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既存システムの再整備でIT運用コスト削減と情報共有の
基盤を構築、安定的な製品供給はディザスタ・リカバリで

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

導入事例

日本ベーリンガー
インゲルハイム株式会社
人の命にかかわる医療用医薬品、提供し続ける責務を全うするためのIT戦略とは?
既存システムの再整備でIT運用コスト削減と情報共有の基盤を構築安定的な製品供給はディザスタ・リカバリで
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日本ベーリンガーインゲルハイムは、医療用医薬品を中心に取り扱う製薬企業だ。同社では2004年1月から2段階に分けて、各種サーバのコンソリデーション(集約)とディザスタ・リカバリ環境の構築を進めてきたが、この中で重要な役割を果たしたITが、HPのブレードサーバ「HP ProLiant BL20p G2」とSANストレージシステム「HP StorageWorks EVA5000」だ。
製品自体の優位性に加え、世界各国に拠点を持つHPをシステムパートナーとして選択することで、世界規模でのスケールメリットを出すことも視野に入れた。
お客様のチャレンジ
HPのソリューション
ビジネスベネフィット
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Boehringer Ingelheim

事例キーワード

業種: 製薬業
ソリューション: 事業継続・災害対策ITコンソリデーション
製品: HP ProliantHP StorageWorksHP OpenView
ソフトウェア: Windows、VMwareHP Systems Insight ManagerHP Proliant Essentials Rapid Deployment Pack

お客様のチャレンジ

執行役員 情報システム本部長 辻敏夫 氏
執行役員
情報システム本部長
辻敏夫 氏
情報基盤の整備と事業継続の確保を目指す

1961年に設立された日本ベーリンガーインゲルハイムはドイツに本社を置くベーリンガーインゲルハイムグループの日本法人だ。国内で医療用医薬品に特化した活動をしており、グループ全体では世界47カ国に143の拠点を持ち、グローバルでも常にトップ20に入る優良企業である。

医療用医薬品という“生命にかかわる製品”を扱う同社が目指すのは、製品を安定的に患者に提供しながら、同時に企業としての成長も維持していくことだ。そのためには、今や企業の“生命線”ともなった情報を処理するITを停止させることは絶対に避けなければならない。

こうしたビジネス上の要件から、同社では2004年から2005年にかけてフェーズを2つに分け、各種サーバのコンソリデーション(集約)とディザスタ・リカバリ(以下DR)環境の構築を実現した。

一連のプロジェクトの狙いを、CIOで執行役員情報システム本部長の辻敏夫氏は次のように語る。
「分散するサーバを集約することは、コスト削減の上でまず大きな効果があります。しかし我々の本来の目的は、情報の共有化を実現することでした。集約にあたって部門ごとのサーバの中身を洗い出すことで、それまでの非効率な部分や改善できる箇所が見え、これらを整理することで情報共有の基盤が整備できます」

DRについては、医療用医薬品を扱う製薬企業という社会的な責任を全うするために必要不可欠という。「どのような事態が起きても、医療用医薬品は安定的に患者さんの元に届けなければなりません。その社会的な責任を考えれば、“命綱”の一つになっているITの停止は絶対に起こしてはなりません。情報基盤の整備と事業継続の確保、この2点が今回のプロジェクトの大きな目的です」と辻氏は強調する。

実際のプロジェクトとしては、2004年1月からのフェーズ1でファイルサーバとメールサーバの集約を行い、あわせてキャパシティの増強を行った。次いで2005年1月からのフェーズ2でアプリケーションサーバの集約とDR環境の構築を行った。

サーバ集約前の既設環境

HPのソリューション

 
ブレードサーバとSANストレージで各種サーバを集約、またDR環境の構築も実現

同社のサーバ・コンソリデーションには、大きく4つの理由がある。
  1. 近年、社内でPCサーバが非常に増えてきたことに加え、人事異動や組織変更時、さらには新サーバ購入時に、サーバの移行作業に1カ月以上もかかっていた
  2. 国内独自の日本語版とベーリンガーインゲルハイムグループ共通の英語版という2つのメールシステムが混在していた
  3. 業務上でやり取りするファイルのサイズが大きくなり、より大容量のディスクが必要になってきていた
  4. 有償サポートと修正プログラムの提供が2004年末で、またオンラインサポートも2005年末で終了予定(当時)だったWindows NT 4.0のファイルサーバがまだ残っていた
そこで同社では、まずフェーズ1として、本社のある川西サイト(兵庫県)、東京サイト、支店サイト(11支店9拠点)、山形サイト(山形県)の計25台のファイルサーバと、川西本社にある計7台のメールサーバを集約し、あわせて統合ストレージの設置を計画した。

サーバ集約の詳細としては、川西に7台、東京に8台、山形に1台あったWindows NT 4.0のファイルサーバをWindows 2000サーバに移行し、川西に7台あったExchange 5.5メールサーバをまず英語環境のWindows 2000サーバに移行し、2006年にExchange 2003メールサーバに移行する。

そして、川西サイトのファイルサーバとメールサーバは、冗長構成用やバックアップ用も含め、日本ヒューレット・パッカードの提供するブレードサーバ「HP ProLiant BL20p G2」9台と1台の管理サーバ「HP ProLiant DL380 G3」に集約し、東京サイトと山形サイトのファイルサーバは、各々1台の「HP ProLiant DL380 G3」に統合した。

また記録媒体についても、日本ヒューレット・パッカードのSAN(Storage Area Network)ストレージシステム「HP StorageWorks EVA5000」1台に集約した。SAN環境を実現することで、サーバ個々に付属していたディスクを一元管理して最適化、効率化を図り、複数サーバでの共用を実現することができるようになる。

プロジェクトのパートナーとなるベンダーの選定にあたっては、各社製品のスペックを比較し、その後3社から具体的な提案を受けて、最終的に日本ヒューレット・パッカードに決定した。

情報システム本部 コーポレートサービシーズ部 テクノロジーソルーションズグループ 本田厚士氏
情報システム本部
コーポレートサービシーズ部
テクノロジー
ソルーションズグループ
本田厚士氏
その理由としてテクノロジーソルーションズグループの本田厚士氏は、「グローバルでのスケールメリットを出すために、サーバとPCはHP社製というワールドワイドのグループ全体の戦略があったこと」を挙げ、またストレージに関しては要件に適した性能、コストパフォーマンスや管理ツールなどに優れていると判断した。ちなみにベーリンガーインゲルハイムグループでは毎年3〜4回、主要11カ国の情報システム部門が集まって、戦略的パートナーの選定やハードウェア/ソフトウェアの標準化について議論し、定期的に見直しを行っている。

また辻氏は、「HPは我々の拠点のある国々のほとんどに拠点を持っているだけでなく、各種言語にも対応してくれるので、我々のビジネス上の要件も満たしている」と、日本での役割についても評価する。

このストレージ統合も含めたファイルサーバの集約は、2004年7月に機器の搬入と環境設定を行い、8月の終わりに完了した。次に2005年1月から始まったフェーズ2では、川西に7台、東京に2台あった、Windows NT 4.0サーバのアプリケーションサーバを、川西サイトの仮想サーバ環境上の7台のWindows 2000アプリケーションサーバに集約し、統合ストレージの容量もさらに増強した。

また、あわせてファイルサーバとメールサーバの二重化を図り、DR環境も構築した。
フェーズ2でも再度コンペを行い、日本ヒューレット・パッカードが最適なソリューションを提供してくれると判断、あらためてパートナーとして選定した。プロジェクトは2005年7月から実行し、アプリケーションサーバの集約は10月に、DR環境の構築は11月に完了した。

このフェーズ2で注目すべき点は、サーバの集約およびDRの仕組みとして、物理的なサーバ上に仮想的なサーバ環境を実現し、1台の物理サーバ上で複数のOSを同時に稼働させることのできるソフトウェア「VMware」を本格的に採用したことだ。
同社ではそれ以前に、実際の製品であるVMware社の「VMware ESX Server」を試験導入し、VMwareの可用性とセットアップに30分もかからない使い勝手のよさを認めていた。

また本田氏は、「米国の拠点ではVMwareを利用して、100台以上のアプリケーションサーバを、HPのブレードサーバ16台で稼動させていました。今後も各国の事例を参考に仮想化技術には注目していきたいと思います」と展望を語る。

フェーズ2完了後の統合環境
 
次にDRについては、かかるコストとパワーを考慮して、今回はファイルサーバとメールサーバを対象にした。

「緊急の事態が発生したときに、社内エンドユーザーはメールが使えないことが一番困ります。メールの到着が少し遅れただけでも、クレームや問い合わせが来ます」
また、地震や火災などでファイルサーバがダウンしたときでも、複製を用意しておけば、例えばリモートのネットワーク経由でアクセスすることで、同じデータを使ってビジネスを継続することができる。

なかなか見えにくい費用対効果については、情報システム本部で導入までの間に様々な観点から検討を加えたという。例えば「年に1〜2回、20時間以上、全従業員がメールを利用できない場合や普段利用するファイルサーバが利用できない場合」のビジネス上の損失をコスト換算し、経営層に対してプレゼンテーションを行った。

「地震に対する被害想定をかなり考えています。1995年の阪神淡路大震災のときには、川西のオフィスでも壁にひびが入ったところがありました。今は被災によって損失の出る資産が非常に多いと考えられます。事前に手を打っておく方が、何かあった後で対応するより、コストは約10倍安くつくのです」(本田氏)

具体的な環境としては、川西以外の各サイトのファイルサーバ/メールサーバを二重化してバックアップサーバを川西に置き、さらに川西サイトのファイルサーバ/メールサーバと、各サイトのバックアップサーバを外部のデータセンタに置くというものだ(外部データセンタへのバックアップは今後実施)。

同社では、HP社製の「OpenView Storage Mirroring」というレプリケーション(複製)ツールを使って、ファイルサーバの差分情報のみを、リアルタイムで更新している。メールについても同様に、アクセスするメールサーバを切り替えるだけだ。

本田氏は「実際にDRのシステムを運用する必要が出てきても、それは長期間ではありません」と語り、さらに「復旧までの何日間かの稼動が確保できればいいのです。パフォーマンスについても同様で、100%を確保する必要はありません。本番と全く同じ環境を用意するためにはコストもかかります。要は、止めてはいけない部分が復旧までの間、維持できればいいのです」と続ける。実際に同社では、DR用のサーバ環境はすべて、VMware ESX Server上で構築している。

 
ファイルサーバのバックアップ環境

ビジネスベネフィット

社内情報の整理を実現し、運用負荷も大きく削減

今回の一連のプロジェクトによって、同社は様々な効果を得ることができた。
まず第1に、社内の情報を整理できたことだ。
同社は各部門に、「OAアドミニストレータ」というIT担当者を置いており、このIT担当者が窓口となって情報システム本部とやり取りを行っている。

これまで、このIT担当者が各部門の共有フォルダの面倒を見ていたが、人事異動や部門統合などで担当者が替わったときにうまく引き継ぎが行われておらず、担当者不在のものがかなりあったという。そのため、共有フォルダを1つ1つ調べていき、新しいサーバにそのまま引き継いでいいのか、もう利用されていない共有フォルダはないかという点を細かくチェックしていった。

本田氏は「これでファイルサーバの中身をすべて把握することができました。次は全社レベルでの情報共有の仕組みを考えていきたいと思います」と今後の抱負を語る。

次にHPのブレードサーバを導入した効果として、本田氏は「省スペースと運用負荷の低減」を挙げる。
以前はPCサーバに加え、縦型の大きなサーバも相当数残っていた。これらをブレードサーバに集約したことで、現在ではラック3台分に収まっているという。本田氏は「将来的に外部のデータセンタへサーバを移すようなことがあっても、容易に対応できます」と今後のメリットを語る。

セットアップの時間も非常に短くなった。これまではサーバがダウンした場合、システムの復元までに5時間以上かかっていた。それが、HPの提供する「HP ProLiant Essentials Rapid Deployment Pack」を利用することで、1時間弱で、早ければ約30分で完了することができるようになった。

「運用負荷の軽減だけでなく、事業継続の観点からも、非常に有効な製品だと思います」(本田氏)

さらに同社では、同じくHPの提供する管理ツール「HP Systems Insight Manager」を利用することでサーバとストレージの一元的な監視を実現しており、またVMwareを導入したことで、システムを停止させることなく、仮想環境間でサーバを移行させて物理サーバのメンテナンスや障害対応を行うことが可能となった。

データのバックアップについても、HPのSANストレージに一元化し、ファイバーチャネル・ネットワークに接続された高速で大容量のバックアップが可能なテープ装置を導入したことで、サーバ個々のテープ装置の夜間バックアップとその確認といった従来の手間を1台のバックアップサーバで集約することができた。今では保守も見直し、日本ヒューレット・パッカードに標準保守から24時間365日の電話サポートを依頼している。

この他、コスト的なメリットとして本田氏は、フェーズ1でSANストレージを導入した際に採用した日本ヒューレット・パッカードの容量ベースのストレージ課金プログラム「CBP( Capacity Based Payment) for StorageWorks」を挙げる。

これはストレージシステムを一定の容量単価で購入できる導入支援プログラムで、初期投資を抑え、後から柔軟にストレージ容量を追加できるというものだ。

「当初は2TB(テラバイト)からスタートしましたが、思った以上に速いスピードでデータ容量が増えたため、この2年間で12TBにまでなりました。こうした点を考えれば、CBPを採用して本当によかったと思います」(本田氏)

同社の2006年度のシステム拡張としては、約2000台あるクライアントPCへのWindows XP SP2の適用が優先順位として高いが、本田氏は今後も、「ブレードサーバ、VMware、SANをできるだけ利用して、省スペースとハードウェア台数の抑制、運用負荷とコストの低減を進めて行くつもりです。また、グローバルでのサーバコンソリデーション・プロジェクトに参加し、協業作業や標準化に取り組んで行きたいですね」と語り、今回効果を確信した施策の維持を明らかにした。

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