HPE ProLiant DL580 Gen9を採用し、統合グループ3社が利用する
会計システムをテイラードデータセンター統合基盤で稼働

“私たちのSAP HANAマネージドクラウドサービスは、99.99%のアップタイムを提供しお客様のミッションクリティカルな要求にお応えします”

―三菱ケミカルシステム株式会社
ICTインフラ事業部
インフラサービス部
加藤 良一 氏

 

三菱ケミカルシステムが「SAP HANAマネージドクラウドサービス」の提供を開始した。インフラ機器の自由度が高い「テイラードデータセンター統合(TDI)」に着目し、プラットフォームにインテル® Xeon® プロセッサー E7-8800 v3 製品ファミリー搭載「HPE ProLiant DL580 Gen9」を採用。同社が長年にわたり培ってきたミッションクリティカル環境の構築・運用のノウハウを投入し、99.99%の稼働率、テンプレートによる高度な自動化を可能にした。注目すべき点は、グローバルで標準化された共通仮想基盤上で本サービスを実現したことにある。

業界

IT

目的

  • SAP HANAによるマネージドクラウドサービスの提供。グループ3社が統合し誕生した三菱ケミカル社をはじめ、グループ内外にSAPソリューションを提供するためのサービス基盤を共通仮想基盤上で構築する。

アプローチ

  • テイラードデータセンター統合(TDI)によりインフラ機器を自由に選択。同社が設計した共通仮想基盤上で、運用までを考慮したSAP HANAマネージドクラウドサービスを実現する。

ITの効果

  • インテル® Xeon® プロセッサー E7-8800 v3 製品ファミリー搭載HPE ProLiant DL580 Gen9を採用
  • SAPテイラードデータセンター統合(TDI)に準拠した4CPU / 96コア / 3TBメモリのリソースを提供
  • 耐障害性に優れたプラットフォームとシステムレプリケーションを組み合わせ99.99%の稼働率を実現
  • 独自のテンプレートを活用しSAP HANA環境のセットアップを大幅に高速化
  • 既存の資産(ハードウェア、運用技術・体制)を最大限に活用できる、拡張性の高いHANA基盤を仮想の技術で実現

ビジネスの効果

  • スピード、サービス品質、コストの全てで競争力の高いSAP HANAマネージドクラウドサービスを実現
  • グループ3社統合により誕生した三菱ケミカル社の会計システム基盤にSAP HANAサービスを提供
  • 三菱ケミカルグループ内外へのSAPソリューション提供力を強化
 

チャレンジ


三菱ケミカルの統合会計システムにインメモリデータベースSAP HANAを採用

2017年4月、三菱ケミカル株式会社が発足した。総合化学メーカー最大手、三菱ケミカルホールディングスグループ(三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン)による統合新会社である。化学素材から機能商品まで、あらゆる産業の基盤を支える新たなリーディングカンパニーの誕生だ。同社が掲げるICTビジョンと戦略の実行を担うのが、三菱ケミカルシステム(旧社名:菱化システム)である。ICTインフラ事業部 インフラサービス部長の芦田尚樹氏は次のように話す。

「三菱ケミカルシステムは、グループで唯一ICTソリューションに特化した企業です。ICT戦略策定の支援から開発・構築・運用まで、ワンストップで三菱ケミカルのグローバルビジネスを支えています。今後は、さらにスピード感のあるソリューション提供が求められるでしょう。ITインフラの統合、アプリケーションのグループ共通化というテーマにも、いっそう注力していかなければなりません」

三菱ケミカルシステムは、2015年に三菱ケミカルホールディングスグループに向けたグローバル共通仮想基盤を構築。世界約450社のグループ企業が、標準化されたサービスを受けられる体制を整備した。高度な運用ノウハウが投入されたこのシステムは、IT Japan Award 2015(主催:日経コンピュータ)でグランプリを受賞するなど国内外で高く評価されている。

「目下、最大のテーマは3社統合システムの実現です。三菱ケミカルの戦略に沿って、3社統合のシナジーを発揮させるためのICT環境の整備を進めています。まず、2017年4月の新会社発足に合わせ、三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン 3社の会計システムを統合し、SAP HANAを採用した統合会計システムを稼働させました」(芦田氏)

統合新社のシナジーを追求するためには、経営の可視化、会計システムのデータ統合が不可欠だ。システム基盤の処理能力も大幅に強化しなければならない。3社統合会計システムのプロジェクトを振り返ろう。

「従来のSAP環境では、勘定明細の検索に1分以上を要する処理が全体の3割以上を占めており、中には30分を超えるものもありました。しかも、3社統合によりデータ量は数倍に膨れ上がります。パフォーマンス課題を抜本的に解決するには、SAP HANAによるインメモリ処理しかないと判断しました」とICTインフラ事業部 インフラサービス部 グループマネージャーの並木秀則氏は話す。

三菱ケミカルシステムは、共通仮想基盤上にSAP HANAシステムを構築する方法を採用した。

この共通仮想基盤が備えている監視・運用・バックアップなど実証済みの機能を、SAP HANA環境で活用するメリットが大きいと考えました。この基盤上にSAP HANA環境の構築を可能にしたのが、『テイラードデータセンター統合(TDI)』です」(並木氏)

三菱ケミカルシステム株式会社
ICTインフラ事業部
インフラサービス部長
芦田 尚樹 氏


三菱ケミカルシステム株式会社
ICTインフラ事業部
インフラサービス部
グループマネージャー
並木 秀則 氏


インテル® Xeon® プロセッサー
E7-8800 v4 製品ファミリー搭載


 

ソリューション


インテル® Xeon® プロセッサー E7-8800 v4 製品ファミリー搭載HPE ProLiant DL580 Gen9をプラットフォームに採用

インメモリデータベースとして実績を伸ばすSAP HANAは、Linux OSやSAP HANAがプリインストールされた「SAP HANAアプライアンス」として提供されてきた。SAPが2016年2月に開始した「テイラードデータセンター統合(TDI)」により、SAP HANA認定ハードウェア(サーバー、ストレージ、ネットワーク)から自由に選択できるようになったことが大きな転換点だ。

三菱ケミカルシステムが採用したプラットフォームは、インテル® Xeon® プロセッサー E7-8800 v4 製品ファミリー搭載「HPE ProLiant DL580 Gen9」。SAP HANA認定サーバーであり、業界を代表する4ソケットサーバーである。MCAリカバリーやDDDC(Double Device Data Collection)などのメモリ保護機能をはじめ、ミッションクリティカルな環境を支えるための優れたRAS機能を備えている。

「日本ヒューレット・パッカードから、TDIの最新情報とハードウェアの対応状況を聞きながら機種選定を進めていきました。HPE ProLiant DL580 Gen9は、最大96CPUコアと6TBの大容量メモリを搭載可能で、SAP HANAプラットフォームとしてすでに豊富な実績があったことが大きかったですね」とICTインフラ事業部 インフラサービス部の矢野信彦氏は話す。

ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)は世界最大規模のSAPユーザーであり、会計、人事、受発注・生産管理・SCMなど広範囲にSAP ERPを導入している。現在、SAPインスタンスで30TBを超える基幹業務システムをSAP HANAに移行する全社プロジェクトを進めており、この取り組みを通じて得られた知見は「HPE ProLiant DL580 Gen9」をはじめとするサーバー製品の開発に活かされている。

また、HPE ProLiant DL580 Gen9は、最大メモリ容量68TB(最大34ノード)までスケールアウト構成が認定されているプラットフォームでもある。将来のニーズに合わせ、フレキシブルにリソースを拡張できるのも、魅力のひとつであった。

「TDIではVMware vSphereによるマルチテナントも正式にサポートされ、共通仮想基盤上にSAP HANAシステムを構築する条件が整いました。私たちは、2016年8月までにHPE ProLiant DL580 Gen9によるSAP HANA基盤を構築し、テストを重ねて3社統合会計システムを受け入れる準備を完了させました」(並木氏)

SAP HANAによる統合会計システムは、計画通り2017年4月から本番稼働を開始。数分を要していた5〜6万件の検索処理が1秒以内で完了するなど、期待以上のパフォーマンスを発揮している。

「私たちは、満を持して『SAP HANAマネージドクラウドサービス』の提供を開始しました。1993年以来、長年にわたり培ってきたSAPソリューションのノウハウを活かし、スピード、サービス品質、コストすべての面で競争力の高いクラウドサービスとして完成させました」と並木氏は自信を示す。

三菱ケミカルシステム株式会社
ICTインフラ事業部
インフラサービス部
加藤 良一 氏


三菱ケミカルシステム株式会社
ICTインフラ事業部
インフラサービス部
矢野 信彦 氏


三菱ケミカルシステムの「SAP HANAマネージドクラウドサービス基盤」



テンプレート化が実現した高速デプロイSAP HANA環境の構築時間を1/6に短縮

インメモリデータベースが実現する圧倒的な高速処理。そして、仮想化テクノロジーが実現する柔軟性・俊敏性――三菱ケミカルシステムが提供する「SAP HANAマネージドクラウドサービス」は、この2つのメリットを併せ持つ。注目すべきは「テンプレート」によるSAP HANA環境構築の高速化・自動化である。ICTインフラ事業部 インフラサービス部の加藤良一氏は次のように説明する。

「独自のテンプレートを開発し、これを利用することで24時間の構築作業を4時間に短縮しました。4〜5日を要していた構築を、実質半日で終わらせることが可能です。インストール作業だけでなく、ネットワークやストレージとの接続、バックアップの設定まで自動化していることにご注目ください。さらに、CCMS監視やジョブ管理機能など、共通仮想基盤が提供する機能との連携も自動的に組み込まれます」

「バックアップを含む運用段階まで考慮された環境構築」を実現するSAP HANAクラウドサービスは、ほとんど例がない。サービス提供開始までのスピードだけをとっても、SAP HANAアプライアンスやIaaS上にSAP HANA環境を構築する方法よりも優位にある。

「私たちのSAP HANAマネージドクラウドサービスは、99.99%のアップタイムを提供しお客様のミッションクリティカルな要求にお応えします。ハードウェア障害時の復旧時間を極小化するために、SAP HANA環境はシステムレプリケーションでデータファイルを常に二重化。ログファイルを正副で管理し、これを配置する物理ディスクを分けることでデータ損失ゼロを実現しています」(加藤氏)

さらに、メインサイトとバックアップサイト間でのデータ複製もシステムレプリケーションで実行。広域災害を含むあらゆる問題に際してもサービスを継続できるよう、多層的な可用性向上およびデータ保護対策が採られている。

「ハードウェア障害が発生しても、20秒ほどで待機系へのプロセスの切り替えが行えます。その間、流し続けたバッチ処理は待ちの状態になりますが、2分程度でデータ損失なくサービス復旧が可能なことが確認できています。仮に目標復旧時間(RTO)を10分としても、他のクラウドサービスを大幅に上回るSLAを提供できます」(加藤氏)


 

ベネフィット


高度なスキルを備えたプロフェッショナルと相談しながらSAP HANAへ移行

三菱ケミカルシステムのSAP HANAへの取り組みは早かった。2011年より検証を開始し、2015年には自社の基幹業務システムをSAP HANAに移行。自社運用を通じて様々なノウハウを蓄積してきた。この経験と既存の共通仮想基盤が融合されたからこそ、革新的な「SAP HANAマネージドクラウドサービス」が実現されたのだと言えよう。

「2016年11月に発表されたSAP HANA 2への対応も万全です。お客様がSAP HANA 2へバージョンアップする際も、わずか6時間で移行作業を完了できます」と矢野氏が言うように、共通仮想基盤上では様々なアプリケーション/ソリューションを展開する準備が進められている。

「TDIモデルがまだまだ実績が少ない中、CPUの条件やストレージ要件などTDIに対する課題がありました。日本ヒューレット・パッカード『SAPコンピデンシーセンター』から、HANA最新情報などの情報提供を受け、社内で検証を繰り返すことで、現在のテンプレート作成することができました」と加藤氏は振り返る。

アプライアンス、パブリッククラウド、そしてマネージドクラウド――SAP HANA環境を構築するための選択肢が広がる中、三菱ケミカルシステムは自社の戦略をどう進めていくのか。

「SAP HANAマネージドクラウドサービスは、3社統合会計システムを起点とする将来のSAPアプリケーション統合の基盤となります。三菱ケミカルのミッションクリティカルな業務を支える高い信頼性を実証しながら、グループ内外への提案を進めていきたいと考えています。同時に、ディザスターリカバリやバースト対策への活用としてパブリッククラウドとの連携を進めていきます」と並木氏は力を込める。

最後に、芦田氏が次のように語って締めくくった。

「SAP HANA環境へ移行しつつパブリッククラウドのメリットも最大限享受したい。高いスキルを備えたプロフェッショナルと相談しながら自社のやりたいことを具現化したい――そう考えるお客様にとって、私たちの『SAP HANAマネージドクラウドサービス』は最適な選択となります。日本ヒューレット・パッカードには、ハイブリッドインフラを視野に入れた継続的な支援を期待しています」


“SAP HANA環境へ移行しつつパブリッククラウドのメリットも最大限享受したい。高いスキルを備えたプロフェッショナルと相談しながら自社のやりたいことを具現化したい――そう考えるお客様にとって、私たちの『SAP HANAマネージドクラウドサービス』は最適な選択となります”

三菱ケミカルシステム株式会社 ICTインフラ事業部 インフラサービス部長
芦田 尚樹 氏

会社概要

三菱ケミカルシステム株式会社

所在地:東京都墨田区 押上1丁目1番地2号 東京スカイツリーイーストタワー

URL:https://www.mitsubishichem-sys.co.jp/ 


お問い合わせ窓口

上記に関する詳細情報、およびご購入の際は弊社販売店、または各種サポートまでお問い合わせください。

電話

カスタマーインフォメーションセンター

0120-268-186 または 03-5749-8279

受付時間:月曜日〜金曜日 9:00〜19:00(土曜日、日曜日、祝日、年末年始、および5月1日 お休み)

※ご購入後のお問い合わせは、お手元の保証書内保証規定に記載の電話番号へお問い合わせください。

本件でご紹介の日本ヒューレット・パッカード製品・サービス

導入ハードウェア

導入ソフトウェア

  • SAP HANA
  • VMware vSphere

本ページの導入事例は、PDFで閲覧頂けます。  PDF (1.21MB)

本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。