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仮想化技術を活用したサーバ統合により運用コストを大幅削減。グローバルレベルのIT標準化の基盤形成を図る

ファイザー株式会社

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世界最大の製薬企業であるファイザーでは、グローバルでビジネスを支える情報インフラの整備に積極的に取り組んでいる。VMwareの仮想化技術を活用したサーバ統合もその一環だ。このサーバ統合では、物理サーバ95%削減、運用コストの削減などの大きな成果をあげた。同社ではこの実績をベースに、グローバルレベルでも仮想化によるITの標準化を実施している。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
PDF(376KB)
ファイザー株式会社

目的

アプローチ

サーバコンソリデーションプロジェクト
Windows NT4.0とNTドメインのターミネーションおよびOracle8iのアップグレード
運用コストの削減
サーバ台数の削減
運用管理負荷の軽減
データセンタの縮小
ブレードサーバとVMwareの活用
HP ProLiant DL580の採用

システムの効果

ビジネスへの効果

サーバ関連の作業、サーバごとにあったバックアップや、トラブルが減少
サーバ台数を95%削減 (物理サーバ数220台から12台へ移行中、 3分の2が完了)
データセンタースペースを40%まで削減
アプリケーション停止による、サービス停止時間が短縮
サーバ提供のリードタイムが20分の1に短縮
OSのインストレーション時間が1.5時間から10分に
サーバ保守契約の低減、保守コスト減
不要固定資産を除却・廃棄(固定費削減)
ローカル作業だったオフラインバックアップをリモートで実行
ビジネスユーザの負担軽減
TCO削減
運用負荷軽減によるITスタッフがコア業務に集中
柔軟なIT活用を実現
オフショア化の推進

お客様背景

グローバルにビジネスを展開する世界最大の製薬企業

CIT ソリューション & エンジニアリング部 部長 福崎 巧 氏
CIT ソリューション &
エンジニアリング部 部長
福崎 巧 氏
ファイザーは150カ国で事業を展開する世界最大の製薬企業であり、ヘルスケア分野におけるリーディングカンパニーだ。「Working for a healthier world 〜より健康な世界の実現のために」という企業理念のもと、人々のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の向上に寄与することを目指している。

1849年、米国で創業を開始したファイザーは、ペニシリンの量産に世界で初めて成功した企業として知られる。業界の最先端をいく同社の研究開発体制と研究開発投資から生まれる新薬は、医療用医薬品、動物用医薬品、農薬までをカバー。医療用医薬品事業では、高血圧治療薬をはじめ、高脂血症治療剤などの循環器系用剤のほか、感染症、中枢神経系疾患、泌尿器疾患、ガン、内分泌系疾患、眼科など幅広い薬剤を提供している。また、畜産(牛・豚)およびコンパニオンアニマル(ペット)向け動物用医薬品、緑化・果樹蔬菜向けプラントヘルス製品なども提供している。

全世界共通のインフラ構築に取り組む

しかし、製薬業界はグローバル競争を勝ち抜くために合従連衡が激しく、研究開発への投資とスピーディなビジネス展開が求められる。ファイザーも2000年に米国ワーナー・ランバート社と合併、2003年には米国ファルマシア社を統合するなど、その企業規模を拡大させてきた。グローバルレベルで情報共有の仕組みを整備することは、競争優位を維持する上で必然的アプローチだった。

また、変化の激しいビジネス環境に迅速に対応するために、経営資源の「集中と選択」によるコアコンピタンスの強化にも取り組んできた。そのために重要な役割を担っているのがITだ。同社のCITソリューション&エンジニアリング部 部長 福崎巧氏は次のように話す。

「2003年にファルマシアと合併したことによって、複数のITインフラが並存して固定費が増加したため、それを変動費に変えるようグローバルレベルで生産性を上げる取り組みを行ってきました。具体的には両社のシナジー効果を出しつつ重複を削り、全世界共通のユニークなインフラ構築に取り組んで電子メールやドメインの統合を行うことです。その一環として各国で乱立するIT基盤をアメリカ、ヨーロッパ、アジアパシフィックの3つに集約することになりました」


ソリューション

インフラの課題を仮想化技術で解決

こうしたグローバルなIT戦略を背景に、日本のインフラの再構築も検討された。当時、インフラで使用していたWindows NTやOracle8iのベンダーサポート停止が目前に迫っており、早急な対策が必要だったからだ。さらに、サーバ数の増大による障害の頻発、それに伴うサーバ維持コスト(運用、保守、障害対応)の増加、データセンタースペースの増加(拡張、増設の可能性)、固定資産の増加も大きな問題だった。

こうした日本のインフラ再構築に際しては、固定費を変動費に変えるというグローバルな方針に加えて、「通常のサーバ統合ではアプリケーションの集約、共存により環境が変わり、ビジネスユーザに運用上の制限を強いることになります。また、サーバ統合は融通性がなく制約が多いのが実際です。アプリケーションごとでのフレキシブルな運用実現することでユーザのニーズに応えるには、通常のサーバ統合では限界があった」(福崎氏)ことも考慮すべき点だった。そこで、インフラ再構築にあたって次のような方針が掲げられた。

  • ハードウェア上のOS、アプリケーションパーティション化、ユーティリティ化を検討。筐体数の削減、余剰リソースの活用(可能な限りバーチャルOSの可能性)を図る。
  • 資産を固定化せず、コスト削減機会を増減させる。
  • 標準化OSイメージの配布を行うツールを活用する。サーバリソースの即時提供とユーザの操作感の保持を図る。
  • 旧バージョンのOSやデータベースを使用するシステムをVMwareに移行して古いハードウェアを一掃。データセンタースペースを縮小する。
  • ハードウェア障害時にOSレベルで即時復旧できる(開発、バックアップ)環境を構築する。

こうした方針に従って、グローバルIT部門において、コスト削減計画の主軸としてVMwareが採用される。6000人のユーザが利用する大規模なインフラが仮想化技術によって再構築されるという他に例を見ない選択だった。VMwareは日本でも使われていたもののこれほどの大規模利用はほとんどなく、相応のリスクも覚悟しなければならない。しかし、ファイザーではVMwareを活用したコンソリデーションの実績があった。

「アメリカの研究開発部門でVMwareの実績があり、2003年に名古屋の中央研究所でもVMwareを導入し、プリントサーバやWebアプリケーションを稼動させ、2年ほど活用していました。確かにリスキーでしたが、試してみたら簡単に使え、安定稼動したという結果があったのです。その間トラブルもほとんどありませんでした。これならファイザーの主要なソリューションになると考えました。そこで、Windows NT4.0、NT ドメインのターミネーション、運用コストの削減、サーバ台数の削減を目標として、2005年11月にVMwareを導入開始したのです」(福崎氏)


効果と今後の展望

劇的な仮想化の効果

VMwareによるインフラ統合であれば使い勝手は変わらない、とはいっても新しい環境に移行するには努力が必要だったのも事実だ。ファイザーでは、仮想インフラへの移行進捗度を各部門責任者がマネージメントの前で発表するという形で進捗確認を行った。トップダウンでもボトムアップでもなく、ミドルアウトで調整を行ったことが迅速な移行を実現したポイントだったという。

「VMware P2V Assistant(既存の物理マシンのイメージをVMware仮想マシンに移行するための移行ツール)を活用してユーザの使用環境を簡単にコピーできるので、新しい環境にスムーズに移行できた。当初、サーバ環境を準備しましたが、移行が全く進まない状況でした。たとえて言うと、アパートを造ったが、誰も入居者がいない状況。そこで、ユーザの利用環境を実現し、すぐに生活できる環境を整えました。つまり、家具つき部屋のように生活をしていただいて、快適なら、本番移行してもらう、というものです」(福崎氏)

エンドユーザにとってVMware環境へ移行できない理由がなくなり、そこに部門責任者の移行促進が加われば移行は加速する。その移行促進の牽引役として、会議の場での進捗度点検が有効に機能し、Windows NT環境からWindows 2003のマルチランゲージ環境へ移行が成功した。こうした「NT ターミネーション作戦」は全世界で展開され、日本では使用頻度が減ったアプリケーションを50本同時に処分し、システム廃棄するなど大きな効果を得ることができたという。

「220台のサーバを12台のHP ProLiant DL580に集約していくことで不要なサーバ保守契約の解約が可能となり、また、データセンタースペースも40%まで削減することができ、コスト削減を実現できました。さらに、V-Motionにより、アプリケーションの停止時間がなくなり、サーバ提供時間が20日から1日に、OSのインスタレーションが1.5時間から10分になるなど、大きな効果を得ることができました。ユーザにとって、何より、トラブルが少なくなったことが大きなメリットだと思います」(福崎氏)

さらに仮想化によって、不要固定資産の除却・廃棄、アプリケーション停止時間の短縮(過去2回のメンテナンスの際アプリケーション停止なし)、ローカル作業であったオフラインバックアップのリモート化、雛型作成・メンテナンスの簡便化(VMwareのテンプレート機能)が実現するなど、仮想化のメリットは絶大だ。VMwareに移行した現在、220台中120台(論理OS)を、VMwareサーバ12台に移行し、残りのサーバは移行検証中だ(実際には廃棄するサーバもあるので、すべてがVMwareに移行するわけではない)。1台のサーバに12から15のOSを載せた12台のサーバを3グループに整理することで6000人のユーザが仮想インフラを利用している。

「ハードウェアとしてHP ProLiant DL580を採用した理由は、VMwareのグローバル標準サーバであった点にあります。仮想インフラのトラブルは少ないのですが、いったんトラブルが発生すると、修復に時間がかかったのも事実です。仮想化のためトラブルの切り分けが難しく、原因究明が困難だからです。ただ、現在までに発生したトラブルは2件ほどで、サーバ集約前に比べて格段に減っています。われわれIT部門の人間がトラブル対応などから解放され、ビジネスに役立つシステム開発という本来のコア業務に注力できる点も大きなメリットです」(福崎氏)

サーバコンソリデーション
サーバコンソリデーション

インフラもオフショアを積極的に活用

構築された仮想インフラの日常的なメンテナンスは、ファイザーのシステム運用を一手に担っているHPが担当する。それだけにHPに対する期待は大きい。ファイザーでは、仮想化技術の実績をベースに適用範囲をグローバルに拡大することや、ITの柔軟なライフサイクル管理の運用において、結果として、ハードウェアとソフトウェアを分離できることも想定しており、仮想化技術に対する今後の期待は高い。HPも従来の運用面だけでなく、システム構築の面でも新たな取り組みが期待されている。

「ハードとソフトの分離は、いわば土地と建物を分離するようなものです。今までアプリケーションはハードと一体となっていたため変化に柔軟に対応できませんでしたが、ハードとソフトを容易に分離できれば、ビジネスニーズに対応したアプリケーションを迅速に用意できます。しかも、仮想化技術を使うことでサーバ台数を少なくできるのでコストメリットも大きくなります。また、オフショア化によってサーバを日本に集約する必要もなくなります。HPが運営している大連のサポートセンターのように、インフラの面でもオフショアを積極的に活用していきたいと考えています。今やファイザーのITは日本のビジネスに役立つというだけでは許されず、常にグローバルな視野で考えなければなりません。われわれITスタッフもグローバルプレイヤーにならなければならないのです。その面で、パートナーであるグローバル企業、HPの協力を期待したいところです」(福崎氏)

グローバルなIT標準として仮想化技術を活用

さらに、ファイザーではグローバルレベルでターゲットアーキテクチャを定義し、共通点が多い業務システムは統合する、いわばグローバルユーティリティを実践に移そうとしている。その手段としても仮想化技術が有効という認識だ。しかし、グローバルユーティリティを実現するには、統一した、AHS(Application Hosting Service)、ASD(Application Service Delivery)、BCP(Business Continuity Plan)やDRP(Disaster Recovery Plan)などが求められる。

「現在、グローバルユーティリティを実現するために、グローバルレベルのMSP(Managed Service Provider)構築に取り組んでおります。今後はMSPとともにインフラのオフショア化を進めていきたいと考えています。今回の経験でグローバル化はそんなに怖くないという実感をもちました。通常、ビジネス要件が決まらないとサーバのサイジングなどもできませんが、仮想化技術を使えば容易に対応できるからです。さらに、VMwareはBCPやDRPにも有効だと考えています。その意味でもファイザーのIT標準としてVMwareをもっと活用したい。また、インフラをオフショア化すると縛りがなくなり、運用も大変楽になります。HPには運用レベルで、仮想化技術を強力にサポートして欲しいと考えており、そのために、VMwareのスキルなど、エンジニアのレベルを上げていただきたいと思います」

仮想化技術による大規模インフラ統合の成功によって、今後は仮想化技術をグローバルなIT標準として活用することを促進し、HPとともにその適用範囲を拡大することが期待される。


会社概要

ファイザー株式会社
所在地: 東京都渋谷区代々木3-22-7 新宿文化クイントビル
代表取締役社長: 岩崎 博充
資本金: 648億円(2006年11月末現在)
設立: 1953年8月1日
事業内容: 医療用医薬品、動物用医薬品、農薬の製造・販売・輸出入
URL: http://www.pfizer.co.jp/pfizer/ このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 製薬業
  仮想化サーバコンソリデーション
  HP ProLiant DL580VMware

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