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HP AlphaServer & SAP R/3導入事例

西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)

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業務革新とシステム再構築をSAP R/3で推進パートナーにHPを選択し短期構築を実現

2000年から業務革新とシステム再構築に取り組んできた西日本旅客鉄道株式会社(JR 西日本)。 ここではこれらの課題を解決する手段としてSAP R/3が採用され、経理・資材業務を支える新しい基幹系システムが2003年4月から稼働している。 導入パートナーとしてはHP及びブラクストン等を選択。 HPについては、SAP R/3に関する豊富な実績と、確実にプロジェクトを遂行する企業姿勢が評価された。 システムインフラとしてはHPAlphaServerで3ノードクラスタを構成。高い信頼性とパフォーマンスを実現している。

事例キーワード

製品: HP AlphaServer
業種: 運輸業
ソリューション: SAP
ビジネスの背景
導入の背景
システムの構築
今後の展望
会社概要
PDF(248KB)
ユニクロ

ビジネスの背景

「システム再設計」の動きの中で経理・資材のBPRに着手
その受け皿としてSAP R/3導入を決定

坂戸英樹氏
  西日本旅客鉄道株式会社
財務部 マネジャー
坂戸英樹氏
2003年4月、JR西日本において、SAP R/3を利用した経理・資材業務を支えるシステムが本番稼働を開始した。 同社はこれまで基幹系システムとしてメインフレーム上の自社開発アプリケーションを利用しており、 ERPの導入はこれが初めて。またインテグレーションはHPが担当したが、JR西日本にとって初めて外資系企業を採用した点も特徴的といえるだろう。

今回の導入プロジェクトの経緯は、2000年春に遡る。会社全体の「システム再設計」への取り組みがスタートしたのだ。 「システム再設計」の趣旨は、単なるシステムの老朽取替にとどまらず、業務の根本的な見直し(業務革新)をあわせて行うこと。 「財務部においても、業務プロセスの見直しによる定例業務の削減・スピードアップ、出納や購買業務の本社集中化等について検討を始めました」 と財務部マネジャーの坂戸氏は振り返る。データ処理についても、バッチ処理のためユーザーに待ち時間が発生やすいことや、 分散しているファイル間でデータの照合に時間がかかるといった問題認識があり、業務面からも情報処理面からもシステムを刷新したいというニーズがあった。

業務革新のアイデアを実現する方法としては、当初は自社開発ソフトの大幅改修が考えられたが、やや遅れて汎用ソフト導入の検討も進められた。 はじめは「『ERP』という言葉さえ知らなかった」(坂戸氏)が、ERPパッケージソフトの特長や導入事例についての情報収集等を進め、 同年秋には財務部からERP導入を提起することとなった。

社内の合意形成はここから始まる。まず、行われたのが、JR西日本の業務が本当にERPに適合するかを調査することだった。 結果は「業務革新を行えば適合率は8 割」であり、これをもって再度ERP導入が提起され、社内の議論はERP導入自体から導入計画やスケジュール等に徐々に移っていった。 そして、基本設計(プロトタイプシステムによる導入計画の作成及び投資額・スケジュールの精査)を経て、2002年6月にERPを翌年3月稼動開始を目標に導入することが決定された。

なお、ERPにSAP R/3を採用することは、2001年12月に基本設計を始める際に決定された。ソフト選択の基準について、制度変更に迅速に対応できること、 約45万件という膨大な固定資産のデータ処理をきちんと行えること、トラブルが発生しても確実に対応してくれることなどを提示し、複数のベンダからの提案から選定したのだ。

導入の背景

実績を重視しパートナーにHPを選択
マイグレーション能力を高く評価

野口定司氏
  西日本旅客鉄道株式会社
総合企画本部
IT推進室システムセンター
主席 野口定司氏
そして実機による検証が進められていった。2001年11月にWindowsとSQL Serverの環境が整備され、ここでプロトタイプシステムの構築が行われたのである。

基本設計を進めるにあたっては「財務ERP基本設計推進会議」が設置され、まずここでERP導入計画作成のための“指針”を提示、さらに事務レベルで作成した導入計画案が段階的に審議されていった。

“指針”では3つの基本方針を掲げた。導入に合わせて業務プロセスの変革を徹底的に行うこと、ERPの標準機能および特長を十分に活用すること、そして追加開発等を最小限に抑えて投資額および運営費の低減を図ることだ。

基本設計のための作業は2002年5月まで行われ、2002年6月にはERPの導入が最終的に決定(承認)された。「財務ERP 基本設計推進会議」も「財務ERP導入推進会議」に衣替えし、今度は詳細設計をはじめとする具体的な導入準備が進められていったのである。

2002年7月には、導入パートナーとしてHPを採用することも決定している。それではなぜHPが選ばれたのか。大きくふたつのポイントがあった、と説明するのはJR 西日本総合企画本部IT推進室で主席を務める野口氏だ。 ひとつはSAP R/3を動かすためのシステム構成の提案が妥当なものであるか否か。HPはAlphaServerをクラスタ構成にしたものを提案しており、これなら十分な信頼性とパフォーマンスが確保できると判断したという。

もうひとつは単にSAP R/3を導入できるだけではなく、それをうまく動かせるノウハウがあるか否かだ。このプロジェクトでは2003年4 月に本番稼働に入ることが目標になっており、2002年10月には“結合テスト”が行われる計画になっていた。 構成検討、機器調達、開発、単体テストに費やせる時間はわずか3ヶ月しかない。短期間でシステムを構築し、その上で確実にアプリケーションを動かせる能力が求められたのである。

特に今回は、WindowsとSQL Serverの上ですでに動いているプロトタイプシステムを、UNIXとOracleに移行するという作業も必要だった。このようなノウハウを持っているインテグレーターは決して多くはない。 今回導入パートナーとして名乗りを上げたインテグレーターは10社ほどあったが、そのうちWindowsからUNIXへのマイグレーション経験があるところは3社しかなかったという。 その中でも最も豊富な実績を持っていたのがHPだったのだ。

「HPのエンジニアはSAPに関する豊富な経験を持っており、他社がSAPに任せる部分もHP自身で実施することが可能でした」と野口氏はいう。「方法論と進捗計画も非常に具体的。これなら確実にプロジェクトを遂行してくれるだろうと判断したのです」

システムの構築

AlphaServerを3ノードでクラスタ化
信頼性とパフォーマンスを確保

システムの構成は図に示す通り。本番環境のサーバ群は、データベースサーバ×1、アプリケーションサーバ×1、バックアップサーバ×1の3台で構成されており、3ノードクラスタとなっている。データベースサーバかアプリケーションサーバのいずれかがダウンした場合には、正常稼動中のサーバ側にフェイルオーバするようになっており、これによってより高い信頼性を実現している。ストレージとしてはEMA12000を採用。 サーバとはSANによって接続されている。

SAP R/3のアプリケーションモジュールは5種類導入されている。財務会計(FI)、固定資産管理(FI-AA)、管理会計(CO)、プロジェクトシステム(PS)、そして在庫/ 購買管理(MM)だ。これによって経理・資材業務の多くがSAPR/3へと移行したが、一部の業務には既存システムが残されている。 たとえば固定資産税を計算するアプリケーションはメインフレーム上で動いている既存のものを利用しており、運輸収入の整理に関するシステムも、旧システムを手直しして利用している。

オンライン時間帯は当面の間8時〜20時までと設定されており、夜間はバッチ処理とバックアップが行われている。これらの処理はAdvfsクローンファイルセットのスナップショット機能が利用されており、実際には数分程度でオンライン可能な状態になるという。 またHPではこのシステムの遠隔監視も行っており、万一障害が発生した場合に迅速に対応できる体制を整えている。

現在までのところ、十分に高い信頼性を確保できているようだ。野口氏は「まだ最終的な評価を下す時期ではない」とコメントしているが、実際にハードウェアがダウンしたことはなく、フェイルオーバも未だに発生していないという。

図:JR西日本SAP R/3システム概要図
  図:JR西日本SAP R/3システム概要図
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レスポンス速度も「思った以上に安定している」と指摘する。各サーバにはシステム負荷を監視するツールを導入しているが、2003年4月のデータではCPU負荷は平均で40%程度だという。 なお5月に固定資産業務をSAP R/3上でスタートするために、4月末にデータ移行を行った時には負荷が急増したこともある。「この時は2日間で移行作業を完了させる予定でしたが、最終的には2日間で作業が完了せず、半日間時間を追加しました」と坂戸氏。しかし、これは必ずしもシステムインフラの問題だとは考えていないという。


今後の展望

着実にプロジェクトを推進し当初の予定通りに本番稼働を開始

JR 西日本に設置された SAP R/3用 HP AlphaServer群。
  JR 西日本に設置された SAP R/3用 HP AlphaServer群。
システム構築・テストと並行して、利用者教育も進められていった。対象となったのはパソコンを使って入力・参照を行う利用者全員であり、その数は延べ約6,000名に達したという。 教育内容は、ERP導入の目的や業務の変更点、端末操作等。プロジェクトチームメンバーを中心に約20名の講師を養成し、この講師が中心となって10支社等に設けた教室で、直接受講者に説明・指導を行った。 教材はこの講師が中心になって作成。1回目の教育をひととおり終えた2003年3月には改訂を行うと共に、SAPR/3特有の用語等の解説書も作成し、各利用箇所に配布している。

当初の稼働開始は2003年4月が目標だったが、最終的にはプロジェクト全体の進捗状況をチェックし、重要なリスクの存在とリスクの回避策を検討した上で、稼働時期についての見極めが行われた。 その結果、日常業務に影響を与える重大なリスクは特にないと判断され、予定通り2003年4月から本番稼働が開始されている。 「これまでにも複数のITベンダと仕事をしてきた経験がありますが、HPは非常にきちんと仕事をする会社だという印象を受けました」と野口氏はいう。 最初に本番稼働を開始したのは会計関係のモジュールであり、これは4月1日にスタートしている。その後4月18日に資材関係、5月2日に固定資産関係と、わずか1ヶ月余りの間にすべてのモジュールが本番稼働を迎えている。

「当面の課題は初期トラブルの解消を含めたシステムの安定化」と坂戸氏。運用や保全に関するルールを整備することや、利用者にR/3の活用方法を定着させていくことなどを今後も地道に進めていく必要があるという。 その一方で、さらなる業務革新も今後の重要な課題になるという。今回導入されたシステムインフラは、JR 西日本における業務革新の基盤として、今後さらに重要な役割を果たすことになるだろう。

 


西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本) 会社概要

所在地: 大阪府大阪市北区芝田2-4-24
取締役社長: 垣内剛
資本金: 1000億円
設立: 1987年
事業概要: 旅客鉄道事業及び海上運送事業、不動産賃貸業等、病院等。
URL: http://www.westjr.co.jp/

  本ページに記載されている情報は2003年7月時点のものになります。
閲覧される時点で変更されている可能性がありますので、予めご了承下さい。
 
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