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カーナビゲーション向け
次世代地図データベース整備システムを構築

株式会社ゼンリン

導入事例

株式会社ゼンリン
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拡張性、高速性、大容量化をSANブート構成のブレード型サーバ+SANストレージアレイによって実現

地図の国内大手メーカであるゼンリンは、カーナビゲーション向け地図データベースの制作を担うシステムの拡充を通じて、安全・快適なドライブシーンを支える高機能化を実現してきた。そして今、地図の「鮮度」と「精度」向上という新たな要求に応えるため、ブレード型サーバHP BladeSystemおよびSANストレージアレイ HP StorageWorks EVA8000を導入。道路の変化を随時地図に反映し、タイムリーに提供する体制を整えた。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
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株式会社ゼンリン

目的

アプローチ

自動車メーカーや電機メーカーなど、ゼンリン製のカーナビゲーション用地図データベースの採用メーカーから寄せられる、地図情報の更新速度向上、納期の短縮化 などの要求に応えられる体制を確立
カーナビゲーションに多様なコンテンツや属性情報を付加するために、制作システムの容量、高速化、パフォーマンスを向上
SANブート構成のHP BladeSystemおよびHP StorageWorks EVA8000を導入し、日本全体を細かいエリアに区切って地図データを更新するシステムを新規構築

システムの効果

ビジネスへの効果

I/Oのボトルネックを解消し、システム全体のパフォーマンスを向上
SANブートによる運用により、いずれかのブレードに障害が発生した際にも即座に切り替え運用が可能
ストレージを仮想化し、動的なリソース配分を可能にしたことで、システムの再構成に柔軟かつ容易に対応
カーナビゲーション用地図データベースの「精度」「鮮度」 の高度化および高機能化を推進
主要顧客である自動車メーカーや電機メーカーとの取引の拡大

お客様背景

チャネルの多様化によって進化していく地図データベース

制作本部制作管理部 技術課 マネージャー 小関 顕史 氏
制作本部制作管理部
技術課
マネージャー
小関 顕史 氏

一軒一軒の建物名称や居住者名をはじめ、バス停や道路の名称、交通規制情報など、街の姿を詳細に記載した「ゼンリン住宅地図」。そこに記載されている詳細な情報は、年間延べ約28万人にも上る調査員が、実際に現地を歩いて確認したものだ。さらに、鮮度の高い情報を収集するため常に全国各地で継続的に調査を行い、改訂している。

こうした世界に類を見ない住宅地図の専業メーカーとしてスタートしたゼンリンは、全国の住宅地図データベースを強みに事業を拡大。電子地図の分野にもいち早く取り組んだ。現在、電子住宅地図をはじめ、GIS(Geographic Information System:地理情報システム)向け地図データベース&ソフトウェア、カーナビゲーション向け地図データベース、携帯電話を含めたネットワーク型地図情報配信サービスなどの事業を展開している。ゼンリンの地図データベース制作の歴史は、地図のデジタル化を通じた新しい価値の創造といえるだろう。

しかし、ひと口に地図のデジタル化といっても簡単なことではない。これまで紙に印刷されていた地図を座標データなどに変換し、ITシステムや情報機器の上で扱えるようにするだけでなく、市場で求められるニーズそのものが変化・拡大しているのだ。ゼンリンの制作本部制作管理部技術課マネージャーを務める小関顕史氏は次のように語る。

「カーナビゲーションを見ても、初期には地図画面に現在位置を表示する程度だったのが、最近では音声でわかりやすく道案内する、詳細な3D地図を表示するといったように、どんどん高機能化しています。こうした地図に付随するコンテンツが爆発的に膨らんでいるのです」

制作本部DB 設計部 運用管理課 マネージャー 柏原 和彦 氏
制作本部DB設計部
運用管理課
マネージャー
柏原 和彦 氏
実際にカーナビゲーション用をはじめとする地図データベースの開発にあたってきたゼンリン制作本部DB設計部運用管理課マネージャー 柏原和彦氏が次のように言葉を続ける。

「例えばカーナビゲーション上で経路探索を行うためには、紙の地図帳のように地図が複数に分断されていていたのでは不可能です。日本全国の道がすべて1本に“つながったもの”として地図データベース上に展開されていることが大前提となります。また、正確な道案内をするためには、右左折の禁止や時間帯による一方通行などの規制情報もきめ細かく反映されていなければなりません。こうした結果、地図データベースは、ますます容量が膨らむとともに複雑化していくのです」

カーナビゲーション用の地図データベース制作を担う「PRIDE21」

もちろん、こうした高度な地図データベース制作のノウハウが一朝一夕に蓄積できるわけではない。

ゼンリンの取り組みは、1980年代の前半にまで遡る。当初は、紙媒体として販売するゼンリン住宅地図の制作を支援することを目的とし、住宅地図のデジタル化に着手した。同じころ、電子地図を使って、カーナビゲーションの開発をしたいというアプローチもあり、住宅地図をデジタル化したノウハウを活かし、1990年にカーナビゲーション専用の地図ソフトを開発した。カーナビゲーション向け地図データベースには、先の小関氏や柏原氏の言葉にあったような、さまざまな属性情報やコンテンツを取り込む必要がある。

さらに最近では、カーナビゲーション用地図データに対する要求も増えてきている。既存のシステムでそれらを扱っていくことに限界を迎えたのである。そこでゼンリンが地図データベースの高機能化を実現するためにとった戦略は、地図データベースの構造そのものを思い切って全面的に作り変えるというものであった。

「新しい地図データベースはオブジェクト指向の考え方や技術を採用し、グラフィカルな画面表示のベースとなる地図データはもちろん、道路に付随する規制などのさまざまな属性情報、市街図データ、検索データなどのコンテンツまで、すべてを統合的に扱えることを目指しました」と柏原氏は言う。

オブジェクト指向を採用した理由は、容易にモデル変更を行える点にある。将来において新たな属性情報やコンテンツの追加が必要になったときも、柔軟に地図データベースの構造を拡張して対応することが可能となるわけだ。

そして2002年、ゼンリンはこうした新しい地図データベースを制作するためのシステムの運用を開始した。HP ProLiantサーバをプラットフォームとする「PRIDE21」と呼ばれるシステムだ。

要求が高まる地図データベースの「鮮度」

カーナビゲーションの普及に伴って地図データベースに対する要求も、ますます高度になり、難易度を増していく。

「これまでは地図データベースの高機能化やコンテンツの充実に注力してきましたが、それに加えて最近では、地図そのものの『鮮度』が強く求められるようになってきたのです。街は生き物のように日々変化していきます。そうした変更を素早く地図データベースに反映し、タイムリーにユーザに提供できるようにしてほしいと、私たちの主要な取引先である自動車メーカーからも要求されるようになってきました」と小関氏は言う。

こうした要求に応えるためには、地図データベースの制作を担うシステムにも新たな考え方を導入する必要がある。

従来ゼンリンでは、各地の調査員から日々寄せられる調査情報を一定のサイクルで締め、日本全国の道路に反映した「改訂版」として最新の地図データベースを提供してきた。しかしながら、常に日本全体でとりまとめを行うというやり方では、改訂版を出すにも年間に数回が限界となる。

「そこで日本を細かいエリアに区分し、変化のあったエリアのみを随時更新して差し替えるという形に方向転換を図ったのです」と柏原氏は言う。

もっとも、これとて決して簡単なことではない。細かく区切られたエリアごとに更新するためには、それぞれのエリアに対して、いつ、どのような経緯により、どんな変更が起きたのかといったことを、個別に管理しなければならない。

また、更新したエリアの地図データを、単純に日本全体の地図データベースに差し戻せばよいわけでもない。その周辺エリアは、時間的にギャップのある調査情報に基づいて制作されているため、“つなぎ”の部分で矛盾が生じないように調整しなければならないケースもある。例えば、ある道路の工事が終わって開通した時点で、それまでその周辺エリアに表されていた迂回路は廃止されているかもしれない。

こうした調整をひとつひとつ手作業で行うのは、大変な労力を要してしまう。その上、確認漏れなどのミスの発生が避けられない。したがって、整合性のチェックを自動的に行う仕組みが不可欠なのである。


ソリューション

SAN ブートによる運用を採用した「次世代地図データベース整備システム」

制作本部DB 設計部 運用管理課 田尻 純一 氏
制作本部DB設計部
運用管理課
田尻 純一 氏

既存のPRIDE21システムに、上記のような新たな処理を追加するには負荷が大きすぎる。そこでゼンリンは、エリアごとに行われる変更の出典情報を一元的に管理し、PRIDE21システムと連携させるシステムを新たに構築することにした。それが、「次世代地図データベース整備システム」である。ゼンリンは2005年の初頭に同システムの検討を開始し、同年7月に基本設計を完了。そして、2006年12月にかけて段階的に運用を開始していった。

同システムを構成するプラットフォームとして採用されたのが、住商情報システム株式会社を介して導入したブレード型サーバ HP BladeSystemとSANストレージのHP StorageWorks EVA8000である。

「ボトルネックになりがちなI/O処理を高速化し、システム全体のパフォーマンスを向上する。加えて、欧米の主要自動車メーカーが要求するより高度な品質マネジメントシステム規格であるISO/TS16949に対応するため、システムの安定稼動を実現する。この2 つを最重要の要件とし、さらに、PRIDE21システムとの親和性や一貫したサポートなども考慮した結果、1993年から導入されたワークステーションAlpha Station以降、社内で運用実績を重ねてきたHP製品が最適であろうという判断に至りました」と小関氏は、その選定理由を語る。

そして、この「ブレード型サーバ+SANストレージ」というプラットフォーム構成によって、ゼンリンが採用しているのが、「SANブート」と呼ばれる運用形態である。各ブレードがローカルで持っているハードディスクにデータを置くのではなく、OSを含めたすべてのデータを共有SANストレージ上に置き、システムの起動からアプリケーションの運用まで行う仕組みだ。

「1分1秒のダウンタイムが損害に直結してしまうミッションクリティカルなシステムであれば、クラスタリングやフォールトトレラントなどの構成を選択すべきなのでしょうが、次世代地図データベース整備システムの場合は、そこまで高度な可用性は必要としません。話を工場に置き換えると、私たちの部門にとってのサーバやストレージは、地図データベースという製品を生産するための製造装置に相当します。当然のことながら止まらないことが理想ですが、現実的な観点からそれよりも重要なのは、障害が起きた際にどれだけ早急に対処できるかという点にあります。SANブートによる構成では、万一ブレードの1台に障害が起こった場合でも別のブレードに切り替えて運用を再開することができます。そういう意味でも、私たちにとって最適な運用形態なのです」と柏原氏は言う。

バックアップ時間を短縮。さらにシステムの再構成も容易に

実際の運用業務を通じて明らかになったHP BladeSystem + HP StorageWorks EVA8000のメリットもある。

その1つがバックアップの時間短縮である。ゼンリン制作本部DB設計部運用管理課の田尻純一氏は次のように語る。

「地図データベースはただでさえ大容量になる上に、構造的に差分バックアップを取りづらいという事情があり、従来はすべてのシステムをクローズした上で、長時間をかけてバックアップを取らざるを得ませんでした。そこにHP からアドバイスを受け、HP StorageWorks EVA8000が持つ『スナップクローン機能』を活用することで、非常に短時間のシステム停止でバックアップを取れるようになりました」

そして、もう1つはストレージ仮想化による効果だ。

「ストレージ仮想化の機能によって、数GBからのボリューム作成やオンラインで容易なボリューム拡張が可能となりました。またシステムを非常に柔軟かつ簡単に再構成できるようになりました。これが特に活きてくるのが、テスト環境の構築時です。HP StorageWorks EVA8000上で稼動しているさまざまな本番環境を停止することなくリソースの配分を調整し、空きを作って新たなストレージ領域を確保。そこにOSイメージや必要なデータをコピーし、割り当てたブレードからSANブートで起動するだけで、簡単にテスト環境を立ち上げることができます」と田尻氏は言う。


PRIDE21システムと次世代地図DB整備システム
 
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効果と今後の展望

全社的なシステム統合によって運用の全体最適化を目指す

「システムの基本的な枠組みは一応整ったので、今後はこれらのハードウェアをより効果的に活用するための運用のあり方を追求していきます」と、小関氏は先を見据える。

そこでの鍵となるのが、先に田尻氏が語ったストレージ仮想化やサーバ仮想化などによって可能となるリソースの動的な配分である。

PRIDE21や今回新たに構築した次世代地図データベース整備システムは、地図データベースそのものを制作する「データ整備系」と呼ばれる業務に属するものだ。ゼンリンは、この他にも制作された地図データベースを個別仕様に合わせて編集し、出荷するまでを担う「商品系」の業務に属するシステムも運用している。そして、この2つの業務のピークは、全社的な一連の流れの中で裏と表の関係にある。

「CPUやストレージなどのリソースを全体として集約・統合し、データ整備系や商品系といった区分を問わず、さまざまな業務で必要とする分を動的に割り当てるようにすることで、システム運用を全体最適化したいと考えています。この取り組みこそが将来の変化にも容易に対応できるシステムの拡張性や柔軟性を確保することにもつながっていきます」と小関氏は言う。

ますます多様化していく地図データベースのニーズに迅速に応えいく体制を強化すべく、ゼンリンのシステムは日々進化を続けているのである。


会社概要

株式会社ゼンリン
所在地: 福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1 リバーウォーク北九州
代表取締役会長 兼 社長: 原田 康
資本金: 65億5,764万円(2006年9月30日現在)
従業員数: 1,985名(2006年9月30日現在)
設立: 1961年(昭和36年)4月
事業内容: 住宅地図情報を基盤とした各種地図の企画・出版及び各種地図データベースの企画・制作及びこれに付帯または関連するソフトウェア開発・情報サービス
URL: http://www.zenrin.co.jp/ このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: サービス
  コンソリデーション、データベース
  HP BladeSystem p-Class BL25p(AMD Opteron Dual Core) ×50 台、HP BladeSystem p-Class BL20p(Intel Xeon Single Core) × 3 台、HP StorageWorks Enterprise Virtual Array(EVA8000 2C8D)× 2 式、HP StorageWorks MSL6060 (4drive/2NSR) × 1 式
  Red Hat Enterprise Linux ES、Version4 Update2、WindowsServer 2003、HP Systems Insight Manager(SIM)HP Instant Support Enterprise、Edition (ISEE)HP ProLiant Essentials Rapid Deployment Pack(RDP)、EVA BusinessCopy、DataProtector5.5、Postgre SQL 

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