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基幹ネットワーク導入事例

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世界一の大型放射光施設を支えるプラットフォームにProCurve 製品を採用
高信頼性とネットワークの一元化による効率的なネットワーク管理を推進

高輝度光科学研究センターが運営する世界最大級の大型放射光施設 SPring-8 は、放射光を利用した分析・解析によって先端研究や技術開 発に貢献している。同施設の制御システムを支える基幹ネットワークに ProCurve 製品を採用。スイッチの高い信頼性とネットワーク管理ソフト ウェアProCurve Manager Plus(PCM+)によって運用負荷を軽減したミッ ションクリティカルなプラットフォームを実現した。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
概要
PDF(640KB)
 

財団法人高輝度光科学研究センター

目的

アプローチ

大型放射光施設の24 時間連続運転を支えることができる信頼性・安定性の高い基幹ネットワークを構築。また、ネットワークの運用管理性を向上する。
基幹ネットワークのギガ化と並行して、SPring-8 開設以来使用されていたスイッチに代わり、次代を担うスイッチを検討。信頼性、コストパフォーマンス、業界標準規格を採用していることを評価してProCurve 製品を採用。より安定したネットワーク環境を整備した。またProCurve 製品のライフタイム保証も安心材料となっている。

システムの効果

 
信頼性・安定性の高いオールギガ対応が可能なネットワーク環境を実現。ProCurve Manager Plus(PCM+)を活用したネットワークの統合管理により、運用管理性が向上した。また、PoE や100BaseFX の活用で使い勝手が向上し、柔軟な対応が可能になった。
 

お客様背景

世界最大級の大型放射光施設SPring-8
高輝度光科学研究センター 制御・情報部門 ビームライン制御グループ グループリーダー 大端 通 氏
高輝度光科学研究センター
制御・情報部門
ビームライン制御グループ
グループリーダー
大端 通 氏

兵庫県南西部の播磨科学公園都市に設置された大型放射光施設SPring-8。日本原子力研究所(現日本原子力研 究開発機構)と理化学研究所の共同出資により1991年から6年の歳月をかけて建設され、高輝度光科学研究 センターがその運営を担う。現在、「世界屈指の分析、解析施設」として、民間企業、大学、官公庁など国内 外の諸機関がさまざまな研究・開発に利用している。放射光とは耳慣れない言葉だが、最先端の研究には欠 かせない光で、高エネルギーの電子などが磁場で曲げられたときに発生する電磁波(シンクロトロン放射光) のことだ。SPring-8 のような第三世代大型放射光施設は、世界でも他にAPS(アメリカ)、ESRF(ヨーロッパ)の2つのみだ。

24時間連続運転を支える基幹ネットワークインフラ

ユーザが最先端の研究・開発を計画的に行えるよう、SPring-8 の運転スケジュールはサイクルと呼ばれる数週 間の運転期間で構成されている。サイクルの間にあたる停止期間や夏期・冬期の長期運転停止期間などを除 けば、24時間連続運転である。2 時間連続運転を支えているのが、制御システムと基幹ネットワークインフラだ。

特に基幹ネットワークは可用性を高めるためにリンクアグリゲーションプロトコルを採用している。リンク アグリゲーションとは複数の物理的な回線を仮想的に束ね、あたかも1本の回線であるかのように扱う技術 で、これにより通信ラインの二重化ができ1本がダウンしてもトラフィックは途絶しない仕組みとなってい る。また、支線には加速器本体から出る電磁ノイズの影響を受けないように、光ファイバーを使ったイーサー ネットを採用。ルーターを使わず、スイッチを基本に用いた遅延の少ないフラットなネットワーク構成と なっている。

高輝度光科学研究センター制御・情報部門ビームライン制御グループ グループリーダーの大端通氏は、 SPring-8 のネットワーク環境をこう説明する。

「基幹ネットワークは、加速器を制御する制御系、実験するユーザが利用するビームライン系、情報サービス を行うOA系に分かれます。制御系ネットワークとビームライン系ネットワークやOA系ネットワークとの間 にはファイアウォールを設置し、インターネットから制御用ネットワークには直接アクセスできないように しています。ネットワークを管理する上では多少手間がかかりますが、施設の安定運用を第一に考えた設計 としています」

さらに、所内の研究室からSPring-8の運転状態をリア ルタイムに記録したデータベースにアクセスするために、第3のネットワークである中立ゾーンを用意。こ こにデータベースアクセス専用Web サーバやプログラ ム開発環境を設置することで、データアクセスと運転用プログラムの開発を行っている。また、放射光実験 ユーザのためのネットワークは特にセキュリティに配慮している。ビームラインはVirtual LAN(VLAN)を利 用してそれぞれが論理的に独立したネットワークとして運用されている。


ソリューション

信頼性とコストパフォーマンス、さらにライフタイム保証を評価し ProCurve 製品を導入

基幹ネットワークがダウンすると、加速器の制御はもちろんSPring-8全体の活動が大きなダメージを受ける。 それだけに基幹ネットワークインフラには、品質に加えて特段の安定性と可用性が求められる。また、レベ ルの違うネットワークを管理することから、管理の容易さもポイントとなる。

「SPring-8稼働以来使用してきたスイッチのメーカが日本から撤退し、サポートを受けられなくなったため後 継機種を検討していました。前任者が2006年に複数のメーカのスイッチを比較し、ProCurve製品が、信頼 性、コストパフォーマンスの面で大変優れていることがわかりました。特に、広い温度範囲での動作を保証し、 空調のない劣悪な環境で利用できることが魅力でした。また、標準規格を採用していたことも判断基準となっ ています。これらの点を評価して、基幹ネットワークのスイッチとしてProCurve製品を採用したのです」と、 大端氏は話す。

さらに、ProCurve製品のライフタイム保証も大きな安心材料になっているという。ライフタイム保証は、ユー ザが実稼動のネットワークに使用している限り、万一の故障時には無償交換サービスが提供されるというも のだ。販売終了後の製品にも適用され、本体とモジュール類、電源、ファンまでも保証の対象となる。信頼性の 高い製品だからこそ提供可能なサービスであり、ミッションクリティカルな環境を熟知したHPならではの保証制度といえる。

2006年夏に基幹スイッチの評価機としてProCurve製品を初めて導入し、それを受けて、基幹スイッチとエッジスイッチを数回に分けてProCurve 製品に更新。2007年1月から3月にかけて、ビームライン系の基幹に2台、OA系のエッジに30台、制御系のコアとエッジに 30台、また8月には制御系のエッジに50台と、この1年で100台以上が導入された。こうして、制御系とビー ムライン系のノードからエッジまでの基幹ネットワークの多くがProCurve 製品に切り替わった。また、スイッ チの更新に先駆けて、従来帯域が狭かった基幹ネットワークのノードからエッジまでのギガ化も行われて いる。

「制御系に流れるデータは少ないのですが、ビームライン実験などのData AcQuisition(DAQ:データ収集シス テム)では、測定データとして大量のイメージデータが流れるのでそのときトラフィックが急増することも あり、DAQには広帯域で安定性の高いスイッチが必要になります」(大端氏)

将来的にはDAQのスイッチにもProCurve 製品を採用したいと大端氏は言う。

OA環境をはじめ、各種サーバファームを運用する情報系ネットワークの基幹システムでは、一部高速広帯域 を実現する10ギガも採用している。さらに、情報サービスの高可用性を実現するために、スパニングツリー (ブリッジネットワークの中にループが存在しないネットワークトポロジ)プロトコルにより経路の冗長化を 行い、ネットワーク機器の故障などによる耐障害性を高めている。

管理ツールPCM+ によって効率的なネットワーク管理を実現

PCM+ の画面
PCM+ の画面
中央制御室
中央制御室
制御系とビームライン系のスイッチがProCurve 製品に更新されたことによって、SPring-8 の基幹ネットワーク は新たなステージに移行した。

「 安定性が高くオールギガへの対応も可能なネットワーク環境が整いました。さらにネットワーク管理の 面でも以前よりずっと楽になりました。管理ソフトウェアProCurve Manager Plus(PCM+)を使うことでネット ワーク状況がリアルタイムに見え、ネットワークを統合的に管理できるようになったのです。いま管理して いるのはProCurve 製品だけですが、運用管理性は格段に向上しました」(大端氏)

SPring-8では現在評価版が使用されているPCM+ だが、この運用管理性が高く評価され、すでに導入が決定し ている。

ProCurve Switch 5406で使用できる管理ソフトウェアPCM+ は、業界トップクラスのトラフィック管理機能 を有する。管理者が自動化されたポリシーを設定することができ、関連するネットワーク情報を簡潔な形で 表示する。また、モビリティおよびセキュリティ機能などのソフトウェアアドオンをシームレスに追加でき るモジュール式アーキテクチャによる優れた拡張性を備えているのも特長だ。

PoE を活用することで接続する機器の使い勝手の向上やコスト軽減にも寄与

ビームラインでは、研究者の目的に応じて自由に整形した放射光が利用できるようになっている。水道の蛇 口をひねれば水が出るようなイメージだ。また、研究者はビームライン内であれば、持ち込んだ機器をイン ターネットに接続できる。

「ProCurve 製品は今まで使用していたスイッチと違い、全てのポートでPower over Ethernet(PoE)が使えるので 大変便利です。現在、Webカメラや温度計測でPoEを使っています。放射線のため加速器のトンネルには人 が入れませんから、Webカメラを設置して機器の動作状態などの目視確認に利用しています。加速器の温度 を測定する温度計は、以前は制御専用計算機に接続する専用の測定器が必要でかなり高価だったのですが、 PoE によって小型で安価な温度計を使えるようになりました。また、ProCurve5406は、100‐FX Transceiverを 利用することで、100BaseFXの光回線に直接接続することが可能です。SPring-8にはまだギガ化していない 100MBps の回線も残っており、ProCurve製品で使用できるポートに接続してそのまま利用できるので、ギガ に移行するステップとして助かっています」(大端氏)
     
SPring-8の基幹ネットワークを支えているProcurve製品    
SPring-8の基幹ネットワークを支えているProcurve製品
[ 拡大図へ ]
     
導入ハードウェア
ProCurve Switch 2626 × 8 台
ProCurve Switch 5406 zl × 5 台
ProCurve Swtich 2600-8-PWR ×42台
ProCurve Switch 2510-24×108 台
ProCurve Switch 2810-24G×10 台
   

効果と今後の展望

今後は基幹ネットワークスイッチをProCurve 製品で統一する方向

放射光を利用した研究分野は、物質科学分野、生命科学・医学分野、環境科学分野、地球科学・宇宙科学分野、 さらには産業面に及ぶ。薬剤耐性化の原因となるタンパク質の構造解明や自動車の排ガスを浄化する触媒設 計など、SPring-8での研究成果も数多く挙がっている。しかし、研究内容が年々高度になるに従い、SPring-8の 基幹ネットワークのオールギガ化が必要になってきた。例えば、タンパク質を研究するのに30フレーム/秒の CCD画像が必要になるなど、データストレージまでのトラフィックがボトルネックになりつつあるからだ。 「1Hzで同期運転される加速器からは1 秒ごとに電子ビームが放出されます。それを加速器の主要な箇所に 並べた専用の高速同期カメラでモニターし画像を保存するので、1秒ごとにトラフィックが発生します。そ うすると、エッジからクライアントまでの100Mbps回線がボトルネックになるため、すべてギガ化したいと 考えています。

また、制御系のコアスイッチにはメンテナンス時のダウンタイムが不要なスイッチを使っていますが、 ProCurve製品の高い信頼性を考えると、コアスイッチにも使えます。今後はスイッチをProCurve 製品で統一 する方向で考えています」(大端氏)

SPring-8では2010年の完成を目指し、次世代加速器の建設が2006年から始まった。加速エネルギー8ギガ 電子ボルト、全長約800メートルのXFEL発振器によるX線レーザー発振を行う世界初の施設だ。それを支 える基幹ネットワークの一部に10ギガビットのネットワークが検討されている。

「次世代加速器ネットワークのスイッチにもProCurve製品を使いたいと考えています。さらにPCM+ を活用す れば、SPring-8の全ネットワークの一元管理が可能になります。これによる大幅な管理負荷軽減を期待してい ます」と大端氏は語る。

概要

財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
所在地: 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
設立: 1990年12月
主な業務: 利用者選定業務、利用支 援業務、試験研究開発、施設の運転、 維持管理および高度化
  本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。  

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