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災害時の事業継続性を確保するDRサイトを沖縄に新設

カルビー株式会社

導入事例

カルビー株式会社
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HP StorageWorks XP10000の遠隔データ複製ソリューションと豊富な事例を基にしたテンプレートの活用で最適なITCPを実現

カルビーは、SAP R/3を中心とする基幹システムの災害対策に取り組み、首都圏のデータセンターが被災した際にも事業継続を実現するため沖縄にデータセンターを新設し、DRシステムを構築した。その両拠点間の距離は1600kmを超えており、国内では最長級である。
既存のIT資産を活用することで、新規投資を極力抑え、HPの技術やノウハウをベースすることで、約6カ月での短期構築を実現した。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
PDF(497KB)
カルビー株式会社

目的

アプローチ

首都圏直下型地震などの災害が発生し、システムを設置している首都圏データセンターが被災、あるいは地域の通信網が寸断されて機能停止に陥った場合のBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定し、リスク対策を実施する。
BCPの実現には、ITCP(IT Continuity Plan:IT 継続計画)が重要であることから、自社を支える基幹システム、EDI システム、電子メールシステムを対象とした災害対策を実施した。
首都圏データセンターとの同時被災の確率が低く、コスト低減策のある沖縄にデータセンターを新設
通信回線を最大限活用可能な筐体間ミラーリング機能を提供するHP StorageWorks XP10000ディスクアレイを両拠点に導入。導入済みのHP StorageWorks EVAを外部ストレージとして活用
HPが用意したITCPのテンプレートを活用し、効率的にITCPを策定

ソリューションの効果

ビジネスへの効果

被災後4時間以内に、被災前30分以内の状態で業務再開が可能
ハードウェアレベルのミラーリングにより、シンプルな運用を実現
既存IT資産やITCPテンプレートを活用したコスト低減
災害の影響が、取引先や協力会社まで及ぶのを防ぎ企業の社会的責任を果たす
首都圏と沖縄の“ツインセンター構想”を推進し、事業の運営体制を強化

カルビー株式会社 ヒット商品「ポテトチップス」

お客様背景

基幹業務処理の集中化の一方で急務となる災害対策

戦略グループ IT企画チーム リーダー 梶ヶ野 恭行 氏
戦略グループ
IT企画チーム リーダー
梶ヶ野 恭行 氏

「掘りだそう、自然の力。」をコーポレートメッセージに、消費者と産地生産者を結ぶネットワークを築いてきたカルビー。スナック菓子業界のリーディングカンパニーとして、同社は1964年に発売開始した「かっぱえびせん」をはじめ、「ポテトチップス」「シリアル」「じゃがりこ」など、数多くのヒット商品を世に送り出してきた。例えば最近の注目商品としては、皮付きポテトを丸ごとカットしたスティックタイプの新食感スナック「ジャガビー」などが挙げられる。カルビーはこうした斬新な商品の提案を通じて、スナック菓子の市場に次々に新しいジャンルを確立し、ビジネスの柱として発展させてきたのである。

そして、こうしたスナック菓子の業界トップに立つカルビーのビジネスを支えているのが、SAPのERPソリューションSAP R/3である。カルビーは、SAP R/3をベースに財務会計から管理会計、販売管理、在庫・購買管理、人材管理までを一貫してカバーする基幹業務システムを構築。HPのHP Integrity サーバやHP StorageWorks 4000 Enterprise Virtual Array (HP StorageWorks EVA)などによって構成されたITインフラ上で運用を行ってきた。全国各地に展開するカンパニー、工場、営業拠点、物流センターの主要業務を同システムによって集中処理することで、経営のスピードアップと効率化を図ってきたのである。
AlphaServer+SAP R/3で構築した基幹システムを新たなプラットフォームHP Integrityへマイグレーション

しかしながら、こうした業務の集中化は、その一方で大きなリスクを伴う。カルビー戦略グループ IT企画チームのリーダーを務める梶ヶ野恭行氏は、このように語る。

「万一、首都圏直下型地震などの災害が発生し、システムを設置しているデータセンター(川崎市)が被災、あるいは地域の通信網が寸断されて機能停止に陥った場合、その被害は災害とは関係のない地域にまで及んでしまいます。当社だけが損害を受けるならまだしも、卸や小売チェーン、生産者、資材の購入先、配送会社など、取引先や協力会社の皆様の死活問題に関わる事態にまで影響が拡大する恐れがあるのです。企業の社会的責任を果たすためにも、適切なBCPを策定し、リスクを最小化しなくてはなりません」

「4時間以内にシステム再開、被災前30分以内の状態」へ。復旧する体制を目指す

フィールドサポートセンター 情報システム運用チーム 西村 良彦 氏
フィールドサポートセンター
情報システム運用チーム
西村 良彦 氏

では、どうのような方法によって事業継続性を確保すればよいのか。

カルビーはまず、システムが機能停止に陥った場合、拠点ごとにマニュアルを作成し、システムで行っていた業務を手作業で続行する方法を検討してみたという。しかしながら、これはとても現実的なものとは思えなかった。

「良くも悪くも、社員はみな自動化された体制に慣れてしまっており、例えば、受注伝票を手作業で発行しようとしても、商品コードや顧客コードさえもすぐには出てきません。結局、日常的に社員のトレーニングを行っておかないと緊急時に対応することは不可能であり、机上の空論に終わってしまうのです」と梶ヶ野氏は言う。

そこでカルビーが行き着いたのが、「ITCPを策定してBCPを実現する」という結論だった。すなわち、システムが災害等によって機能停止した場合には、異なる場所に設置されたバックアップ用のシステムに切り替えて業務処理の続行を図るのである。

このITCPを策定するにあたって最も重要となるのは、以下の三つの項目だ。

  • 対象システム
  • RTO((Recovery Time Objective:目標復旧時間)
  • RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)

社内で使われているあらゆるシステムを対象として、RTOとRPOのどちらもゼロを目指す、つまりメインシステムが被災したら瞬時にバックアップシステムへ運用が切り替わり、1ビットのデータの欠落もないことが理想となる。

しかしながら、ゼロに近づけようとすればするほど、技術的なハードルは高くなり、コストも膨らんでいく。したがって、業務の実態や緊急度を考慮しながら、適切な「落としどころ」を見極めることが重要となる。カルビーのフィールドサポートセンター情報システム運用チーム 西村良彦氏は、そうした中で導き出した方針を次のように語る。

「当社の事業継続において不可欠なシステムは、SAP R/3上に構築された基幹業務システム、EDI(電子データ交換)システム、電子メールシステムの三つです。万一、これらのシステムが機能停止した場合、具体的にどれくらいのRTOとRPOで復旧するなら業務の続行が可能なのかを、各拠点の現場の人たちにヒアリングしました。その結果、『4時間以内にシステムが稼動を再開し、データが被災前30 分以内の状態に戻るのであれば、何とか持ちこたえられる』という回答を得ました。この目安が、当社のITCPにおける目標となっています」

こうして2006年6月にカルビーは、日本ヒューレット・パッカード、日本総研ソリューションズ、ファーストライディングテクノロジー(FRT) を中心とした災害対策プロジェクトを開始した。


ソリューション

ハードウェアレベルの遠隔データ複製ソリューションを採用

災害復旧を実現するには、まずは確実なデータ保護が基本だ。これは、基本的に遠隔地のサイト (データセンター)間で同じデータを保持することによって実現できる。

もっとも、データの保持の方法はさまざまだ。テープを使ってデータを受け渡しする方法、アプリケーションの機能を使って差分データをこまめに送る方法などがある。RTOやRPOを達成できるかどうか、投資コストは許容できる範囲内か、運用は容易か、といった観点から適切な方式を選択することが必要だ。 そうした中でカルビーの目に留まったのがHPからの提案であった。

HP StorageWorks XP10000ディスクアレイを遠隔地の二つのサイトに設置。同ストレージがもつ「筐体間ミラーリング機能」を利用し、ネットワーク経由でデータをリモートコピーするというものだ。

「筐体間ミラーリング機能は、ハードウェアレベルで同期を取りながらストレージ全体のデータを自動的にコピーするため、個々のアプリケーションやデータベース側でその処理を意識する必要は全くありません。シンプルな運用を実現して管理者の負担を最小限に抑えるとともに、データ欠損に対するリスクを下げることができるという意味で、私たちにとってベストな方式でした。当初懸念していたコストも、当社のIT予算に収まる範囲内であり、HP StorageWorks XP10000ディスクアレイは、非常にメリットの大きなソリューションであると判断しました」と、西村氏は評価する。

そして、最終的な導入の決め手となったのが、HP StorageWorks XP10000ディスクアレイの実績である。

「HP StorageWorks XPシリーズは、非常に遠距離間のデータコピーにも利用されていることを知りました。こうした豊富な導入実績と、HP自身が持っているDRシステムの構築・運用ノウハウに大きな安心感を得ました」と梶ヶ野氏は言う。

もちろん、既設のHP StorageWorks EVAも外部ストレージとして利用できる。これによって首都圏センターのHP StorageWorks XP10000ディスクアレイに大容量のディスクを追加しないで済み、機材としての新規投資を低減。さらにHP StorageWorks EVAからHP StorageWorks XP10000ディスクアレイにデータ移行を行わずに済むために構築期間を短縮でき、コストも抑えられる。

既存のIT資産の有効利用を図り、トータルコストを削減

HP StorageWorks XP10000ディスクアレイの筐体間ミラーリング機能ならではのもう一つのメリットは、距離による制限を受けることなく、ほぼリアルタイムでデータをコピーできるという点だ。これによりカルビーは、フリーな視点からDRサイトを設置する地域を検討することができたという。その結果、選んだのが沖縄の地である。

「沖縄は全国最小値の地震係数が示すとおり、もともと地震の少ない地域です。同時に、首都圏から1600km以上離れており、同時に被災する確率は極めて低いといえます。また、沖縄県は産業誘致政策に基づく各種の支援制度や優遇措置を実施しており、専用線の通信コストを安く抑えることができます。さらに好都合なことに、建屋免震や電源・通信回線の二重化といった充実した設備を備えたFRT社のデータセンターが開設されたのです。こうしたさまざまなメリットから、当社は沖縄にDRサイトを設置することに決めました」と梶ヶ野氏は言う。

もっとも、首都圏データセンターとほぼ同じ構成のITインフラを、沖縄データセンターにも新たに用意するというのでは、多大なコストがかかってしまう。そこでカルビーは、首都圏データセンターにおいて開発用サーバとして運用していたHP Integrityサーバ rx7620を沖縄に移設。そして、両センターにHP StorageWorks XP10000ディスクアレイを追加することにより、既存のIT資産を活かしながら、必要最低限の投資でDRシステムを実装するという方法をとった。

またカルビーは、災害復旧体制を立ち上げるまでの手順をまとめたHPのテンプレートをひな型として活用した。このテンプレートは、HP が災害対策分野における豊富な経験をベースに災害復旧体制を立ち上げるまでの一連の手順やフローチャートなどをまとめたものだ。こうしたテンプレートの活用も功を奏して、災害対策プロジェクトが発足してから、わずか6カ月後の2006年11月に沖縄データセンターの運用を開始した。

「ITインフラの設計はもとより、そのサービスを工場や物流などを含めた業務にいかに適用していけばよいのかなど、災害復旧体制の構築に際しては事前に解決しておかなければならない多くの問題に直面します。仮に、それらのすべてにゼロから取り組んでいたとしたら、おそらく膨大な時間を要していたと思われます。HPのさまざまな提案やアドバイスを参考にしながら、私たちの都合の良いように取捨選択できたことが、今回の短期間かつトータルコストを最適化するITCPの実現につながっており、HPのサポートやコンサルティングには非常に感謝しています」(西村氏)

「筐体間ミラーリング機能」概略図
「筐体間ミラーリング機能」概略図
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効果と今後の展望

東京‐沖縄のツインセンター構想を推進

先にも述べたように沖縄データセンターは、カルビーの業務上で最も重要なSAP R/3、EDI、電子メールの3つのシステムのバックアップセンターとして機能。首都圏データセンターが被災してストップした際にも、「生産‐出荷」「受発注」「請求‐入金」「顧客とのコミュニケーション」といった業務を最優先で保護し、継続することを役割としている。

ただし、沖縄データセンターは平常時にも単に待機しているわけではない。首都圏データセンターから移設してきたHP Integrityサーバ rx7620が、もともと担っていたシステム開発や検証といった業務もそのまま引継ぎ、沖縄において運用しているのである。

「私たちは、首都圏データセンターと沖縄データセンターを合わせ、どちらもメインのデータセンターとして使用できる“ツインセンター構想”を推進しているのです。すでに電子メールや顧客コミュニケーションのシステムは、沖縄データセンターがメイン、首都圏データセンターがバックアップという関係になっています。今後も業務への影響度の大きさに応じて、情報系システムやSAP R/3以外の基幹系システムなどについても順次災害復旧体制を整備していく予定で、二つのデータセンターを有機的に連携させながら、最適な負荷分散やサービス提供を実現していきます。また、こうした“ツインセンター構想”を推進してこそ、万一の事態でも業務継続を担えるノウハウを持った人材を、それぞれのサイトで育成することが可能となります」(梶ヶ野氏)

カルビーは今後、国内のみならず海外ビジネスをより一層拡大していく考えだ。そうした中でも特に重要なターゲットとなる東南アジアの各国とネットワークを結ぶ中核拠点として、沖縄データセンターを位置付けており、ITシステムと人材の両面から強化を目指しているのである。一方でカルビーは、グループ会社における社内業務支援機能(バックオフィス機能)を沖縄に集約し、今回構築した沖縄データセンターとの連携・融合を図ることで、さらなる高機能化を目指すという計画も持っている。

単なる災害対策という枠を超え、首都圏と沖縄のツインセンターは、カルビーのビジネスのさらなる発展を支えていくのである。


会社概要

カルビー株式会社
所在地: 東京都北区赤羽南1-20-1
代表取締役社長: 中田 康雄 氏
資本金: 27億4,503万円
売上高: (単)993億1,900万円(平成18年3月実績)
(連)1,161億9,100万円(平成18年3月実績)
従業員数(正社員): 約1,302人
設立: 昭和24年4月30日
事業内容: 菓子・食品の製造・販売
URL: http://www.calbee.co.jp/ このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 製造業
ソリューション: 事業継続・災害対策
製品: HP StorageWorks XP10000ディスクアレイHP Integrity サーバ rx2620HP ProLiant サーバDL380HP StorageWorks マルチプロトコル ルータHP StorageWorks Continuous Access XP

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