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ソフトバンクのスピードを支える開発品質

ソフトバンクモバイル株式会社

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独自の工夫でQTPを使いこなし、業務システムテストを革新

「私たち通信サービス会社には、お客様が安心して利用できるキャリアグレードのサービスを提供するという使命があります。それを支える情報システムにも同じくキャリアグレードが求められるのです」

ソフトバンクモバイル株式会社
情報システム本部 品質・標準化推進室
試験・品質課
課長 山下献次郎氏
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
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目的

アプローチ

システムテストの自動化
テスト効率化による短期開発の実現
テスト効率化によるソフトウェア品質の向上
HP QuickTest Professional Softwareによるシステムテストの標準化
共通品質部門によるグループへのシステムテストの提供

導入効果

ビジネスへの効果

システムテストの短期化
ソフトウェア欠陥除去率の向上
システムテストにおける作業プロセスの確立
情報システムの品質向上によるリスク軽減
情報システムの短期開発によるスピード経営の実現


お客様背景

情報システムに求められた「キャリアグレード」

成熟市場と言われて久しい携帯電話市場で、ひとりソフトバンクモバイルが快進撃を続けている。その原動力は、スピーディな事業展開だ。次々登場する廉価かつシンプルな料金プラン、斬新なサービスは消費者の心を捉え、めざましい契約純増率となって他社を圧倒している。iPhone、iPadは短期間で市場を席巻し、スマートフォンへの流れを決定づけた。ソフトバンクモバイルのスピード経営を情報システムの品質の面から支えているのが、同社の品質・標準化推進室である。

品質・標準化推進室は、最高品質のサービス提供をめざすソフトバンクが、その基盤となる情報システムの品質を確保するために、グループ横断的に立ち上げた品質の専門組織である。この品質・標準化推進室のキーマンである山下献次郎課長にお話を伺おう。

ソフトバンクモバイル株式会社 情報システム本部 品質・標準化推進室 試験・品質課 課長 山下献次郎氏
ソフトバンクモバイル株式会社
情報システム本部
品質・標準化推進室
試験・品質課 課長
山下献次郎氏

「最大の課題は、短期開発の中でシステム品質をいかに確保するかということです」

次々登場するサービスに対応するため、ソフトバンクモバイルでは情報システムの短期開発が常態化している。例えば、顧客管理システムの場合、キャンペーン展開時や新機種が登場した際には大幅な修正が必要になるが、その改修作業に使える期間はきわめて短い。

短期開発だからといって品質面をおろそかにはできない。顧客管理システムは、全国のソフトバンクショップや量販店、全国5箇所のコールセンターのオペレーターが利用するミッションクリティカルな業務システムである。システムに不具合が発生すればこれら現場部門は対応に追われ、混乱するだろう。新規契約やサービス変更の手続きを求めるお客様をお待たせすれば、取り返しの付かない機会損失が発生する。限られたユーザーの獲得にしのぎを削る携帯市場では、これは許されない。

「私たち通信サービス会社には、お客様が安心して利用できるキャリアグレードのサービスを提供するという使命があります。それを支える情報システムにも同じくキャリアグレードが求められるのです」

もちろん、品質が優先されることで開発スピードが犠牲になったり、膨大なコストがかかったりしてはならない。スピードと品質、そしてコストのすべてにおいて満足できる解決方法が求められていた。その決め手は、システム開発の最終工程であるシステムテストの革新だった。

システムテストの革新で世界最高水準の品質を

システムテストは、完成したアプリケーションに対して、様々な入力や操作を行なうことで、その機能や出力を検証するものだ。テスト計画と実施方法が適切であれば、上流工程のバグも洗い出すことができる。リリース前にバグを一掃する手段として非常に有効なのである。山下課長たちは、旧ボーダフォン時代の品質管理部門の時代から、システムテストに注力してきたという。

「現場が作り込んだ業務システムを現場に代わってテストする。いわば、システムテストの実行部隊です。品質保証、その役割は今も変わりません」

ソフトバンクモバイルに移行して大きく変わったのは、システムテストに求められる条件だった。

まず、テスト期間の大幅な短縮。タイトな開発サイクルでは、システムテストにはほとんど時間が割けない。人的資源も予算も限定された中で、人手に頼らない新しい手法が必要だった。

テストの量と対象も大きく変わった。業務システムは大きく拡張され、大小60以上のサブシステムから構成される大規模な分散型システムに発展していた。業務アプリケーションの改修時にはこれらサブシステムの多くも変更されるため、すべての変更箇所を網羅するには、膨大なパターンのテストが必要になった。

「もちろん、変更のあったプログラムだけではなく、手を加えていない部分の品質も担保しなければいけません」

プログラム同士が複雑に連携し合う分散型システムでは、修正プログラム内では問題のない小さな変更が、他のプログラムに悪影響を及ぼしたり、システム全体のトラブルの原因となったりする。ソフトバンクモバイルのように改修が多いシステムでは、このようなデグレード(悪化)をシステム全般にわたってチェックする必要がある。回帰テストと呼ばれるこのような作業も含めると1ヶ月間に実行するテストは1万件以上にもなるという。

「膨大な数のテストを、一気にそして均一に仕上げる新しい手法が必要でした。自動化ツールを導入しながら、その手法を組織的に開発していこうと考えたのです」

システムテストを革新的に進化させることで、情報システムの開発スピードと品質の両面で、世界最高水準をめざそう。これが山下課長たちの掲げた目標だった。最もクリティカルな業務システムのひとつである顧客管理システムを対象に、システムテストを革新する試みがスタートした。2008年、そのための自動化ツールが選定される。HP QuickTest Professional Software(以下QTP)である。



ソリューション

独自の工夫でQTPの効果を最大化

QTPは、システムテストの領域で圧倒的な実績を誇る自動化ツールだ。アプリケーションに対するGUI操作をスクリプトとして記録。そのスクリプトとパラメータ化した入力値を組み合わせることで、複雑なパターンの反復テストを自動化できる。実行結果は、詳細かつ分かりやすいレポートとして出力され、さまざまな角度からの検証・分析が可能だ。テスト作成から実行、結果の分析まで、システムテストにおける一連の作業をトータルに支援するソリューションとして、企業アプリケーションの品質管理の担当者から高い評価を得ている。

対応環境の広さも特筆に値する。Windowsはもちろん、SAP、Oracle、さらにはPowerBuilder、Delphi、Visual Studio、NET、Java/J2EE、Web Serviceまで、広範なエンタープライズ環境をサポート。また、主要製品のなかで唯一、Unicodeに対応するツールでもある。

「一応、他社やオープンソースのツールも検討しましたが、実績と機能、そして対応環境の広さで、QTPと比較できるものは皆無でした」

ただQTPの導入だけですべてが解決したわけではない。汎用的なツールであるQTPを、ソフトバンクモバイルの要求に合せるための工夫も不可欠だったという。QTP導入にあたった品質・標準化推進室の今井貴之氏に伺おう。

ソフトバンクモバイル株式会社 情報システム本部 品質・標準化推進室 試験・品質課 今井貴之氏
ソフトバンクモバイル株式会社
情報システム本部
品質・標準化推進室
試験・品質課
今井貴之氏

「まずスクリプトのモジュール化です。これによって変更時の対応を大幅に効率化できました」

QTPでは、複数の画面を跨いだ一連のGUI処理をシームレスに繋がるひとつのスクリプトとして記録できる。これはスクリプト作成時には便利な機能だが、どれか一つの画面で変更が発生した場合、スクリプト全部を修正しなければならないというデメリットもあると今井氏はいう。今井氏らは、画面単位にスクリプトを作成し、それらを組み合わせてテストを実行することでこの問題を解決した。この方式なら画面単位の変更があった場合もその画面に対応するスクリプトに手を入れるだけでよい。これにより改修時の工数を大幅に削減し、システムテストのスピードアップを実現できたという。

「QTPのスクリプトはVBScriptベースなのでカスタマイズしやすいのです。ユーザー独自のニーズにきめ細かく対応できるツールだと思いますね」

もう一つは導入領域の明確化だと、山下課長は語る。

「すべてにQTPを使うのではなく、最大の効果が見込める領域を選んで導入したのです」

山下課長が選んだ領域は改変しないアプリケーションを対象とした回帰テストである。システムテストの期間を確保できない状況では、新規スクリプト作成に時間がかかる改変部分のテストよりも、既存スクリプトを利用するだけで数千ものテストを一気に自動化できる回帰テストの方が生産性向上に直結するとの判断だった。

「重要なのは全体の効率です。全体最適化の視点でシステムテストの新しい手法を構築していきました」

「ソフトバンクモバイルにおけるスクリプトのモジュール化」

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開発期間の圧縮に成功

QTPの導入に当たっては、HPが全面的にサポートした。

「スクリプトについての疑問などはサポートセンターにメールで問い合せますが、それでも解決しない場合は直接営業の方に来ていただいて、現場で検証してもらっています。早期解決という点で非常に助かっています」(今井氏)

現在、品質・標準化推進室では、数十名に及ぶメンバーが、QTPを利用して顧客管理各システムのシステムテストを行っている。キャンペーンなどではその内容がなかなか決まらないことも多いが、そのようなときは開発とテストを並行して進めているという。当然発生する手戻りに対しては、変更部分のデータをQTPに一気に流しこむことで後から対応するとのことである。

「開発とテストを並行して行なうことで、開発期間の圧縮が可能になりました。こういう開発手法が可能になったのもQTPの導入効果だと思います」(山下課長)

また、ソフトバンクモバイルでは海外のベンダーと提携してオフショア開発を行っているが、その開発センターにもQTPが導入されたという。

現地のメジャーオフショアベンダー間でその開発手法が大変注目視されているところもソフトバンクの世界最高水準をめざす志を伺い知れる。

「全体的な効果を考えて導入すれば、オフショア開発の現場でもQTPのコストメリットが活かせるのです。さらに、夜間テスト実行(人間が寝ている間に、テストロボットが実行する)も成果を出し始めており、私たちの中では、自動化ツールを効果的に使いこなすしくみが出来ていますから、今後様々な部分で普及していけると思います」




効果と今後の展望

品質サービスのクラウド化への想い

品質・標準化推進室では、品質についての数値目標をソフトウェアの欠陥除去率というもので示している。要件定義、設計からリリースまでに、一つのプロジェクトの潜在バグをどれだけ摘出、商用障害ゼロにできるかという指標である。品質・標準化推進室以前、60~70%だった欠陥除去率は、QTP導入2年を経た現在、95%以上まであがってきたという。

最後に、今後の展開について山下課長にお聞きした。

「今回の成功を受けて、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムなど、他の通信サービス会社におけるミッションクリティカルなシステムに対しても、QTPを軸とした私たちのシステムテストのしくみを展開していこうと思っています。ツールを横展開していきながら、システム開発の標準化を進めていきたいですね」

さらに、山下課長はその先の展開についても語ってくれた。

「ソフトバンクグループでは、ホワイトクラウドという名前でクラウドビジネスを展開していますが、その商材の一つとしてQTPと私たちの効率化技術をセットで提供することができればいいと思っています」

当初、コストや手軽さだけがもてはやされたクラウドサービスも今後は、新たな価値が求められる。情報システムの開発スピードと品質を同時に革新する今回のしくみは、遠くない将来、通信業界や他業界のユーザーにも提供されることになるだろう。



会社概要

ソフトバンクモバイル株式会社
所在地: 〒105-7317 東京都港区東新橋1-9-1
代表者: 孫 正義
資本金: 1,772億5,100万円
売上高: 1兆7,238億5,900万円
従業員数: 約6,300人
設立: 1994年4月1日
事業内容:
移動体通信事業およびこれに付随する業務等
移動体通信にかかわる電気通信用品およびシステムの保守、販売
電気通信に関するソフトウエアの製作および販売
URL: http://mb.softbank.jp/このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 通信・メディア
  HP QuickTest Professional Software
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