クラウド基盤/管理ソフトウェアOpenStackが本格的な普及期にはいった。日本ヒューレット・パッカード (HPE) においても、HPE Helion OpenStackの販売が好調だという。本稿では、一層の盛り上がりを見せるOpenStack市場の近況とHPEの取組み、7月開催のOpenStack Days 2016を紹介する。


エンタープライズグループ営業統括 ハイブリッドIT統括本部
技術部 辻村 洋太郎 / 営業部 長島 修一郎

今年5月に発表されたIDC Japan株式会社の調査によれば、2015年の国内企業のOpenStack導入は本番環境での導入が7.0%と前年より3.5ポイント増加し、「使用する計画/検討がある」の回答割合が前回調査の5.2%から大きく上昇し17.9%になり、導入に向けて本格的な普及に入る動きが出てきている。
(IDC Japan株式会社)国内企業におけるOpenStackの導入状況に関するユーザー調査結果を発表 


「昨年前半から、OpenStackを検証するお客様やパートナー様が増え始め、後半からはさまざまなお客様で実際に導入され始めました。OpenStackはアーリーアダプター層から普及期に入ってきたことを感じています」と話すのが、日本ヒューレット・パッカードにおいて、HPE Helionポートフォリオを推進するパートナー担当の長島 修一郎氏だ。


OpenStackとは、オープンソースによるIaaS (注: サーバー、CPU、ストレージなどのインフラをサービスとして提供する) 基盤の開発プロジェクトで、2010年に米ラックスペースホスティングと米航空宇宙局(NASA)が公開したオープンソースから始まった。このプロジェクトに興味を持った多くのプログラマー、エンジニア、企業、団体が参画し、2012年には、非営利団体OpenStack Foundationが発足。現在、OpenStackの開発とさまざまな権限がこの財団に移管されている。


「HPEは、OpenStack Foundation創立からのプラチナメンバーです。これまでに 230 万行 のコードを提供(OpenStack コード の 11%に貢献) し、多数のHPEエンジニアがOpenStackの開発プロジェクトに主要プロジェクトのリーダーとして、あるいは重要なメンバーとして加わり、開発および普及に貢献しています。例えば、選挙で選ばれる各プロジェクトのPTL(Project Team Lead)としても、HPE社員が複数名任命され続けており、その人数も最多となっています」と、HPEの貢献を説明するのが、HPE Helion OpenStackのプリセールスを担当する辻村 洋太郎氏だ。


そして、「それらの成果をOpenStackを中心に据えた包括的なクラウド関連の製品、サービス、およびソリューションを『HPE Helion ポートフォリオ』として提供しています」と続ける。


HPE Helion ポートフォリオでは、製品として、例えば、HPE Helion OpenStackは、1年単位のサブスクリプションモデルで提供されている。価格は、9 x 5テクニカルサポート付きサブスクリプションが1物理サーバーあたり14万8000円、24×7テクニカルサポート付きサブスクリプションが1物理サーバー当たり27万1000円である。


「コミュニティ版のOpenStackを先行して導入されていた沖縄クロス・ヘッド株式会社様では、カスタマーエクスペリエンスの強化だけでなく、オープンソーステクノロジーの使用で新たなビジネスチャンスが拡大すると考え、既存のOpenStackベースのパブリッククラウドサービスをHPE Helion OpenStackにアップグレードされました」と長島氏は説明する。


ソリューションでは、HPE Helion Professional Services をはじめとして包括的なサービスを提供している。日本ヒューレット・パッカードでは、インフラ構築部隊(テクノロジーコンサルティング統括本部)内に、OpenStackの専任デリバリー組織としては国内最大規模のHPE Helion Professional Servicesチームを設立、OpenStack導入プロジェクトを支援している。



辻村氏によれば、「HPEクラウドコンサルティングを活用した、インターネットサービスプロバイダー大手のソネット株式会社様が、HPE Helion OpenStackを活用した次期サービス基盤の検討するなかで、IoT(Internet of Things)時代を見据えて、中期ロードマップ策定・設計・検証をトータルに支援した」とのことである。


最後に、今後の市場の動きと、HPE Helion OpenStackの取組みを聞いた。


「私たちは、OpenStack導入の動きは、2016年後半に向けてますます加速すると見ています。そのため、最新のOpenStackベースの製品をいち早くリリースすると共に、来月(2016年7月) 開催されるOpenStack Days 2016のような業界をリードするイベントに積極的に参加することで、市場にHPEの取り組みや実績を紹介していく予定です」と長島氏は熱く語る。


OpenStack Days 2016は、国内外40社がスポンサーとなり、2500人以上が参加する国内最大のオープンソースクラウドのイベントである。当日はOpenStack Foundation のCOOであるMark Collier氏の基調講演をはじめとして、業界を代表するキーパーソンがセッションを提供し、さまざまな企業が各種のソリューションを展示する。


「HPEでは、セッションとして『OpenStack で拡げる ○○○な世界 〜HPE Helionの歩みとこれから〜』と題し、OpenStackのエキスパートである伊藤 雅典が最新の取り組みをご紹介します。また、展示会場ではクラウド環境構築に最適なソフトウェア・ハードウェアのデモ、展示しています。OpenStack環境の構築、お客様への導入経験豊富なエンジニアによる相談会も実施していますので、導入に不安、疑問などをお持ちの方はぜひお気軽にお立ち寄りください」と長島氏と閉めた。


クラウドファーストという言葉が一般用語となる今、OpenStackの国内普及が本格的に始まろうとする段階である。その中でHPE Helion OpenStackが普及を大きく後押しする可能性は高い。ぜひ、HPEパートナーも、OpenStack Days 2016に参加することで、その動きを感じ取って欲しい。

OpenStack Days 2016 概要

  • 日程: 2016年7月6日(水)- 7日(木)
  • 会場: 虎ノ門ヒルズフォーラム 4F/5F
  • 公式サイト: http://openstackdays.com/
  • セッション:
    16:50-17:30「OpenStack で拡げる ○○○な世界 〜HPE Helionの歩みとこれから〜」
    日本ヒューレット・パッカード株式会社 テクノロジーコンサルティング事業統括
    トランスフォーメーション・コンサルティンク゛本部 HOPS技術本部 伊藤 雅典

[HPE パートナーニュースフラッシュ 2016年6月22日号 特集記事]
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