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遺伝子の巧妙なメカニズムを情報ネットワークの
耐障害性向上に生かす

大阪大学大学院情報科学研究科 様

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サーバーを、再定義しよう。Reimagine the server. Think compute. HP ProLiant Generation 9
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10万ノードの大規模なネットワークモデルのシミュレーションを80コア搭載のHP ProLiant DL980 G7で構築したシステムが高速に実行

―HP ProLiant DL980 G7のパフォーマンスは期待どおりでした。

実験の計画を練っていたころに2時間かかったシミュレーションは、わずか1分に劇的に短縮できました。もちろん検証用プログラムを改修して並列処理に最適化したという効果も大きいと思われますが、サーバーのパフォーマンスと相まって大幅な短縮が実現できたのでしょう。また、パフォーマンスのスケーラビリティも優れていました。利用するコア数に応じて、処理スピードもきちんと向上しました。

長谷川 剛氏 大阪大学大学院情報科学研究科 准教授
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
PDF (753KB)

大阪大学大学院情報科学研究科

目的

アプローチ

ネットワークモデル検証ためのシミュレーション時間の劇的な短縮
 
膨大な回数に及ぶシミュレーションの演算処理をスケールアップで実行
その高いパファーマンスを評価し、高い処理性能と優れた信頼性、拡張性を備えたインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリー搭載の8ソケットサーバー、HP ProLiant DL980 G7を導入

ITの改善

ビジネス上のメリット

プログラム改修も相まって、シミュレーション時間は2時間からわずか1分に
優れたスケーラビリティを発揮し、トータルの研究期間短縮にも貢献
シミュレーション回数を大幅に増やすことができ、検証精度が確実にアップ
時間の関係で諦めていたシミュレーションも気軽に行え、予想外の知見を得ることが可能に
検証したアイディアを広範なネットワークサービスに適用できることを確認

お客様背景

生物が40億年もの時間をかけて進化させてきた様々な特性を工学的に解明し、人々の暮らしに中に適用する取り組みはこれまで数多く行われてきた。

近年では、バイオテクノロジーをはじめとする分子生物学の研究が急速に進んだことで、遺伝子の持つ複雑で巧妙な機構や機能に大きな注目が集まっており、新しい知見を生物とはまったく異なる領域で活用しようという試みが世界中で進んでいる。

大阪大学大学院情報科学研究科の情報ネットワーク学専攻もこうした研究拠点の一つだ。ここでは情報ネットワークの機能向上に遺伝子の備える特性を導入するという非常にユニークな研究が行われており、その研究にHP ProLiant DL980 G7が大活躍した。


生物が備えるネットワーク機構を情報ネットワークに適用する

地球上に初めての生命が誕生したのは、今からおよそ40億年前といわれる。以来、繰り返し襲う氷河期や小惑星の衝突、大陸の移動といった地球規模での想像を絶する環境変化や気候変動を乗り越え、生物は気の遠くなるような歳月を生き延びてきた。この間の膨大な適応の歴史は、生物の遺伝子の中に記録されている。近年、バイオテクノロジーやバイオインフォマティックの分野で研究が進み、遺伝子が備える、生き残りのために進化させてきた驚くべき機能や仕組みが明らかになりつつある。

そうした遺伝子の知恵を垣間見せてくれる最新の成果の一つに「遺伝子ネットワーク」がある。たとえば、生物の体内では遺伝子の情報に基づいて、成長や生命維持のために必要な様々のタンパク質が合成されている。その際には、複数の遺伝子が複雑に相互作用しながら、複雑な過程を経る。こうした一連の過程で働く様々な遺伝子とその働きの関係を、ネットワークとしてモデル化したものが遺伝子ネットワークだ。

情報ネットワークに関する最先端の研究領域では今、この遺伝子ネットワークの持つ巧妙な仕組みを、インターネットをはじめとする現実の大規模ネットワークに応用するべく、その可能性を探るための基礎研究が活発に行われている。大阪大学大学院情報科学研究科の村田正幸教授と長谷川 剛 准教授たちのグループもこのテーマに取り組んでいる。

村田教授たちの研究は、遺伝子ネットワークが持つ「縮重性(「縮退性」ともいう)」という特性に注目。情報ネットワーク仮想化とも関連の深いオーバーレイネットワークで、耐障害性の向上に応用できるかどうかを検証するというユニークなもの。そのために、縮重性のコンセプトを導入した情報ネットワークのモデルを用意し、膨大な回数のシミュレーションをコンピュータ上で実施。耐障害性向上にどのくらいの効果があるかを検証していく。このシミュレーション環境として採用されたのが、高い処理性能と優れた信頼性、拡張性を備えたインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリー搭載のマルチプロセッサーサーバー、HP ProLiant DL980 G7だった。


耐障害性の向上に、縮重性という特性を活かすことはできるのか

作り出されるタンパク質は一つでもそこに至る経路が複数存在したり、あるタンパク質合成に直接働く遺伝子がない場合には別の複数の遺伝子が連携することで同様のタンパク質を合成する新たな経路が生まれたりする。さらに、環境の変化などに適応して経路パターンや関与する遺伝子も変化する。「縮重性」とはこのような特性を指すが、この縮重性が遺伝子ネットワークという系全体の頑強性や環境変動への耐性、環境適応性、持続的成長性などに大きく貢献していることが分かってきた。

「障害に極めて強い情報ネットワークを実現するうえで、縮重性が重要な役割を果たしていると見ることができます。そこで、実際に縮重性のメカニズムを情報ネットワークへ適用できないだろうか、というアイディアにたどり着きました」と、検証実験で中心的役割を果たした長谷川准教授は研究の発端を説明する。

「情報ネットワークの場合、耐障害性を強化するために冗長化の手法を取ることが一般的です。具体的には、障害の発生したサーバーを代替するスタンバイサーバーを複数用意する、といった方法が取られてきました。しかし、従来の方法では、想定外の障害が発生するとその影響がネットワーク全体に及んでしまう、スタンバイ機を多数用意するためのコストがかさんでしまう、などの課題がありました。しかし、縮重性のメカニズムを導入することでこれらを解消できる可能性が高いのです」(長谷川准教授)。

大阪大学 大学院情報科学研究科 准教授 長谷川 剛 氏
大阪大学
大学院情報科学研究科
准教授
長谷川 剛 氏

スケールアップによるシミュレーション環境を選択

村田教授たちの研究グループでは、コンピューターシミュレーションを活用することで効果の検証を進めていこうとしていた。手順はこうだ。まず、縮重性のメカニズムを組み込んだノード数が1,000程度の小規模なネットワークモデルの検証用プログラムを用意。この小規模モデルで、考えられる多数のパラメーターを変えながらシミュレーションを繰り返し、効果の見込めるパラメーター群を抽出。その後、ネットワークモデルの規模を拡張していった時にも、抽出したパラメーター群がきちんと効果を発揮するかどうかを、やはりシミュレーションで確認していくというものだ。

「検証を行ううえで、一番の問題は小規模なモデルでもシミュレーションに非常に時間がかかったこと。自前のパソコンで実行すると、1回のシミュレーションに2時間ほどかかっていたのです。検証の最終目標としていたネットワークの規模は、インターネット上での応用を想定し、10万ノードを計画していました。膨大な回数のシミュレーションをこなす必要があったのに加え、この研究は委託研究。期間内に成果を出すことが求められていました」と長谷川准教授は振り返る。


シミュレーション環境の概要

シミュレーション環境の概要

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そこで、検証用プログラムの演算処理を並列化することにより、膨大なシミュレーションを高速に実行できるシミュレーション環境を構築することにした。手始めに、自作の検証用プログラムの改修を実施。併せて、プログラムを稼働させるサーバーの選定にも着手した。

「サーバーに関しては、当初、シングルプロセッサーの低価格な汎用サーバーを複数台並べるスケールアウトの選択肢も上がっていました。しかし、シミュレーションでは、あるパラメーターの値を変えながら1,000ノード規模の検証用プログラムを複数同時並行に走らせたり、10万ノード規模のプログラムを一気にドンと走らせたり、と様々なやり方を試したいと考えていました。こうした使い方なら、プロセッサーをはじめとするリソースを柔軟に再配分できて、スループットも高いスケールアップの方がメリットが大きいだろうと判断しました」(長谷川准教授)。


ソリューション

負荷の集中する演算処理を考慮しHP ProLiant DL980 G7を採用

長谷川准教授たちの厳しい要望に応えられるスケールアップサーバーとして選ばれたのは、8ソケットサーバーとして高い評価を集めるHP ProLiant DL980 G7だった。

その採用理由を、長谷川准教授はこう語る。「検証用プログラムを使ったシミュレーションでは演算処理に最も負荷がかかることが分かっていました。それだけに、高速な演算処理が可能なこと、そして、できるだけ多くのコア数を搭載できることは譲れませんでした」。

HP ProLiant DL980 G7は、高性能なインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリーを最大8基/80コア、メモリーは最大4TBの搭載が可能で、強力な演算性能を実現するスマートCPUキャッシング技術を備えたHP独自のノードコントローラーも搭載。SPECint_rate2006やSPECfp_rate2006、SPECjAppServer2004( シングルノード)、SPECjbb2005といった主要なベンチマークで、8ソケットサーバーとしていずれも第1位の成績をたたき出している。こうした実績を長谷川准教授も高く評価した。

プロセッサーやメモリー、I/Oなどの拡張性の高さ、さらに多くの選択肢がそろったオプションの豊富さもHP ProLiant DL980 G7選択の理由の一つになっている。「今回の検証用プログラムは演算処理に高いパワーが必要でしたが、検証する内容によってはI/Oに高速性が求められるケースも考えられました。こうした場合にもHP IOアクセラレーターのようなオプションが用意されており、様々なシミュレーションに柔軟に対応できる環境を構築できるのではないかと思ってもいました。また、これまでの研究生活を通して、多くのHP製パソコンや汎用サーバーを使った経験がありますが、大きなトラブルに見舞われたという記憶がありません。HP製ハードウェアなら大丈夫だろう、という信頼感もHP ProLiant DL980 G7導入の裏付けとなりました」(長谷川准教授)。


効果と今後の展望

シミュレーション時間を2時間から1分へと劇的に短縮

2012年3月、長谷川准教授の下に80コアを搭載したHP ProLiant DL980 G7が納入されてくると、さっそく研究のためのシミュレーションをフル回転でスタート。同年7月には学会での成果発表が予定されており、6月半ばまでには可能な限りのデータを集めておく必要があった。

「実機を使ってみて、HP ProLiant DL980 G7のパフォーマンスは期待どおりでした。実験の計画を練っていたころに2時間かかったシミュレーションは、わずか1分に劇的に短縮できました。もちろん検証用プログラムを改修して並列処理に最適化したという効果も大きいと思われますが、サーバーのパフォーマンスと相まってこうした大幅な短縮が実現できたのでしょう。また、パフォーマンスのスケーラビリティも優れていました。利用するコア数に応じて、処理スピードもきちんと向上。コア数を最大限搭載したことのメリットを十分に享受することができました」(長谷川准教授)。

シミュレーション時間が短くて済むことは、研究成果にも決定的な影響を及ぼす、と長谷川准教授はいう。「シミュレーション回数を増やせるため検証の精度は確実に向上します。また、得られたシミュレーション結果を分析して、次のシミュレーション方針を決めていくというように実験はシリアルに、そしてスパイラルに進む要素もあります。素早く結果が得られて次の方針を立てられるため、トータルな研究期間の短縮にもつながるのです」。

さらに、一見効果のなさそうな結果を示したパラメーターについても、追試や他のパラメーターとの組み合わせ検証などを気軽に実施できたという。「そのパラメーターがどのようなケースで効き、どのようなケースで効かないか。これを明確にすることは、縮重性のメカニズムを情報ネットワークに適応できる範囲が明確になるという点で、大きな意味があります。実際に実機でネットワーク環境を構築したり、商用利用に適用したりする際にも、効果のないパラメーターがあらかじめ分かっていればその関与の可能性を考えなくて済むため、無駄な作業がなくなるというメリットにつながります」(長谷川准教授)。


今後は、プロトコルの整備など現実の適用に向けた取り組みにも注力

今回考案した情報ネットワークモデルの研究は順調に進み、縮重性のメカニズムを応用することで、情報ネットワークの頑強性向上や障害からの復旧時間短縮に大きな効果を見込めることが確認できた。この成果は2012年7月の電子情報通信学会の研究会で発表され、参加者から活発な質問が寄せられるなど大きな関心を集めた。

今後は、今回検証した情報ネットワークモデルを現実の情報ネットワークに実際に適用していくための環境整備にも取り組んでいきたいと長谷川准教授は語る。「今回は本当に基礎的な実験といえます。現実の情報ネットワークに適用するには、必要なプロトコルを整備したりといった実装に向けた作業がこれから必要です。こうした分野でも取り組みをリードできればと考えています」。

村田教授と長谷川准教授が考案し、検証した今回の情報ネットワークモデルは、Twitterなどをはじめとするインターネット規模で展開される様々なwebサービス、レンタルサーバーなどのマチルテナント型データセンター、さらにクラウドサービスなど、オーバーレイネットワークの領域で広範に適用できるものと期待されている。その可能性の扉を開く取り組みに、HPProLiant DL980 G7は大きな貢献を果たすことができた。


会社概要

大阪大学大学院情報科学研究科
所在地: 〒565-0871  大阪府吹田市山田丘1番5号
URL: http://www.ist.osaka-u.ac.jp/ このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 研究機関
製品: HP ProLiant DL980 G7

HP ProLiant DL980 G7に関する情報はMPサーバー特設サイトで確認できます

本件でご紹介させて頂いたHP ProLiant DL980 G7に関する情報は、「HP ProLiant MPサーバー特設サイト」に詳しい情報が掲載されています。製品に関する技術情報や各パーツを詳しく紹介しておりますので、ぜひ以下のボタンをクリックしてご確認ください。

   

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