。物理サーバーの最大パフォーマンスを確保しつつ、仮想サーバー環境と同等の柔軟な運用を実現する。

アプローチ

  • クライアント系システムをコンポーザブル・インフラストラクチャ化。WebサーバーやAPIサーバーなど、物理サーバーの役割を自由かつ迅速に変更可能な環境を目指す。

ITの効果

  • コンポーザブル・インフラ製品「HPE Synergy」によりクライアント系システムを刷新
  • HPE Synergyコンポーザーおよびイメージストリーマーがサーバー初期設定/OSインストール等を自動化
  • 物理サーバーの導入や変更に要していた2日間の作業をわずか30秒に短縮
  • システムを構成するサーバー/ストレージ/ネットワークの一括設定・コントロールが可能に

ビジネスの効果

  • 仮想化不要でクラウドライクな運用が可能なサービス基盤を実現
  • 即座にサーバーの役割を変更にすることで突発的な負荷増大に適応可能に
  • 用途の異なる複数のシステム間でサーバーリソースを有効に活用しインフラ投資を抑制
  • FX取引システム基盤全体の最適化を推進し取引サービスの信頼性向上に寄与
 

チャレンジ


世界のFX取引をリードするSBI リクイディティ・マーケット

インターネット総合金融最大手、SBIグループにおける外国為替事業を統括するSBIリクイディティ・マーケット。同社は、SBIグループ3社(SBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレード)および海外事業会社2社に対して、外国為替証拠金取引(FX取引)のマーケット機能とシステムサービスを提供している。2008年の設立以来、右肩上がりで成長を続け、2016年におけるFX売買金額は684兆円に達した。これは、東京証券取引所第一部の売買金額を上回る規模である。代表取締役社長の重光達雄氏は次のように話す。

「FXは個人投資家向け金融商品の主役として認知され、SBIグループのFX市場におけるリーダーシップはすでに強固なものとなっています。個人投資家が『いつでも・どこでも・安心して取引できるサービス』を提供し続けてきたこと。これを支えるFX取引システムを継続的に強化してきたことが、私たちの成長の原動力となっています」

2016年は、英国のEU離脱問題や米国大統領選などの結果が予測を覆すたびマーケットに激震が走った。「世界規模で不確実性が高まる中、FX取引への影響もかつてない規模に及んだ」(重光氏)というが、SBIリクイディティ・マーケットのFX取引システムは揺るがなかった。

「より広く深くマーケットをウォッチし、リスクを見極めながらシステム全体を強化してきた成果と言えるでしょう。しかし、同時に『予測不可能な要求に適応できるシステム』をいかに実現するか、という課題を改めて突きつけられました。解決への道筋ははっきり見えています。目的に適ったサーバーを適材適所で採用して、システム全体のパフォーマンスを最大化すること。そして、セットアップや構成変更の自動化を推進することです」(重光氏)

SBIリクイディティ・マーケットが開発・運用するFX取引システムは、顧客からのアクセスを受けるクライアント系システム、バックエンドの注文マッチングシステム、インターバンクと接続するリスク管理システム等から構成され、それぞれの役割に特化したHPEサーバー群を配置している。

「今回、クライアント系システムにコンポーザブル・インフラ製品『HPE Synergy』を採用しました。『予測不可能な要求に適応できるシステム』の理想に近づくためのチャレンジです」(重光氏)

SBIリクイディティ・マーケット
株式会社
代表取締役社長
重光 達雄 氏


SBIリクイディティ・マーケット
株式会社
システム運用部
部長
渡邉 倫明 氏

 

ソリューション


コンポーザブル・インフラ製品HPE Synergyをいち早く採用

SBIリクイディティ・マーケットが採用した「HPE Synergy」は、世界初のコンポーザブル・インフラ製品として2016年に登場した。コンピュート、ストレージ、ネットワークファブリックをフレームと呼ばれる筐体に統合し、それぞれのリソースを自由に組み合わせて、ワークロードごとに最適化された環境を自動的かつ迅速に構築できる。HPE Synergyでは、物理サーバー環境、仮想サーバー環境、コンテナを自由に扱えるが、SBIリクイディティ・マーケットが特に注目したのは「物理環境でありながらクラウドライクに扱えること」(重光氏)だった。

「わずか30秒で物理サーバーの役割を自由に変えられる。しかも、セットアップや構成変更は自動実行されエンジニアのスキルを問わない――これらは、『予測不可能な要求に適応できるシステム』の理想に近づく大きな前進と言えるでしょう」と重光氏は評価する。

SBIリクイディティ・マーケットが物理環境にこだわる理由は明快だ。システムインフラ部 部長の中村秀博氏は、「FX取引システムでは、ミリ秒単位でレスポンス向上を追求しています。そのために、仮想化によるオーバーヘッドを排除して、物理サーバー単位での性能を最大限発揮させる必要があるのです」と説明する。

最高水準の信頼性・可用性も求められる。システムは24時間無停止でFX取引サービスを提供し、1日1億件以上のトランザクションをリアルタイムで処理する。取引規模の拡大とともに、ミッションクリティカルな要求レベルはいっそう高まっている。

「FX取引システムの可用性を高めるためにハードウェアの二重化は必須ですが、私たちにとっては二重投資という重い負担になってきました。HPE Synergyを採用したフロント系システムでは、物理サーバーの役割を自由に変更できるため、ハードウェアを過剰に持っておく必要がなくなります」(中村氏)

突発的な処理要求の増大に際して迅速に物理リソース割り当てる。システムの可用性を確保しつつハードウェアの二重投資を軽減する。HPE Synergyは、こうした課題を一挙に解決するテクノロジーを実装している。「コンポーザー」と「イメージストリーマー」である。




セットアップを自動化し2日を要していた作業を30秒で実現

ユーザーからのアクセスを受け付けるクライアント系システムは、およそ50台のラックマウント型サーバーで構築・運用されてきた。1U/2Uサーバーによる典型的なスケールアウト構成である。これが、HPE Synergy(5フレーム/42コンピュートモジュール)に置き換えられる。では、「コンポーザー」と「イメージストリーマー」はどのような役割を果たすのか。

「クライアント系システムは大きくWebサーバーとAPIサーバーに2分され、それぞれSBI証券、住信SBIネット銀行、SBI FXトレード向けの環境が用意されています。HPE Synergyのイメージストリーマーを使えば、マーケットの動向とシステムの負荷状況を見ながら、6つの環境に提供するサーバーリソースを柔軟に変更するような運用が可能になります」(中村氏)

「HPE Synergyイメージストリーマー」は、サーバー環境構築に必要なOS等をカスタムテンプレートとして格納する。これを要求に応じてコンピュートモジュールへ配信し、わずか「数秒」という高速セットアップを実行する。これにより、Webサーバーとして利用してきたリソースを、速やかにAPIサーバーに振り替えるような運用が可能になるのだ。

「WebサーバーとAPIサーバーのリソース割り当てを『台数』によってコントロールできるよう、コンピュートモジュールの仕様を同一にしました。2システム間でリソースを有効活用できれば、過剰なハードウェア投資を抑えることができます」(中村氏)

一方、「HPE Synergyコンポーザー」は、ファームウェア、トライバーのアップデートや、BIOS、アドレス、ストレージ、ネットワーク、アレイコントローラー等の初期設定を自動化する。

「HPE Synergyコンポーザーは、ハードウェア設定を手作業から解放し、数時間を要していた構築を数秒に短縮できます。従来、サーバーの新設・増設は2日間を要していましたが、HPE Synergyでは30秒ほどで完了します。作業の劇的なスピード化、効率化が図られます」と中村氏は評価する。

「運用段階での信頼性向上のメリットも大きい」とシステム運用部 部長の渡邉倫明氏は話す。渡邉氏が注目するのは「HPE Synergyファブリックモジュール」だ。

「HPE Synergyファブリックモジュールは、フレームをまたいでコンピュートモジュール間を10GbEで接続します。トップオブラック(ToR)スイッチと配線が不要になり、ネットワークポートやケーブルなど故障の原因となるコンポーネントが大幅に削減されます。機器構成をシンプル化し、ネットワークのボトルネックを解消するとともに、システム全体の信頼性向上にも寄与するのです」(渡邉氏)

最大5フレーム/60コンピュートモジュール間を10GbEで接続する「HPE Synergyファブリックモジュール」は、仮想的に1組のスイッチ(マスター/サテライト構成)として扱える。冗長化されたサーバースイッチをシンプルに実装し、配線を変更することなく物理サーバーの接続先を自由に変更できる。

「HPE Synergyは物理環境でもリソースプールの感覚で扱えます。仮想化不要でクラウドライクに運用できる、と言い換えることもできるでしょう。自動化により、構築・運用にかかる時間とコストを削減するとともに、エンジニアのスキルを問わず対応できるようになることも大きいですね」と重光氏も評価する。


“ 『システム全体の最適化』へ継続的に取り組んでいくとともに、『構築・運用の自動化』にもいっそう注力していく考えです。今回のHPE Synergy導入、コンポーザブル・インフラストラクチャの採用は、将来に向けた大きな一歩になると確信しています”

SBIリクイディティ・マーケット株式会社 代表取締役社長
重光 達雄 氏



SBIリクイディティ・マーケット
株式会社
システムインフラ部
部長
中村 秀博 氏


 

ベネフィット


グローバルなビジネス成長を支えるワークロード最適化戦略

SBIリクイディティ・マーケットは、FX取引システムの全体最適化に継続的に取り組んできた。「結果として多様なワークロードを適材適所のテクノロジーが担う方法に行き着いた」(重光氏)という通り、多様なHPEサーバー製品群が採用されている。

「2015年に導入した『HPE Integrity Superdome X』は、オンライン処理を劇的に高速化しました」(中村氏)

リスク管理システムには4ソケットサーバー「HPE ProLiant DL560 Gen8」を採用。1日1億件に達するトランザクションデータの分析システムには、高密度ストレージサーバー「HPE Apollo 4200 System」が採用され、Microsoft Azureクラウドサービスと連携している。

「HPE、マイクロソフト、Winテクノロジの3社とともに、SBIリクイディティ・マーケットのIT戦略を具現化するためのステアリングコミッティを編成しています。ビジネス目標を共有しつつ、『システム全体の最適化』へ継続的に取り組んでいくとともに、『構築・運用の自動化』にもいっそう注力していく考えです。今回のHPE Synergy導入、コンポーザブル・インフラストラクチャの採用は、将来に向けた大きな一歩になると確信しています」(重光氏)

SBIグループ3社の取引口座数(90万口座超)、預り残高(1,700億円超)はすでに業界トップの座を占めているが、現状に満足することなくグローバルを見据えた成長戦略を加速させている。そして、SBIリクイディティ・マーケットが、世界の為替プラットフォームとなる日は遠くない。重光氏は次のように語って締めくくった。

「外国為替取引の成長のポテンシャルは大きい。いつでも・どこでも・安心して取引できるサービスと、流動性の高いマーケット環境は、グローバル戦略を推進する上でも最大の武器となります。私たちは常に最新のテクノロジーを活用し、競争力の高いFX取引システムとサービスを徹底的に追求していきます。システム全体視点での最適化に終わりはありません」


会社概要

SBIリクイディティ・マーケット株式会社

所在地:東京都港区六本木1-6-1泉ガーデンタワー 19F

URL:http://www.sbilm.co.jp 


お問い合わせ窓口

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電話

カスタマーインフォメーションセンター

0120-268-186 または 03-5749-8279

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本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

導入ハードウェア

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