コンテンツ開発プロジェクトの成果を高める高速かつ高信頼なネットワーク環境を低コストで実現

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「単に機器を更新して高速化を図るだけでなく、クリエイターの生産性向上と管理側の負荷軽減を同時に実現しました。HPの コンサルタントによるワークショップを実施し、既存環境のアセスメントを含む詳細な現状把握を行ったことは大変有意義でした。これがあったからこそ明確なロードマップを描くことができ、手戻りなく計画と刷新を推進できたものと考えます」

− 株式会社バンダイナムコ ホールディングス
グループ管理本部 情報システム部
事業支援セクション デピュティゼネラルマネージャー
荒井 優 氏

 

MACアドレス情報と連携した「動的認証VLAN」を実装

バンダイナムコ ホールディングスが、本社・未来研究所の基幹ネットワークを刷新した。ネットワーク仮想化技術HP IRFを全面的に採用してコアスイッチをダウンサイジングするとともに、ネットワーク機器の台数を論理的に1/3まで削減して運用効率を向上。
さらに「動的認証VLAN」を構築してデバイス認証とアクセス制御の仕組みを改善し、VLANの管理負荷を低減させることに成功している。

業界

エンターテインメント

目的

  • 本社・未来研究所の基幹ネットワークの全面刷新。高速かつ高信頼なネットワーク環境を低コストで実現するとともに、コンテンツ開発プロジェクトに必要な環境を迅速かつ柔軟に提供可能な運用手順に改善すること。

アプローチ

  • 既存シャーシ型コアスイッチを冗長構成可能なボックス型スイッチにダウンサイジング。ユーザーごとのVLAN設定を動的に行うとともに管理を容易にする。さらに、ネットワーク運用監視のアウトソーシングを検討する。

ITの効果

  • ネットワーク仮想化技術「HP IRF」を採用し、Active ─ Active の冗長化運用により帯域を無駄にしないネットワークを実現
  • 「ライフタイム保証」のHPネットワーク製品を採用し突発的な運用コストを抑制
  • MAC アドレス情報と連携した「動的認証VLAN」を実装し、柔軟なVLAN設定を可能にするとともに運用負荷を大幅に低減
  • 24時間365日の遠隔監視とオンサイト保守を提供する「HP NPSS」を採用し運用負荷を軽減

ビジネスの効果

  • 導入コストを大幅に削減しながら広帯域・高信頼な基幹ネットワークに刷新
  • クリエイターの生産性を高める高速で柔軟性の高いネットワーク活用が可能に
  • ネットワーク管理者のネットワーク設定・変更にかかる工数と負荷を大幅に削減
  • HP のコンサルタントがネットワーク環境の問題点を洗い出し“あるべき姿”を明示
  • ネットワーク刷新から動的認証VLANの実装までスムーズな移行をサポート
  • 無線LANへの対応が可能になり「モビリティ」への取り組みを容易に
 

チャレンジ

開発拠点としての使命も担う「バンダイナムコ未来研究所」

バンダイナムコグループは、トイホビー/コンテンツ/アミューズメント施設の3 事業を軸に商品・サービスを通じ「夢・遊び・感動」を世界中の人々に提供している。
グループを統括するバンダイナムコホールディングスでは、ビジョンである「世界で最も期待されるエンターテインメント企業グループ」の実現を目指してグループ経営力の強化を推進中だ。

バンダイナムコ ホールディングスが、本社機能を「バンダイナムコ未来研究所(品川区)」に集約したのは2007年。未来研究所は、バンダイナムコグループにおける「コンテンツ戦略ビジネスユニット」の中核拠点としても位置付けられた。
情報システム部 デピュティゼネラルマネージャーの荒井優氏は、次のように紹介する。

「コンテンツ事業の主幹会社であるバンダイナムコゲームスと、開発を担うバンダイナムコスタジオの社員およそ2,000人が入居しています。
未来研究所は、多様なコンテンツを創造し発信するための戦略拠点でもあるのです」

キャラクターなどバンダイナムコ ホールディングスが持つ豊富なIP(Intellectual Property)を強みに、家庭用ゲームソフト、業務用ゲーム機、ネットワークコンテンツ、オンラインゲームなどが、ここ未来研究所から発信されている。
ITインフラ・システム管理チーム サブリーダーの清水義弘氏は次のように語る。

「エンターテインメント業界の変化は速く競争は激しさを増しています。多様なコンテンツをスピーディに開発・提供するためのインフラとして、IT環境の役割、中でもネットワークの重要性はますます高まっています。2007年から使い続けてきた機器を更改するタイミングで、私たちは未来研究所のネットワークのあり方を全面的に見直しました」

清水氏を中心とする刷新チームが掲げたテーマは、
@ VLAN設定管理方法の刷新
Aネットワークの高速化と投資対効果の改善
Bネットワーク運用業務全体の効率化
の3つだ。

「刷新計画の策定に先立って、HPのコンサルタントによるワークショップを採用し、ビジネス要求とネットワークの現状を正確に把握しました。課題を明確化したうえで“未来研究所ネットワークのあるべき姿”を描き、それを実現するために必要な仕組み(ルール、体制、プロセス)や技術を検討するという手順で進めていきました」(清水氏)

HPのコンサルタントはどのような役割を果たしたのか。刷新チームの取り組みの経過を通して追って行こう。


株式会社バンダイナムコ ホールディングス グループ管理本部 情報システム部 事業支援セクション デピュティゼネラルマネージャー 荒井優氏

株式会社バンダイナムコ
ホールディングス
グループ管理本部
情報システム部
事業支援セクション
デピュティゼネラルマネージャー
荒井 優 氏


株式会社バンダイナムコ ホールディングス ITインフラ・システム管理チーム サブリーダー 清水義弘氏

株式会社バンダイナムコ
ホールディングス
ITインフラ・システム管理チーム
サブリーダー
清水 義弘 氏

 

ソリューション

セキュリティと管理性を両立させる「動的認証VLAN」の導入

HP がチームに参画したのは2012 年の3月。未来研究所のネットワーク刷新に着手する1年前のことだ。
HPのコンサルタントはワークショップを通じて、ビジネスモデル、ワークスタイル、ネットワーク機器構成と利用状況などをヒアリングし、要求事項を整理しながら解決方針の具体化を支援した。

「ワークショップを進める過程で、コンテンツ開発の生産性向上に寄与するネットワークとはどのようなものか、どのような機能が必要なのか、どういった技術で実装するのか、その理想像を明らかにして関係者の合意を得ることができました」(清水氏)

刷新チームが慎重に議論したテーマのひとつが、従来から運用してきた“デバイス認証とアクセス制御の仕組み”の改善だ。
ゲームタイトルなどのコンテンツ開発プロジェクトは社内外のスタッフで編成されるため、セキュアにアクセス範囲を制御しなければならない。

「過去5年間にわたり複雑に設定されてきたVLAN環境のアセスメントと棚卸は不可欠でした」と日本ヒューレット・パッカードのネットワークコンサルタント大橋雄一郎氏は振り返る。

バンダイナムコグループでは、PCやタブレット、スマートフォンなどのデバイスから、MACアドレス認証によりネットワークへのアクセスを可能にしている。
VLANが固定で割り当てられるポート単位でのアクセスにより、クリエイターは予め決められた自席や会議室から所属するプロジェクトVLANへ接続する。
しかし、この方法はクリエイターが限られた場所でしか作業ができず、ネットワーク管理者にも大きな負担を強いてきた。

「従来は、コンテンツ開発プロジェクトが立ち上がるたびに、ネットワークスイッチに対してアクセスを許可する機器のMACアドレス設定を手作業で行う必要がありました」(清水氏)

コンテンツ開発プロジェクトの体制は刻々と変化する。新たに加わるデバイスもあれば、アクセス許可を解除するような設定変更も起こる。
至急の対応を求められる中、コマンドベースでスイッチの設定を行える技術者の数は限られており、これが運用負荷を高める大きな原因になっていたという。

「こうした状況を抜本的に打開するために提案したのが『動的認証VLAN』です。具体的には、RADIUSによるネットワーク接続のためのMAC認証と、VLAN割り当て後にMAC認証DHCPからIPアドレスを付与するまでのプロセスを統合する仕組みです。
同時に、Webベースの管理画面を用意して、スイッチにログインする必要なく容易に設定や変更を行えるような機能の実装を提案しました」(日本ヒューレット・パッカード 大橋氏)

清水氏は「この仕組みなら管理の属人化を解消でき、特定のスタッフにかかっていた負荷を軽減できます。同時に、VLANの接続申請から接続可能になるまでのリードタイムも大幅に短縮できると考えました」と評価する。


ネットワーク構成図
日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクノロジーコンサルティング 事業統括 製造・流通サービス事業本部 第九部 大橋雄一郎氏

日本ヒューレット・パッカード
株式会社
テクノロジーコンサルティング
事業統括
製造・流通サービス事業本部
第九部
大橋 雄一郎 氏


HP IRFが効率的なネットワーク機器管理を実現

「ネットワークの高速化と投資対効果の改善」というテーマに関しては、HPによるアセスメントの結果、最新のテクノロジーを効果的に適用することで大幅な改善が期待できることが明らかになっていた。

「ネットワークのコア部分を、大型のシャーシ型スイッチからボックス型スイッチにダウンサイジングしました。
ネットワーク仮想化技術HP IRF(Intelligent Resilient Framework)を利用して、2台のボックス型スイッチを論理的に1台の大型スイッチとして見立て、2台×2台(計4台)をActive─Activeで冗長化しています。
これにより広帯域を確保するとともに障害時でもサービスを止めない運用が可能です」(清水氏)

HP IRFは、すでに10年以上の実績がある信頼性の高いネットワーク仮想化テクノロジーだ。
最大9台のスイッチをリンクアグリゲーションにより接続して“1台の仮想スイッチ”として扱える。特定の機器に障害が発生しても、わずか“50ミリ秒”で通信経路を切り替えるためサービスを停止させることがない。

2,000ユーザー規模の基幹ネットワークのコアを、HP IRF仮想化によりボックス型スイッチで構成可能という事実は注目に値するだろう。
コアに採用された「HP 5900AFスイッチ」は、中規模データセンターのコアスイッチとして、またサーバーを集約する高密度なTop-of-Rack型スイッチとしても実績豊富な製品だ。

未来研究所は、センターに広い吹き抜けを備えたユニークな“A型”のデザインを採用し、8階まであるオフィスフロアが南北ウィングに配置されている。
フロアスイッチは10GbE対応の「HP 5120-48G」をHP IRFで構成し、増大するトラフィック要求に応える設計とした。

「南北のオフィスフロア単位で、HP IRFで仮想化されたボックス型スイッチを配置しました。
合計104台の物理スイッチを導入していますが、論理的に27台のスイッチとして扱えます。管理や設定をする上では1/3以下の工数で済むわけです」と清水氏はHP IRFの効用を語る。

2013年4月に設計に着手、8月には新しいネットワーク環境への移行が完了した。これと並行して「動的認証VLANシステム」の構築が進められ、新たな認証サービスの導入を完了したのは同年12月のことである。

 

ベネフィット

ネットワーク運用コスト低減に貢献したHP NPSS

コアからフロアスイッチまで基幹ネットワーク全体がひとつのテクノロジー/OSに統一されたことで、運用管理上の効率性も大きな改善が期待される。

「従来は典型的なマルチベンダー環境でしたが、3つ目のテーマである『ネットワーク運用業務全体の効率化』を実現するには、物理環境を極力シンプルにすることが不可欠と考えました」と荒井氏は話す。

そして、運用業務全体の効率化には「HP NPSS(Network Premier Support Service)」が貢献した。
遠隔監視とオンサイト保守を組み合わせ、ネットワーク全体の可用性とサービス品質の向上を実現するサービスだ。

「未来研究所のネットワーク全体を24時間365日体制で監視して、機器障害の予兆やパフォーマンスボトルネックを検知した時点で通報されます。
何らかのトラブルが発生した場合には、問題の切り分けと原因の特定、機器交換を含めオンサイトで対応してもらえますので、私たちはネットワークの稼働状況を常に監視しなければならない状況から解放されました」(清水氏)

「合計104台の物理スイッチを導入していますが、論理的に27台のスイッチとして扱えます。管理や設定をする上では1/3以下の工数で済むわけです」―清水氏

荒井氏は、未来研究所の基幹ネットワーク刷新を次のように評価する。

「今回の刷新は、単に機器を更新して高速化を図るだけでなく、クリエイターの生産性向上と管理側の負荷軽減を同時に実現しました。
無線LAN環境を全社に展開するための準備も整いました。また、5年前と単純な比較は難しいものの一定のコスト削減効果も期待しています。
刷新に先立って、HPのコンサルタントによるワークショップを実施し、既存環境のアセスメントを含む詳細な現状把握を行ったことは大変有意義でした。
これがあったからこそ明確なロードマップを描くことができ、手戻りなく計画と刷新を推進できたものと考えます」

新たなネットワーク基盤を手に入れた未来研究所――バンダイナムコグループの多彩なコンテンツの創造と発信はさらに加速していくだろう。


詳しい情報
HPネットワークについてはこちら
www.hp.com/jp/hpn

 

会社概要

株式会社バンダイナムコホールディングス

所在地:東京都品川区東品川4-5-15 バンダイナムコ未来研究所

URL:http://www.bandainamco.co.jp/index.html 


株式会社バンダイナムコ ホールディングス
本件でご紹介のHP製品・サービス

導入ハードウェア

  • HP 5900AF Switch
  • HP 5500-48G Switch
  • HP 5120-48G Switch

本ページの導入事例は、PDFで閲覧頂けます。  PDF (1.43MB)

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