高密度サーバー「HP ProLiant SL4540 Gen8」を採用し
ビッグデータ解析を広告コミュニケーション最適化へ活用

「アドエビスは、お客様のマーケティング/プロモーションの成果にいっそう貢献できる強力なDMP(Data Management Platform)へと着実に進化していきます。それを支えていくのは、新たに構築したHadoopクラスターによる分散処理基盤とHP ProLiant SL4540 Gen8です」

−株式会社ロックオン
広告プラットフォーム事業本部 開発部
上原賢也氏

 

Hadoopによる分散処理基盤を支える超高密度型サーバー

株式会社ロックオンが、国内トップシェアを誇るインターネット広告効果測定システム「アドエビス」のサービス基盤を刷新。RDBによるシステム基盤からHadoopによる分散処理基盤への移行を進めている。新しいプラットフォームとして採用されたのは、超高密度型サーバー「HP ProLiant SL4540 Gen8」。大容量ディスクを搭載可能で、分散ファイルシステムとの組み合わせに最適なスケールアウト型ストレージサーバーである。

業界

アドテクノロジー

業種

通信・メディア

目的

国内トップシェアを誇るインターネット広告効果測定システム「アドエビス」のサービス基盤刷新。2004年のサービス開始時の設計を全面的に見直し、大規模化するデータと高度化する分析ニーズに対応するために、よりスケーラブルなシステムアーキテクチャーに移行する。

アプローチ

リレーショナルデータベースから、Hadoopによる大規模データ分散処理環境への移行を決断。
Hadoopのパフォーマンスを最大まで引き出すために、1ノードに大容量のディスクを搭載可能なサーバー製品を選択。

ITの効果

  • 高い性能と信頼性をより低コストで提供するインテル® Xeon® プロセッサー E5-2400 製品ファミリーを搭載する超高密度型サーバー「HP ProLiant SL4540」を採用しHadoopの稼働に最適なシステム基盤を実現
  • 1ノードあたり15TB(1TB SATA HDD×15)、4.3Uの1シャーシあたり45TBのディスク容量を確保
  • HPソリューションセンターでテストを実施し最大のパフォーマンスとスケーラビリティを実現する構成を検証、ノード追加によるリニアな性能向上を確認
  • 自働サーバー「HP ProLiant Gen8」の管理機能と「HP通報サービス」の連携により運用負荷を軽減

ビジネスの効果

  • 将来のビジネス要求に応えるリニアにスケール可能なサービス基盤を構築
  • 多様な外部連携サービスを実現しビジネスの成長基盤としての能力を拡充
  • より強力なDMP(Data Management Platform)への進化のベースに
  • 大規模分散処理基盤システムにおける自社の技術力とノウハウの蓄積
 

チャレンジ

広告のターゲットは不特定多数から個人へ

2014年9月、“Impact On The World”を企業理念に掲げるロックオンが、東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たした。ロックオンは、国内シェアNo.1の広告効果測定システム「AD EBiS(アドエビス)」を中心に、関西アドテクノロジー業界を牽引する成長企業だ。その強さを支えているのは、サービスプラットフォームを自ら開発し、自らサービス提供しながら磨き上げてきたシステムと技術力である。広告プラットフォーム事業本部 事業企画室の中山みなみ氏は次のように紹介する。

「中核サービスのひとつ『アドエビス』は、6,000アカウントの導入実績を誇るインターネット広告効果測定システムです。お客様がデジタルマーケティング/プロモーションを実行するための高機能なプラットフォームサービスを提供します。広告プロモーション自動最適化ツール『THREe』と連携して、広告の買付・入稿から効果測定、最適化に至るPDCAサイクル全体をサポートします」

「アドエビス」がリリースされたのは2004年。数ある広告効果測定ツールの中でもその歴史は長い。急速に進化するアドテクノロジーと次々と現れるライバル――激しい競争下でアドエビスが高い支持を獲得し続けている理由はどこにあるのか。広告プラットフォーム事業本部 開発部の上原賢也氏は次のように語る。

「インターネット広告の投資対効果を最大化する、という本質をしっかり捉えていることが強みだと思っています。アドエビスは、様々な機能を強化しながら、直接効果/間接効果が誰でも直感的にわかる、シンプルで使いやすいインターフェースを提供し続けています」

デジタルマーケティング/プロモーションの領域では、バナー広告など媒体の表示(インプレッション)数やクリック数・クリック率は、もはや基礎的な評価指標に過ぎない。現在は、誰がバナーをクリックして購入や資料請求(コンバージョン)に至ったか、その過程でどの情報や施策がコンバージョンに寄与したか、という“人単位の広告効果測定”に軸足が移りつつある。

「広告のターゲットは、不特定多数からセグメントへ、個人へと変わってきました。その個人が検索にどんなキーワードを使い、どこのサイトで何を見て購買に至ったのか。サッカーで例えるなら、どんな攻防やパス回しがあってゴールを決めたのか、といった過程を全部追って分析するようなものです。当然、分析対象となるデータ量は爆発的に増大し処理は複雑化します」(上原氏)

特定の顧客がコンバージョンに至る前の行動履歴に照らして、メディアの貢献度を割り出すためのデータ分析(アトリビューション分析)機能を実装するタイミングで、上原氏らはサービス基盤の見直しに着手した。

「Hadoopクラスターによるスケーラブルなサービス基盤の構築です」(上原氏)

株式会社ロックオン 広告プラットフォーム事業本部 開発部 上原賢也氏

株式会社ロックオン
広告プラットフォーム事業本部
開発部
上原賢也氏


株式会社ロックオン 広告プラットフォーム事業本部 開発部 松本雅博氏

株式会社ロックオン
広告プラットフォーム事業本部
開発部
松本雅博氏


株式会社ロックオン 広告プラットフォーム事業本部 事業企画室 中山みなみ氏

株式会社ロックオン
広告プラットフォーム事業本部
事業企画室
中山みなみ氏

 

ソリューション

Hadoopの実行基盤にHP ProLiant SL4540を採用

上原氏を中心とする開発部のメンバーは、2011年からHadoopの検証を開始。2013年2月に、アドエビスのオプションサービスとしてアトリビューション分析機能を提供する「ViewThruエビス」をリリースした。 「私たちは、ViewThruエビスのサービス基盤構築と運用を経てHadoopの有効性に確証を得ました。そして、2004年から基本的な設計を変えずに運用してきたアドエビスの中核システムの刷新を決断したのです」(上原氏)

アドエビスの中核システムは、大きく「取得系」と「参照系」に分けられる。まず、ターゲットの行動履歴をログとしてリアルタイムで取得し「取得系データベース」で管理。次に、取得したログをターゲットの過去の行動履歴と照らして分析集計を行い「参照系データベース」に蓄積する。これをアドエビスのユーザーが参照する仕組みだ。

「アドエビスのサービス基盤は、最新のサーバー機器や仮想化技術、共有ストレージなどを採用しながらシステムを拡張・強化してきました。しかし、今後の爆発的なデータ量の増大には、リレーショナルデータベースを前提にした現在のアーキテクチャーのまま対応するのは困難と考えました」(上原氏)

10年間アドエビスのサービスを支え続けてきたRDBによるシステム基盤から、Hadoopによる分散処理基盤へ。上原氏を中心とする開発部が新しいプラットフォームとして選択したのは、超高密度型サーバー「HP ProLiant SL4540 Gen8」。分散ファイルシステムなどのソフトウェアテクノロジーとの組み合わせに最適化された、大容量ディスクを搭載可能なスケールアウト型ストレージサーバーである。

Hadoopクラスターで リニアなスケールを実証

高い性能と信頼性をより低コストで提供するインテル® Xeon® プロセッサー E5-2400製品ファミリーを最大2CPU搭載する「HP ProLiant SL4500シリーズ」の最大の特長は、大容量のサーバー内蔵ストレージにある。1ノードあたり最大60台の3.5インチHDDを内蔵可能で、最大ディスク容量は実に240TBに達する。

「Hadoopによる分散処理基盤では、物理サーバー1台あたりに搭載できるディスクの本数と容量が大きいほど有利になると考えました。今回採用したHP ProLiant SL4540 Gen8では、8コアのCPUを2基(計16コア)と48GBのメモリ、1TBのSATA HDDを15本搭載しています。4.3Uシャーシに3ノードを収容して、1シャーシあたりのディスク容量は45TBを確保できました。これは、一般的な1Uサーバーを大きく上回るものです」(上原氏)

取得データ分析用Hadoopクラスター

ロックオンではHadoopクラスターのデータノード用に「HP ProLiant SL4540 Gen8」を、まず計9ノード/3シャーシ(総ディスク容量135TB)導入。サービスの伸張に合わせてノードを増強していく方針とした。Hadoop環境ではデータノードを3重化するため実効容量は1/3となる。そうした意味でも内蔵ディスク容量の大きさは重要だ。

「私たちが最も重視したのは、物理サーバーの増設によって処理性能をスケールさせることができるかでした。日本ヒューレット・パッカードからホワイトペーパーや過去の検証データの提供を受けて、容量と性能を拡張できる最適構成を検討しました。そして実際にHPの検証センターで、パフォーマンステストとチューニングを行いました」と広告プラットフォーム事業本部 開発部の松本雅博氏は話す。

情報提供や検証サポートを担当したのは、日本ヒューレット・パッカードのプリセールス 實田健である。 「オープンソースに精通したHP技術陣と協力して、導入するOSやソフトウェアのバージョンとインフラ側の整合性をとりながら検証環境を構築しました」

日本ヒューレット・パッカードでは「HPオープンソースエキスパートサービス」と呼ばれるプロフェッショナルサービスを提供しており、OSS製品やテクノロジーの選定から検証、インフラ構築、機能実装までトータルにサポートする体制を整えている。
「10分で120億件のトランザクションを処理するという目標を掲げて、100項目以上のチューニングテストを行いました。その結果、期待以上のパフォーマンスが得られることがわかりました。Hadoop環境ではディスクI/Oがパフォーマンスのボトルネックになるケースが多いのですが、HP ProLiant SL4540 Gen8ではむしろCPUやメモリの不足を感じるほどでした。1ノードあたり15本の内蔵ディスクを搭載することで、I/Oには十分な余力が残せることがわかったのです」(松本氏)

松本氏はデータの投入量やタイミング、メモリの割り当てやノード単位での分散比率などを変えながら、入念にテストを繰り返していった。

「検証を通じた最大の成果は、サーバーノードを増設するだけでリニアにパフォーマンスを向上させられる、という確証が得られたことです」と松本氏は話す。

日本ヒューレット・パッカード 株式会社 プリセールス統括本部 中部・西日本技術本部 西日本技術部 ITスペシャリスト 實田健

日本ヒューレット・パッカード
株式会社
プリセールス統括本部
中部・西日本技術本部
西日本技術部
ITスペシャリスト
實田健

 

ベネフィット

個人の属性と行動履歴のデータが リアルタイムで結びつく

2014年12月、アドエビスの中核システムは本番稼働を果たした。それは、10年間アドエビスのサービスを支え続けてきたRDBベースのシステム基盤から、Hadoopクラスターによる分散処理基盤への移行であるとともに、ロックオンの次のチャレンジを支える新たなビジネス基盤への移行でもある。松本氏は次のように話す。

HP ProLiant SL4540 Gen8で構築したHadoopクラスターでは、標準装備の監視ツール『HP iLOマネジメントエンジン』がディスクやメモリなどの異常を検知して自動通報し、深刻な問題が発生する前に解決できます」

ロックオンではおよそ200台のHP ProLiantサーバーを導入しており、その半数以上は問題検知から日本ヒューレット・パッカードへの自動通報、解決までの手順が確立されているという。HPが“自働サーバー”と呼ぶ先進的なサーバー管理機能が、専任ではない1〜2名体制での大規模サーバー運用を可能にしている。

松本氏はHPへの期待を次のように語る。

「新しいことをやりたい、新しいソフトウェアでそれを実現したい、と考えたときに最適なインフラ機器をどう選んでどう構成すべきか。常に適切なアドバイスを受けられることは非常に重要です」―松本氏

そして、新しい基盤上でのチャレンジはすでに始まっている。

「アドエビスで収集する個人の行動履歴と、ポータルサイトの運営会社が持つ個人の属性情報を組み合わせた、新しい解析レポーティングの開発に取り組んでいます。あるサイトの記事を読んだ人がどのような態度変容に至ったのか、エンゲージメント効果をより深く具体的に測定する手法です」(上原氏)

アドエビスに新しいテクノロジーを積極的に採り入れて、より顧客指向のサービスを提供する構想もある。

「現在、HadoopクラスターのHDFS上にHiveを使ったバッチ処理システムを構築していますが、Sparkのような新しいテクノロジーを組み合わせて、インメモリ処理で分析の速報値を、バッチ処理で詳細レポートを提供するような仕組みを考えています。これらをHDFSというひとつの“箱”の中で実現する、というのが次の野望(笑)です」(上原氏)

上原氏の言う“箱”とは、インターネット広告の世界で注目されているDMP(Data Management Platform)を指す。顧客企業はDMP上で一元的にデータを管理し、プロモーションの実行と自動最適化を図ることができる。

「アドエビスは、お客様のマーケティング/プロモーションの成果にいっそう貢献できる強力なDMPへと着実に進化していきます。それを支えていくのは、新たに構築したHadoopクラスターによる分散処理基盤とHP ProLiant SL4540 Gen8です」(上原氏)

 

株式会社ロックオン

〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー13F

URL:http://www.lockon.co.jp/company/ 

株式会社ロックオン
本件でご紹介のHP製品・サービス
HP ProLiant SL4540 Gen8

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