HVDC対応HPE ProLiant DL360 Gen9を採用し
電力効率と経済性に優れた次世代コアネットワークを実現

“LTEサービスの中核を支える設備機器を、NFVにより新しいハードウェアに置き換えるチャレンジです。サービス基盤全体でミッションクリティカルな要求に応える仕組みを用意しましたが、サーバー製品の信頼性も国内外の稼働実績によって裏づけられていることを重視しました”

―株式会社NTTドコモ
R&Dイノベーション本部
ネットワーク開発部
ネットワーク仮想化基盤担当
担当部長 長谷川伸也氏

 

NTTドコモは、ネットワーク仮想化技術(NFV)を採用した仮想LTEパケット交換機(vEPC)を実用化し、2016年3月に商用サービスを開始した。第5世代移動通信システム(5G)を見据え、通信サービスの更なる信頼性向上、新サービスの早期提供を可能にする戦略的な取り組みである。この革新的かつオープンなサービス基盤には、380Vの高電圧直流(HVDC)に対応したx86サーバー「HPE ProLiant DL360 Gen9」が採用され、今後、電力消費量とTCOの削減に寄与することが期待されている。

業界

通信

目的

  • NFVを採用した次世代コアネットワークのサービス基盤構築。仮想化された多様なアプリケーションを稼働させる高信頼かつ高性能の基盤を、コストを抑えながら実現する。

アプローチ

  • 電力消費量・TCO削減に有効な380V高電圧直流(HVDC:High Voltage Direct Current)を採用し、NFVによるサービス基盤をHVDC対応のx86サーバーによって構築する。

ITの効果

  • NFVサービス基盤に「HPE ProLiant DL360 Gen9」を採用しHVDC給電に対応
  • HVDC対応電源を搭載しても従来型電源搭載サーバーと同等のコストで導入
  • サービス要件を満たす性能と信頼性を確保しつつインフラ関連コスト全体の削減に寄与

ビジネスの効果

  • 高電圧直流(DC380V)の採用により交流(AC)比で20%の電力コスト削減が可能に
  • HVDC給電システムおよびIT機器の導入コスト、消費電力を含む運用にかかる投資対効果を向上
  • 2020年の第5世代移動通信システム(5G)開始に向けたインフラ整備を着実に進展
 

チャレンジ


NTTドコモがネットワーク仮想化技術を採用した商用サービスを開始

NTTドコモ(以下、ドコモ)が、ネットワーク仮想化技術(NFV:Network Functions Virtualisation)の商用導入を2016年3月に開始した。LTEなどの携帯通信サービスの中核を支える設備機器は、長らく専用装置として開発・提供されてきたが、NFVによりこれを汎用サーバーに置き換える戦略的な取り組みだ。R&Dイノベーション本部 ネットワーク開発部 ネットワーク仮想化基盤担当 担当部長である長谷川伸也氏は、これまでの経緯を次のように説明する。

「ドコモは、欧州電気通信標準化機構(ETSI)のNFV標準化推進グループで中心的な役割を果たすなど、ネットワーク仮想化技術の実用化に貢献してきました。2014年10月には、マルチベンダー環境におけるNFV実証実験に世界で初めて成功。これをベースに商用化に向けた開発に着手し、2016年3月にLTEパケット交換機を仮想化したvEPCを商用に導入しました」

ネットワーク仮想化(NFV)には大きく4つの狙いがある。@通信混雑時のつながりやすさの向上 A通信サービスの信頼性向上 Bサービスの早期提供 Cネットワーク設備と運用の経済性向上である。

「従来の環境では、大規模なイベントや災害発生などで通信が混雑したときに通信規制がかかることがありました。NFV環境では、柔軟に処理容量の拡張を行えるため、トラフィックの急増に対処しやすくなります。また、ハードウェア障害によりシステムの冗長性が失われた際にも、短時間で復旧させることが可能です。通信混雑時でもつながりやすく、かつ信頼性の高い通信サービスを維持できるのです」(長谷川氏)

容量拡張を自動化する「オートスケーリング」、障害復旧を自動化する「オートヒーリング」といった最新技術の開発も着実に進展しているという。

「NFVサービス基盤を利用すれば、新規サービスの立ち上げに際して専用装置を調達する必要がありません。これにより、サービス開始までのリードタイムを2/3程度まで短縮することを目指しています。また、パケット交換機(EPC)などの専用装置を、汎用的なx86サーバーとEPCソフトウェアに置き換えることで機器の導入コストを抑えます。運用の自動化を進めてサービス基盤にかかるコスト全体を低減していきます」と長谷川氏は話す。

NFVサービス基盤を構築するにあたり、長谷川氏を中心とするネットワーク開発部ではx86サーバーの選定基準を慎重に策定した。長谷川氏は続ける。

「LTEサービスの中核を支える設備機器を、NFVにより新しいハードウェアに置き換えるチャレンジです。サービス基盤全体でミッションクリティカルな要求に応える仕組みを用意しましたが、サーバー製品の信頼性も国内外の稼働実績によって裏づけられていることを重視しました」

2016年8月、HPE ProLiant DL360 Gen9が、NFVによるミッションクリティカルなサービス基盤に選定された。

株式会社NTTドコモ
R&Dイノベーション本部
ネットワーク開発部
ネットワーク仮想化基盤担当
担当部長 長谷川伸也氏


株式会社NTTドコモ
コアネットワーク部
コアネットワーク企画担当部長
平口暢子氏


 

ソリューション


HVDC給電システムと対応サーバー製品を採用

HPE ProLiant DL360 Gen9は、世界トップシェア*を誇るx86サーバー「HPE ProLiantシリーズ」の主力1Uサーバーである。HPE ProLiant DL360 Gen9は、ドコモが提示した仕様・要件に合致するとともに、優れたコストパフォーマンスが評価された。

「私たちが提示した要件には、NFV環境で多様なアプリケーションを安定的に稼働させるための十分な性能と、ミッションクリティカルなNFVサービス基盤の基礎部分を支える信頼性に加え、問題発生時の対応も含まれます。日本ヒューレット・パッカードによる支援体制は高評価のポイントのひとつです」(長谷川氏)

また、新たに構築されたNFVによるサービス基盤には大きなチャレンジがあった。「380V高電圧直流(HVDC:High Voltage Direct Current)」の採用である。効率性と信頼性に優れた「HVDC給電システム」は次世代給電システムの本命と目されており、ドコモでは自社通信ビルを中心に導入をしている。

サーバーなどのICT機器は直流(DC)で稼働するが、交流(AC)で給電されるのが一般的だ。この方法では、AC/DC変換・DC/AC変換を繰り返すため一定の電力ロスが生じる。これに対し、HVDC給電は変換が最小限で済むためロスを抑制でき、消費電力の削減に大きく寄与する。コアネットワーク部 コアネットワーク企画担当部長の平口暢子氏は次のように説明する。

「省エネ化を推進する技術のひとつとしてHDVCに注目してきました。HVDC給電は、AC給電との比較で20%程度の省電力化が可能になるからです。ドコモでは、通信設備の大半をDC-48Vで稼働させていますが、これと比較してもコスト削減効果が期待できます」

HVDCは、電力ロスが少なく給電ケーブル細径化により施工費も削減できるため、運用期間中の総コストではHVDC給電の優位性は明らかだ。給電ケーブル細径化による空調面でのメリットも大きい。

「NFVサービス基盤を実現するにあたり、『お客様へのサービス品質を向上させながらコストを削減していく』という目標がありました。私たちは、給電システムの導入・構築、サーバー製品の調達、運用段階でのコストシミュレーションを慎重に進めてメリットを見極めたうえで、HVDC給電システムとHVDC対応サーバー『HPE ProLiant DL360 Gen9』の採用を決めました」(平口氏)

*出典:IDC Worldwide Quarterly Server Tracker 2016Q2 世界x86サーバー出荷金額


「HVDC給電システム」と「HVDC対応サーバー」



業界内で早期よりHVDC対応電源を搭載可能にしたHPE ProLiantシリーズ

HPE ProLiantシリーズ は、業界内で早期よりHVDCに対応したサーバー製品である。ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)では、2010年からHVDC(380V)対応パワーサプライの開発に着手し2013年に商用化。400台以上のサーバーから構成されるハイパフォーマンスコンピューティングシステム(HPC)に、500kW級の大容量HVDC電源装置を採用するプロジェクトにおいてNTTグループ企業と協力した実績がある。

「HVDC対応のサーバー内蔵電源ユニットはサーバーベンダー各社から出揃ってきましたが、従来型電源との価格差はまだ大きいですね。これに対してHPE ProLiant DL360 Gen9では、DC380Vパワーサプライ搭載モデルでも同等の価格で提供されています」(平口氏)

HVDC給電システムとHVDC対応サーバーで構成されたシステムは、従来型のAC給電システムとサーバーを採用した環境を大きく上回る投資対効果をもたらす。

「コスト優位性があり、環境負荷の低減に寄与する設備機器やテクノロジーの選択は必然と言えるでしょう。サービスがスピード感をもって拡充していく中、その提供を支えるサービス基盤には、省電力性がますます重要になっていくものと考えています」(平口氏)

 

ベネフィット


第5世代移動通信システムを見据えたインフラ整備を推進

HPE ProLiant DL360 Gen9が採用されるNFVサービス基盤は、2017年夏の稼働を予定している。数千台規模のサーバーから構成されるこの環境の一翼を、HVDC対応のHPE ProLiant DL360 Gen9が担っていくことになる。

「NFVが、コアネットワーク全体に強靭さと柔軟性をもたらすことになるでしょう。オートスケーリングやオートヒーリングといった自動化機能の適用範囲が拡大することで、理想的なコアネットワークに大きく近づきます」(長谷川氏)

ドコモでは、従来のパケット交換機をNFVベースのvEPCに順次置き換えていく計画だ。その先に見据えているのは、「第5世代移動通信システム(5G)」である。5Gでは、現在のLTEを大きく上回る10Gbpsという高速通信を目指している。

「通信の安定性を確保しながら2010年比で100倍の高速化、1,000倍の大容量化を実現するには、より柔軟に運用できるコアネットワークが不可欠です。5Gで実現される多様なサービスとアプリケーションは、仮想化されたネットワーク基盤上から提供されることになるでしょう」(長谷川氏)

NFVサービス基盤は、5Gに向けた大きな試金石となることは間違いない。そして、その一翼をHVDC対応のHPE ProLiant DL360 Gen9が担っていく。最後に、平口氏がHPEへの期待を次のように語って締めくくった。

「NFVサービス基盤へのHVDC対応サーバーの採用は、380V高電圧直流という新しいテクノロジーの有効性を示す上で極めて重要な機会になると考えています。HPE ProLiant DL360 Gen9が、実績に裏づけられた高い信頼性で私たちのチャレンジに応えてくれることを期待します」


“ NFVサービス基盤へのHVDC対応サーバーの採用は、380V高電圧直流という新しいテクノロジーの有効性を示す上で極めて重要な機会になると考えています。HPE ProLiant DL360 Gen9が、実績に裏づけられた高い信頼性で私たちのチャレンジに応えてくれることを期待します”

株式会社NTTドコモ
コアネットワーク部
コアネットワーク企画担当部長
平口暢子氏

会社概要

株式会社NTTドコモ

所在地:東京都千代田区永田町2丁目11番1号 山王パークタワー

URL:https://www.nttdocomo.co.jp 


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