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HP-UXとミッションクリティカルの「これから」

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HP-UXとミッションクリティカルの「これから」

HPミッションクリティカル分野のチーフテクノロジスト カーク・ブレスニカ、インタビュー・後編

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HP-UXとミッションクリティカルの「これから」

インデックス

2012年5月23日(水)、来日した米HPのビジネスクリティカルシステム(ミッションクリティカル分野向けサーバー)のチーフ・テクノロジストであり、HP BladeSystem開発者にも携わり、HPフェローでもあるバイス・プレジデントのカーク・ブレスニカ(Kirk Bresniker PDF)に、ミッションクリティカル分野のキーワードの「Project Odyssey」とHP-UXの将来について、インタビューを行いました。後編では、HP-UXの「これから」、ミッションクリティカル市場への取り組み、そしてOracleとHPについてご紹介します。

HP-UXの「これから」

── HP Integrityサーバーはどうなりますでしょうか?

カーク:HP-UXが稼働するHP Integrity サーバーについては、マルチレベルでの投資を続けています。

ご存知のように、2010年にインテル® Itanium® プロセッサー 9300番台(開発コード: Tukwila)のリリースに伴い、製品ラインアップを一新しました。10年以上に渡り継続的な投資を行い、サーバー、ソフトウェア、ネットワーキング、サービスなど、企業向けのシステムに必要なコンポーネント全てを開発しました。さらに、HP ProLiantサーバーで養われた信頼性や効率性の高いブレード・テクノロジーを活用し、ブレードサーバー(BladeSystem)の開発と、それをコンセプトとしたSuperdome 2を開発しました。これらのイノベーションは今後10年を支え続ける設計であるということは、Poulsonを搭載する製品リリースで明らかになることと思います。

HPはブレードアーキテクチャの利点を活かし、電源や冷却ファンなどの各モジュールの開発を継続していく予定です。また、BladeSystem/Superdome 2のエンクロージャー全体への投資についても今後何度か行う予定で、アップグレードを通じて長期的な投資保護が可能と期待しています。Superdome 2のエンクロージャーは今後の10年を見据えており、ブレードを入れ替えるだけで、常に最新のシステムが利用できるわけです。
投資保護を実現するSuperdome 2のアーキテクチャ
図4:投資保護を実現するSuperdome 2のアーキテクチャ
── では、HP-UXはどうなりますでしょうか?

カーク:HP-UXについては、オペレーティング環境の各コンポーネントに対して、年2回の・アップデートリリースを継続的に実行して機能強化を図るとともに、品質の向上を引き続き図っていきます。

それに加え、Converged Infrastructureの一環として製品全般で様々なテクノロジーとの連携を図っていきます。たとえば、HP CloudSystem Matrix with HP-UXでは、HP-UXのみに提供されていた仮想マシンの監視および制御テクノロジーをHP ProLiantブレードサーバーにも拡大、BladeSystem全体の統合管理が行えるようになりました。

また、最新の仮想化テクノロジーでは、PA-RISC環境を最新サーバー上で稼働できるHP 9000 Containerと仮想環境、仮想パーティション(vPars)と仮想マシン(Integrity VM)の連携など、柔軟性の向上が行われています。VMとvPars間でゲストOSの移動、I/Oの共有や動的変更、対応製品の拡充など、ミッションクリティカル・システムのさらなる進化を実現しています。

このように、HPではお客様の投資保護を最優先に、今後もコアと製品周辺のイノベーションを図っていく予定です。
  vPars v5 vPars v5 for SD2 vPars v6
実装方式 ソフトウェア/
ファームウェア
ファームウェア ソフトウェア
サポート
プラットフォーム
セルベース・サーバー Superdome 2 rx2800 i2/BL860c i2/
BL870 ci2/BL890c i2/
Superdome 2
プロセッサーコア 専用 / 動的変更可能 専用 / 動的変更可能 専用 / 動的変更可能
メモリ 専用 / 動的変更可能 専用 専用 / 動的変更可能
I/O ダイレクト 共有 /一部動的変更可能
スケーラビリティ nPar あるいはサーバーのサイズまで nParあるいはサーバーから管理レイヤー用のリソースを差し引いたぶんまで
vPars 最大数制限 最大8 vPars / セル 最大4 vPars / ブレード サーバーのCPU
コア数―1
GUI サポート - ステータス(SD2OA) フルコントロール(SMH)
Virtual Connect サポートなし サポート
Matrix OE サポート gWLM と iCAP フルサポート
(プロビジョニングを含む)
表1:vPars 各バージョンの機能比較

ミッションクリティカル市場への取り組み

── ミッションクリティカル環境での現在のニーズと将来のニーズとの違いは何でしょうか?

カーク:お客様のミッションクリティカル環境での現在のニーズをみると、ビジネスで重要な特性については何ら緩和されていません。実際に、重要度はこれまでにも増して高くなっています。ビジネスでITへの注目度が高まるにつれ、SLAの時間は短縮され、アップタイム要件は厳しくなる一方です。

同時に、こうしたビジネスではコスト削減が常に求められています。ミッションクリティカルな機能を維持する一方で、コストパフォーマンス、配備の簡素化、異機種混在環境でのホスト、さらには仮想化を実現し、ミッションクリティカルなシステム以外で使用されている仮想化ツールを共通使用して、管理や制御を行えるようにする必要があります。つまり、現状では、こうした機能を維持しながら、コスト削減や仮想化によるラッピングを、共通のツールと手順で行える必要があるわけです。

HPはまさにこうした現状を踏まえて、お客様に明らかなエクスペリエンスを提供してきました。お客様はHP-UXへの既存投資を活かしつつConverged Infrastructureに移行して、x86 + Linux/Windows環境と共通のコンポーネント、手順、トレーニング、管理ツールを使用できます。HP CloudSystem Matrix with HP-UXによって信頼性の高いバックエンドを構築し、LinuxミドルウェアやWindowsフロントエンドと組み合わせることで、全てがプッシュボタン方式で配備可能で、再配備も同じくスピーディーに行えます。つまり、全てが同様に動作して、取得コストを削減できるとともに、継続的なコスト削減にも貢献することができます。
 「Project Odyssey」のエクスペリエンス
図5: 「Project Odyssey」のエクスペリエンス
── 「DragonHawk」とはどのような製品なのでしょうか?

カーク:前述の「DragonHawk」はSuperdome 2エンクロージャー用のインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリーを搭載するサーバーです。

Superdome 2のエンクロージャーには、電源モジュールや冷却ファンなどのBladeSystem共通のテクノロジーの他に、フォールトトレラント・ファブリックと解析エンジンなどのSuperdome 2独自のテクノロジーが組み込まれています。

現時点での情報ですが、「DragonHawk」でもフォールトトレラント・ファブリックと解析エンジンなどの全ての機能が利用します。拡張性、メモリ容量、I/O容量についても全てHP Integrity Superdome 2と同様の性能を維持しながら、x86 + Linux/Windowsに対応し、ミッションクリティカル環境を構築します。そして、インテル® Itanium® プロセッサー + HP-UXと混在環境ができ、同一エンクロージャー内で柔軟な構成を選択できるわけです。

つまり、現在、HP Integrity Superdome 2をご利用されているお客様の環境で、「DragonHawk」は使用可能です。ファームウェアや管理機能のアップグレードを行うことで、これまでと同様の方法で管理でき、何倍もの投資効果が見込めます。
Superdome 2のエンクロージャー内で混在環境が可能
図6: Superdome 2のエンクロージャー内で混在環境が可能
── では「HydraLynx」とはどのような製品なのでしょうか?

カーク: 「HydraLynx」は、HP BladeSystem c-Classのエンクロージャー用のブレードサーバーです。HP Integrityサーバー BLシリーズでご好評いただいているScalable BladeLinkテクノロジーを搭載し、導入後のアップグレードが可能な製品です。

HP Integrityサーバー BLシリーズを例にすると、2ソケットのHP Integrity BL860c i2を購入し、リソースの拡張が必要になった際に、買い換える必要はありません。もう1台のブレードサーバーと拡張キットだけでリソースが倍増するのです。そのリソースは8ソケットのHP Integrity BL890c i2まで拡張できます。

「HydraLynx」では、x86 + Linux/Windows上で、同様の拡張が行えます。BladeSystemの利点を全て享受しつつ、拡張テクノロジーが備わったx86ブレードサーバーなのです。
Scalable BladeLinkテクノロジー
図7: Scalable BladeLinkテクノロジー
── Linux/Windowsについては、どのような取り組みをされているのでしょうか?

カーク: HP-UXは25年以上の実績があり、NonStopとOpenVMSは約30年の実績があります。一方、Linux/Windowsはこれらのオペレーティング環境とは方向性が違い、異なる開発モデルであることが重要です。

Windowsの提供するマイクロソフトは重要なパートナーですが、独自OSのベンダーであり、独自の開発技術と設計サイクルを持っています。Linux環境にはオープンソース開発コミュニティがあるため、特定の個人ではなく、kernel.orgをはじめとしたサブシステムの保守を行う様々なグループと協力する必要があります。

昨年11月の「Project Odyssey」発表時、それらのコミュニティへの参加の意向を示しました。コミュニティと協力するにあたっては、有益で生産的な、対立を招かない協力姿勢を心がけており、代替テクノロジーを提供し、コミュニティ全体を前向きな方法で改善できるよう取り組んでいます。そのため、少し時間を必要とします。
Linux/Windowsのコミュニティ参加
図8: Linux/Windowsのコミュニティ参加
── それぞれのコミュニティへの参加はどういった内容になるのでしょうか?

カーク: コミュニティへの参加の取り組みは次の3つの箇所のいずれかに該当します。

1つは、「ミッションクリティカル・システム・ソフトウェア」と読んでいるものです。これはエンクロージャー、ブレード、I/O管理機能、バーチャルコネクトマネージャーの組み込みファームウェアであり、ハードウェアインフラストラクチャの一部を構成する組み込みソフトウェアでもあります。HP-UX上で採用されている高可用性テクノロジーやパーティショニングテクノロジーなどが、ファームウェアに継承されます。
ミッションクリティカル・システム・ソフトウェア
図9: ミッションクリティカル・システム・ソフトウェア
2つ目は、オープンソース開発コミュニティのkernel.orgなどや、Microsoftのカーネル開発チームのアップストリームです。特に、拡張性、デバッグ性、エラーの封じ込め/隔離など、最上層のカーネルに必要なテクノロジーです。これらは全てのディストリビューションに取り入れられます。

3つ目は、「ミッションクリティカル・インフラストラクチャ・ソフトウェア」と読んでいる、Serviceguard for Linuxなどのテクノロジーです。この層はディストリビューションの最上位に配置される予定です。
ミッションクリティカル・インフラストラクチャ・ソフトウェア
図10: ミッションクリティカル・インフラストラクチャ・ソフトウェア
── x86 + Linux/Windowsで可用性を高めるアプローチは、どういった内容になるのでしょうか?

カーク: x86環境で可用性を向上させる要素はいくつかあります。

1つは、HPIntegrityサーバーで養われた高度なエラー封じ込め/解析テクノロジーをx86環境に移行することです。そしてその一部は、前述の「ミッションクリティカル・システム・ソフトウェア」で行われています。たとえば、Superdome 2ではエラー解析エンジンという高度なテクノロジーが採用されています。エラー解析エンジンがパーティションやOSとは独立して動作し、データの常時監視・収集を行う他、プラットフォーム全体の機能を把握して、サービスの実行履歴を保持します。さらにこのエンジンは、OSに直接渡された可能性のある標準プラットフォームの情報を収集・解釈します。実際には情報をインターセプトして解析が実行されていることを確認し、情報データベースを使用して履歴との照合を行います。この情報は管理され、許可されるとOSに選択的に渡されます。このようにして、ファームウェアで障害とエラーの切り分けを管理しています。

実際のOSでは、知的財産を選択的に調査し、可用性、デバッグ性、信頼性、ダンプ/キャプチャー情報や技術のどの部分をオープンソース開発環境に提供するかを判断します。現在では、高可用性モデルの一部で障害が発生することはほとんどありません。障害が発生すると、関連情報がただちに収集されてHPのサポート担当者に送信され、診断の結果、是正措置が決定されて、原因分析結果とともに返信されます。これは、数週間や数か月、ましてや対応不可の事態に陥ることなく、わずか数日で行う必要があります。可用性/信頼性を向上させる技術としては、データキャプチャーやサービスでの知的財産の活用などがあり、これらも同様にそうした要素の一部となります。それらの一部はOSにも取り入れて、信頼性の高いメモリーダンプの常時実行をはじめとしたさまざま機能の利用を可能にする必要があります。これは、HP-UXをご利用のお客様には一般的ですが、複雑なLinux環境ではそれほど一般的ではありません。

そして最後の要素は、ソフトウェアです。Serviceguard for Linuxは、HP-UXとともに導入された高可用性ミドルウェアで、Linuxコミュニティに提供する予定です。HPの意向はすなわち、HP-UX版とLinux版Serviceguardの双方に差分ができることなく、同一に開発を進めていくことです。HP-UXの長所をLinuxにも反映させる予定であり、その逆もまたしかりです。

OracleデータベースとHP-UX

── 最後に、OracleとHPの問題について、お聞かせください。

カーク:Oracleがプラットフォームのサポートを打ち切るという一方的な決定を撤回すれば、お客様の利益を守ることができると考えており、まさにそれこそがHPが心から望んでいることです。サポートの打ち切りは、お客様の利益を守ることにはなりません。お客様が経済的なメリットを得られないため、決定を撤回してくれることを心から望んでいます。現在、米国で訴訟が継続中であり、まもなく判決が下される予定ですので、ここであまりコメントすることはできません。

ただ、繰り返しますが、HPはお客様の利益をビジネスの中心に据えており、ミッションクリティカルなシステムを運用されているお客様は間違いなく重要なお客様に値します。そのため、責任は重大であり、HPにはそうしたお客様の環境を維持し、期待に沿ったロードマップを提供する責任があることを認識しています。そのため、現在の取り組みが、法廷にとどまらず、今後どうなるか注視していく必要があります。

── ありがとうございました。
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※本内容は、全てインタビューのものであり、内容に変更がある場合がございますので、予めご了承ください。
Intel、インテル、Intelロゴ、Itanium、Itanium Inside、Xeon、Xeon Insideは、アメリカ合衆国およびその他の国におけるIntel Corporationの商標です。

インデックス

Project Odyssey トップ

■第4弾 NEW!
HPの次世代ミッションクリティカル仮想化技術
新しくなったvPars and Integrity VM v6

■第3弾
次世代インテル® Itanium® プロセッサーと、それを搭載するサーバー製品
前編  後編

■第2弾
「Project Odyssey」のミッションクリティカル・インフラストラクチャ・ソフトウェア
HP Serviceguard Solutions for Linux

■第1弾
HPミッションクリティカル分野のチーフテクノロジスト カーク・ブレスニカ、インタビュー
前編  後編