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いすゞ流の考え方を盛り込んだ製品開発システムへの進化

いすゞ自動車株式会社

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いすゞ流の考え方を盛り込んだ製品開発システムへの進化
グローバル市場のニーズに対応する開発体制に向けたITの取り組み

いすゞ自動車は、かつて資本関係のあった米ゼネラルモーターズ社(GM)が作成した標準テンプレートに基づくPDM(製品情報管理)システムを導入し、両社の共同開発などに利用してきた。しかし、その後の資本関係の解消などを経て、「いすゞ流」のPDMのあり方を模索。新興国を中心としたグローバル市場に向けた製品開発力の強化を目指している。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
PDF(603KB)
いすゞ自動車株式会社

目的

アプローチ

商用車のグローバル市場における競争力を強化するため、新興国のニーズや事情に合ったトラックを、より短期間かつ低コストで開発できる体制を確立する
いすゞ自動車独自の考え方を盛り込んだPDMシステムの標準テンプレートづくりを開始
PDMシステムの核となるソフトウェアを最新バージョンへアップグレード
仮想化環境を採用したエンジニアリング業務システムの統合インフラを構築

システムの効果

ビジネスへの効果

車両1台分のDMU(Digital Mock-Up)を表示するレスポンスを従来の3倍にスピードアップ
年間のシステム運用コストを削減
いすゞ自動車における開発業務のグローバル化への準備が整った

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お客様背景

新興国の多様なニーズに応えるトラックの開発リードタイムを短縮

「商用車とディーゼルエンジンにおけるグローバルリーディングカンパニーを目指す」というビジョンを掲げるいすゞ自動車に今、世界の自動車市場から注目が集まっている。
温室効果につながるCO2 の排出量削減に代表される環境問題への対応が迫られる中で、ディーゼルエンジンがあらためて評価されているのだ。一方では、ディーゼルエンジン開発の高度化、高コスト化といった負担の軽減を求め、自動車メーカー間のグローバルな技術提携や新しい協力関係構築の機運が高まっている。こうした状況下で、日本・米国・欧州それぞれの厳しい環境基準に適合するディーゼルエンジンをフルラインナップで有する同社への期待が、ますます高まっているわけである。
とはいえ、いわゆるリーマンショックが引き金となって世界が同時不況に陥って以降、同社の主力商品であるトラックの需要も低迷が続いている。いち早く黒字回復を遂げた同社といえども、かつてのような需要の回復は期待できそうにない状況に立たされているのだ。先進国を中心に、これまでドア・ツー・ドアで物を運んできたトラックによる物流体制が、エネルギー効率の観点から見直される傾向にもある。

そこで新たなターゲットとなるのが、アジア、アフリカ、中南米といった地域における新興国の市場である。ただ、一口に新興国と言っても、経済の発展レベルや道路事情、法規制はまちまちであり、自ずとトラックに対するニーズも国ごとに大きく異なってくる。
そんな現状を見据えつつ、「さまざまな国のニーズや事情に合ったトラックを、いかに短期間で開発し、なおかつ低コストで提供できるかが、ますます重要となっています」と語るのが、同社CAE・システム推進部IDEPグループのグループリーダーを務める種川義則氏である。

いすゞ自動車株式会社 種川 義則 氏
CAE・システム推進部
IDEPグループ
グループリーダー
種川 義則 氏
「海外向けの製品では、お客様の使い方も使用される環境も異なりますし、各国により異なる排ガス規制や安全基準等に対応する必要もありますので、国ごとに異なる仕様の製品開発が求められます。弊社の売り上げの6割以上は海外向けですが、海外売り上げ比率は今後もさらに高くなると考えられますので、今後も海外向け製品の仕様は増えるでしょう。
製品を効率的に開発するために、当社ではデジタル開発と呼ぶコンピュータシミュレーションを活用したフロントローディングプロセスを取り入れています。デジタル開発では、実機を製作する前の段階でコンピュータシミュレーションを活用することにより、改良点の早期発見と早期改良を進めることができるようになります。このため、実機評価の段階で改良点が発見されることによる手戻り作業の発生を大幅に減らすことが可能となり、開発に要する時間と費用を削減することができるようになりました。
このようなプロセスの切り替えにより、多くの国々で要求される仕様を反映した製品開発を、プラットフォームの企画検討段階から進めることが可能となっています」



GMとの共同開発に重点を置いたPDMシステムを導入

もっとも、プラットフォームの設計段階から、国ごとに異なる多様な仕様を織り込んでいくとなると、そのバリエーションは数百種類にも及ぶ。また、CADによる3次元モデルや設計図面のほか、多数の構成部品を管理するBOM(Bill of Materials:部品表)、設計プロセスや生産プロセスに関する指示書や手順書、規定など、そこで管理しなければならない情報も膨大になってくる。
そうした中で同社が注力しているのが、PDM(Product Data Management:製品情報管理)への取り組みである。PDMは、その企業におけるモノづくりの思想や体制、プロセス、ルール、ノウハウなどをそっくり反映させたシステムといっても過言ではない。
裏を返せば、PDMシステムを本当に実のあるものとして開発業務に定着させるまでには、非常に大きな困難がともなう。一般的なパッケージ・ソフトウェアのように、単に導入しただけで問題を解決することはできない。ベンダーから提供されたテンプレートを多大な労力と時間をかけてブラッシュアップし、自社に適合させていく必要がある。

同社にとっても、そうした作業にゼロベースで取り組むのは重荷であった。そこで採用したのが、当時資本提携を結んでいた米ゼネラルモーターズ社(以下、GM)が作成したPDMシステム構築時の標準設定集(以下、GMテンプレート)である。
そこに記された“ルール”に従って、PDMシステムを構成するさまざまなハードウェアやソフトウェアの導入や運用、バージョンアップを行うのである。これにより、いすゞ自動車は短期間のうちにGMのノウハウを利用することが可能となるわけだ。また、いすゞ自動車とGMの両社は同じPDMのコンセプトに基づいて、CADデータをはじめ、スムーズな設計・開発情報のやりとりを実現することができる。
「もともとGMテンプレートはGMとの共同開発の必要性から導入したのですが、さすがに何千人ものエンジニアの手によって熟成されてきたものだけあって、非常に優れた仕組みでした。そこで、GMとの共同開発以外のプロジェクトでもこのテンプレートをベースに採用し、いすゞ自動車独自のBOMとの連携や設定を施したカスタマイズを行いながら、利用を続けてきました」と種川氏は語る。


GMテンプレート絶対主義から脱却しいすゞ流のPDMシステムを模索

実際、いすゞ自動車はGMテンプレートに定義されたITインフラを導入するとともに、PDMシステムの核となるTeamcenterやCAD/CAM/CAEソフトウェアのNXといったアプリケーションについても、GMと足並みを揃えて導入やバージョンアップを行ってきた。
ただ、GMとの共同開発の枠を越えたビジネスを他社との連携のもとで展開していく、あるいは新興国を中心としたグローバル市場により積極的に打って出るためには、やはりいすゞ自動車として独自の取り組みが欠かせない。

そうした中で大きな転機が訪れた。2006年4月におけるGMとの資本関係の解消、そして同年11月に実施されたトヨタ自動車との資本・業務提携の締結である。
「これまでは、GMテンプレートがすべての開発業務の前提に位置づけられていたため、いすゞ自動車にとって何が良い方法なのかを考える余地がありませんでした。資本提携が解消された今、それが可能となったのです。GMテンプレート絶対主義から脱却し、あらためて『いすゞ流』とはどうあるべきかと考え始めました。もちろん、GMテンプレートを捨て去るわけではありません。GMテンプレートをベースにしつつも、そこに我々なりの考え方を盛り込みながら自力で育てていく、すなわち『いすゞテンプレート』を模索していこうというチャレンジが始まりました」と種川氏は語るのである。



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ソリューション

いすゞの企業規模に最適な統合インフラを自ら考え整備していく
いすゞ自動車株式会社  飯窪 光徳 氏
いすゞテンプレートを目指した最初の一歩となる取り組みが、PDMシステムを支えるITインフラの導入である。
「いすゞ自動車の企業規模にあった最適なIT環境を、自ら考えながら整備していく」という方針のもと、同社は2009年6月にHPの提案による新たなITインフラの導入を決定した。同社CAE・システム推進部IDEPグループの飯窪光徳氏は、その経緯を次のように説明する。
「私たちは2005年頃からHPのサポートを受け、いすゞ自動車のITインフラとしてのあるべき姿(To-Be)を描きつつ、さまざまな業務システムの統合を推進してきました。そこに今回、新たにPDMシステムも統合していこうという流れになったのです。HPは、アプリケーションの検証環境を柔軟にプロビジョニングできる仮想化環境や、障害発生時に莫大なデータを短時間で復旧できる仕組みなどを用意してくれました。マーケットの変化に迅速に対応することができ、なおかつ安定したインフラ運用の実現を目指していた当社にとって、まさに最適と思われる提案でした」
CAE・システム推進部
IDEPグループ上級職
飯窪 光徳 氏

もっとも、その後のプロジェクトが順風満帆に進んだわけではない。
「GMテンプレートから外れてHPのハードウェアを使うにあたり、具体的にどんな項目について、どこまで検証を行えばユーザーに対して動作を保証できるのかも暗中模索の状態でした。また、次のステップとして実施するTeamcenterとNXの同時バージョンアップに関しても、作業量や難易度などの全体ボリュームを正確に見積もることができる人材がいませんでした」と種川氏は語る。
こうした多くの苦難を経験したものの、同社は、2009年8月末に新インフラをカットオーバー。そして同年11月末、最新バージョンとなったTeamcenterならびにNXの運用開始へと漕ぎ着けたのである。


いすゞ流のPDMシステム
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効果と今後の展望

より需要に近い場所でよりニーズに密着した開発体制を構築する

「いすゞテンプレートの土台となる各種ドキュメントの整備はまだできておらず、目標の達成度はようやく30%といったところでしょう。これを出来る限り早期に、本当の意味でテンプレートと呼べるレベルまでブラッシュアップしていくことが、私たちにとって最優先の課題です」と、種川氏が現状を評価する目は厳しい。
しかし、そうした中からも、いくつかの成果が現れてきた。
「システムの改善効果を定量的に把握するための一つの指標として、約1万点の部品で構成されている車両1台分のDMUがCAD画面に表示されるまでの時間の測定を行いました。その結果、ハードウェア・プラットフォームをリプレースした時点で2倍、アプリケーションをバージョンアップした時点でさらに20 〜 30%、トータルで3倍近いスピードアップが実現されていることが明らかになりました。また、TeamcenterとNXのバージョンアップにともなってシステムの保有データ量は以前に比べて大幅に増大しているにもかかわらず、年間のシステム運用コストを下げられそうな見通しです」

現在、中国、タイ、アメリカといった国々に開発拠点を展開しており、これらのサイトで個別に運用しているPDMシステムについても、インフラの再構築やソフトウェアのバージョンアップを行ってレベルを統一し、国境を越えたシステム間の連携を実現している。
同社は、アジアやアフリカ、中南米といった地域の新興国のニーズや事情に合った製品を、より短期間かつ低コストで開発できる体制を構築することが、今後のグローバル市場における競争力強化のポイントだととらえている。そこで目指すのは、開発業務そのもののグローバル化に他ならない。より需要に近い場所で、よりニーズに密着した製品開発を行える体制を築いていくのである。IT部門には今後もさらなるビジネスへの貢献が期待されている。

いすゞ自動車の開発部門を対象に、これまでの約25年間という長期にわたってシステム運用サポートを提供してきたのがEDSである。特に2005年からは、エンジニアリングシステムに関する5年間のサポート契約を締結し、Teamcenter やNXをはじめとするPDMシステムの運用管理をアウトソーシングで受託してきた。そして、2008年5月にHP がこのEDSを買収したことを受け、いすゞ自動車は2010年にHPとの間でさらに5年間のサポート契約の延長を行った。こうして、作るエンジニア(HP)と運用するエンジニア(EDS)がシームレスに連携したサポート体制が整ったことになる。
「HPとEDSが一体化したことによる相乗効果が、具体的にどのような形で表れ、私たちに提供されることになるのか、さらなる奮闘を望むところです」と種川氏は、今後のHPに対する期待を語る。


10GIGA(カーゴ)

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会社概要

いすゞ自動車株式会社
所在地: 東京都品川区南大井6-26-1 大森ベルポートA館
代表取締役社長: 細井 行
資本金: 406.44億円(2010年3月末現在)
売上高: 単独:649,533百万円(2009年4月〜2010年3月)
従業員数: 単独:8,104人(2010年3月末現在)
創業: 1916年
事業内容: 大型・中型・小型トラック、バス、自動車用ディーゼルエンジン、産業用ディーゼルエンジンの製造販売
URL: http://www.isuzu.co.jp/このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 製造業
  IT コンソリデーション、アプリケーション管理サービス、CAE、PLM/PCL
  HP IntegrityHP Blade SystemHP StorageWorks XP ファミリ
  HP Insight Dynamics VSEHP Systems Insight ManagerHP-UX

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