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Oracle9i RAC & HP導入事例

近畿日本ツーリスト株式会社

導入事例

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旅行予約システムのデータベースを再構築 - HP ProLiant とHP StorageWorks の組み合わせで国内最大規模のOracle9 i RAC システムを実現

会員組織型旅行サービスの草分けとして、この業界をリードし続けている近畿日本ツーリスト。ここでは「クラブツーリズム」の旅行予約システム「FACT」のデータベースを、Oracle8 OPSからOracle9i RACへと移行した。その最大の目的はパフォーマンスの向上だ。以前は「FACT」のユーザはクラブツーリズムの販売センターに限られていたが、これを近畿日本ツーリストのすべての店舗に展開することになったからである。サーバにはHP ProLiantを利用し、4ノードのクラスタを構成。ストレージには価格性能比が高いHPStorageWorksを採用した。この組み合わせによって国内最大規模のOracle9i RACシステムが、2003年1月から動き出しているのだ。
導入背景
システムの構築
システムの効果
今後の展望
会社概要
PDF(148KB)
近畿日本ツーリスト株式会社

事例キーワード

製品: HP ProLiantHP StorageWorks
業種: 流通・サービス業/旅行業
ソリューション: Oracle

導入背景

クラブツーリズムの旅行予約システムをOracle8 OPSからOracle9i RAC に移行

「クラブツーリズム」のWebページ
  「クラブツーリズム」のWeb
ページからも旅行予約が可能
2010年には本格的な高齢化社会になるといわれている日本。高齢者が豊かな生活を楽しめる環境を、いかにして作り上げていくかはこれからの重要な課題だといえる。

この課題に対して“旅を通じたコミュニティの形成”という取り組みを進めているのが、近畿日本ツーリストの「クラブツーリズム」である。その最大の目的は、旅をきっかけにした仲間作りをサポートすること。趣味や興味、嗜好を共有する仲間が集い、旅を楽しみながらそれぞれのテーマや交流を深めていくことで、“仲間と過ごす楽しい時間”や“生き甲斐”を実現していこうというのである。

クラブツーリズムの旅の原点ともいえる「旅の友サークル」が発足したのは1991年。旅行会社によるコミュニティとしては業界初であり、長期的な視野を持った息の長い取り組みだといえる。会員組織型旅行サービスとしては業界最大規模。売上や利益に関してもこのエリアではトップクラスであり、文字通り業界をリードする存在になっているのだ。

このクラブツーリズムの旅行予約システムとして、1999年に導入されたのが「FACT」と呼ばれるシステムである。インテグレーションを日本ヒューレット・パッカード(当時はコンパックコンピュータ)が担当し、データベースサーバとしてはOracle8OPS (Oracle Parallel Server)が稼働するクラスタシステムを採用。合計4ノードのサーバがActive/Activeの状態で稼働し、仮にサーバがダウンしても他のサーバが処理を代行できるようにすることで、極めて高い信頼性を実現している。

このデータベースを利用して業務を行うのは、全国14拠点に展開されている近畿日本ツーリスト クラブツーリズムカンパニの販売センターだ。アプリケーションとしてはビィー・フリーソフト社の旅行業基幹パッケージ「TravelWINS」が導入されており、合計で約1000台を超えるクライアントが設置されている。販売センターのオペレータはこのクライアントを利用して、顧客から受けた予約を処理。システムとしての処理形態はクライアントからデータベースサーバにアクセスする、クライアント/サーバ型である。またクラブツーリズムではこの他にも、社外のアプリケーションサービスを利用した社外向けWebサイトも用意されており、ここで顧客が直接予約を入れることも可能。このWebサイトも「FACT」のデータベースサーバにアクセスするようになっている。

そして2002年秋にはこの「FACT」のデータベースサーバを、Oracle8 OPS からOracle9i RAC(Real Application Clusters)へと移行するプロジェクトがスタートする。移行に必要な準備作業や機材の手配、移行作業は今回も日本ヒューレット・パッカード が担当し、2003 年1 月には新しい環境での本番稼働を開始。Oracle9i RACを利用したものとしては国内最大規模のシステムが動き出しているのである。

システムの構築

目的は販売チャネル拡大への対応能力アップでユーザ増大に備える

浅妻 勇 氏
  近畿日本ツーリスト株式会社
本社 企画室 CRM・IT戦略チーム
課長代理 浅妻 勇 氏
それではなぜ「FACT」のデータベースサーバをOracle9i RACへと移行したのか。その理由を「販売チャネル拡大に伴う負荷増大に備えるため」と説明するのは、近畿日本ツーリスト企画室でCRM・IT戦略チーム課長代理を務める浅妻氏である。この言葉を理解するには、クラブツーリズムの商品がどのように販売されていたのかを、もう少し詳しく知る必要があるだろう。

まず商品の紹介や企画の告知、クラブツーリズムの活動内容に紹介は、会員に配布される約300ページに上る旅行情報誌「旅の友」やテーマ別冊子、クラブ会報誌、スカイパーフェクTVで放映されているテレビ番組などによって行われる。会員はこれらのメディアを通じて得られた情報を元に、クラブツーリズムカンパニの販売センターに電話をかけたり、クラブツーリズムのホームページ(http://www.club-t.com/)にアクセスすることで、さらに詳細な情報の取得や旅行予約などを行えるように なっている。このようにクラブツーリズムは、一般の店舗を組み込まずに販売プロセスを完結することが可能であったのだ。そのため「FACT」の端末もクラブツーリズムの販売センターだけに設置されており、一般の店舗には展開されていなかった。浅妻氏がいう“販売チャネルの拡大”とは、これらの一般の店舗もクラブツーリズムの販売チャネルにしていくことを意味しているのだ。

すでにクラブツーリズムの売上は、近畿日本ツーリスト全体の売上の20%を突破しており、収益の柱として重要な役割を担いつつある。またその一方で経営戦略における重要性も高まっている。近畿日本ツーリストでは2003年度の経営方針のひとつとして“CRMの実践によってお客様との関係を深めること”を掲げているが、“価値訴求型の商品”を提供し、コミュニティによって旅行以外の分野でも顧客を囲い込めるクラブツーリズムは、この経営方針を実現していく上で強力なエンジンになると考えられているのだ。このような戦略的な商品の販売チャネルを全社規模に拡大することは、ごく自然な流れだといえるだろう。

もちろんクラブツーリズムの販売チャネルとしての役割を果たすには、「FACT」端末の展開が必要になる。近畿日本ツーリストの店舗数は関連会社も含めれば約350店に上っており、各販売店に3クライアントずつ導入されれば、それだけで1000クライアント以上となる。つまりデータベースサーバは、これまでの2倍のクライアントからアクセスされることを想定しなければならないのだ。

図:システム概念図
  図:システム概念図
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またこれだけ膨大な拠点にクライアントを展開するには、クライアント/サーバ型のままではアプリケーション展開に手間と時間がかかるという問題もある。アプリケーションをWeb対応にし、Webブラウザさえあれば「FACT」にアクセスできる環境の整備も不可欠だった。そのため近畿日本ツーリストでは、店舗向けのアプリケーションとして、TravelWINSをWeb対応させたパッケージを採用している。もちろんWebブラウザからのアクセスでも、以前のクライアント/サーバ型アプリケーションに比べて遜色のないレスポンスが確保されることは、必須条件だったのである。

システムの効果

移行に必要な作業はInfraREDが実施
わずか26時間でデータ移行を完了

日本ヒューレット・パッカードではこのような要求に応えるために、サーバやストレージを最新モデルにリプレースすることと、Oracle8 OPSから Oracle9i RACへの移行を提案する。近畿日本ツーリストではこの提案を受け、前述のように2002年10月から移行プロジェクトに着手。移行に必要な作業を日本ヒューレット・パッカードに一任している。 この移行プロジェクトが日本ヒューレット・パッカードに任されたのは、これまでのFACTの構築・運用を通じて日本ヒューレット・パッカードの能力が高く評価されたからに他ならない。「特に高く評価しているのは日本ヒューレット・パッカードのヒューマンウェア」と浅妻氏。顧客のことを深く理解した上で、顧客に最適な提案を積極的に行う姿勢は素晴らしいと指摘する。「“1 ”の要求に対して“1”の答えを返すのではなく、“10”の答えを返してくれるのが日本ヒューレット・パッカード。私どもはパートナに運命共同体であることを求めているのですが、日本ヒューレット・パッカードはその期待にも十二分に応えています」

移行に必要な作業は「HP InfraRED for Oracle」サービスによって進められていった。まず最初にハードウェア特性と「FACT」のシステム特性を考慮した、移行後のシステム設計を行った上で、サーバリプレース時のデータ移行の検討を開始。プロジェクトに着手した2002年10月には近畿日本ツーリストに必要な機材を設置し、実機による検証も進められていった。ここで求められたのは、データ移行に伴うサービス停止がビジネスに影響を与えないようにすることだった。クラブツーリズムでは営業日に「FACT」を停止させることで、1日あたり5億円という膨大な損失が発生するからである。

データ移行に費やせる時間は週末の2日間のみ。すべてのデータを一気にExport/Im-portする単純な手法では、この前提をクリアすることは不可能に近い。そのため、最終形態としては同じであっても、処理時間のトータルが最短になるよう移行計画を練る必要があった。最終的にはオブジェクト単位まで移行の対象を選別し、移行させるオブジェクトと作成するオブジェクトの順番を考慮したExport/Im-portを選択した。また、移行を完了後も数百もあるクライアントの設定変更なしに今までと 同じように接続できることが必須の条件であり、Oracle8 とOracle9i の違いを吸収しつつRACでの機動性を損なわない設計が要求された。その結果、これが最も短期間でデータを移行できると判断されたのだ。データ移行作業を確実に成功させるため、移行手順も事前にマニュアルが作成され、そのマニュアルに基づいた予行演習も実施された。データ移行の本番作業が実施されたのは、2003年1月最後の週末。わずか26時間でデータ移行を完了させることに成功するのである。そして、オンラインバックアップのパフォーマンスは4倍に。


今後の展望

ProLiantとStorageWorks を組み合わせレスポンス速度を以前の 3倍に

今回の旅行予約システムに採用され、飛躍的にディスクアクセスのスピードを向上させたHP StorageWorks MSA1000
  今回の旅行予約システムに採用され、飛躍的にディスクアクセスのスピードを向上させたHP StorageWorks MSA1000
現在の「FACT」のシステム構成は図に示す通り。4台のHP ProLiant DL580 G2でクラスタが構成されており、この上でOracle9i RACが稼働している。このデータベースにアクセスするクライアントは、クラブツーリズムの販売センターに関しては従来通りクライアント/サーバ型のTravelWINSが利用されている。これに対して店舗向けには、Web対応したものを導入。すでに約350店舗に上る全店展開を完了している。

ここで特に注目したいのが、データベースサーバで利用するストレージの選択である。データベースを高速化するにはサーバももちろんだが、ストレージのスピードも大きな影響を与えるからだ。

このシステムではHP StorageWorks MSA1000(Modular SAN Array 1000)を採用。その理由は大きくふたつある。ひとつはIAサーバとの親和性が高いこと。もうひとつはコストパフォーマンスが高いことだ。以前のシステムで利用していたストレージ製品に比べて価格が安いにもかかわらず、2Gビットのファイバチャネルでサーバと接続でき、ディスクアクセスのスピードを飛躍的に向上させている。このストレージとHP ProLiant DL580 G2の組み合わせによって、レスポンススピードは以 前の3倍にまで高まっているという。

また拡張性の高さも重要なポイントだ。現在のシステムでは36.4GBのディスクドライブを24台搭載し、冗長性を考慮しながら約480GBの容量を確保しているが、MSA1000は最大42台のドライブを搭載できるため、単純計算で1.5TBまで容量を拡張できる。またディスクドライブに最大容量のモデルを利用すれば、容量の上限は6TBにも達するのである。

「新しくなった「FACT」なら会員数が1000万〜1500万になっても十分耐えられるはず」と浅妻氏。近畿日本ツーリストはHP ProLiant とHP StorageWorks、そしてOracle9i RACの組み合わせによって、戦略事業の成長を支える基盤を確立したのである。

近畿日本ツーリスト株式会社 会社概要

所在地: 東京都千代田区神田松永町19-2
代表取締役社長: 高橋 秀夫
資本金: 75 億7937 万4270 円
設立: 1955 年(昭和30 年)
事業内容: 旅行業
URL: http://www.knt.co.jp/

  本ページに記載されている情報は2003年6月時点のものになります。
閲覧される時点で変更されている可能性がありますので、予めご了承下さい。
 
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