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HP OpenView導入事例

株式会社NTTデータ

導入事例

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基幹系システムが求める信頼性への要求をHP OpenViewが実現

1996年に始まった損保会社による生保参入を、強力に支援してきたNTTデータの「SCRUM」。この共同センター型システムの一部が、参加企業の1社である三井住友海上きらめき生命保険のWeb化・オープン化構想に基づいてオープン化され、2003年8 月から本番稼働を開始した。最大の狙いはアプリケーションの開発生産性向上。これによって商品対応力の強化が目指されているのだ。システム監視基盤にはHP OpenViewを採用。幅広い領域をカバーした漏れのない監視によって、基幹系システムが求める信頼性への要求に応えている。

事例キーワード

製品: HP OpenView
業種: 通信業,研究開発,その他
ソリューション: 運用管理
ビジネスの背景
システム構築
導入の効果
今後の展望
会社概要
PDF(218KB)
株式会社NTTデータ

ビジネスの背景

損保会社による生保参入を支援した共同システムの一部をオープン化

長井 隆史氏
  株式会社NTTデータ
金融ビジネス事業本部
保険・共済ビジネスユニット
保険共同担当部長
長井 隆史氏
2003年8月、保険業界において注目すべきシステムが本番稼働を開始した。NTTデータが運営する生命保険向け共同センター型システム「SCRUM(スクラム)」の一部がオープン化され、Webアプリケーションとして動き始めたのだ。
SCRUMの歴史は1996年にまでさかのぼる。その登場の背景となったのが、1996年4月に行われた「保険業法」の改正だ。これによって損害保険と生命保険の間の壁が取り除かれ、損保会社による生保市場への参入が可能になったのである。NTTデータではこの動きを先取りし、1994年からSCRUMの開発に着手。ホスト中心型のシステム構築を行い、改正された保険業法の施行に合わせて共同センターの提供を開始しているのである。

「SCRUMの最大の狙いは、損保会社が生保市場に参入する際のシステム立ち上げの負担を軽減することにあります」と説明するのは、NTTデータでSCRUMシステムを担当している長井部長。生命保険の業務を遂行するためのアプリケーションはかなり大規模なものになるため、1社だけでゼロから作り上げるにはコストも時間もかかりすぎる。そのアプリケーション規模は団体保険と普通保険を合わせると、プログラム行数で600万行(ホスト上で稼働するPL/1 の場合)にも上るというのだ。そこでNTTデータでは複数の損保会社に対してシステムの共同化を提案。まず最初に4社がこの話に参加し、共同センターの設立につながっていったのである。「生命保険のアプリケーションを構築するには、大手生保でも3年以上かかります。しかしSCRUMの構築に要した期間ははわずか2年。これはまさに共同化の最大のメリットだといえるでしょう」

図1
  図1
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図2
  図2
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もちろんこれを可能する上で重要な役割を果たしたのが、NTTデータが持つ豊富なノウハウであることはいうまでもない。NTTデータではすでに、保険関連システムで開発実績が多々あり、この領域における膨大な経験を蓄積しているのだ。また保険共同ゲートウェイの構築も行っており、共同センター型システムの運営にも秀でている。もちろんシステムの設計には保険関連の知識を持つエンジニアが参画しており、保険関連資格の取得にも積極的に取り組んでいるのだ。

さらに2001年には、参加会社の1社である三井住友海上きらめき生命保険の構想に基づき、Web化・オープン化の検討もNTTデータによって実施されている。その背景を長井氏は「コスト競争力と商品対応力を高めるにはホスト中心型では限界があるから」だと説明する。保険市場は自由化の進展によって競争が激しくなっており、競争力を維持・拡大していくには、顧客にとってより魅力的な商品を迅速に市場へと投入することが求められる。そしてそのためにはアプリケーション開発の生産性も、これまで以上に高める必要があるのだという。「オープンシステムで培われた先進的な開発手法を利用すれば、このような要求にも応えられる。基幹系システムのオープン化は、これからの保険業界にとって極めて重要な課題になるはずです」

この検討結果を受けて三井住友海上きらめき生命保険が開発を決定。普通保険の新契約システムに焦点を絞り、2002年6月からオープンシステムへの移行が開始される。移行対象となったアプリケーション規模は約120万行。これが前述のように、2003年8月に全面的な本番稼働を迎えているのである。

システム構築

RDBとの連携でコードをシンプル化 プロトタイピングで画面品質も向上

杉山圭介氏
  株式会社NTTデータ
金融ビジネス事業本部
金融戦略情報ビジネス推進室
システム企画担当
杉山圭介氏
今回構築されたシステムは図に示す通り。Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバの3階層のシステム構成となっており、この他に帳票サーバも設置され、これらがレイヤ3スイッチを介してユーザー企業となる三井住友海上きらめき生命保険につながっている。さらにユーザー企業側にもWebサーバが設置されており、センター側のWebサーバはユーザー企業の社内ユース向け、ユーザー企業側のWebサーバは代理店向けという使い分けがなされている。なお新規契約後の“保全系”アプリケーションはホスト上に存在するため、ホストとのデータ連携も行えるようにしている。

アプリケーションの記述は3種類の言語によって行われた。まず汎用的な基本機能の記述にはC言語を採用。その上で動くビジネスロジックにはCOBOLが利用されており、プレゼンテーション部分はJavaで記述されている。もともとのアプリケーションはPL/1 で作成されており、その規模は前述のように120万行に上っていた。しかしモジュール設計からアプリケーションの再コーディングまでに費やされた期間はわずか2ヶ月だったという。なおシステム図で“Webサーバ”となっているサーバにはJavaで記述された部分、“APサーバ”となっている部分にはCOBOLとCで記述された部分が搭載されている。

特に注目すべきなのは、三井住友海上きらめき生命保険の構想に基づき、以前のアプリケーションにおいて“コードの一部”に含まれていたデータを、RDB(Oracle)に移している点である。これらのデータには商品属性やエラーチェック用の情報などが含まれているが、これらをRDBで管理することで、アプリケーションの構造が非常にシンプルになっているという。もちろんこれによって商品属性の変更や業務エラーの登録も容易になっており、新商品への対応もスピードアップできる。

またユーザーインターフェースにWebを利用することで、画面まわりの開発生産性も高まっている。WebならHTMLで簡単にサンプル画面を作成できるため、プロトタイピングによって短期間で仕様を確定できるのである。ユーザーからの要望も、具体的な画面イメージを利用することで、より具体的な形で集めることができる。ホストに比べて開発生産性を高めるだけではなく、開発成果物の品質向上も可能になったのだ。

図3:システム全体図
  図3:システム全体図
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ユーザーにとってのメリットも大きい。ホスト端末や端末エミュレータからWebブラウザに移行することで、操作性が高まるからである。ホストのアプリケーションは画面単位で動作するため、1画面入力する度にトランザクションを発行する必要がある。そのため複数画面で構成されるアプリケーションでは、画面切り替えにオペレータの待ち時間が発生してしまうのだと長井氏は指摘する。これに対してWebブラウザでは、タブの設定によって複数画面を集約することができる。オープン化されたSCRUMシステムでもこの特長が活かされており、複数画面をタブ設定で切り替えられるようにすることで、画面切り替えの待ち時間が発生しないように工夫されているのである。


導入の効果

システム監視にはHP OpenViewを採用幅広い監視対象を一元的にカバー

もちろん保険会社にとっては基幹系システムであるため、信頼性を確保することも必須条件だ。そのため今回のシステムでは、Windows 2000の帳票サーバ以外のサーバにはすべてHP-UX搭載Serverを採用しているという。「以前にもHP-UXを使ったことがあるのですが、そのときに高い信頼性を実現できたことを高く評価しました」と長井氏。今回もHP-UXなら十分な信頼性を確保できると判断したという。しかし信頼性の確保はプラットフォームの選択だけで解決できる問題ではない。システムのトラブルは様々な要因で発生する可能性があり、これらの問題を迅速に検知し、業務への影響を最小限に抑えながらシステムを復旧する仕組みも必要なのだ。

この課題に対応するために導入されたのがHP OpenViewである。その採用理由として「HP OpenViewは監視ツールのデファクトスタンダードだから」というのは、SCRUMのオープン化に参画し、ネットワーク基盤や監視メカニズムを担当した、NTTデータ金融ビジネス事業本部金融戦略情報ビジネス推進室の杉山氏。NTTデータがこれまでに関わってきたシステム構築でも数多くの実績があり、今回のシステムでも必要にして十分な機能が実現できると評価されたという。それでは今回のシステムでHPOpenViewに求められたことは、いったい何だったのか。それは「障害を漏れなく監視できること」だと杉山氏は説明する。特定の問題だけを検知できるだけでは不十分であり、サービス停止につながる幅広い現象を検知できることが必要だったのだ。

そのためSCRUMではHP OpenViewファミリーに含まれる様々な製品が導入されている。まずネットワーク監視とネットワークノードの監視にはHP OpenView network node managerを利用。サーバのパフォーマンス/ リソース監視にはHP OpenView performanceが利用され、ミドルウェアの稼働状況の監視(プロセス監視)やOS/アプリケーションのログ監視にはHP OpenView operations for Windowsが利用されている。またアプリケーションにデータを提供するOracleデータベースも、HP OpenView smart plug-in for Oracleによってきめ細かい監視が行われているのだ。「SCRUMではお客様との契約により、一定以上の時間システムが停止すると損害賠償が発生します」と杉山氏。「このようなシステムを安心して運用するにはHP OpenViewのように、システムインフラからアプリケーションまで監視できる監視ツールが不可欠なのです」

なおSCRUMではシステムの稼働状況を月次レポートにして、ユーザー企業に提供しているという。このレポートには障害に関する情報や性能管理情報等が含まれているが、そのために必要な基礎データもHP OpenViewによって収集されているという。


今後の展望

テンプレート切り替え機能でクラスタ監視の問題も解消

オープン化されたSCRUMでは、APサーバとDBサーバがHPMC/ServiceGuard によってクラスタ化されているが、HP OpenViewの採用はクラスタ監視における問題の解消にも役立っている。クラスタではノードダウンのメッセージがスタンバイノード側から送られるため、必要以上のメッセージが監視画面に表示され、本当に問題が発生した時に発見しにくくなるという問題がある。しかしHP OpenView operations for Windowsの監視テンプレート切り替え機能を利用すれば、必要に応じて特定の監視を有効化・無効化できるため、不要なメッセージの発生を回避できるのだ。今回のシステムでもこの機能が活用されており、フェイルオーバ発生前後で異なる監視テンプレートを用意、フェイルオーバ時にテンプレートを切り替えている。杉山氏も「この機能は非常に便利」だという。

図4:システム構成図
  図4:システム構成図
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今回オープン化されたのは、SCRUM全体のアプリケーションのうちわずか2割程度に過ぎないが、今後はさらに他の部分でもオープン化を進めていくことが目指されている。「最終的にはお客様のご要望に添うことになりますが、できれば全ての業務をオープン化していきたいですね」と長井氏。今回の本番稼働によってオープン化のメリットがはっきりと見えるようになれば、他の部分のオープン化も急ピッチで進む可能性があるという。その一方で、オープン化されたSCRUMをパッケージ化して他の生命保険会社に横展開する案もあり、そのための戦略も2001年から着々と練られているという。

オープン化される部分が拡大すれば、当然ながらHP OpenViewの監視対象も拡大することになる。SCRUM におけるHP OpenViewの役割は、今後さらに大きくなるといえそうだ。

 


株式会社NTTデータ 会社概要

所在地: 東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
代表取締役社長: 浜口 友一
資本金: 1,425億2,000万円
設立: 1988年(昭和63年)
事業内容: 第二種電気通信事業、データ通信システムの開発および保守に関わる各種業務、ネットワークを利用した情報処理・情報提供・商取引・決済処理業務等。
URL: http://www.nttdata.co.jp/

  本ページに記載されている情報は2003年10月時点のものになります。
閲覧される時点で変更されている可能性がありますので、予めご了承下さい。
 
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