営業業務を支える基幹系データウェアハウスをHP ProLiant サーバーのMicrosoft SQL Server 2012 SSD Applianceによって更新

「マイクロソフトと日本ヒューレット・パッカード が当社のビジネスの背景やデータの特性などをよく理解したうえで、最適なシステム構成やチューニングの方向性を示してくれました。スケジュール通りに稼働に至ったのも、プロジェクトにかかわる全員が業務をよく理解し、共通の言葉でプロジェクトを推進していけたことが大きな要因であり、これはおそらく他のベンダーでは難しかったと思っています。SQL Server 2012 SSD Appliance のパフォーマンスにも満足しています。」

アステラス製薬株式会社 コーポレートIT部 S&Mグループ
課長
山内 英樹 氏

 

医療用医薬品分野では日本を代表する製薬会社として、グローバルにビジネスを展開するアステラス製薬株式会社。同社では2013年、営業部門の基幹システムとしては業界有数の規模を誇るデータウェアハウスを、HP ProLiant サーバーSQL Server 2012 SSD Applianceによって更新しました。この結果、従来の機能を確実に継承しながらパフォーマンスの大幅な向上や導入、運用を含む TCOの低減、そして技術の標準化などの新たなメリットを実現。加えてAlwaysOnによる高可用性の構成を実現して、自社の営業計数処理の基盤となるシステムのさらなる強化に成功しています。

業界

医療・製薬

目的

  • アプライアンス製品のサポート終了に伴い、コスト制約がある中でのスケジュール前倒しの更新
  • 旧システムの機能を確実に継承し、なおかつそこに新たな価値を加えたシステムの実現

アプローチ

  • 標準化された技術を採用し、ビジネスニーズを満たすことを実現
  • 周辺システムの構成要素を極力変更することなく、低コストでなおかつ中長期にわたって基盤の技術維持
  • 検証環境を構築し、実データとアプリケーションを実装したうえで、トータルのスループットの検証を実施

ITの効果

  • 適正コストの範囲内で十分に高速大容量データの集計が可能
  • 旧DWHと比較して、全体で25〜30%の処理パフォーマンスの向上
  • 月次処理は、6時間かかっていたのが3.5時間で終了、日次処理は、約30分の時間短縮に加え、多重処理の安定性が向上
  • SQL Server 2012のAlwaysOnで非常に可用性の高い構成を実現

ビジネスの効果

  • SQL Server 2012 SSD Applianceの超高速データベースが、圧倒的な処理パフォーマンスと効率アップを実現
  • あらかじめ最適化されたデータベースとサーバーの組み合わせが、ごく短期間で高品質のデータウェアハウス (DWH) 導入を可能に
  • マイクロソフトと日本ヒューレット・パッカードのワールドワイドでのパートナーシップが、導入時はもちろん将来にわたる技術サポートと安定運用を約束
 

旧データウェアハウスの開発、サポート終了を契機に全体最適と標準化を含めた更新を検討

医薬品業界においてもビジネスのグローバル化が進む中、とりわけ競争の激しい医療用医薬品の分野では、国内外の市場動向を迅速に把握、分析し、いち早く最前線の営業活動に反映していく情報活用の俊敏さと正確さが要求されます。そのため各社が競って営業計数情報の処理、分析のためにデータウェアハウス(DWH)活用を進める中、アステラス製薬株式会社(以下、アステラス製薬)では、システム基盤のリニューアルをHP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceによって実施。データ処理の大幅なパフォーマンスアップや夜間バッチの時間短縮、そして営業基幹システムとしてのきわめて高い可用性を実現しました。

「当社では2014年には糖尿病治療薬の新製品投入などもあり、よりプロモーション面を意識したマーケティング &セールスにも注力することを考えています。そのためにはインターネットのさらなる活用を含め、新たなプロモーションの施策を展開していく必要があります。その点でもITの貢献は大きいと考えています」と、アステラス製薬株式会社 コーポレートIT部 S&Mグループ 課長 山内 英樹 氏は、マーケティング プロモーションの強化における情報活用の重要性を語ります。

そうした観点から同社では、既に2010年には営業計数系システムにおける業務処理の見直しを行い、進化する営業施策、現場の情報ニーズに即応するべくDWHを構築、運用してきました。そのシステムを2013年、HP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceによって更新することになった直接のきっかけは、DWH製品の開発、サポートの終了だったと、アステラス製薬株式会社 コーポレートIT部 S&Mグループ 課長代理 吉田 浩延 氏は振り返ります。

「当社では、サーバー インフラは5年、アプリケーションは5〜10年のスパンで更新するというライフ サイクル マネージメント ポリシーを適用しています。しかし、サポートの終了期限が明確となり、こうなっては、営業の基幹システムを将来性のないまま使い続けるわけにいきません。若干スケジュールを前倒しての更新となります。そのため、大変厳しいコストの制約はありましたが、旧システムの機能を確実に継承し、なおかつそこに新たな価値を加えたシステムを実現したいと考えました」。

また、かねてからコーポレートIT部 インフラグループでは、社内システムの全体最適化、標準化、そしてコスト削減に取り組んできました。そうした積極的なシステム改善の見地からも、今回のDWH更新にかかわる製品選定は重要でした。

アステラス製薬株式会社
コーポレートIT部
S&Mグループ 課長
山内英樹 氏

アステラス製薬株式会社
コーポレートIT部
S&Mグループ 課長
山内 英樹 氏


アステラス製薬株式会社
コーポレートIT部
S&Mグループ 課長代理
吉田浩延 氏

アステラス製薬株式会社
コーポレートIT部
S&Mグループ 課長代理
吉田 浩延 氏


日本ヒューレット・パッカード による概念実証で期待どおりのパフォーマンス向上を確信

更新プロジェクトが立ち上がり、具体的にDWH製品の検討が始まったのは2012年10月のことでした。最初の段階では予備検討として7社に情報提供依頼書(RFI)を送って打診し、その候補の中からさらに絞り込んで提案依頼書(RFP)を発行。パフォーマンスの実機検証やサイジングなど、入念な検討が続けられました。この検討段階ではコストだけでなく、さまざまな視点で選定要件が挙げられたと、アステラス製薬株式会社 コーポレートIT部 インフラグループ 課長代理 井上 純一 氏は明かします。

「ひとくちにコストといっても、導入だけでなくこの先の運用コストも含めて考えなくてはなりません。標準に沿った製品を採用すれば、運用ノウハウなど既存スキルのしくみを活用できるため、目に見えない部分のランニング コストを削減できるというねらいもあったのです」。

RFIでは、DWHを移行するにあたり、「周辺システムの構成要素を極力変更することなく、低コストでなおかつ6〜10年の中長期にわたって基盤の技術維持ができること」という条件を提示していました。

株式会社シーエーシー サービスビジネスユニット 医薬サービスビジネス部 安田 宗弘 氏は、「まず特定の製品ありきではなく、アステラス製薬様の求めている要件を満たし、業務に最適なものをという視点で検証を行いました。当社では、導入後の運用もお手伝いしているため、運用しやすさやコストの面からも、これがふさわしいと考えました。とりわけSQL Server 2012では、AlwaysOnで非常に可用性の高い構成を実現できる点がお勧めと考えました」。

このDWHは営業系の計数基盤として、営業に かかわるあらゆる数値が集約されています。その日の最新データは毎日日中および夜間にバッチ処理され、翌朝には利用できる状態になっていなくてはなりません。強力なデータベースの処理パフォーマンスと高い可用性、そして省コストを兼ね備えたHP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceはまさにうってつけでした。
標準化という点でも、HP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceは最適の選択でした。

「当社はもともと、サーバーOSはWindows Server®、データベースはSQL Server、そしてサーバーはHP ProLiant サーバーが標準となっています。今回のHP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceは、そうした点でもすべて標準に準拠していると評価することができます」(井上 氏)。

これらの条件に加え、採用の大きな決め手となったのが日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本ヒューレット・パッカード)の本社で行われた概念実証(POC)でした。これは東京都江東区にある日本ヒューレット・パッカード本社内に検証環境を構築し、アステラス製薬から提供された実データとアプリケーションを実装したうえで、トータルのスループットの検証を実施したものです。

山内 氏は、「実際の業務に近い環境で期待どおりのパフォーマンスが得られるとわかったことが、そのあとの更新プロジェクトを進めるうえで大きな安心感につながりました。とりわけHP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceは半導体ストレージを適用したアプライアンスを初めて使用することになったため、POCによる結果をエビデンスとして、導入を力強く進めることができたのがよかったです」と評価します。また、マイクロソフトと日本ヒューレット・パッカードがグローバルレベルのフロントラインパートナーシップで結ばれ、将来的な技術基盤の継続やサポートが見込まれる点も、採用決定を強く後押ししました。

2013年2月には製品選択の最終決定が下され、続く3月には導入のキックオフ。そして同年11月には新しいDWHへの移行が完了しました。


アステラス製薬株式会社
コーポレートIT部
インフラグループ 課長代理
井上純一 氏

アステラス製薬株式会社
コーポレートIT部
インフラグループ 課長代理
井上 純一 氏


株式会社シーエーシー
サービスビジネスユニット
S医薬サービスビジネス部
安田宗弘 氏

株式会社シーエーシー
サービスビジネスユニット
医薬サービスビジネス部
安田 宗弘 氏


株式会社シーエーシー
医薬システムユニット
サービスビジネスユニット
医薬サービスビジネス部
松井祐樹 氏

株式会社シーエーシー
医薬システムユニット
サービスビジネスユニット
医薬サービスビジネス部
松井 祐樹 氏


処理パフォーマンスが25〜30%アップ 夜間バッチも始業時には余裕で完了

今回更新された営業基幹システムであるDWHには、大きく3つの役割があります。まず、医薬品業界データ交換システム「JD-NET」などのEDIを経由して収集した実消化データを、さまざまな切り口で集計してみせる「実績集計処理」。医薬情報担当者(MR)の日報や活動データを集計および提示する「SFA」。さらに国際的な医療情報サービスで知られるIMS社等の市場データ集計処理による「市場情報提供」です。MR約2,400名に加え、営業のマネージャーやスタッフがこのシステムのレポートを利用。データの中でもっとも規模の大きいものは、販売実績が年間数千万件の伝票レコードを蓄積、および時系列で累積する(実消化など)、市場データ(IMSなど)が億単位のレコードを収集、蓄積、加工する、まさに同社の営業の基幹システムです。営業情報DWHとしては業界でも大規模で、しかも年々増加するデータ量に合わせて、十分な余裕を見たサイジングが施されています。

今回の更新のもたらしたもっとも大きな改善メリットは、やはりパフォーマンスの向上でした。

「旧DWHと比較して、全体で25〜30%の処理パフォーマンスの向上が確認されています。非常に多くの処理があるのですが、処理の種類によっては約半分に短縮されたものもあります。日々の実際の処理時間をみると、従来のDWHよりも平均約30分くらいの時間短縮が実現できています」(山内 氏)。

この短縮分がそのままシステムの処理能力の余力ともなります。将来的にデータ量が増加したり処理のロジックが変わっても、中長期的に現在の処理時間を維持できると同社では見ています。

月次処理、日次処理も共に大きく効率がアップしました。たとえば月次処理では、最もデータの大きな実績確定のための処理が、これまでは6時間かかっていたのが3.5時間で終了するようになりました。
これはPOCの段階で確認された数値が、本番でもまったく同様に再現されています。運用を手掛ける株式会社シーエーシー サービスビジネスユニット 医薬サービスビジネス部 松井 祐樹 氏は、「SQL Server 2012は多重処理に非常に強いので、多少処理に手間どることがあってもその時間のずれをバッファーで吸収して安定稼働を続けることができます。旧システムは多重処理に弱く、処理をずらして走らせざるを得なかったのが、気にせず流せるようになったのが大きなメリットです」とSQL Server 2012の処理パワーを評価します。
日次処理では、約30分の時間短縮に加え、多重処理の安定性が向上した結果、これまでのように処理が遅延し翌朝のレポート提供に間に合わないといった問題もなくなりました。現在は、他システムのインターフェイスを含めたすべての処理が、早朝に安定的に終了しています。

障害対応の面でも、SQL Server 2012は改善をもたらしました。「従来のDWHはブラックボックス化していた部分が多かったですが、SQL Server 2012は仮に障害が起きたとしても処理の経過がすべて記録されているので、障害原因の特定が容易ですし、それを基にチューニングも可能です」(松井 氏)。

またHP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceは、SQL Server 2012に最適化されたサーバーとの組み合わせが、より大きな安定性につながっています。今回採用されたHP ProLiant DL980 G7はHP ProLiant シリーズのハイ エンド モデルであり、最大8基80コアのプロセッサー、最大4TBのメモリおよび最大16個のPCI Express Gen2 I/O スロットをサポートしている、非常に拡張性の高いサーバーです。HP独自開発のノード コントローラーを搭載し、集中的な参照処理の実行が必要な大規模なデータベースにも余裕の処理パワーを提供します。

「2013年11月の稼働開始から3か月立ちますが、非常に安定しています。旧システムでは夜間バッチでの障害がしばしば起こっていましたが、現在は皆無です。そうした可用性の向上が、結果的に運用コストの大きな削減にもつながっています」(吉田 氏)。



システム構成図
 

多様な営業システム領域への拡大や今後のビッグ データ活用にも可能性

井上 氏はこれまでのアステラス製薬における DWH活用の取り組みを振り返って、今回のHP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD Applianceの導入は、イノベーションという観点でも意義があったと振り返ります。

「アプライアンス製品というのはあらかじめ最適化された組み合わせなので、どのベンダーの製品であれ、導入しさえすれば一定のパフォーマンスは保証されているわけです。もちろんその中に最適な製品がある可能性もあります。しかし、だからといってどれでも良いということではありません。そこでアプライアンスを導入するにしても、当社の標準であるSQL Serverでできないかと考え、それをCACを始め日本マイクロソフト、日本ヒューレット・パッカードといったパートナーやベンダーと協業しながら実現しました。標準化された技術を採用しビジネスニーズを満たすことを実現できたという点で、単なるDWH更改にとどまらない、1つのイノベーションの試みとして評価できると思います」。

HP ProLiant サーバーのSQL Server 2012 SSD ApplianceによるDWH更新を経て、アステラス製薬では、さらなる営業領域におけるデータ活用をさらに深める試みに取り組んでいきたいと考えています。

「適正コストの範囲内で十分に高速大容量データの集計が可能だということが実証されたのを踏まえ、今後は営業システム内での、同じようなアプローチで他のシステムへの適用範囲の拡大を検討していきたいと考えています。たとえば、また、現在大きな注目を集めているビッグデータ活用への対応についても、同様のソリューションを横展開していくことが期待できます」と今後の活用展望を語る山内 氏。

グローバル市場へのさらなる展開を目指すアステラス製薬の営業力を、新しい営業データ基盤が力強く支えています。



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会社概要

アステラス製薬株式会社様

所在地: 〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-5-1

URL:http://www.astellas.com/jp/ 


アステラス製薬株式会社
本件でご紹介のHP製品・サービス

導入ハードウェア

導入ソフトウェア

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