【導入事例】デスクトップ仮想化環境をHyper-Vで構築

 

HPパートナーである

 

広島市の中心部に位置する医療機関である浜脇整形外科病院は、地域住民にとってなくてはならない、整形外科の総合病院である。1日あたりの外来患者数約500名(病院/リハビリセンター)、1日あたりの入院患者数約142名、年間手術数1,684例(外来含む)、救急車年間台数1,118台(1カ月あたり93台)など2010年度実績からも、地域からの信頼が厚いことをうかがい知ることができる。現在、脊髄、関節、一般外傷、スポーツ外傷・障害、リウマチといった部位別専門医を中心に看護師や理学療法士が連携して質の高い医療を提供している。

同院に対して、今回、デスクトップ仮想化ソリューションを提案、導入を担当したのが、アルファテック・ソリューションズだ。その導入プロジェクトの中核メンバーであった担当営業である大賀氏(ソリューション事業部 第1部 ヘルスケアグループ)と、エンジニアである田中氏(ソリューション事業部 第2部 第2グループ 第1チーム)に話を聞いた。

本プロジェクトに対して、御社が提案するにいたる経緯についてお教えください。

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アルファテック・ソリューションズ
株式会社
ソリューション事業部 第1部 
ヘルスケアグループ
大賀 氏
 

大賀氏「シンクライアントを含めたデスクトップ仮想化ソリューションのご紹介については、2年くらい前から始めていました。しかし、具体的なきっかけは、浜脇整形外科病院様が、2011年8月をめどに、病院の建て替えをされることなったことです。新病院は、病床数160床(一般病床)、一床あたりの床面積も拡大し耐震や水害対策なども施されています。この中で、同時に検討されたものが、本プロジェクトになります。

注1:同院では、1997年に外来診療を行う施設を設置し、いち早く病診分離に取り組んでいる。2004年には、診療機能を一層高めるために外来診療施設の浜脇整形外科リハビリセンターを新築、2011年8月には、入院・救急医療を行う浜脇整形外科病院を新築、さらなる機能分化を実現した。

お客様は、広島市内でもいち早く電子カルテを導入されており、弊社では、そのITシステムの導入、運用を担当させていただいていました。そのため、当時のお客様の環境が理解できていたという強みもあったと思います。」

お客様の抱えられていた課題をどのようにとらえ、それをどのようなソリューションで解決されようと考えられたのでしょうか?

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アルファテック・ソリューションズ
株式会社
ソリューション事業部
第2部 第2グループ 第1チーム
田中 氏

大賀氏「私たちは、お客様の課題を、運用工数の削減、事業継続および情報漏洩対策と理解しました。

同院では、救急病院としての役割を果たしているため、24時間365日、常に業務が稼働し続ける必要があります。しかし、当時、お客様の環境では、クライアントPCが故障し、修理をすると、OS、電子カルテなどのアプリケーションの再インストール、設定が1台あたり半日程度かかる状況でした。そのため、その復旧作業中は業務に支障をきたしかねない状況でした。また、同院では、専任の情報システム部門はなく、各部署から選出されたスタッフ2名が兼務することで、ITシステムの運用をされています。担当者様にとっては、PC復旧作業中は、その作業にかかりっきりとなってしまうため、その他の業務ができず、運用効率の向上が必須となっていました。

また、個人情報を扱う機会が多い病院様ですので、常に情報漏洩に高い注意を払う必要があるという認識をされていました。」

田中氏「これらの課題を解決できるソリューションとして、アルファテック・ソリューションズが、提案したものが、Microsoft Windows Server 2008 R2 Hyper-V とHP ProLiantを活用したデスクトップ仮想化ソリューションとなります。

デスクトップ仮想化ソリューションにCitrix XenDesktopを使用し、VDIサーバーとして、HP ProLiant DL360 G7、Microsoft Windows Server 2008 R2 に含まれる仮想化ソフトウェアHyper-Vを提案しました。また、シンクライアント端末には、デスクトップタイプのHP t5570 Thin Client、モバイルタイプのHP 4320t Mobile Thin Clientに、クライアントOSとして、Windows 7を使用しました。

アプリケーション仮想化も当初は考えました。しかし、お客様の環境では、電子カルテをはじめ、クライアントサーバー型のアプリケーションが中心になるため、動作テストが必須になります。そのテスト工数と終了までの期間がどれくらいかかるのかということが見えにくい状況でした。

今回のプロジェクト導入は、お客様の課題を解決しつつ、短納期で実施する必要がありました。 そのため、導入、テストの工数と期間も考慮すると、デスクトップ仮想化のメリットの方が大きいと考えて提案しました。というのは、このデスクトップ仮想化を採用することで、お客様のアプリケーション検証工数と期間が大幅に削減できること、シンクライアント端末が故障したときは、端末交換だけで簡単に対応できること、そして、 情報漏洩についても、情報がネットワークに流れるのは、デスクトップ画面の転送だけであり、端末を持ち出してもデータが保存されていないため、リスクを減らすことができると考えたからです。そして、コスト的にも、その中核となる仮想サーバーの搭載可能メモリ数増加によって、サーバー1台あたりでサポートできるクライアント数が向上し、デスクトップ仮想化でもコストメリットのある提案ができる環境が整ってきたからでした。」

では、今回のソリューション導入の進め方と技術的な考慮点はどのようだったのでしょうか?

大賀氏「大阪勤務で担当営業である私と、大阪および東京に勤務するエンジニア4名がプロジェクトに参加しました。東京に在住するメンバーとはTV会議などを活用し、私が東京に出張するときには、東京勤務の田中と直接コミュニケーションすることで連絡を密にし、苦労しましたが、情報共有がうまくできたのではないかと思います。

今回短納期ながら予定通りに導入が進んだポイントの1つだと考えるのは、検証環境をお客様先に構築し、2ヶ月間実際に動かしてみて課題を確認したことだと考えます。この検証には、医師や看護師の方々にも参加していただきフィードバックをいただけたことが、良かったと思います。」

田中氏「その検証期間中に既存のアプリーションや周辺機器の動作はおおよそ問題ないことが確認できました。ただし、病院様が要望されていて出来なかったのは、ストリーミングでの動画配信でした。

お客様の運用効率の向上を実現するために、配信するOSイメージは、使用するアプリケーションを含めて、Windows 7 の1種類にすることにしました。これによって、OSのアップデート、ウイルス対策ソフトウェアのセキュリティパッチの適用などを実現するために、OSイメージ1つだけを管理することで運用できるようになります。これによって、メンテナンスに関わる時間を大幅に削減できたと思います。

そして、シンクライアント端末が故障した場合でも、医療スタッフの方でも交換可能であり、復旧にかかる時間は10分程度となっています。業務の継続性でもお客様にアドバンテージを提供できたのではないかと考えています。」

では、導入にあたり、提案にあたり、Hyper-VおよびHP ProLiantを提案した理由をお教えください。

田中氏「HP製品を提案した理由は、既存のサーバー環境が、HP ProLiantで構成されておりお客様からの評価も高く、また、弊社としても今回導入に関わったエンジニアが十分な知識を持っていたためです。そして、今回外部ストレージを必要としない構成だったため、省スペースを実現できる1Uラックサーバーである、HP ProLiant DL360 G7 をVDIサーバーとして提案しました。

また、Hyper-Vを提案した理由は、Windows 7 と親和性の高かったこと。同時に検討した他社製品の日本語環境対応に当時課題があったこと。そして、お客様の既存環境がWindows Serverで構築されており、これまでの経験、知識を活用することで、運用できることを考慮したからです。

このプロジェクトの前までに、導入に関わったエンジニアが、日本マイクロソフト社と日本ヒューレット・パッカード社が提供しているさまざまなセミナーやトレーニングに参加していたこともポイントでした。今回、お客様への提案、構築、導入まで短納期で実施しなければならなかったため、日本ヒューレット・パッカード社には、事前に最新のハードウェア製品を貸し出しいただくなどの支援をいただいたことも提案した理由です。」

本ソリューションの導入後の状況について、お教えください。

大賀氏「現在、システムのサービスイン後は、システム運用上のトラブルはありましたが、ハードウェアに関しては大きなトラブル無く稼働しています。お客様では、お知り合いの医療機関の皆様に今回のシステム環境をご紹介いただいているようで非常にうれしく思っています。
私たちが目標とした、お客様の運用工数の削減、事業継続性の向上、情報漏洩対策に対して、貢献ができたのではと考えています。」

最後に、御社の今後の方向性をご紹介ください。

大賀氏「医療機関では、電子カルテをはじめとした電子化が進んでいます。一方、電子化することで、逆に情報のとりまとめが進んでいないケースも見受けられます。そのような医療機関に対しては、電子カルテのポータルサイト構築や、病院経営に関わる様々なデータを可視化できるようなソリューションを提案していきたいと考えています。

田中氏「今回、導入実績/事例化ができたということで、引き合いをたくさんいただくようになりました。今回の構成をベースにして、さらに効率化を進めて、コスト効果の高いソリューションを提案していきたいと考えています。」

本日は、どうもありがとうございました。

HP ProLiant DL360 G7、Windows Server 2008 R2とその上で稼働するHyper-Vの組み合わせにより、アルファテック・ソリューションズはデスクトップ仮想化ソリューションを提供し、「医療法人社団 おると会 浜脇整形外科病院」様のクライアント管理工数を大幅に削減し、セキュリティー対策ができた。今回のプロジェクトでは、普段からのリレーション継続によるお客様の課題を把握し、導入してからも運用をいかに効率化するかという視点から、導入しっぱなしにならないさまざまな提案が実施されている。ソリューションプロバイダーにとって、参考となるさまざまな気づきを得ることができるのではないだろうか?

HP Partner News 2012年5月29日号 特集記事]
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