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製造業ソリューション 導入事例

シャープ株式会社 液晶三重工場

導入事例

シャープ株式会社 液晶三重工場
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AlphaServerとOpenVMSで、24時間x365日連続稼動する液晶パネル生産工場を短期間に立ち上げ、平均3倍以上の生産効率アップを達成

シャープ株式会社(以下:シャープ)は、1973年、世界で初めて液晶ディスプレイの実用化に成功して以来、フルカラー化や大型化、高画質化など、常にイノベーションを先導してきました。
さらに今日では、「さあ、液晶世紀へ」というTV CMからもうかがえるように、「液晶デジタルネットワーク戦略」による「デジタルニューライフ・ニュービジネスの提案」を掲げ、液晶応用商品の開発を精力的に進めています。こうしたシャープの液晶製品戦略を支えているのは、液晶専門工場として世界最新設備と最大規模を誇る液晶三重工場の存在です。
同工場は、HP OpenVMSベースのHP AlphaServerをプラットフォームとしたCIMを推進し、液晶パネル生産の完全自動化を実現、従来の生産ラインより平均3倍以上(自社比較)の生産効率アップを実現しています。
ビジネスの背景
システムの課題
システムの構築
システムの効果
会社概要
液晶三重工場 レジストパターン工程
液晶三重工場
レジストパターン工程

事例キーワード

製品: AlphaServer / OpenVMS
業種: 製造業:電機・半導体
ソリューション: CIM・MES

ビジネスの背景

長年のCIM稼動経験のノウハウをベースに短期間に三重工場を立ち上げる

CIMデベロップメント&オペレーションルームのオフィス風景
  CIMデベロップメント&オペレーションルームのオフィス風景
ARRAY工程 自動制御システム画面
  ARRAY工程
自動制御システム画面
素材供給、パネル生産、検査に至る全工程、さらに製品の倉入れに至る一連の流れを、トータルにシステム管理するCIM(Computer Integrated Manufacturing)に対するシャープの取り組みは早く、1987年には基本システムの開発がスタート。90年1月には、LSI(Large Scale Integration)製造の主力工場である福山第2工場への導入を図り、約500台の装置を制御する自動工場を完成させました。その後、同社の自動工場は福山第3・第4工場へと広がり、LSI、超LSI、さらにフラッシュ・メモリ・チップなどを含む次世代ICなどの生産を担う合計約1,500台の装置を制御する規模に拡大しています。s

さらに、LSI工場のなかで獲得された成果やノウハウを活かしながら、LCD(Liquid Crystal Display)工場へのCIM展開計画が進められ、92年には液晶天理工場導入に向けた開発がスタート。その結果、2年後の94年には、同工場における完全自動生産システムが完成しました。

液晶三重工場は、以上の経緯のなかで世界最先端と称されてきた液晶天理工場の生産システムや生産技術をベースに、新しい「液晶応用時代」を拓く戦略拠点として設置され、95年10月に第1工場が生産を開始。さらに2年後の 97年には、全自動生産ラインをもう1本追加し、シャープの液晶戦略の要としての役割を担ってきました。
 この液晶三重工場は、より大型・高画質な製品への時代要請に応えるために開設された工場です。しかし、そのためには、各プロセスの進捗状況や生産情報を収集・統合しながら、重量40kgにも及ぶ大型のガラス基板(カセット重量含む)を、精密かつ高速で処理することが求められていました。したがって、人力を介した生産は不可能であり、当初から搬送系を含めたCIMを駆使した全自動工場として立ち上げる必要がありました。
 「私たちは、工場を短期間で立ち上げるための最も重要な基幹システムの"テンプレート"がCIMだと考えています。つまり、各装置群で処理する各工程の生産ルート、処理条件等を自動的に設定できる自動生産機能、また、生産している製品の完成度が確認できる品質情報を自動収集管理する機能など、生産立ち上げ時にクリアすべきポイントをCIMの機能として事前に整えておくことで、実際の装置導入時に短期間で安定稼動が実現できるわけです。

河村 幸一氏
  液晶開発本部
液晶生産技術センター
CIM推進部長
河村 幸一氏
このように、CIMには装置制御、自動搬送制御や生産ライン運用、品質制御などに関わる私たちの全生産ノウハウが投入されているのです。もちろん、生産第一線を担うこのシステムは、一度構築すればそれで終了というものではありません。液晶パネルサイズや品種の多様化、それに伴う装置の変更や入れ替えにも即座に対応しながら、常に全体最適を実現できるフレキシビリティ、そして時代のニーズに対応した成長性を有していることが重要なポイントとなります。
そこで日々の運用のなかで検証を重ね、システムのブラッシュアップを図りながら、恒常的な機能アップを実現していく姿勢が大切なのです」(河村部長)

システムの課題

自動化は全プロセスを通じたスムーズなデータ流通とシステムの連携が条件

CIMによる自動生産を支える AlphaServer
  CIMによる自動生産を支える AlphaServer
液晶の生産を管理するシステム群
  液晶の生産を管理するシステム群
もちろんLSI工場でのノウハウが、そっくりそのままLCD工場に適応できるわけではありません。したがって、液晶三重工場の立ち上げには相応の工夫が必要でした。LSIの場合、液晶に比べてその工数は多く複雑ですが、前工程をしっかりコントロールできれば、製品品質の確保が可能となります。

これに対して、人の視覚に直接訴える製品である液晶ディスプレイの場合には、工程途中での製品品質の自動判別が難しく、最終的に製品が完成し、実際に映像を映し出して人間が判定する官能検査への依存度が高く、万一不具合があった場合には工程を遡って、生産条件の相関関係をしっかり把握した上で、原因を追及し、解決を図る必要があるのです。さらに、液晶ディスプレイ生産ラインの長さ、歩留まりの動変などに伴う生産計画変更、高いクリーン度を維持するコントロール、各プロセス装置のバラツキの制御、工程管理を行う為に必要な情報量の多さ、そして24時間×365日無停止で安定稼動する信頼性など、多くの課題が存在していたのです。

「まず液晶ディスプレイのCIMシステム開発に先立って、各工程の責任者からの運用要望をとりまとめ、その結果をシステムに反映させるように心がけました。また液晶ディスプレイ生産では、アレイ工程(ロット管理)→液晶工程(基板管理→パネル管理)→パネル検査工程(パネル管理)→モジュール工程(モジュール管理)という各工程間で収集されるデータ(ロット履歴、検査データ、測定データ、基板履歴、パネル履歴、欠陥情報、検査判定結果など)の相関関係が非常に重要となります。
 官能検査の結果、不具合のあるモジュールが見つかった場合、前段階のパネルの製造条件、さらに前段階である基板の製造条件、さらにその前段階のロットの製造条件と、次々と遡ってチェックを行わなければ原因を特定できません。つまり液晶生産のシステム化に際しては、搬送を完全自動化し、各プロセスごとの全処理履歴、仕掛品の詳細情報の自動収集と原因追及が容易に行える技術解析の充実がポイントとなりました。」(河村部長)
 また、自動化生産システムの安定稼動が最も重要な条件であり、そのためには各装置とシステム間の通信機能が重要になります。したがって通信手順の標準化がシステムの安定度や完成度を高める鍵を握っています。しかし、業界標準プロトコルであるSECSは、マニュアル・オペレーションを重視しているためにカスタマイズの幅が広く、そのままでは、全自動化ラインへ対応することは困難であり、多くの標準化が要求されました。そこでシャープでは、通信ドライバの独自開発や装置メーカの協力などを仰ぎながらプロトコルの仕様を統一し、全装置からの詳細な情報を収集し正確なコントロールができる基盤を築いたのです。


システムの構築

Web技術による情報共有体制の確立

塩川 利昭 氏
  液晶開発本部
液晶生産技術センター
CIM推進部副参事
塩川 利昭 氏
島田 晴之 氏
  液晶開発本部
液晶生産技術センター
CIM推進部副参事
島田 晴之 氏
CIMのメリットは、マネジメント層が工場内の製造に関する情報をリアルタイムに一望したり、あるいは各部門が必要に応じて前後工程の進捗状況や操業状況を参照する、さらに技術解析結果を確認することによって、プロセス間相互の有機的なリレーションを図ることができる点にあります。液晶三重工場では、このようなリアルタイムな情報をビジュアライズして共有する基盤に、Web技術の活用を図りました。
 「ライン制御や操業に関するさまざまな情報を、ブラウザの簡単な操作だけで表示することができるようにしました。また旧来の工程別帳票も、そのままのイメージでWebに載せ、各現場からスムーズな入力〜確認ができる環境を築きました」(塩川副参事)
 「この仕組みのおかげで、生産を取り巻くあらゆる情報を自在に引き出すことができます。もちろん、それぞれの必要性や役割に応じて、アクセスへの権限階層を設定しました。とはいっても、工場のシステムは何よりも安定稼動が最優先であり、また基本的には閉じられた構内のクローズド・ループのなかで動くものですので、これまで外部からアクセスに関するセキュリティの確保にそれほど神経を尖らせる必要はありませんでした。

しかし今後は、例えば営業部門が工場の外から進捗状況を確認したり、多品種小ロット生産傾向のなかで、よりきめ細かいデリバリ管理を実行するなど、外部を含めたデータ・バリュー・チェーンの構築が不可欠です。したがってセキュリティ対策にも、一層大きなパワーをかけていきたいと思っています」(河村部長)

システムの効果

「枯れたOS」の信頼性と可用性を武器に生産効率の飛躍的向上を実現

シャープでは、90年、LSI製造の福山第2工場でCIMを導入以来、自動工場の制御を司るCIMシステムは一貫してHP OpenVMS上で構築、そのプラットフォームもVAXからAlphaServerへと引き継がれながら成長を遂げてきました。
 液晶三重工場のCIMも、その間に蓄積したノウハウを受け継ぎ、OpenVMSとAlphaServer上で構築しています。さらに、24時間無停止で安定稼動する信頼性を高めるために、サーバ群はもちろん、サーバ相互を結ぶFDDIリングと各種装置や検査機器を仲介するルータやハブもデュアル・ノードによるホット・スタンバイ構成としました。
 「OpenVMSは十余年の歴史のなかで、私達自身が検証を重ね、バグシューティングなどを含めて鍛え上げてきた資産です。いわゆる『枯れたOS』として完成されたバックボーンであり、その意味では十全の信頼を置いています。また、完全なアッパー・コンパチビリティが保たれているので、いつでも最新のマシンへの移行が可能な点も大きな魅力です」(河村部長)
 「AlphaServerの速さと信頼性は、自動工場を運用する上で大きな戦力となっています。また導入以来、24時間×365日連続運転を実行していますが、大きなトラブルはありません。当工場では、毎年1月と6月に定期メンテナンスを行いますが、その間もマシンを止めるのはわずか24時間以内です」(島田副参事)
 このように液晶三重工場は、これまでLSIの製造で蓄積してきたCIM資産を継承・発展させ、大型ガラス基板を精密、高速かつ安定的に処理するための新しい生産システムと生産プロセスを開発し、高付加価値・高効率ラインを構築。それまで世界最先端とされていた液晶天理工場の最新ラインと比較しても、平均3倍以上の生産効率アップを実現したのです。

さらに、経営に貢献するシステムとして成長性を発揮

PC・インターネットの急速な拡大やデジタル情報家電の普及、さらにBSデジタル放送のスタートなど、TFT液晶モニタの需要は今後さらに急激な伸びが予想されます。液晶三重工場では、このような市場ニーズの高まりに応えるために、目下第2工場の展開を急いでいます。2000年8月には第1期生産ラインが稼動し、さらに2001年4月には、第2期生産ラインが導入される予定です。
 大きな成長性を秘めた市場環境のなかで、順風満帆な発展を遂げている同工場のCIM最前線を担う皆さんに、今後の抱負やHPへのご要望などを伺いました。
 「第2工場立ち上げのなかで、システム面でもさらに機能アップを図っていきたいと思います。同時に、台湾のQuanta社との協業であるQDI(Quanta Display Incorporation)社でも、今秋をメドとしてシステム対応を図り、それを運用する人材の育成にも注力していきたいですね。当工場のCIMは、まさにノンストップで稼動し、生産性に直結する存在ですので、HPには今後ともメンテナンスや運用面でのサポートを強化していただきたいと思います」(島田副参事)
 「私達は第2工場の立ち上げと併せて、目下生産情報を統合・分析し、投入計画や工程処理計画、さらにボトルネックの検出、対策や、メンテナンスの最適化を図るプランニング・システムの強化・充実を進めています。ここにおいて、納期の予測と短縮などが実現し、さらにCIMの本領が発揮されることになります。HPには、そのための国内外、他業種をも含めた幅広い事例や情報の提供をお願いしたいですね」(塩川副参事)
 「当社のCIMは、装置制御とプロセス情報の収集という面では、既にかなりの完成度を獲得しているものと自負しています。さらにこれからは、収集された情報を収益性やその推移などを確認しながら、工場サイドの情報を経営管理や意思決定の原資として活用する体制を強化していかなければなりません。折から、シャープではSAP R/3の導入を進めており、目下そのなかにおけるCIMデータの活用を本格化していくべきターニング・ポイントにさしかかっています。HPには、AlphaServerのさらに強力な足回り強化とともに、SAPなどERPベンダとのアライアンスやパイプをフルに発揮した新たな提案をお願いしたいと思います」(河村部長)
 新しい高速、高精細、大画面の製品や高い品質はもとより、生産効率や情報の戦略的な活用など、あらゆる点で液晶生産の国際的なフラッグシップ役を果たすシャープの優位性を支えるCIMは、文字どおりHP NonStop TM eBusinessの思想が具現化されたものということができます。 HPは今後とも良きパートナーとして、最適なソリューションを提供してまいります。


シャープ株式会社 液晶三重工場 概要

所在地: 大阪府大阪市阿倍野区長池町22-22
液晶三重工場:三重県多気郡多気町大字五佐奈地1177-1
代表取締役社長: 町田勝彦
資本金: 2,040億6,600万円(2000年2月29日現在)
売上高: 1兆8,547億円(連結決算、2000年3月31日現在)
従業員数: 23,800名(1999年9月30日現在)
設立: 1912年
事業内容: AV機器用やデジタル情報家電向けの大型超高精細・高画質の液晶パネル生産
URL: http://www.sharp.co.jp/

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