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HP StorageWorks EVAを活用し、
ハードウェア層によるディザスタリカバリを実現

アステラス製薬株式会社

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メールデータを距離500km超のデータセンター間でリモート複製

国内最大規模の営業体制と研究開発体制を構築し、医薬品業界をリードするアステラス製薬は、常に中長期的な視野からITインフラの“あるべき姿”を追い求めている。同社は、HP StorageWorks EVAならびにHP StorageWorks Continuous Access EVAを導入。東京で運用するメールシステムのデータを大阪のバックアップサイトにリモートレプリケーションする、ハードウェアベースのシンプルなディザスタリカバリ体制を構築した。
お客様背景
ソリューション
効果と今後の展望
会社概要
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アステラス製薬株式会社

目的

アプローチ

重要システムのディザスタリカバリのためにソフトウェアをベースとしたリモートレプリケーションの仕組みを採用していたが、Microsoft® Exchange Server 2007システムのパフォーマンスが低下、これに替わるリモートレプリケーションの仕組みを導入する。
HP のミッドレンジディスクアレイHP StorageWorks Enterprise Virtual Array(EVA)ならびに、同ストレージに対してリモートレプリケーション機能を提供するHP StorageWorks Continuous Access EVAを導入し、ストレージアレイベース(ハードウェア層)によるディザスタリカバリ方式への移行を図る。

システムの効果

ビジネスへの効果

Microsoft® Exchange Server 2007システムにアクセスが集中した際にもサーバのパフォーマンスが低下しなくなり、安定した稼働を続けている。
RPO(Recovery Point Objective:目標復旧ポイント)については5分、RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)については4時間のディザスタリカバリ体制を確立。万が一、大規模災害に遭って東京データセンターがダウンした際にも、大阪データセンターのバックアップにより主要業務を継続できる。

お客様背景

中長期的なITインフラ整備の取り組みの中でHP StorageWorks EVAを導入

コーポレートIT部
インフラグループ
課長
塩谷 昭宏 氏
コーポレートIT部
インフラグループ
課長
塩谷 昭宏 氏
2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して新たなスタートを切ったアステラス製薬。山之内製薬の泌尿器領域の医薬品と、藤沢薬品工業の免疫抑制剤を主力商品として引き継いでおり、国内最大規模の営業体制と両社の強みを融合した研究開発体制を構築し、医薬品業界をリードしている。

同社が中長期的な視野から追い求めてきたのが、ビジネスを支えるITインフラの“あるべき姿”の実現である。同社コーポレートIT部インフラグループの課長を務める塩谷昭宏氏は、こう語る。

「社内に存在する多数の業務アプリケーションを効果的かつ効率的に運用していくためには、レベルの高いITインフラがベースになるという考えを一貫して持ち、それに従って国内におけるプラットフォームの標準化を進めてきました」

そうした中で、社内標準的なストレージ基盤として採用が進められてきたのが、HPのミッドレンジディスクアレイHP StorageWorks Enterprise Virtual Array(EVA)ならびにFCスイッチHP StorageWorks 4/256 SAN Directorで構成されたSAN環境である。

「実は2002年頃まで当社の業務サーバは、全国各地の拠点に分散し、個別に運用されていました。しかし、そうした状況下では、均質なITサービスの提供や安定したシステム運用の実現は困難です。そこで、各地に分散し、孤島化してしまったサーバを東京のデータセンターに集約すべく、全社的なITインフラ再構築プロジェクトをスタートさせました。主要リソースを1ヶ所に集めることで、ハードウェアやネットワークの冗長化をはじめとする施策が打ちやすくなり、より強固なITインフラを構築できると考えたのです。そこで目にとまったのが、当時としては圧倒的なパフォーマンスを誇り、なおかつサイズもコンパクトであったHP StorageWorks EVAならびにHP StorageWorks SAN Directorでした」と、塩谷氏は振り返る。

バックアップサイトも自ら運営し、高度な業務継続のノウハウを蓄積

同社は、各拠点に分散していた主要サーバについて、2003年内に東京データセンターへの集約を完了した。この取り組みは、その後の山之内製薬と藤沢薬品工業の合併にともなう業務統合をスムーズに運ぶための土台ともなった。

ただし、同社にとって東京データセンターへのサーバ集約は、決して最終目標であったわけではない。

主要なITリソースを1ヶ所に集めるということは、逆に言えば、それ自体が大きなリスクにもなる。データセンターそのものが地震や洪水、火災などの災害によって甚大な被害を受けた場合、業務も全面的にストップしてしまう恐れがあるからだ。そこで同社は、サーバ集約を開始した当初から、「ディザスタリカバリ体制を構築することをプロジェクトの全体構想の幹に据えていた」(塩谷氏)のである。

こうして同社は、2005年より本格的にディザスタリカバリ体制の構築に着手したのである。バックアップサイトに位置付けられたのは、同社の大阪データセンターだ。

「1つの案として、外部のデータセンター事業者へ委託することも考えたのですが、高度な業務継続性の要件を満たすバックアップサイトを社外で確保するのは非常に困難なのが実情です。大規模災害でデータセンターが被災した場合、当然そこでシステム運用を担当している人たちにも大きな影響が及びます。単純にシステムの稼働を代替するサーバがどこかにあればよいわけではなく、事前に用意されたドキュメントや運用マニュアルに基づいて、バックアップサイトの担当者が業務を速やかに再開できるよう体制を組んでおかねばなりません。大阪データセンターは、そうした人的な問題をクリアすることができ、運用ノウハウを共有化できるという面でも有利だったのです」と塩谷氏は説明する。

ハードウェア層によるシンプルなリモートレプリケーションへの方向展開

次のステップで問題になったのが、いかなる方法によってディザスタリカバリを実現するのか、である。具体的には、地理的に離れた2つのデータセンター間で重要データのリモートレプリケーション(遠隔複製)を行う仕組みがカギとなる。

同社は、メッセージングやインターネットアクセス、ファイルサーバ、ユーザー認証などのいわゆるインフラ系システムについて、ソフトウェア処理によってデータのリモートレプリケーションを行う仕組みを採用している。「特定のハードウェアに依存することなく、低コストでディザスタリカバリを実現できる」(塩谷氏)というメリットを重視したものだ。

しかしながら、運用に入った段階で一つの問題が浮上してきた。メッセージングインフラの核であるMicrosoft® Exchange Server 2007システムへのアクセスが集中した際に、そのパフォーマンスが低下してしまうのである。

2008年2月、この状況に対処するために同社は、Microsoft® Exchange Server 2007システムのディザスタリカバリ方式を見直すことにした。現状のソフトウェア方式をやめ、HP StorageWorks EVAならびに同ストレージに対してリモートレプリケーション機能を提供するHP StorageWorks Continuous Access EVAを用いたストレージアレイベース(ハードウェア層)によるディザスタリカバリ方式へと方向転換を図ることを決定したのである。

その理由を塩谷氏は、このように説明する。

「上位のユーザーサービスに近いところでソフトウェアを動かすのではなく、もっと下位のハードウェア層でリモートレプリケーションに対応することで、パフォーマンス低下の問題を解消できるはずだと推測しました。この背景には、SAPのERPパッケージを基盤とする基幹系業務システムのディザスタリカバリに関して、HP StorageWorks XP 12000に対応した同様のリモートレプリケーション機能であるXP Continuous Access Journalをすでに社内運用している実績があり、HP StorageWorks Continuous Access EVAの効果についても、ある程度の確信を持っていました」

ソリューション

災害発生から4時間以内のシステム再開、5分前までのデータの復旧を目指す

ディザスタリカバリの要件を決定する上で重要なパラメータが2つある。「RPO(Recovery Point Objective:目標復旧ポイント)」と「RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)」だ。要するに、RPOは障害が発生した際にどこまで新しいデータを回復できるか、一方のRTOは障害発生後にどのくらいの時間でシステムの稼働を再開できるかを意味する。同社は、ディザスタリカバリの対象システムについて、RPOは5分、RTOは4時間という目標を設定している。

当然のことながら、HP StorageWorks Continuous Access EVAの採用にあたっても、この要件をクリアできるかどうかが重要なカギとなる。

もっとも、この点に関しては「ある種の“割り切った”考え方を持って臨みました」と、塩谷氏は明かしている。

「ソフトウェアベースのリモートレプリケーション機能を導入する以前の段階から、Microsoft® Exchange Server 2007のデータを復旧する手段について、さまざまなケースを想定しながら検証を重ねてきました。例えば、サーバに負荷をかけている最中にネットワークケーブルを引き抜いてみるなど、突発的な事態において、どこまでリカバリが可能なのを実際に試してきました。そうした中で、たとえデータベースの整合性がとれない状態に陥ったとしても、手元にあるだけのデータを使ってMicrosoft® Exchange Server 2007の稼働を再開させる方法を、私たち自身が身に付けてきました。リモートレプリケーションのベース方式がソフトウェアからハードウェアに置き換わっても、これはまったく変わりません。不完全な状態でもとにかくデータを送ってくれてさえいれば、あとの復旧は何とかなると判断しました」

自前のデータセンターでディザスタリカバリの体制を整え、システムの復旧ノウハウを自ら蓄積してきた、まさに同社ならではの自信に裏付けられた言葉である。

ディザスタリカバリ環境の概要
  • EVA8000の筐体間コピー機能(Continuous Access EVA)によるディザスタリカバリ環境を実現
  • 本番サイトにおけるExchangeServerのボリューム(DBおよびLog)の複製を、DRサイトにほぼリアルタイムで作成
  • 災害発生時には、被災時点の直前(数分〜数時間程度)の状態に復旧可能
  • 復旧に要する時間(システムの復旧)は、4時間以内(データリカバリ〜サービス起動)を想定

ディザスタリカバリ環境の概要
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長距離のデータ伝送で避けられない遅延の問題を非同期モードのリモートレプリケーションで解決

もちろん、ハードウェア層によるリモートレプリケーションには、その他にもクリアしなければならないさまざまな課題がある。一番のネックとなるのが、距離の問題だ。

言うまでもなく理想的なのは、2つのサイトのストレージ間で常に完全に同期をとりながら、リモートレプリケーションを行うことである。しかしながら、そのためにはターゲット側でのデータの書き込みが終わるまで、ソース側は新たなトランザクションを受け付けないよう待機しなければならない。このとき2つのストレージが近くにあればよいのだが、距離が離れれば離れるほど問題は大きくなってくる。長距離の回線を経由することで発生するデータの遅延が、ストレージのI/O待ち時間を引き伸ばしてしまうのだ。

一般にこうした同期型のリモートレプリケーションで実用的な レスポンスに耐えるのは、せいぜい100km程度と言われてい る。今回のように500kmを超える東京と大阪の2つのデータ センター間でリモートレプリケーションを行うというケースに は、とても対応できない。

そうした中で、同社はHP StorageWorks Continuous Access EVAが持つ「非同期モード」のリモートレプリケーション機能に着目した。

非同期モードは、その名のとおりソース側とターゲット側で互いにI/Oを待機することなくデータの転送を行う。同社のようにRPOをある程度割り切って考えられるケースでは、非同期によるリモートレプリケーションの適用が特に効果的であり、距離に関係なく、ストレージのパフォーマンスを最大限に発揮させられるのである。

塩谷氏は、「こうした非同期モードが機能強化されたことも、HP StorageWorks Continuous Access EVAを採用した大きな要因です」と語る。

システム概要図
システム概要図
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効果と今後の展望

実質1ヶ月の短期間でシステム構築を完了。その背景にあったHPのサポート

今回のHP StorageWorks EVAならびにHP StorageWorks Continuous Access EVAの導入においてもう1つ特筆すべきは、その構築期間の短さだ。

2008年2月中旬に導入を決定。基本設計、テスト、構築までを実質1ヶ月間で終え、同年3月末には運用を開始することができたのである。

この背景にあったHPのサポートについて、塩谷氏は次のようにコメントする。

「当社として長期にわたってHP StorageWorks EVAを利用しており、その運用環境を熟知したHPのエンジニアが、今回のリモートレプリケーションの設計にもあたってくれました。両データセンターのストレージ容量の最適なサイジングはもちろん、非同期モードを活用する際の重要ポイントであるバッファサイズの設定まで、詳細な現状分析を行ったうえで適切な設計を施してくれたことで、手戻りなく導入を進めることができました」

さらに、塩谷氏は検証工程におけるHPの貢献にも言及する。

「どんなシステムを導入する際も、自分たちの手で徹底的な検証を行ってから本番へ移行するというのが、当社の基本方針です。今回のHP StorageWorks Continuous Access EVAの検証に関しては、SANのファイバチャネルからIPへの変換を行うマルチプロトコルサービスモジュールなど、当社が持っていなかった機器も必要だったのですが、HPは実機に近い環境を市ヶ谷カスタマセンターに用意し、約3週間にわたってさまざまな検証に付き合ってくれました。これによって、システム構築や運用の手順を事前にしっかり固められたことが、短期導入を成功できた最大のポイントでした」

それから約4ヶ月を経た現在も、HP StorageWorks EVAならびにHP StorageWorks Continuous Access EVAで構成されたディザスタリカバリの仕組みは安定して動作しており、Microsoft® Exchange Server 2007システムのデータを厳重に保護している。塩谷氏は、「メールが集中した際にもサーバに対する負荷をまったく感じることはなく、その存在すら忘れそうになるほどです」と高く評価する。

この成果を得て同社は、HP StorageWorks EVAを利用している他のシステムについても、個々に適性を判断しながら、ハードウェア層によるディザスタリカバリへの移行を検討していく考えだ。すでに候補に挙がっているものとしては、同社が東南アジアに展開している現地法人のメッセージングシステムがある。

「これらのシステムは、当社が日本からリモートでサービスを提供しており、日本向けとは違う英語版のMicrosoft® Exchange Server 2003を使っています。バージョンは違いますが、同じメッセージングインフラですので、ディザスタリカバリについても同じ仕組みの中に巻き取っていったほうが、運用効率からも有利になると考えています」と塩谷氏は語る。ITインフラのさらなる改善に向けて、同社は立ち止まることなく、常に前進を続けているのである。

会社概要

アステラス製薬株式会社
所在地: 東京都中央区日本橋本町2-3-11
代表取締役社長: 野木森 雅郁
資本金: 103,000百万円
従業員数: 約13,800名(連結)
設立: 1923年4月
事業内容: 医薬品の製造・販売および輸出入など
URL: http://www.astellas.com/jp/ このリンクをクリックすると、HP社外へリンクします。

事例キーワード

業種: 製薬
  事業継続・災害対策HP StorageWorks Enterprise Virtual Array(EVA)HP StorageWorks 4/256 SAN Director、Microsoft® Exchange Server 2007、HP StorageWorks Continuous Access EVA
  ミッションクリティカル・サービスMicrosoft® Windows Server 2003

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