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EDMSによるITアウトソーシング事例

キヤノン株式会社

導入事例

キヤノン株式会社
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ITアウトソーシングにより本来の業務に集中
より創造的なビジネス環境を目指すキヤノン株式会社

キヤノン株式会社は、下丸子(東京)、取手(茨城)、富士裾野(静岡)の3拠点にまたがる数千台のPCからなるOA環境の管理を、HPのEDMS(エンタープライズ・デスクトップ・マネージメント・サービス)を利用してアウトソーシングしている。それまでは、社員が本来業務の時間を割いて行っていたデスクトップ管理が一元化され、安定した情報インフラが実現した。ユーザによる運用管理の負担が減ったことにより、社員は、本来のより創造的な活動に注力することができるようになった。
ビジネスの背景
システムの導入
システムの課題
評価
将来の展望
会社概要
 

事例キーワード

業種: 製造業/電気・電子
ソリューション: 企業情報インフラアウトソーシング
システム Microsoft

ビジネスの背景

 
映像技術とデジタル技術のキヤノン株式会社

キヤノン株式会社―独創的で高度な映像技術とデジタル技術により、カメラ、複写機、プリンタなどの分野で、イノベーティブな製品を市場に送り出してきた企業である。技術指向・創造指向が強い企業文化を背景に、 スキャナ、デジタルカメラ、薄型ディスプレイ、次世代半導体ウエハなどにも果敢な取り組みを示している。

情報通信とマルチメディアがキーワードとなる時代にあって、映像とデジタルはさらなる発展が期待できる領域である。そして、キヤノンがこの分野で活躍することも、また間違いのないことだろう。

キヤノンは、東京都大田区下丸子本社を中心に、国内約14拠点で開発、製造、スタッフなど約2万人の社員が業務に従事しており、そのうち約1万5千人がコンピュータのOA環境を使用している。全体としては約1万6千台のPCがネットワークに接続する形でインフラが整備されている。

地理的にも分散しており、ユーザ数もPCの数も多い。これほどの規模の情報インフラとなれば、その運用と管理は相当な労力となることは予想できる。だがキヤノンでは、ネットワークとデスクトップ環境の運用管理をアウトソーシングしている。一般ユーザもキヤノンIT部門も、 負担となる作業に悩まされることなく、本来の業務に取り組んでいる。ITアウトソーシングを効果的に活用している事例である。


システムの導入

 
HP EDMSで、ユーザからの質問・修理窓口は一本化

現在、キヤノン本社部門、及び開発部門の一部で約5千数百台のPCが、HPが提供するアウトソーシングサービスであるEDMSの管理下におかれている。ユーザのトラブルは、どんな種類であっても、すべてEDMSヘルプデスクで扱われる。つまりユーザは、コンピュータに関する問題が発生したら、単一の内線番号に電話すればよい。トラブルの種類を判別したり、どこに連絡すべきか考える必要は一切ない。「シングル・ポイント・オブ・コンタクト」と呼ばれるEDMSの特長である。  

情報通信システム本部 本部長 仲本正紀氏はこう語る。

「EDMSは、ユーザに好評です。なにしろ、アプリケーションの使い方から、ハード部品の交換まで、同じ番号に電話すればいいのですから。以前も、パソコン好きの社員が本来業務の時間を割いてサポートしてくれていました。しかし、このようなサポート体制では、サポートレベルのばらつきが大きい。それに、パソコンやネットワークのトラブル対処をしている分だけ、その人の本来の業務ができなくなる。これは、生産性の低下をまねき、企業としては大きな損失になるんです。」

EDMSによる窓口一本化
  EDMSによる窓口一本化
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仲本氏が指摘する「生産性の低下」は、多くの企業に、目に見えない形でダメージを与えている。本来、効率を上げるために導入したはずの情報技術が、別な形で弊害を生み出している。この深刻な事実に目を向けるべきだろう。

EDMSでは、電話で解決できない問題に対しては、エンジニアが直接出向いて対応する。そのためのHPのEDMSスタッフが各拠点に配置されている。さらには、FAQ(頻繁にたずねられる質問とその答)をオンラインでサービスするなど、イントラネット構築もEDMSの一環として行っている。


システムの課題

 

95年から情報インフラを刷新、Windows® PCベースへ

情報通信システム本部 グローバルネットワーク推進部 部長 南島 俊夫氏
ここで、キヤノンの情報インフラがどのように推移してきたかを簡単に紹介しよう。大きな変革は1995年からはじまった。

情報通信システム本部 グローバルネットワーク推進部 部長 南島俊夫氏によれば―

「95年、Windows95が出ました。そこで、OA環境をWindowsとその上の標準的なアプリケーションで統一しようと計画したのです。それま では、1人1台のPCがゆきわたっていたわけではなく、 2人に1台くらいですかね。しかもMacが多かった。MacとWindowsの比率は3:1くら い。つまり、Windows PCを使っている人は8人に1人でした。それを、全員にWindowsを使ってもらうことにしたのです。」

随分と思い切った変更だが、その動機を仲本氏は次のように説明する。

「もちろん、ユーザから不満の声もあがりました。しかし、これはやらなければならない。その当時、我々IT部門として危機感を抱いていました。デザイン 系はMacを好み、技術系はUNIXを使い、 という状態は当然としても、一般のオフィス業務にもMacが多用されて混乱していました。会社としての方針の ないまま放っておくと手が付けられない状態になると思い、多少強引にでも標準インフラを作ろうとしたわけです。」

この計画は順調に進展し、96年中には1万1千台のWindows PCが導入されることになった。しかし問題がないわけではなかった。そのなかでもサポートの問題は深刻だった。PCの使い方の指導、ハードウェア故障に際 しての部品交換などだ。 情報システムの規模が大きくなると、これらの負担は無視できない量になる。

技術情報システム 第二推進部 部長 嶋岡浩嗣氏がふりかえる―

「パソコン委員の制度を設けて対処したのですが、不十分でした。サポート要員は、ユーザ500人に1人くらいの割合ですから、手が回りません。なんとかしなくては、と悩んではいたのです。」

そんなおり、ひとつの事件が持ち上がった。

アウトソーシングのきっかけは、2週間で1000台のPC設置の要求

技術情報システム 第二推進部 部長 嶋岡浩嗣氏
96年10月、技術系の部門が情報インフラを導入する上で約1000台のPCを、なんと2週間で導入設置、完全に動かす要望が出てきた。

「これは、キヤノンのIT部門だけではとてもできない。そこでユーザ部門と協議し、HPが提供するアウトソーシングを利用してもらいました。1000台の導入設置、それから安定運用までの面倒をみてもらおうと。」(嶋岡氏)

この判断は正解だった。HPの協力のもとに、1000台のシステムが無事に運用開始できたのである。これをきっかけに、HP EDMSの効果が認識された。

南島氏によると―

「この時点でのアウトソーシング利用は、その後のキヤノンに於けるインフラ管理の方向性を決定したといってもよい。」

その後、下丸子、富士裾野にも導入が進み、現在、事務系、技術系合わせて5千数百台ほどのPCが、HP EDMSによって運用管理されている。

これにより、IT部門の仕事の性質も変わってきた。運用管理からは手が離れるので、調査・企画、戦略の策定などがIT部門の大きな役割となった。また、ユーザからの要求・要望もEDMSヘルプデスク経由であがってくるので、 それらにも応えていかなくてはならない。IT部門は、実際のエンドユーザのニーズに基づきサービスを企画・実現する。その結果、ユーザから信頼を得ているのである。このような業務内容の変化は、ユーザが本来の仕事に回帰したのと同様、 IT部門としてもっとも重要な作業に時間をさけるようになったといえるだろう。

評価

 

アウトソーシングしてわかったユーザの不満と非効率性

南島氏はアウトソーシングの別な効果を指摘する。

「我々の所でも、まだ全社的にHP EDMSを導入するには到ってないのです。それというのも、部門によってはまだ有志社員で運用管理をやっているところがあり、『なんとかなっている』という認識があるんですね。 実際には、この『なんとかなっている』状態でユーザは相当不満を抱えているし、仕事の効率も落ちているんです。だが、そのことが分かりにくいんです。」

HP EDMSを導入すると、連絡が簡単で、しかも気楽に聞ける/相談できるので、ヘルプデスクへの問い合わせは急増する。以前は、「面倒だ」「時間がかかる」「どこに聞いていいかわからない」といった理由で、 我慢していたユーザ達が一斉にヘルプを求めてくる。つまりそれ以前は、アプリケーションの使い方が分からないまま、非効率な作業をしていたり、ハードウェアが故障したまま放置されたり、あるいはそれらの対処で仕事の時間が浪費されていたことになる。

このような潜在的な不満や無駄は、HP EDMSのような高水準のサービスを導入してはじめて明らかになることだろう。さらに南島氏が続ける。

「各部門における情報共有などは、草の根的にはじまったので、すべてはIT部門の管理下にはありません。まだ『俺のサーバ』という意識が残っていますから、急激には変えにくいですね。」

現代のビジネスの形態では、専門的だが本来の業務から切り離せる仕事は外部に委託するのが常識である。情報技術に関しては、かつての「自社独自システムを作り込む」という発想から抜け切れていないため、自社でまかなっている例もまだ多い。 しかしこれは、不十分なサービスを高いコストで実現していることになる。キヤノンは、この非効率性に気づきアウトソーシングを進めているのだ。


将来の展望

 

全社一様なシステムへ、そしてデータセンター構想へ

IT部門では、HP EDMSがTCO削減には非常に効果があることを認識している。しかし、全社的に均一なサービスを提供するのはこれからの課題だ。南島氏が今後の展望を語る。

「ハードウェアに関しては、標準PCの規定が定着しています。しかし、全社的には利用ソフト中心に、まだばらつきがあります。これでは、例えば人事異動 などで困ることになります。部署が変わっても、たとえ海外にいってさえ、どこでも一様な環境があれば理想的ですね。これからシステム全体をリフレッシュす る時期になります。HP EDMSの特長のひとつは、システムのライフサイクル全体をサポートすることだから、これを機に部門毎のサーバの統合をIT部門主導でやっていけたら、と 思います。」

もちろん、HP EDMSには、機器やOSの入れ替え、サーバ管理も含まれる。「金太郎飴」的な一様なシステムには仲本氏も同意する。

「基本的なOA環境は同一にすべきです。もちろん、業務で必要なマシンやソフトウェアがあるでしょうが、それはチームや個人の責任で入れればいい。全社の情報インフラとは別ですから。」

キヤノンでは、基幹系システムはメインフレームやUNIXサーバが使われている。仲本氏は、この基幹系のダウンサイジングとアウトソーシングも射程に入れている。

「サーバが分散して運用されているメリットもありますが、やはりインフラとしては信頼性に問題がある。インフラ部分に係わる運用管理は、ユーザからIT部門へと移管し、アウトソーシングすべきでしょう。最終的には、基幹系も含めて一括アウトソーシングを考えています。それがデータセンターの構想です。」  

社外のノウハウを活かして、社内の創造性を躍進させる。キヤノンの理念「共生」は、こんな意味も含むのかも知れない。


会社概要

キヤノン株式会社
本社所在地: 〒146-8501 東京都大田区下丸子3-30-2
代表取締役社長: 御手洗 冨士夫
資本金: 1,630億3,300万円(1998年12月末)
年商: 15,667億円(1998年12月末)
従業員数: 18,436名(1998年12月末)
設立: 1937年
事業内容: カメラ、映像事務機、医療機器、化成品、コンピュータ周辺機器、光学機器(ステッパー)等の開発・製造・販売
URL: http://canon.jp/

  本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。  
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