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オープンソースの費用対効果と自由度を評価し、JBoss jBPMを活用したワークフローシステムをHP ProLiant上に再構築

シスメックス株式会社

導入事例

シスメックス株式会社
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業務プロセスを管理する強固なワークフローシステムの基盤形成を実現

シスメックスは、医療における検体検査の機器や試薬、検査情報システム、サポートなどをトータルに提供する企業だ。同社は情報資源のスムーズな流通と活用を期して、ワークフローの再構築を指向。コストパフォーマンス、開発の生産性や自由度などを吟味した結果、HP ProLiantをプラットフォームに、Red Hat社のJBoss jBPMをベースとして構築されたTISのソリューション製品e-ProcessManagerを活用し、新システムを構築した。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
PDF(331KB)
シスメックス株式会社

目的

アプローチ

拡張性の高い新しいワークフローシステムを再構築する とともに、グループの国内関係会社への展開を通じて業 務の効率化と標準化を推進する
オープンソースの活用で、コスト、開発性、自由度、運 用性、機能性に優れ、自社ニーズに即したシステムの再 構築を図る
当該部門と一体となったプロジェクト体制で参画意識を 高める
ユーザへのプロトタイプ提示で、ユーザの視点に立った 開発姿勢を貫く

システムの効果

アクセスの一斉集中時にも、スムーズでストレスのない レスポンスを実現
関係会社への展開、新規業務への展開が容易
 

お客様背景

医療関連業界の環境変化の中でグローバル展開を推進

  情報ソリューション部 システム開発課長 井上 雅勝 氏
情報ソリューション部
システム開発課長
井上 雅勝 氏
   
  情報ソリューション部 システム開発課 主任 近藤 直樹 氏
  情報ソリューション部
システム開発課
主任
近藤 直樹 氏
   
いま、本格的な少子高齢化の進展や医療の高度化を背景に、医療保険の財源確保などの問題が顕在化している。日本の医療環境は、大きな岐路に立っているのである。医療制度改革や医療費削減の流れの中で、各医療機関は経営環境の変化にさらされ始めている。

一方、中国をはじめとするアジア諸国では、経済成長を追い風とした医療環境整備が進み、医療関連業界は今後とも大きな市場成長が見込まれている。

シスメックスは、このような時代の流れを舞台に、グループ一丸となった活動を推進。国内では、血液検査システムなどの大型案件受注や新製品導入、ソリューションビジネスなどの総合力を武器に、診療報酬引き下げによる影響を抑えながら、売上を拡大してきた。

さらに同社は、グローバルな活動にも注力している。米国における直接販売サービス活動をはじめ、欧州ではシスメックスブランドを活用したソリューションビジネスを推進。さらに中国や東南アジアでは学術活動を通じて医療の質向上に貢献するとともに、充実した販売・サービスネットワークの構築にも力を入れる。2008年3月期決算では売上高1,107億円超を達成し、その内外比率も32対68を示している。

企業の成長に応じたワークフローの再構築を計画

シスメックスは2000年以来、各種申請や精算などの会計処理や勤怠管理の効率化を目指したNotesワークフローの活用を進めていた。成長を続ける同社では、業容の拡大に伴う業務の急増で、利用数、伝票数が増加し、レスポンス面で不満が表面化するとともに、運用管理に関わる負荷の増大が問題化してきた。

「そこで、業務内容が多様化する上に業務のスピードアップが求められる中で、業務の標準化と生産性向上を支援するツールとして、Webを基盤としたワークフローシステムへの再構築を図りたいと考えました」

情報ソリューション部システム開発課長の井上雅勝氏は、ワークフロー再構築の動機をこう語る。同氏はさらに続ける。

「また、現在再構築を進めている基幹のERP(SAP R/3)と一体となったシステムとしての活用やグループへの展開も視野に入れた豊かな拡張性や汎用性をも確保しておく必要がありました」

独自の開発ニーズに応えるためにオープンソースの活用を選択

シスメックスではこのような戦略的な視点の下に、2005年から本格的な再構築プランの検討が進められた。同社は、最上流のコンサルティング段階から要件定義〜構築〜運用に至る一連の流れを、総合的に任せることのできるノウハウや技術力を有し、これまで広範な産業界におけるエンタープライズ・システムに実績を築いてきた点を評価して、TISを開発パートナーに指名。両社による二人三脚の再構築プラン検討が始まった。

当初、さまざまなBPMパッケージ製品が吟味されたが、シスメックスの提示する要件にぴったり適合するものが見つからなかった。その検討経緯を、情報ソリューション部システム開発課主任の近藤直樹氏は、以下のように語る。

「導入コストはもちろん、運用コストや負荷、組織拡大に伴うライセンス購入やその管理、さらに当社固有の要件への対応、開発をめぐる自由度の高さ、基幹のERPとの連携性など、複合的な要素を比較検討し評価を実施しました。その結果、今回はパッケージではなく、オープンソースを活用して開発を行った方が得策である、という結論に達しました」

そこでTISは、Red HatのJBoss jBPM をベースとしたe-ProcessManagerを提案したのである。

TISの産業事業統括本部産業第2事業部の河端厚氏は、次のように語る。
「e-ProcessManager をご提案にするに際して、HPがレッドハットとの連携の下に内外で多くの成功事例を築いていた点、さらにその核となるサーバとしてHP ProLiant が高いパフォーマンスを発揮していたことに注目。その結果、提案段階からHPとの連携を推進しました。私たちTISとHP、レッドハットの三位一体で、シスメックス様のニーズにきめ細かく応えることのできるスクラムを組み、プロジェクトの支援に臨みました」

開発の自由度と透過性、成長性を評価先行事例の視察で不安を払拭

シスメックスのシステムには、多言語、多通貨対応はもちろん、各国間の商流や商習慣の違いへの配慮、またグローバル展開を念頭に置いた各種機能など、将来にわたる柔軟性の確保が不可欠だ。

「パッケージの場合、当社の業務に即した戦力化のためには、どうしてもカスタマイズやアドオンが必要になります。その場合、公開されていないソースなどのブラックボックスが存在したり、独自仕様の言語や手法の取得が必要だったりと、開発負荷が大きく膨らんでしまう懸念があります。さらにバージョンアップ時などを含め、後々のサポート面で不安を残すことにもなりかねません。これに対してJBoss jBPMは文字通りオープンソースなので、ブラックボックスがなく、公開されているライブラリやAPIを利用して、Javaベースの自在な活用ができます。私たちの要件に即した自由度の高い開発環境を確保できる点が、非常に大きな魅力でした」(井上氏)

このシステムは、仮払い申請や精算などの中間業務のワークフロー化による効率化だけでなく、情報資産の共有・活用や業務相互の「見える化」によって、ビジネス生産性向上を実現する基盤となるものだ。それだけに、当初から将来への成長性を担保しておく必要があった。

「開発時点から、開発技術やノウハウを情報ソリューション部内に吸収・蓄積し、メンテナンスや次期開発ステップを、私たち自身で担っていきたいと考えていました。その意味でも、ブラックボックスを廃した柔軟なプラットフォームは、大変魅力的でした。またパッケージは、汎用性が確保されている一方、私たちにとって不要なものも盛りだくさんとなっています。これに対してレッドハットのJBoss ソリューションは、シンプルで、本当に欲しいものだけを築いていける点も、大きな選択要因となりました」(近藤氏)

ただ、「オープンソースに基幹的なシステムが担えるのか?」という不安があったことも事実だ。そこで、HPとレッドハットは、国内外の導入事例を収集。レポートにまとめるとともに、国内ユーザ企業数社に見学を申し込み、情報ソリューション部に現地視察の機会を提供した。

「多くの事例や先行するユーザ企業との橋渡し、さらに今後のロードマップに関する青写真など、より多くの立体的な判断材料をお出しできたことで、シスメックス様の社内コンセンサス形成にも貢献することができたと自負しています。これもTISとHP、レッドハットがお互いの強みを出し合った成果だと思います」(河端氏)

「システムの再構築に際して経営トップ層から厳しく精査を求められた点は、『費用対効果と、品質の信頼性』でした。そこで私たち自身で導入事例を検討、成果や課題をヒアリングし、これならやれるという確信を抱いたうえでレポートとして提出しました。その結果、2007年8月にゴーサインが出たのです」(井上氏)


シスメックス株式会社 システム構成図
システム構成図

ソリューション

ユーザの意見を吸い上げることで現場の参画意識を育てる

情報ソリューション部では要件定義段階から、プロジェクトチームを結成した。実際のシステム活用主体となる人事/経理/総務部門のキーパーソンを交え、システムのあるべき姿を完成させるための知恵やアイデアを出し合ったのだ。そのおかげで、ユーザの意見や使い勝手に基づいた開発の姿勢を貫くことができたのである。

「人事/経理/総務部門を巻き込み、要件定義段階から構築過程に至るまでのプロセスに参画してもらうことで、現場の人たちにも自分たちが作り上げたシステムだという意識を持ってもらいたいと考えました。また、全社員を対象としたシステムですので、そんな参画意識を通じてより多くのユーザのニーズを吸い上げながら、利用者にとって使いやすく品質の高いシステムを構築していきたかったのです」(井上氏)

「各部門間の微妙なニーズの違いや温度差の調整などに苦労しましたが、最終的には、社員の利便性とビジネス生産性の向上に貢献したいというひとつの思いに向かって、プロジェクトのベクトルが定まっていきました」(近藤氏)

こうして要件が固まり、2007年秋からは構築がスタート。まず、申請・精算などの経理系から着手された。この段階では基本的に、ユーザの使い勝手を考慮して、実際の帳票レイアウトに基づく旧来の画面イメージを踏襲。各段階でユーザ部門にプロトタイプを提示して意見を求め、その評価をフィードバックする形で、画面の設計や動きを決定していったのである。

翌2008年2月には、経理系のシステムが完成。これに続いて稟議系に歩を進め、同6月には勤怠系が完成した。この段階で、新規追加開発要素などを残し、旧来のワークフローの移行を目指した第1フェーズの概ね90%が完了した。

事前のトレーニングでユーザの理解を高め社員の協力による過負荷テストも好結果

「開発が佳境に入った2007年12月には、TISに研修を実施してもらい、今後の技術移管やノウハウ蓄積の素地形成を図ることができました」(近藤氏)

またサービスインに先立ち、全国約20カ所に広がる事業所を情報ソリューション部が2チームに分かれて巡回。新システムの概要説明や事前のユーザトレーニングを進めた。

従来の画面イメージなどを踏襲しつつユーザの要求を反映した画面設計や、操作性向上を重視した開発コンセプト、レスポンスアップなどのメリットが受け入れられ、多くのユーザから歓迎の声があがった。

「また、懸案事項であったERPとの連携性という面では、SAP R/3側の受け取り手順などはそのままに、データを受け渡すフロント側のインタフェースでハンドリングすることにしました。これも、基本的に既存システムの手順に準拠することで、スムーズに解決することができました」(井上氏)

カットオーバーの前日には、ユーザとなる社員の協力を仰ぎ、リアルな社内環境で過負荷試験を実施した。

「人事/経理/総務部門を巻き込んだ全社的プロジェクトによる気運の高まりや、事前アナウンス、さらにユーザトレーニングなどの地道な啓蒙活動のおかげで、新システムに対する社内的な注目度や期待も高く、400名を超える社員が事前テストに参加してくれました。ここでは一斉に全員が同時アクセスし、1人が同時に何画面も開くことで、旧システムのピーク時の20倍近い負荷をかけました。それでもレスポンスは2〜3秒以内、という好結果を実証することができ、私たちも面目躍如という思いでした」(井上氏)


効果と今後の展望

さらに強力な戦力化のため関連企業への展開を推進

第1フェーズをほぼ終えたこのプロジェクトは、第2フェーズとして関連企業への同システム導入が大きな目標としてあげられている。これは、シスメックスと同じERPを活用している企業について先行して導入する方針で、すでに具体的な導入計画が検討されている

最後に二人は、今度の展望をこう語ってくれた。

「現場やユーザを巻き込む姿勢を追求したことが、今回のプロジェクト成功の最大要因だったと思います。今後のフェーズでも、ユーザへの具体的なメリットを還元することで、ユーザとの一体感をいかに築いていくかに力を注いでいきたいですね。また、社内の視点だけでなく、外部の客観的な視点からの検証もシステムを鍛え上げるための重要なポイントです。その意味で、TISやHP、レッドハットの助言に期待しています」(近藤氏)

「旧システムからの移行を終え、さらにグループへの水平展開を進めた後は、他業務への適用を進めていきたいと思います。 そこで、今後ともTIS、HP、レッドハットによる、システム ― JBoss ― サーバ周りという360度のサポート体制を堅持していただき、さらなる支援をお願いしたいですね」(井上氏)


会社概要

シスメックス株式会社
所在地: 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号
代表取締役社長: 家次 恒
資本金: 86億5,100万円(2008年3月31日現在)
従業員数: 1,871名(男1,301名 女570名)(2008年5月31日現在)
※嘱託・パートタイマーなどを含む
設立: 昭和43年(1968年)2月20日
事業内容: 臨床検査機器、検査用試薬、粒子分析機器ならびに関連ソフトウェアなどの開発・製造・販売・輸出入
URL: http://www.sysmex.co.jp/このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 医療・製薬
  HP ProLiant DL360 G5
  Windows Server 2003、JBoss jBPM

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