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セイバー・ホールディングス
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セイバー・ホールディングスは、1960年代に世界最初のオンライントランザクション処理である航空券座席予約システムを構築した企業である。いまや同社のネットワークは、113カ国5万社以上の旅行代理店、400社の航空会社、6万のホテル、32社のレンタカー事業者を結ぶまでに成長。世界の旅行業務シェアの36%を占め、年間4億3千万件の予約業務を処理している。そして2000年、セイバーはメインフレームで構築されてきた同社システムのオープンシステムへの全面移行を開始した。新たなシステムの核となったのは、HP NonStopサーバ+Linuxおよびオープンソース・ソフトウェアというハイブリッド構成。それぞれの特性に合った処理を組み合わせることで、運用コストの削減と開発効率の向上を同時に実現したのである。
HP NonStop サーバ導入事例
お客様のチャレンジ
  ソリューション
  ビジネスベネフィット
  会社概要

事例キーワード

 
業種: 運輸・流通業
ソリューション: eCommerce
製品: HP NonStopサーバHP ProLiantサーバHP Integrityサーバ
ソフトウェア: Linux
 

お客様のチャレンジ

世界最初のOLTPである航空券座席予約システムを構築

セイバー・ホールディングス(以下、セイバー)は、1960年代に世界最初のOLTP(オンライントランザクション処理)である座席予約システムを構築した企業として著名な存在である。  
そもそもの始まりは1953年、IBMとアメリカン航空の双方の社長が偶然同じフライトに乗り合わせたことがきっかけという。このとき二人の間で交わされた雑談で、航空機の座席予約を電子的に処理するというアイディアが生まれた。その後、両社は1960年にオンライン座席予約システムSABREを共同で開発する。これは当時、世界最大のリアルタイムデータ処理システムであった。70年代になると、各地の旅行代理店に端末を配置し、そこから直接予約を行うオンライン・サービスを開始。航空会社だけでなく、ホテル、レンタカー、船舶、鉄道なども代理店と直結し、システムは急成長を遂げた。さらに80年代後半には、easySabreと呼ばれる世界最初のパソコン通信によるオンライン予約サービスをスタートさせた。パソコン通信サービスCompuServeを通じて、エンドユーザが直接予約できる環境が整えられた。  

いまや同社のネットワークは、113カ国の5万社以上の旅行代理店、400社の航空会社、6万のホテル、32社のレンタカー事業者を結ぶまでに成長。世界の旅行業務シェアの36%を占め、年間4億3千万件の予約業務を処理するという最大規模のミッションクリティカルなOLTPシステムとなっている。
 
セイバー・ホールディングスに属するグループ企業
図1:セイバー・ホールディングスに属するグループ企業

オープンシステムへの移行を決断

そして2000年、セイバーは、長らくメインフレームで構築されてきた同社システムのオープンシステムへの全面移行を開始した。このレガシーマイグレーションを指揮した米国セイバー・ホールディングスのバイスプレジデント、アラン・ウォーカー氏は、次のように説明する。「一般にこうしたレガシーマイグレーションでは、フロントエンドのLinuxサーバで簡単なインタフェース機能を担当させつつ、バックエンドではメインフレームをそのまま使うような企業も多いが、我々のアプローチは異なる。バックエンドのメインフレーム全体をオープンシステムで置き換えた」(アラン氏)。  

こうした大々的な移行にセイバーを駆り立てたのは、レガシーシステムが抱えていた3つの問題である。「1つはコストの問題。メインフレームは、ハードウェアだけでなくOSのコストも高い。2つ目はデータの柔軟性の問題。ビジネスは急速に変化するため、データの柔軟性が企業にとって死活問題となる。例えば、企業がいまどの程度の収益を上げているのか、リアルタイムに把握する必要がある。また弊社の場合、国家安全保障の観点から、政府機関がデータに柔軟にアクセスできなくてはならない。3つ目は人材の問題。最近では、新卒で入社してくる社員の多くがC++やJava、SQL、XMLに慣れている。これに対してレガシーシステムの開発には、メインフレーム技術に熟知した人材を集める必要がある。これら3つの問題は、すべて企業のコストや収益機会に結びつく」(アラン氏)。

HP NonStopサーバとの出会い

とはいえ、上述のとおり、セイバーのシステムは世界最大規模のOLTPシステムである。移行先の受け皿となるプラットフォームの選択は容易ではなかったとアラン氏は説明する。「プロジェクトの当初からWindowsやLinux、UNIXといったオープンシステムを対象に検証作業を実施してきた。しかし、我々が求める信頼性、トランザクション量、データベース規模に対して、それらのプラットフォームでは要求を満たせないことが明らかになった。しかし2000年にHP NonStopサーバの担当者と出会い、同サーバによる検証作業を開始した。その結果、大量のトランザクションを24×7で扱いつつ、オープンシステムのインタフェース上でC++やJavaを利用するという我々の要件を満たせることが分かった」(アラン氏)。

この出会いをきっかけに、セイバーの次期システムの中核を担うプラットフォームとしてHP NonStopサーバが正式に選出され、実際のマイグレーション作業が開始されたのである。

ソリューション

最適解はHP NonStopサーバとLinuxサーバのハイブリッド構成

セイバーのOLTPシステム構築の難しさについて、アラン氏はこう要約する。「チケット購入時の料金計算には、30億通りもの組み合わせがある。この計算を少しでも間違えると、差額を代理店が弁償しなければならない。その一方で、空席確認は必ずしも購入に結びつかないため、スピードと低コストが重要になる。このまったく違う2つの問題を解決する必要がある」。そこで同社がたどり着いた最適解は、HP NonStopサーバを中心にLinuxサーバを活用したハイブリッド構成だ。「システムの運用開始後、ショッピング機能の負荷が次第に上昇したので、その部分はLinuxサーバに移行した。つまり、LinuxサーバとHP NonStopサーバを組み合わせることで、Linuxサーバによるスケールアウトのメリットが得られた」と同氏は述べる。
 
マイグレーション後のシステム構成
図2:マイグレーション後のシステム構成
  図2に示すとおり、空席確認などのスピードとスケーラビリティの要求されるショッピング機能は、170台のHP ProLiantサーバと45台のHP Integrityサーバで構成されたLinuxサーバ群で実装されている。その背後には12台のHP NonStopサーバが控えており、マスターデータベースからLinuxサーバへと空席情報がレプリケーションされる仕組みである。

HP NonStopサーバとLinuxサーバの役割分担

このハイブリッド構成におけるHP NonStopサーバとLinuxサーバそれぞれの役割分担について、アラン氏はこう述べる。「HP NonStopサーバは、高信頼・高スケーラビリティのデータベースとして使用する。なぜなら、予約サービスがストップすればビジネス全体が立ちゆかなくなるからだ。また例えばチケット購入処理は、価格の正しさを保証する必要があるため、HP NonStopサーバで計算を行う。一方、Linuxサーバはショッピング機能を担当する。ちょうどウィンドウショッピングのようなもので、料金計算のためにとても複雑な検索処理が必要になるが、直接の売り上げにはならない。そこで購入前のチケット検索は、より低コストで高速なシステムであるLinuxサーバで処理する。チケット購入後の課金情報と発注情報はHP NonStopサーバに反映される。これらのHP NonStopサーバとLinuxサーバは、単なる『バックエンド』と『フロントエンド』とは異なる。それぞれの特性に合った処理を担当する並列処理システムといった方が正しいだろう」(アラン氏)。

今後セイバーでは、現在でも一部分に利用されているメインフレームを撤廃し、1年半後にはHP NonStopサーバに完全移行する計画だ。またHP NonStopサーバについても、インテルItaniumプロセッサベースの最新モデルの導入を検討している。

ビジネスベネフィット

トランザクションあたりの運用コストを約40%削減

アラン氏


Sabre Holdings
Vice President
Alan Walker氏
こうしたハイブリッド構成によるレガシーマイグレーションにより、トランザクションあたりの運用コストがおよそ40%削減されたという。また、メインフレームでは困難であった機能拡張も容易になったため、もともとは10〜20種類であったオプション機能が、いまでは200種類以上提供可能となった。  
とりわけアラン氏が強調するのは、「ビジネスの変化に柔軟に適応できる能力」である。「そもそも今回の移行は、ビジネスの変化に適応できるシステムとすることが大きな目的。以前であれば、例えばマーケティング担当者が『すごいアイディアがある。これをぜひ試したい』と提案してきても、我々IT担当者は『メインフレームではそれはムリ』『それにはとてもお金がかかる』『時間がかかる』と答えていた。これに対し、新しいシステムではいろいろなことが可能になった。『ムリだ』とは答えなくなったこと、これはとても重要だと思う」(アラン氏)。  

また、GNU C++コンパイラやMySQLなどのオープンソース・ソフトウェアを中心にシステムを構築することのメリットについて、アラン氏は「他のプラットフォームに素早く移行できること」と述べる。「例えばOpteronプロセッサ搭載のHP ProLiant DL585がリリースされたときも、アプリケーションがオープンソース・ベースであったため、すぐに導入できた。またオープンソースのツールはどれも信頼性が高い」(アラン氏)。さらに同氏は、プログラマーを取り巻く変化についてもこう説明する。「メインフレーム・プログラマーにも優秀な人材は多く、高いモチベーションも維持している。しかし最近では、大学を卒業した若くて優秀なプログラマーは、メインフレームのアセンブラを書きたがらないのが実情だ」(アラン氏)。

HP NonStopサーバは「メインフレームより信頼性が高い」

さらにアラン氏は、HP NonStopサーバの信頼性について、次のように述べた。「HP NonStopサーバのOSは、メインフレームのOSより信頼性が高いと思う。導入の初日から今までシステムがダウンしたことはなく、文句の付け所がない。これまでシステム上で発生した若干の問題は、いずれもアプリケーション側に起因するもの。そうしたとき、メインフレームではOSがクラッシュすることもあったが、HP NonStopサーバをクラッシュさせる方法はまだ見つけていない(笑)」(アラン氏)  

最後に、今後のセイバーのシステムにおけるHP NonStopサーバの位置づけについて、アラン氏はこう締めくくった。「システムの中核を担うデータベース・サーバとして、今後もHP NonStopサーバを使い続けていく予定だ。現在入手できる他のデータベース・システムには、我々が要求する処理量やスループット、信頼性に応えられるものはないだろう。もちろん、より速くてより安いシステムを求めればきりがなく、ハイブリッド構成を選択したのもそうした理由による。また、新しいItaniumベースのHP NonStopサーバではパフォーマンスがさらに向上する見込みなので、現在導入を検討しているところだ。HP NonStopサーバには今後も多くのオープンソース・ツールが統合されると聞いており、HPは正しい方向に進んでいると思う」(アラン氏)  

アラン氏が「メインフレームに勝る信頼性」と表現するHP NonStopサーバは、ミッションクリティカル環境とオープンシステムの両立を求めるユーザーにとって、まさしく正鵠を射たソリューションと言えるだろう。

セイバー・ホールディングス 会社概要

本社所在地: 米国テキサス州サウスレイク
従業員数: 約9,000名(世界45カ国)
売上高: 21億3千万ドル(2004年)
株式: ニューヨーク証券取引所に上場(NYSE銘柄:TSG)
事業概要: セイバー・ホールディングスは、1960年代に世界最初のオンライントランザクション処理である航空券座席予約システムを構築した企業である。いまや同社のネットワークは、113カ国5万社以上の旅行代理店、400社の航空会社、6万のホテル、32社のレンタカー事業者を結ぶまでに成長。世界の旅行業務シェアの36%を占め、年間4億3千万件の予約業務を処理している。
グループ企業: Sabre Travel Network、Travelocity、GetThere、他
URL: http://www.sabre.com/

  本ページに記載されている情報は取材時(2005年9月)におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。  
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