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自動故障切り分けシステムATiSによって
故障発生時の一次切り分けを自動化
ネットワークオペレーションの効率化・標準化を実現

ソフトバンクBB株式会社

導入事例

ソフトバンクBB株式会社
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ソフトバンクBBは、ブロードバンド総合サービス「Yahoo! BB」を通じて日本のブロードバンドサー ビスを牽引してきた。さらなるサービスの充実を進める同社は、全国のYahoo! BBのアクセス網 を監視するネットワークオペレーションセンターのシステムを一新。HPが提供する自動故障切り分 けシステム「ATiS」によって、故障発生アラーム受信から一次切り分けに至るフローの整備・標準 化を主軸とした自動化を行い、運用効率向上とコスト削減、およびサービス品質向上を実現した。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
PDF(319KB)
ソフトバンクBB株式会社

目的

アプローチ

「故障検知―判断―切り分け」に至るフローの自動化
運用コスト・対応時間の圧縮
現場へのヒアリングを行い、個別に蓄積されたノウハウを共有し、ワークフローとして標準化
β版を担当部門全員で評価し、実戦力として貢献できるシステムに磨き上げた

システムの効果

ビジネスへの効果

一次故障対応における業務工数を削減
一次故障対応におけるヒューマンエラーの懸念を排除
故障検知から仮復旧までの時間短縮
ベテランのノウハウやナレッジをセンター全体の資産として共有
復旧時間の短縮
故障発生時の対応負荷を軽減し、人的コスト削減

お客様背景

ナレッジをシステム化することで故障一次切り分けの自動化を目指す

ソフトバンクBB株式会社 ネットワーク運用本部 アクセス運用部 部長 村益 寛紀 氏
ソフトバンクBB株式会社
ネットワーク運用本部
アクセス運用部
部長
村益 寛紀 氏
ソフトバンクBBは、2001年にブロードバンド総合サービス「Yahoo! BB」の提供を開始して以来、日本におけるブロードバンドの普及に貢献してきた。それまで高額・低速だった日本のインターネットサービスを「高速」「常時接続」「安価な料金」に変え、さらに加入者同士の通話料が無料の「BBフォン」によって、IP 電話サービスを先導してきた。「Yahoo! BB ADSL」の累積接続回線数は国内でもトップクラスの約500万を誇り、ユーザー数拡大とともに、サービス品質の向上に努めてきた。

そのサービスのバックボーンとなるネットワークを支え、常に安定した運用が行われているか見守るのがネットワーク運用本部だ。同本部アクセス運用部部長 村益寛紀氏はその基本姿勢を以下のように語る。

「いまやインターネットは、重要な社会インフラのひとつとなっています。24時間365日、高品質で安定したブロードバンド環境をお客様に提供すること。そして、万一の故障発生時にも迅速な復旧を図ることが、私たちの使命なのです」

故障発生時には全国のアクセス機器から監視システムにアラームが発報される。ネットワーク運用本部では、これを受け、故障の原因調査と該当箇所切り分けによって影響を最小限に抑制し、スピーディーな復旧に向けた最善策を導き出さねばならない。ただ、これまではオペレータのスキルによって処理時間にばらつきがあり、人員体制も、コスト面での負担が大きかった。

「そこで、ベテランオペレータの緊急対応時のノウハウや経験をナレッジとして整理・蓄積し、システムによる自動化を図りたいと考えました。つまり、属人依存性を排しながら、復旧時間の短縮や運用コストの圧縮といった効率化を進め、生産性の向上とヒューマンエラーの排除を実現したかったのです」(村益氏)

これまでの実績と提案力を評価しHPをパートナーに選定

システムの自動化に際して、当初は内製で行うことも検討された。しかし、将来にわたる迅速で良質なサポートの確保などを考慮し、外部のパートナーとの協調開発が得策であると判断。RFIを提示して複数社から提案を募った。

ここにおけるキーワードのひとつに、ソフトバンクグループが掲げる「ローコストオペレーション」があった。これは、ITを活用しながら、サービス品質向上とコスト効率アップを両立しようというものだ。

「各社の提案を検討した結果、HPをパートナーに選定しました。第一の選定要因は、当社のSuper-NOC(Network Operation Center)のシステム構築・運用における同社の実績です。Super-NOCは我々のサービスを支える世界最大級のIPネットワークを監視するシステムで、その開発・保守を担うHPのノウハウ、当社の業務理解度には強い信頼を寄せています。今回のシステム自動化においても、構築から保守までをワンストップで提供する提案だったことも評価しました。さらに業界での多くの経験や事例を持っていることも、決定の大きな理由ですね」(村益氏)

ソリューション

現場に密着して要件を吸い上げワークフローを形成

故障の自動切り分けによって、その影響を最小限に抑制しながら迅速な復旧対応を実現することを目指したこのシステムは、ATiS(Automatic Trouble isolation System:自動故障切り分けシステム)と名づけられた。

ATiSのポイントは、アラーム発報に伴う一次対応と、現地で復旧に当たるフィールドエンジニアへの指示に至るまでの業務をルール化することだった。つまり、オペレータに属人的に依存することなく、常にベストプラクティスを実現することだ。結果として、ヒューマンエラーや運用コストの低減を進めながら、サービスの品質の向上を実現し、運用業務の事業継続性を確保するものである。

一方、自動化を実現するためには、まず、対象業務の定型化が不可欠だ。そこで、あらゆるケースを想定した業務のシナリオを描き、それを体系化する必要があった。

「現場業務とシステムの乖離を防ぐために、初期の要件定義に多大な労力を注ぎました。HPの開発スタッフは各担当者から意見を収集する一方、自ら現場に出向き、様々な要望の吸い上げに努めてくれました」(村益氏)

要件定義に際しては「スケジュール厳守」を掲げ、あらかじめ設定した2カ月という期間内で実施した。

村益氏は「延ばし延ばしで仕事を進めるというのは我々の企業文化にもありません。短期間に集中して、最大限の効果を出すべきです」と力説する。その姿勢は、今回の要件定義フェーズでも遺憾なく発揮され、頻繁に開催されたミーティングでは、密度の高い議論がなされた。同氏は、そこで多くの発見があった、と語る。

「現場に密着してみると、現場業務に関してこれまで明確に見えていたものは約60%に過ぎなかったということが分かりました。あとの40%は経験則やノウハウとして個人の中に埋もれており、全社的な資産として活用できていなかったのです。その貴重なノウハウを丁寧に拾い上げ、システムロジックの基盤となるシナリオに反映させて、ワークフローを形成していきました」

β版評価を通じて全員参加のシステムづくり

この要件定義を基に、HPは2007年早々にβ版を構築。実際のセンターと同様の機器を備えた評価用のLab環境下で、テストが実行された。この段階では、オペレータを含めた現場スタッフ全員に参加してもらい、画面構成や機能、使い勝手、レスポンスなどに関する意見を求めた。また、過去の事例との綿密な摺り合わせを通じて、ガイドラインとしてシステムに盛り込んだのである。

「スタッフ自身も、『自動化できる定型部分はできるだけシステムに任せ、自分たちはそれを基盤に、より高い次元の仕事を担っていきたい』という強い意欲を持っていました。そのことが、今回のシステム改善への積極的な参加につながったと思います。また、ローコストオペレーションの思想が全社的に浸透していたことも、全員参加の取り組みへの追い風となりました」(村益氏)

現場の視点を徹底させた機能性の追求

現場の声に耳を傾け、磨き上げられたATiSは、さまざまな工夫が満載された。

定義されたワークフローに基づいて切り分け処理を実行する部分では、ワークフローエンジンを搭載するフレームワーク製品HP Service Activatorを活用。想定されるさまざまなケースに柔軟に対応し、効率的なサービス提供を可能にした。

さらに、Super-NOCの構成データベースと連携し、各装置の故障によって影響が及ぶユーザ数を即座に把握し、早期に周知を図ることで、有事にもサービスの可用性を高める仕組みを築いた。

万一故障が発生した場合には、ATiSが復旧に必要な情報を記したチケットデータを生成して、「インシデント管理システム」にチケットを起票する。従来の仕組みでは、インシデントごとにチケットが起票されており、仮に同一局舎内で3種類の機器交換が必要になった場合には、3つのチケットが起票されていた。その煩雑さが、現場の混乱を招く懸念があったため、ATiSでは、局舎ごとに名寄せを行い、同一局舎内の作業指示が一覧できる1つのチケットに集約して起票する機能を持たせた。このようにATiSは、自社のセンター内だけでなく、作業現場やそれを担うパートナーの視点に立った機能開発がなされているのである。

  システム構成図

効果と今後の展望

運用品質向上と人的リソースの効率化を達成

これまでオペレータが対応のたびにメモ書きしていた対応履歴も自動化され、時系列でデータベースに組み込まれるようになり、効率化が実現した。

また、万が一、1チームの人員の処理限界を超える業務が発生した場合でも、ATiSによって並列的な処理が可能になったため、処理が待機状態になってしまうことがなくなった。

「今回、スタッフに『自分たちもシステム構築に参画し、インタフェースや機能改善・追加に対する意見が反映された』という意識が浸透したおかげで、運用開始後の士気もますます高揚しています。従来のように、オペレーション負荷の増加の際には、人海戦術で乗り切るという常識に捉われず、その状況を改革し、さらなるサービス品質の向上につなげることができた、と自負しています」(村益氏)

24時間365日の安定サービスを見守るシステムには、可用性の確保も重要な条件だ。現在、待機系システムのデータベースは現用系システムでオンラインバックアップを実現している。また万一現用系システムがダウンした場合にも、オペレータが迅速に対応できる体制を備えている。同社は、今後のサービス提供状況等を考慮しながら、将来的にはクラスタリング化などへの機能拡張を図っていきたいとしている。

「運用品質を保ちながら、一次切り分けに関わる時間を60〜70%短縮することができました。これまでにヒューマンエラーは1件も発生していません。システム開発に先立ってワークフローを再整備し、プロセスが明確になったおかげで、まだ経験年次が短いスタッフの業務に対する理解も早まりました。また、工数削減により新規業務の受け入れや人材資源の適切な配置に大きく貢献できています」(村益氏)

今後は、緊急時を想定した、オペレータによる実地訓練も行う予定だ。この訓練によって、アクセス運用の背景や思想、業務プロセスの理解と把握を深めることができるという。

最後に村益氏は、ATiSに対する今後の展望や期待を、以下のように語ってくれた。

「おかげさまで、本システムはその意義と貢献が評価され、社内の表彰を受けました。グループ会社の注目度も高まっており、今後の展開が期待されています。また、他の通信キャリアからも熱い視線が注がれ始め、見学依頼も増えています。ATiSはアクセスネットワークに特化したシステムですが、当グループが掲げる『ローコストオペレーション』を実現するソリューションとして、今後さらに適用フィールドを拡大していくことができるはずです。HPには、そんな全体最適に基づく視点でローコストオペレーションを進め、さらに上のステージに立ったソリューションを期待したいですね」

会社概要

ソフトバンクBB株式会社
所在地: 東京都港区東新橋1-9-1
代表取締役社長 兼CEO: 孫 正義
資本金: 1,203億100万円
従業員数: 5,500人
設立: 2003年1月*
事業内容: ADSL事業、FTTH事業、コンテンツサービス事業、流通事業等
URL: http://www.softbankbb.co.jp/ja/
*ソフトバンクグループの事業会社(ビー・ビー・テクノロジー株式会社、ソフトバンクネットワークス株式会社、ソフトバンク・イーシーホールディングス株式会社、ソフトバンク・コマース株式会社)の4社合併により2003年1月設立

事例キーワード

業種: 通信・メディア
  自動化HP コンサルティングサービスHP ProLiant DL380HP Service Activator

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