アイシーエスが“オールHP製品”によるネットワーク構築を提案
高信頼で投資対効果に優れた自治体ネットワークを実現

湯沢市役所

「HPネットワーク製品は、私たちが提示した要件をクリアするとともに、優れた投資対効果をもたらしました。5年以上これらの機器を使い続けることを前提にすると、HPの『ライフタイム保証』は追加投資を解消してライフサイクルコストの抑制が可能になります」

−湯沢市 総務部 企画課 情報統計班 参事 兼 班長 高橋 一志 氏

 

4庁舎・100施設を結ぶ自治体ネットワークを全面刷新

湯沢市が、4つの庁舎とおよそ100の施設を結ぶネットワークを全面的に刷新した。既設の光ファイバー回線を利用して、最大約20キロ離れた本庁舎と3支所を10ギガビットで結ぶ高速WANを実現。仮想化技術(HP IRF)により主要なネットワーク機器を冗長化して信頼性を向上させた。また、本庁舎では無線LAN導入によりフレキシブルなネットワーク利用を実現している。オールHP製品によるネットワーク刷新を提案・リードしたのは、東北地方を中心に活躍するアイシーエスである。

業界

  • 自治体

業種

  • 官公庁・研究機関

目的

  • 新庁舎の建設に伴うネットワーク環境の全面刷新。導入から9年が経過した機器を全面的に更新し、自治体業務と教育分野の情報化を支える高信頼なネットワークサービスを実現するとともに、導入から10年後までを見通したトータルコストを削減する。

アプローチ

  • 既設の光ファイバー回線を有効活用し、機器の刷新により本庁舎と3支所、そこから延びる公共施設や小中学校を結ぶ基幹ネットワークの高速化を図る。主要なネットワーク機器を冗長化して信頼性を高めるとともに、VLAN構成を見直して庁内ネットワーク・総合行政ネットワーク(LGWAN)・インターネットへのアクセスを制御する。

ITの効果

  • 既存の光ファイバーを利用しながら基幹ネットワークの10ギガビット化を実現
  • L3およびL2スイッチにネットワーク仮想化技術(HP IRF)を採用しActive - Activeで冗長化
  • HP IRF構成によりシャーシ型スイッチをコンパクトなボックス型スイッチにダウンサイジング
  • VLANを見直して庁内外へのアクセスを制御するとともに新規システムの接続やメンテナンスを容易に

ビジネスの効果

  • コアおよびフロアスイッチから無線LAN環境までオールHP製品により信頼性と投資対効果に優れたネットワーク環境を実現
  • HP独自の「ライフタイム保証」により導入から10年後までの運用保守・更新にかかる全コストを大幅に削減
  • 新たに導入した無線LAN環境が組織やレイアウトの変更、ワークスタイル改善に寄与
  • 東北地方に密着したインテグレーターであるアイシーエスが、高い技術力で湯沢市ネットワーク環境の設計・構築・運用をトータルに支援
 

チャレンジ

「湯沢市イントラネットワークシステム」の全面刷新

秋田県南端に位置する湯沢市は人口およそ4万9,000人。県内最古の温泉がある秋ノ宮温泉郷をはじめ、古くから湯治場として親しまれている。平安時代を代表する女流歌人、小野小町の出生地とも伝えられる。

平成17年(2005年)、旧湯沢市と雄勝郡雄勝町、稲川町、皆瀬村が合併。新生湯沢市として歩みをスタートさせた。同時期に総務省が推進する「地域イントラネット基盤整備」に基づいて光ファイバー幹線が敷設され、本庁を中心に、3つの支所とそれらに付随する公共施設や学校など100カ所以上を結ぶネットワーク基盤が整備された。総務部 企画課 情報統計班 参事兼班長の高橋一志氏は、次のように話す。

「平成15年度に雄勝町が構築したシステムを、平成16年度の合併時に構築した新市全体システムに接続し、『湯沢市イントラネットワークシステム』として運用してきました。市職員570名に加え100に及ぶ関係施設が利用してきましたが、長年にわたる運用の中で増改築してきたこともあり様々な課題が顕在化していました」

最大の課題はネットワーク構成の複雑化だった。

「住民情報などを扱う基幹系ネットワーク、事務に使われる庁内ネットワーク、自治体システムを相互接続する広域ネットワーク『LGWAN』、さらにインターネットへのアクセス経路が切り分けられ、それぞれ専用のクライアント端末からしかアクセスできない環境でした。職員によっては、デスク上に基幹系、情報系、インターネット用の3台のパソコンが並んでいたのです」と話すのは、湯沢市 総務部 企画課 情報統計班 主査の大山真琴氏である。

稼働開始から10年近くが経過し、ネットワーク/サーバー機器、ソフトウェアまでを含めシステム全体の老朽化も大きな課題だった。

「一部の機器には、保守切れのため問題が発生しても修理不能なものがありました」(大山氏)

湯沢市では、新庁舎の建設を機に「新庁舎情報基盤整備」の要件を整理。様々な課題を一挙に解消するネットワーク刷新プロジェクトをスタートさせた。目標は、湯沢市の資産である光ファイバー幹線を活用したうえで、高品質で利便性と運用管理性に優れたネットワーク環境に刷新することである。

「ネットワーク全体を棚卸して機器構成をシンプル化するとともに、全容を市職員が容易に把握できるようにすることが重要。庁舎内外のネットワークに、1台のクライアント端末からセキュアにアクセスできることも不可欠です」(大山氏)

2013年4月、新庁舎情報基盤整備の提案依頼書(RFP)が公示された。競争入札の結果、採用されたのはアイシーエスの提案である。アイシーエスは、岩手県盛岡市に本拠を置き東北地方を中心に活躍するSIerだ。自治体や医療機関、公共施設を中心に、マルチベンダー環境のインテグレ―ションに豊富な実績とノウハウを持つ。

湯沢市 総務部 企画課 情報統計班 参事 兼 班長 高橋 一志 氏

湯沢市
総務部 企画課 情報統計班
参事 兼 班長
高橋 一志 氏


湯沢市 総務部 企画課 情報統計班 主査 大山 真琴 氏

湯沢市
総務部 企画課 情報統計班
主査
大山 真琴 氏

 

ソリューション

主要スイッチにネットワーク仮想化技術「HP IRF」を採用

「湯沢市イントラネットワークシステム」の刷新において、湯沢市が提示したネットワークにかかる主な要件は次の通りだ。

アイシーエスの公共SI部 公共顧客サポートG 主査の佐々木純氏は、提案の狙いを次のように語る。

「まず、利便性と安全性を両立させるための機能要件を満たした製品を選定することが前提となります。そして、導入コストだけでなく、運用を含む10年のライフサイクルを通じてコストを削減できることがポイントになると考えました。そこで私たちは、コアスイッチからフロアスイッチ、無線LAN環境までHPネットワーク製品によって提案を組み立てました」

採用されたアイシーエスの提案を少し具体的に見てみよう。本庁舎と3支所を結ぶ幹線は、既存の光ファイバーを利用しつつ10ギガビットイーサネット(GbE)により高速化。本庁舎と3支所のコアスイッチおよび主要なフロアスイッチ、サーバースイッチを冗長化し信頼性を向上。本庁舎の各フロアには無線LAN環境を導入して利便性を高めつつセキュリティを確保、というのが骨子だ。

アイシーエス 公共SI部 公共テクニカルグループ 主任の高橋克氏は次のように説明する。

「主要な機器にはネットワーク仮想化技術『HP IRF(Intelligent Resilient Framework)』を採用し、本庁舎のコアスイッチ3台を、その他の主要スイッチは2台単位で冗長化しています。Active - Activeで利用できるためすべての帯域を有効に利用できます。また、本庁舎と3支所間のWANはRINGプロトコルにより耐障害性を高めました」

HP IRFは、複数台のスイッチを論理的に"1台のスイッチ"として扱えるようにするテクノロジーだ。冗長化構成により、ポートや機器本体に障害が発生しても、瞬時に経路を切り替えてサービスを継続できる。複数の機器の設定や管理を統合でき、運用が容易というメリットも大きい。

「コアスイッチは従来のシャーシ型からHP IRF構成のボックス型スイッチに置き換え、ダウンサイジングとコスト削減を図りました。また、フロアごとに設定されていたVLANを棚卸して、5つのインスタンスに集約しています。論理構成をシンプル化することで管理を容易にし、増強や変更にも柔軟に対応できるような設計としました」(高橋克氏)

アイシーエスがHP製品を提案したのには、もうひとつ大きな理由があった。それはHP独自の「ライフタイム保証」だ。HPネットワーク製品を使い続ける限り、ハードウェア故障時に無償交換する保証サービスである。

「ライフタイム保証により、保守コストの大幅な削減が期待できます。導入から10年を見通したトータルコストの削減に寄与することは間違いありません」(佐々木氏)

株式会社アイシーエス 公共SI部 公共顧客サポートG 主査 佐々木 純 氏

株式会社アイシーエス
公共SI部 公共顧客サポートG
主査
佐々木 純 氏


株式会社アイシーエス 公共SI部 公共テクニカルグループ 主任 高橋 克 氏

株式会社アイシーエス
公共SI部 公共テクニカルグループ
主任
高橋 克 氏

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本庁舎と3支所間の基幹ネットワークを10GbEに増強

生まれ変わった「湯沢市イントラネットワークシステム」を俯瞰してみよう。

「既設の光ファイバー回線を利用し、最大19キロ離れた4つの庁舎間WANが10ギガビットに高速化されました。また、公共施設や学校など100を超える拠点から、本庁舎のシステムにセキュアにアクセスできる環境を実現しました」と大山氏は話す。

4庁舎を結ぶコアスイッチには、ボックス型L3スイッチ「HP 5500 HIシリーズ」が採用された。いずれもネットワーク仮想化技術「HP IRF」を採用して、広帯域を確保するとともに冗長化を実現している。フロアスイッチおよびサーバースイッチには、L2スイッチ「HP 5120 EIシリーズ」が選ばれた。

大山氏は、「主要機器をHP IRFで冗長化することで、市民への行政サービスを支えるネットワークの信頼性や、市内小中学校に対する教職員、生徒への安心感を高めることができました。また、機器構成とVLANがシンプル化されましたので運用管理の負荷も軽減されるはずです」と期待する。

「本庁舎には無線LAN環境が導入され、フレキシブルなネットワーク利用が可能になりました。人事異動やレイアウト変更時の工数も大きく削減できるので、これは大きなメリットですね」- 高橋氏

本庁舎には計25台のアクセスポイント「HP MSM466」を設置し、冗長構成の無線LANコントローラー「HP MSM720」に接続されている。HP MSM720は、最大40基のアクセスポイントを1つのIPアドレスで管理可能で、初期設定や設定変更も一括して行える。

「また、本庁舎のサーバー群のデータは本庁舎内で1次バックアップを取得し、さらに約20キロ離れた皆瀬庁舎へオンラインで2次バックアップを行っています。このバックアップ回線にも既設の光ファイバー回線を有効活用しました」(大山氏)

刷新を機にサポート体制も一新された。

「ネットワーク監視ツール『HP Intelligent Management Center(IMC)』を採用し、アイシーエスのセンターからリモートで日常的な稼働監視を行っています。何らかの問題を検知した際には、至近の拠点からタイムリーにサポートを提供できる体制を整えました」(佐々木氏)

 

ベネフィット

要求仕様を満たすHPネットワーク製品を合理的に選択

「湯沢市イントラネットワークシステム」は、コアスイッチ、フロアスイッチ、無線LAN環境、ネットワーク監視ツールまで“オールHP製品”によって構築された。ネットワークサービスの品質・信頼性、セキュリティ、コストなど、当初掲げた要件の達成度はどうだろうか。

「HPネットワーク製品は、私たちが提示した要件をクリアするとともに、優れた投資対効果をもたらしました。5年以上これらの機器を使い続けることを前提にすると、HPの『ライフタイム保証』は追加投資を解消してライフサイクルコストの抑制が可能になります」と高橋氏は評価する。

また、大山氏も「他の自治体関係者の見学が相次いでいます。ネットワークサービスの信頼性を高める仕組みや、無線LANによるフレキシブルなネットワーク利用などを先進モデルとしてご紹介しています」とHP製品の選択に自信を示す。

湯沢市のチャレンジは続く。新庁舎情報基盤整備は、サーバーシステムを刷新する段階に入った。仮想化技術を全面的に採用し、システム基盤を共通化して統合を進めるとともに、運用管理を効率化することがその狙いだ。

最後に、高橋氏が次のように語って締めくくった。

「要求仕様を満たす製品を合理性の視点から選択し、ネットワークやシステムの設計・構築・運用保守を信頼できるパートナーに任せる――このアプローチの確かさを、イントラネットワークの刷新を通じて実感しました。限られた予算と職員で高品質な市民サービスを提供し続ける、そのための環境が整いつつあります」

 

湯沢市役所

〒012-8501 秋田県湯沢市佐竹町1番1号

URL:http://www.city-yuzawa.jp/ 

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本件でご紹介のHP製品・サービス
HP 5120 EI Switch HP 5500 HI Switch HP MSM466

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