HP Integrity Superdome 2」を採用し3系統の基幹アプリケーションを統合
「HPアプリケーション移行サービス」によりOS移行のリスクを解消

「HP-UXはオペレーティングシステムとして最長クラスの15年の保守サポートが受けられます。長期にわたってビジネスを支えるプラットフォームを選定するにあたり、これは非常に重要なポイントとなりました」

−株式会社良品計画
情報システム担当 運用管理課長
安田俊治氏

 

AIXからHP-UXへ3系統の基幹アプリケーションを移行

「無印良品」ブランドを展開する良品計画が、商品勘定系・物流系・海外系という3つの基幹業務システムを刷新。AIXベースのアプリケーションをすべてHP-UX環境に移行した。基幹系3システムを統合するプラットフォームに高信頼のインテル® Itanium® プロセッサー 9500 製品ファミリー搭載の「HP Integrity Superdome 2」を導入。移行作業に際して「HPアプリケーション移行サービス」を採用し、既存アプリケーションのコードを全文解析して書き換え箇所を検出し、無停止かつ無事故での移行を完了した。

業界

流通

業種

流通

目的

ハードウェアの保守切れに伴う3系統の基幹業務システム(商品勘定系・物流系・海外系)のインフラ刷新。停止の許されないシステムの連続可用性をいっそう強化するとともに、マルチチャネル化の推進/積極的な海外展開によるビジネス成長を支える拡張性を確保する。

アプローチ

仮想化技術を活用し3系統の基幹業務システムを共通基盤上に統合。ハードウェアの台数を削減してインフラ環境のシンプル化を図る。また、アプリケーションに変更を加えることなくAIXからHP-UX環境へ移行する。

ITの効果

  • 高信頼のインテル® Itanium® プロセッサー 9500 製品ファミリー搭載の「HP Integrity Superdome 2」を採用し3系統のアプリケーションサーバーを1筐体内に統合
  • 物理パーティション(nPars)と論理パーティション(vPars)およびHP Serviceguardの組み合わせによりHAクラスターを構成
  • 「HPアプリケーション移行サービス」を採用しAIXベースのアプリケーションをHP-UXにポーティング
  • 220万行に及ぶソースコードの全文をHPが解析し最短時間で確実な移行を推進

ビジネスの効果

  • 成長するビジネスを支える高信頼かつ拡張性に優れた共通基盤を実現
  • 海外拠点の展開に際してスピーディなITサービスの提供が可能に
  • ワイ・ディ・シーが24時間365日停止の許されないシステムの移行プロジェクトを完遂
  • ハードウェア/ソフトウェア統合によりTCOを大幅に削減
 

チャレンジ

海外展開とマルチチャネル化による処理要求の急増

国内は「無印良品」、海外では「MUJI」のブランドでビジネス展開する良品計画。そのシンプルで美しい商品群は、国内外の幅広い層から支持されている。1980年に誕生した「無印良品」は、日用品から衣料、家具、家電、住宅まで商品のバリエーションを広げながら積極的に海外にも進出。現在7,000品目を超える商品を、国内385店舗(直営269店舗、商品供給店116店舗)、海外255店舗およびネットショップに展開している。

好調なビジネスの背景にはマルチチャネル化の推進がある。店舗やECサイト「無印良品ネットストア」の拡充に加え、会員向けスマートフォンアプリ「MUJI passport」をリリース。2013年5月からの1年半でダウンロード数は213万を超えた(2014年8月現在)。

「すべての店舗と物流センターを対象に一元的かつリアルタイムでの在庫管理を行っていますが、2006年に構築した基幹業務システムの性能限界が明らかになってきました。特に『無印良品週間』と呼ばれるキャンペーン時には負荷が急増し、レスポンスの遅延などが発生していたのです」と良品計画で情報システム担当 運用管理課長を務める安田俊治氏は話す。

良品計画の基幹業務システムは、店舗や商品単位での売上・原価集計を担う「商品勘定系システム」、在庫管理・出荷指示等を行う「物流系システム」、中国、マレーシア、豪州、米国といった海外店舗の物流を支える「海外系システム」の3系統からなる。いずれも24時間365日の連続稼働を前提にしており、それぞれが独立したUNIXサーバー(AIX搭載)によって構築・運用されてきた。これらのUNIXサーバーが導入されたのは2006年。2013年初頭には、ハードウェア/OS共に保守サポートが終了するタイミングだった。

「サーバーの保守サポート終了に、処理要求の増大による性能不足の問題も加わって、システム基盤の刷新は喫緊の課題となっていました。私たちは、今後のビジネス成長を支え、お客様に快適なショッピング体験を提供できる次世代のシステム基盤を実現するために、中核サーバーのリプレースを決めました」(安田氏)

2013年3月、統合アプリケーションサーバーとして採用が決まったのは、インテル® Itanium® プロセッサー 9500 製品ファミリーを搭載し、ミッションクリティカル環境で圧倒的な実績を誇るHP-UXオペレーティング環境を稼働させる「HP Integrity Superdome 2」である。

株式会社良品計画 情報システム担当 運用管理課長 安田俊治氏

株式会社良品計画
情報システム担当
運用管理課長
安田俊治氏

 

ソリューション

3系統の基幹系システムをHP Superdome 2に統合

システム基盤の刷新は、「3系統のアプリケーションサーバーをHP Superdome 2上に統合し、アプリケーションロジックは変更せずAIXからHP-UXに移行する」という基本方針のもと進められた。プロジェクトを全面的に支援したのは、良品計画の基幹業務システムの開発・運用・保守を長年にわたり支えているワイ・ディ・シー(以下、YDC)である。

「最も重視したのは、 “24時間365日サービスを止めない”ことです。新しいシステム基盤とそれを支えるサーバー製品には、高負荷に際しても障害が発生したとしても、サービスへの影響を最小限にできる能力を求めました」(安田氏)

HP Superdome 2が採用された決め手は2つある。1つは、ハイエンドHP-UXサーバーならではの高い性能と信頼性・可用性。もう1つは、HP提供する「HPアプリケーション移行サービス」だ。

「HP Superdome 2は、メモリやプロセッサーのエラーリカバリー機能、メモリの耐障害性機能、PCIeエラーを封じ込める機能など、最先端のハードウェアベースRAS機能を備えています。ミッションクリティカルシステムにおける豊富な実績にも、大きな安心感がありました」とYDCの西川幸一氏は話す。

最新のインテル® Itanium® プロセッサー 9500 製品ファミリーを搭載するHP Superdome 2では、HP-UXと高度に連携したメモリやCPUコアの復旧も可能だ。復旧が困難と判断した場合には故障したコンポーネント(CPU/メモリ/サーバーブレード)を自動で切り離すなど、サービスを止めないためのテクノロジーが随所に盛り込まれている。

「HP-UXはオペレーティングシステムとして最長クラスの15年の保守サポートが受けられます。長期にわたってビジネスを支えるプラットフォームを選定するにあたり、これは非常に重要なポイントとなりました」(安田氏)

新しい統合アプリケーションサーバーのシステム構成を概観してみよう。HP Superdome 2では、1台の筐体内を物理的・電気的に分割する「物理パーティション(nPars)」と、物理パーティション内をさらに分割して複数の独立したOSインスタンスを実行できる「論理パーティション(vPars)」が利用可能だ。本システムでは、この2つの仮想化テクノロジーを組み合わせて、商品勘定系・物流系・海外系3つの基幹業務アプリケーションをセキュアに統合している。

株式会社ワイ・ディ・シー ビジネスソリューション事業本部 ビジネスソリューション第1部 部長 西川幸一氏

株式会社ワイ・ディ・シー
ビジネスソリューション事業本部
ビジネスソリューション第1部
部長
西川幸一氏

1筐体内に3系統の基幹業務システムを統合

「具体的には、HP Superdome 2をnParsで2つの物理パーティションに分割し、『HP Serviceguard』によってHAクラスターを構成しました。さらに、物理パーティション内をvParsで3つの論理パーティションに区切り、3系統の基幹業務アプリケーションを独立して稼働させています」(YDC西川氏)

ファームウェアで実装される仮想化技術「vPars」は、パフォーマンスオーバーヘッドが発生しないという特長がある。また、3つのシステムのいずれかで何らかのエラーが発生しても他のシステムに影響を与えることがない。システム全体では、nParsとvPars、HP Serviceguardを組み合わせることで単一障害点が完全に解消されている。

「停止の許されないシステムを求められていましたので、最高レベルの信頼性・可用性を確保できる構成を組みました。アプリケーションの独立性と安定性を確保しつつ、1筐体内に3システムを統合できるHP Superdome 2は、今回の要件を満たす最良の選択でした」(YDC西川氏)

 

220万行のソースコード全文解析により無事故での移行を実現

HP Superdome 2採用の決め手、その2つ目は「HPアプリケーション移行サービス」である。

「オペレーティング環境の変更と、それに伴うアプリケーションのポーティング(移植)は容易ではありません。大規模アプリケーションであれば尚更です。膨大な量の修正とテストを繰り返す覚悟が必要です」(YDC西川氏)

今回、移行対象となったアプリケーションのC言語で記述されたソースコードは200万行。これに加えShellスクリプトが20万行あった。ミスの許されない大規模ミッションクリティカルアプリケーションの移行を、良品計画とYDCはどのように成し遂げたのだろうか。

「『HPアプリケーション移行サービス』を採用し、まずアプリケーションのアセスメントを行いました。220万行のソースコードの“全文”を短期間で調査し、修正個所と移行リスクを洗い出したのです」(YDC西川氏)

一般に、大規模アプリケーションのポーティングに際しては、全体の5〜10%のコードを抽出してテストを行う。ソースコードの全文調査には多大な工数を要するからだ。だが、サンプリングの手法では移行リスクのすべてを洗い出すことはできない。

これに対しHPは、アセスメント段階で220万行のソースコード全文の検証を行い、移行の可否、難易度、修正箇所と件数、修正方法などを詳細にレポートした。これを可能にしたのが、HPが開発した「HP-UX Code Advisor」と独自の解析プロセスである。実際に、その有効性は様々な移行プロジェクトで実証されている。

「サンプリングではなく、全ソースコードを調査・検証したことが大きな安心につながりました。非互換のシステムコード数などをすべて調査・検証した結果、約2,000カ所の修正で済むことが事前にわかり、これなら行けるという確信を得て移行に臨むことができました」と安田氏は評価する。

アセスメント結果に基づくアプリケーションの修正作業とビルドも、日本ヒューレット・パッカードのエンジニアが全面的に支援した。HPのチームは、修正作業に入ってから最終検証も含め実質わずか4週間弱で220万行のポーティングを完了。テスト工数を劇的に削減しながら、安全に基幹アプリケーションの移行を達成した。

YDCの作前雄三氏は、「プラットフォームベンダーの移行支援が充実していることは、私たちにとっても非常にメリットが大きかった」と話す。

株式会社ワイ・ディ・シー 経営企画本部 マーケティング室 シニアマネージャ 作前雄三氏

株式会社ワイ・ディ・シー
経営企画本部 マーケティング室
シニアマネージャ
作前雄三氏

 

ベネフィット

ビジネスの成長を支える信頼性と変化への備え

プロジェクトは2013年6月にシステム基盤を構築、8月にはアプリケーション/データの移行に着手した。そして、同年12月に商品勘定システムが稼働、続いて翌年2月に海外物流システム、5月には国内物流システムがHP Superdome 2による新システム基盤上で稼働を開始した。

「私たちのビジネスを支える基幹システムのインフラ刷新は、無事故でスケジュール通りに完遂されました。移行したアプリケーションに不具合はなく、HP Superdome 2は期待通りのパフォーマンスを発揮しています。先日の『良品計画週間』では、1時間あたりの販売額が遂に1億円を突破したのですが、エラーや遅延をまったく起こすことなく安定的に処理を実行できました」と安田氏は話す。

旧システムでは、その7〜8割程度の負荷に耐えられずエラーが発生していたという。HP Superdome 2による新システム基盤は、「無印良品ネットストア」を利用する顧客へのサービス品質向上にも直接的に貢献できたと言えるだろう。もちろん、サーバー統合によるコスト削減効果も大きい。

「HP Superdome 2への統合は物理サーバーの台数を減らしただけでなく、ソフトウェアライセンスにも削減効果をもたらしました。また、シンプル化された新システム基盤は運用負荷も低く、これもTCO削減につながっています。今回の初期投資は4年以内に回収できる見通しです」−安田氏

良品計画は大規模なシステム基盤刷新プロジェクトを完遂し、ビジネスをさらに加速させる体制を整えた。安田氏は次のように語って締めくくった。

「今回のプロジェクトを通じて、特に『HPアプリケーション移行サービス』の有効性を実感しました。異なる環境への安全で確実な移行方法を知ることができたのは、“予測の難しい変化”への備えという意味でも大きな価値があると考えています」

 

株式会社良品計画

〒170-8424 東京都豊島区東池袋4-26-3

URL:http://ryohin-keikaku.jp/ 

株式会社良品計画
本件でご紹介のHP製品・サービス
HP Integrity Superdome 2

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